竜崎正の独白。
今日の授業が終わり、放課後を迎える。
期末テストまで近づいているからか、生徒たちは放課後にこぞって勉強会をし始めている。
だがそんな状況でも私はそれに参加する事はしない。
寮に帰って問題作成をしなければならないからだ。
「少し良い?竜崎くん」
そんな中、私は担任の教師に話しかけられる。
普段はどの生徒に対しても慣れ親しい態度を取るが、気に入った者にはとことん依怙贔屓するらしい。
入学当初は一之瀬帆波にも執着していたが、今は私にだけこの対応をするようになった。
「ペーパーシャッフルの対戦相手が決まったんだ」
「そうですか。で、結果は?」
「そんな急かさないで?まぁ結果だけ言うなら被りはなかったわ」
「つまり対戦相手はBクラスになった、と」
想定内だった。
そして、CクラスもDクラスを選ぶことによって直接対決同士の組み合わせとなった。
この対決の結果は目に見えていた。椎名ひよりが全てを終わらせるのだろう。彼女の思考ならきっと辿り着いたはずだ、最適解に。
「なら私に言う事は終わりましたね」
そう考えつつも私は、この目の前の人間と同じ空間に居たくなかったので、足早にその場を去ろうとした。
だが、上手くはいかなかった。
「んー。ちょっと先生に付いて来てほしいなぁ」
彼女はにこやかに私の肩に手を置くが、不愉快だった私はそれを軽く払いのけた。
「いいですが、触らないでください」
「うわ、冷たいっ!相変わらずキミは可愛げがないんだから。その潔癖加減も大概よね~」
私が手を振り払った理由を潔癖と断じている。
そんな愚かな彼女は廊下を歩きだした。
いい加減、目に余る態度だった。私個人を見ず、不愉快な復讐心の道具にされるのは面倒だった。
「…今日は忙しくなる、か」
それを追いかけるように私も歩き出した。
***
白く、無機質な照明が照らす会議室。
部屋に置かれた円形のテーブルを挟んで、私たちは対極に座っていた。
椅子の上で膝を抱え、先程担任の教師から貰った甘いマカロンを指先で弄ぶ。
それを彼女は、整えられた長い髪を揺らしながら軽薄な笑みを貼り付けて見ていた。
「…それで何の用ですか」
「ふふ、理由なんてもう分かってるでしょ?」
彼女はわざとらしく胸を強調するように身を乗り出し、探るような視線を送る。
だが、その道化染みた態度の裏で、彼女が私の存在を測りにかけていることは、すぐ分かった。
私への嫌がらせ。そして色仕掛けによるコントロール。
如何にも彼女らしい手だった。
「私の普段の態度が目に余るから、ですね?」
「もっちろん!そうなんだよねぇ竜崎くんは普段から授業を真面目に受け──」
「どうしました?」
「…あのね、先生も暇じゃないんだぁ。だからね、早く話そうよ」
私があくまでも白を切る気だと、理解したこの女はいつもの笑みを忘れ私に低い声で忠告した。
一瞬の沈黙の後、私は誤魔化す事を諦めて本題に入る。
「聞きたい事は私が何故この学校に来たのか、ですよね?」
「…やっぱり分かってたんだね」
「はい。そして質問の答えは『興味』です」
「へえ、興味ねえ」
探るような目線を向けつつ、彼女は話を続ける。
「この学校はね、国をも動かすような人達が未来のエリートを育てるために作った、いわば『実験場』よ。普通の高校生じゃ耐えられないようなプレッシャーと、プライベートポイントっていう絶対の通貨で支配されてるの」
実験場、言い得て妙だった。確かに普通の高校というよりは、どうすれば理想的な人間を作れるかを観察する施設に近いだろう。
「……退屈しのぎには最高の場所だけど、竜崎くんにとっては欠伸が出るんじゃない?」
「……」
私はそれに無言で答えた。
その様子を見た星之宮は、ふっと悪戯っ子のような、しかしどこか底の知れない笑みを浮かべた。
「相変わらず冷たいなあ、竜崎くんは。せっかく可愛い先生が、話し相手になってあげようっていうのに」
彼女は軽く肩をすくめると、さらに踏み込んだ調子で言葉を継ぐ。
「ねえ、そんな調子で普段からクラスのみんなとも上手くやってるの?」
「人間関係の構築に意味は無いです。無駄な詮索はやめてもらえますか、星之宮先生」
その言葉に星之宮はケラケラと笑いながらも、三日月の形に細められた瞳の奥で、注意深く観察していた。
表向きは親しみやすいお姉さんを演じているが、彼女の本質にあるドロドロとした情念は隠しきれていない。
「はーい、堅物はすぐそういうこと言うんだから。ねえ、天才くん?」
「事実を述べているだけです。もっとも──」
視線を上げ、目を真っ直ぐに見据えた。私の瞳に宿る冷徹さに気づいたのか、彼女の目元にわずかな怯えが走る。
「星之宮先生。貴女は自分のクラスの生徒たちがどうなろうと、本当はどうでもいいと思っていませんか?」
ピクリ、と星之宮の眉が動いた。
だが、彼女はすぐに艶やかな笑みを深め、テーブルに肘をついた。
「さあ、どうかしら?教師としての義務感くらいはあるつもりだけど」
「その笑みは、達観の色が強すぎます。この学校のシステムを作った者たちに対する反逆でもなく、かといって生徒への純粋な愛でもない。あぁ、復讐心はありましたね」
「──っ」
星之宮の表情から、一瞬だけ仮面が剥がれ落ちた。だが、彼女はすぐに軽い口調に戻り、フッと息を吐いた。
「やれやれ、これだから頭の良すぎる子供は嫌いなのよね。人の心を勝手に予想しないでくれる?」
成程、彼女は自分の置かれた立ち位置を理解していないらしい。
私が問い詰め、彼女が白状する。そう簡単には話さない、という心情があると理解出来た。
「Dクラスの担任である茶柱先生に強い感情を抱いている事は知ってました」
「んー、同級生だからね。そういうのがあっても可笑しくないんじゃないかなっ?」
未だに核心では無いか。表層がバレただけでは自らを切り崩さない。
なら簡単な話だ。全てをばらしてしまえば良い。
彼女は確かに裏表を作る技量があるが、心理的負荷に弱い。
「もし、私がDクラスに移動すると言えば貴女はどうしますか?」
「……え、」
「いえ、純粋な好奇心です。仮に今のクラスよりもDクラスに可能性を感じれば移籍する、単純な話でしょう?」
そして茶柱と過去で因縁があり、Aクラスの卒業を求めている。
だからこそクラスでリーダーになり得る存在に唾を付けていたのだろう。
そして一之瀬帆波ではその器に足らないと判断し、私に標的を絞った。
だからこそ彼女は今までで一番裏が出ている。隠さなければならない私情が、私の無遠慮な問いかけで決壊し始めている。
「そ、それは…」
「何故そんなに焦るんですか?まるで、私の存在が必要かのようですが」
「…ッ」
今度こそ核心を突かれたのか、星之宮の唇が微かに震える。そしていつも通りの気さくな先生を演じようとする。
しかし、私は容赦なくその薄い仮面を剥ぎ取るように言葉を重ねた。
「色仕掛けは通じないですよ。もう手数は無さそうですね」
目的の為なら倫理観、肉体や立場すらも躊躇いなく交渉のテーブルに載せる。その心意気は評価する。だが、常人の枠組みの中での狡猾さでしかない。
「一つ言っておきます。貴女は理解しているんでしょう?自らの価値を」
そのままでは過去の因縁に囚われ、私情で知性が縛られている人間のままだ。
「私に勝手に墜ちる貴女を止める権利はない」
だからこそ、少し気まぐれを見せる気になった。この教師は利用価値がある。感情の揺らぎや目的への焦りがある非常に扱いやすい存在でもある。
「な、なにを?」
「誰しもが罪人であり、人を裁く資格は誰にもない。これで充分ですか?」
私は正義であるという自覚と、それを成すための覚悟を決めている。人はいつか裁かれる、そういう咎人が人の形を成しているのだから。なら彼女はその覚悟はあるのか?自らの心をテーブルに載せられるのか気になった。
「では、星之宮先生。ご自身の出せる価値、考えておいてください」
私はその言葉を告げると同時に、会議室の重厚な扉が背後で閉まる。
金属製の蝶番が軋む音さえ、今はひどく遠く感じられた。廊下の空気は、先ほどまでの冷たい緊張感とは裏腹に、どこか生温い気配を孕んでいる。
私が最後に見たのは、椅子の背に力なく凭れかかり、震える指先で髪を掻き乱す星之宮知恵の姿だった。
彼女が必死に覆い隠していた『復讐心』という名のドロドロとした執着は、私の言葉によって白日の下に晒された。
「……」
私は彼女の未来を。あるいは崩壊の瞬間を想像しながら、寮へと向かう事にした。
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小テスト翌日の四時間目。返却日がやってきた。
予想通り、テストの難易度は小学校の高学年が解いても大半正解できる程度だった。
そして全てのクラスが今同じ状況の筈だ。
私たちと同じように成績上位者と下位者を組み合わせる作戦、これを実行し第一関門は突破していると仮定すべきだろう。
ペア制度や問題作成、それに伴う競争があるにせよ今回の特別試験のルールはシンプルだ。ただテストをして良い点を取る。日本の学生なら義務教育で繰り返される当たり前…
──と、大半の生徒は考えるだろう。
しかし私はそれに疑問を唱える。当たり前、それを疑うべきだと。
だからこんな羽目になるんだと。
そんな考えを他所に、星之宮はホワイトボードに小テストの結果を貼り付けていた。
「それじゃあ、期末テストに向けたペアの発表するね?」
返ってきた小テストの結果が発表される。
大幅なズレはない予想通りの組み合わせ。私のペアは網倉麻子だった。
彼女は私をちらりと見たが、すぐに前を向いた。心配では無さそうだ、何か言いたい事があるらしい。後で聞く事を考慮しておく。
「皆、小テストの意図を理解してたみたいだね?先生みんなの優秀さに感動しちゃったよ~」
あぁ一つ忘れていた。明日は綾小路清隆の誕生日らしい。
10月20日、彼の生誕を祝ってくれる存在はきっと多くないだろう。
なら私が祝うべきだ、後何人か誘いささやかなパーティでも開いてあげるとしよう。
ケーキは一週間前に予約していた。明日取りに行き、そのまま合流する。
一連の流れを組み立て、彼へメールを送った。
『明日、予定を空けといてください』
『え、何を』
そのメールを無視して私はクラスの人間を観察する事にした。
「皆、予告通り勉強会を開くよ!まず──」
丁度、一之瀬帆波の声が教室に響いていた。
明日は面白そうだ、そう心の中で呟いた。
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期末テストまでは今日で一週間を切り、部活動は全面禁止。
私のクラスでは、成績上位者が教師役となり交代制の三人体制で面倒を見る。
これまでは部活動がある生徒のために二部に時間を分けていたが、今日からは六人体制となる訳だ。
本番までの最後の追い込みのために、放課後は有効に使わなくてはならない。
だからこそ本来ならば私もそちらに参加すべきなのだろう。
だが、そんな中。私は独り寮の部屋で問題作成を行っていた。
白く無機質な蛍光灯の下、私は目の前に座る女子生徒──網倉麻子をぼんやりと視界に入れながら、手元の資料に目を落としていた。
「……あの、竜崎くん」
おずおずとか細い声が飛んでくる。
一之瀬クラスのムードメーカーを自称し、誰とでも気さくに関係を築くのが彼女の取り柄らしい。だが、今の彼女は私から発せられる圧倒的な拒絶感と冷たい空気に気圧され、明らかに萎縮していた。
当然だ、私と彼女に直接的な繋がりはない。友達の友達、それが近しいだろう。
「網倉さん、何か用ですか?」
期末テストが間近に迫り、一之瀬帆波を中心に『みんなで手を取り合って乗り越えよう』などと張り切っている中、彼女は頼まれたのか、あるいは単なる好奇心か、私の部屋を訪ねてきたのだ。
「ううん。用っていうか、帆波ちゃんから竜崎くんを手伝って頼まれてさ。その……邪魔だった?」
言い訳がましく、ごまかすように笑う彼女。私は近くに積み上げていた角砂糖を指先で弄びながら、ため息を呑み込んだ。
(彼女は本当に余計な事をしてくれる…)
「彼女は相変わらずお節介焼きですね。私は誰の助けも借りる必要が無いと忠告したんですが」
「うわ、相変わらず凄い自信だね。ていうか、そういう物言いが生徒の間でちょっと怖いって噂になってるって知らないの?」
「他人の評価に興味はありません。ですが、せっかく網倉さんが貴重な時間を割いてここにいるなら、無駄にはしないであげます」
私の淡々とした、有無を言わせない圧に押されたのだろう。彼女は慌てて机の上に置かれたテストの原本を開いた。
「ええと、あれ?これ相当簡単だよね」
差し出された場所を一瞥する。
そこは点数調整のための、あえて難度を落とした箇所だった。
「それは教師に頼まれて妥協した部分です。その二つ先を開いてください」
私はシャープペンシルを手に取り、問題作成と並行して説明を行う事にした。
「え、これは…?」
「試しに解いてみてください。貴女が苦戦するならばこの難易度で丁度いいという事になります」
「う、うん。分かったよ…」
それから彼女は黙々と問題を解き始めた。時折唸り声を上げつつも解いているのを傍目に私は問題作成に集中した。後1科目で作業は完了する。
その間に無駄な情動の共有や、友達感覚の励ましなど一切しない。私たちはこの試験で偶々ペアになっただけの関係でしかない。
「解き終わったよ」
「…ここ間違えてますよ。どこか分かりますか、網倉さん」
「ええと……え、待ってそういう事?」
「なんとなくで解かれては困ります。時間を消費するからには真面目にやってください」
本来なら無視しても良いのだろうが、私は助言をする事にした。
今回の試験では必要のない杞憂かもしれないが、仮に引っ掛けがあった場合困るのは彼女なのだから。今後の為に改善はすべきだろう、そう考えた。
「貴女はいつも、周囲の人間関係やその場の空気に気を取られて、本質的な意味を見落とす癖がある」
「っ……!」
図星を突かれたのだろう。彼女はピタリとペンを止め、不満そうな、しかしどこか悔しげな表情を浮かべた。
一之瀬クラスに蔓延る『馴れ合いの空気』。
お互いを傷つけないように傷を舐め合うだけの連帯。私の言葉は、彼女たちの信奉するその美しい教義を真っ向から否定するものだった。
「……ねえ、竜崎くん。そんなに冷たい言い方しなくてもいいじゃない。私たちはさ、みんなで一緒に這い上がろうとしてるんだよ? それの何がダメなの?」
彼女は少しだけ目を潤ませながら、テーブル越しに私を睨み返してきた。
反発心、その感情の揺らぎ自体は観察対象として少々面白い。
「ダメだとは言っていません。ただ、馴れ合いに依存した結束はあまりにも脆い。その甘さがどのような結末を迎えるか、見物ではありますが」
「なにそれ。まるで私たちが失敗するみたいに……」
「失敗するかどうかは、貴女次第です。…喋っている暇があるなら次の科目を解いてください。制限時間は三分です」
これ以上の対話は無意味だと切り捨てるように、私は再び手元の用紙へと視線を戻した。
彼女は悔しそうに唇を噛み締めながらも、再びペンを走らせ始めた。
その背中を一瞥しながら、私は思考を巡らせる。
この学校という実験場において、彼女のような凡庸な人間が、その絆をどこまで維持できるのか。そして、崩壊するならどんな感情を抱くのか。
「見ててよ。絶対、見返してやるから……!」
小さな呟きを無視し、私はカチカチと鳴るシャープペンシルの音だけをBGMに、淡々と自分の作業に没頭していった。
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静まり返ったBクラスの教室。
そこにあるのは、いつもの余裕を持った気高さではなく、ただ冷たい沈黙だけだった。
しんと静まり返った試験会場。
鉛筆が紙を走る音だけが規則正しく響く中、その空間の空気が、わずかに歪んだ。
Bクラスの最前列。
坂柳有栖は配られた問題用紙に目を落とした瞬間、微動だにしなくなった。
細く白い指先が、持っていたシャープペンシルの軸を強く握りしめ、痛いほどに白くなっている。
彼女は、手元に配られた一枚の紙。彼女が竜崎の思考を予測し対策していた試験問題に目を落としていた。
「(これ、は……?)」
普段の彼女からは想像もつかない、掠れた声が零れた。
彼女が想定していた難易度、出題傾向、そして何より『当たり前』の枠組み。その全てが踏み躙られていた。
そこにあったのは、知性を競うための「問題」ではない。
あまりにも理不尽で、あまりにも空虚な悪意の塊だった。対策を立てることすら許されない、純然たる「無秩序」があった。
「(私を……試している、というわけですか……?)」
試験時間は刻一刻と過ぎていく。
周囲の生徒たちは必死にペンを動かしているというのに、彼女の手だけが、まるで呪縛にかかったかのようにピタリと止まったまま動かない。
理解した。葛城が何度も協力を申し出ていたのはこれだったのか、その意図を理解した。
彼の派閥だけがペンをさらさらと動かしている。
人数に見合わないペンを動かす音。
手が止まっているのは、坂柳の派閥であろうと容易に想像できた。
息が詰まる。
胸の奥が冷たく凍りついていくような感覚に襲われた。 彼女の信じる「才能」の優劣。生まれ持った血統が織りなす美しい盤面。
その全てが、このくだらないテストの前では何の意味も持たず、ただ無惨に崩れ去っていく。
努力も、知略すらも、この『無秩序』の前には無力だった。
「(……っ……、ふ、ふふ……)」
やがて、坂柳は乾いた笑い声を漏らした。 その双眸から、いつもの絶対的な自信の光がスッと消え失せる。
竜崎という男の策略に嵌められたことを悟った。
葛城が解けているのはスパイという名目で事前に問題を受け取ったからだろう。
しかし、それは違うと分かった。竜崎はAクラスに居る裏切り者を利用しているのではない。
そう気づいた時にはすでに手遅れだった。
きっとこの試験の坂柳派閥の成績は酷いものになるだろう。
そしてそれに乗じて葛城はこの派閥争いに終止符を打とうとする。
それが竜崎の狙いだと気が付かずに。
そして戦いに負けた坂柳は、それを理解した上で呑まなければならない。
仮にこれが竜崎の策略だと喚いても、負け犬の遠吠えにしか捉えられないからだ。
「(負け…ですか)」
勝つためなら手段を選ばないという思いは、まだ井の中の蛙でしかないと思い知らされた。
自分の足元が音を立てて崩れ落ちていく気分。
枠外からの攻撃に冷や汗を流しながら、ただ震えるペンを握りしめ問題を解くしか、今の彼女には出来なかった。
この後、もう1話投稿するよ