また、1話から感想と評価ありがとうございます!まさかここまで評価されるとは思っていませんでしたので、作者も大変驚いております……これからも引き続き、この小説を読んでいただけると幸いです。
それでは、前書きが長くなりましたが、第2話どうぞご覧ください。
現代から約100年前のとあるホロウの中――――
「はぁ……はぁ……はぁ……!」
そこにはある少年が、1人ぼっちで歩いていた……その少年は身体中傷だらけで、痩せ細っていた。服はボロボロかつ裸足同然……何日も食事をしていないため、ふらついて今にも倒れそうになっていた。何故、この少年が危険地帯のホロウの中にいるかと言うと、少年は親から虐待を受けており、その末に遂にはホロウに捨てられてしまったのだ……。
少年くらいの歳の子供なら、この状況に耐えられずに泣いたり絶望してしまうのだが……少年の目に諦めの色は見えていなかった……そこに――――
『GyAAAAAAAAAA!!』
数体のエーテリアスが現れ、少年に向けて襲い掛かってきたのだ。
「っ!?」
少年は後ろに後ずさるも、その時に足がもつれて地面に倒れてしまった……それをチャンスと見てか、エーテリアスたちは少年に少しずつ追い詰めるように近づいていく。そして、エーテリアスの刃が少年に届こうとした……その時――――
『GyAAAAAAAAAA!!』
『!?』
突如として紫の蛇龍が現れ、少年に襲い掛かろうとしたエーテリアスを倒し、そのまま消滅させてしまったのだ……。
「え……?」
呆然とする少年を余所に、蛇龍は僅かな時間でエーテリアスを一掃した。その後、蛇龍はそのままこの場を去る――――かと思いきや……
『……』
「!」
少年へと近づき、品定めをするように見つめ始めたのだ。少年はその威圧に固まることしかできなかった……それから少しの間、辺りに沈黙が流れ……
『GyAAAAAAAAAA!!』
蛇龍は咆哮を上げるとエーテルに姿を変え、そのまま少年の身体の中へと入ってしまった。その直後、少年の瞳は濃い赤紫色に光り、身体中に龍を模した紋様が浮かび上がった。紋様の方はすぐに収まったものの、瞳の色は元の色から赤紫色へと完全に変化していた。
「な、何が……?」
少年は急な出来事に困惑していたが……
『GyA!!』
「!?」
先ほどの蛇龍の咆哮に釣られたのか、またもや少年目掛けてエーテリアスが襲い掛かろうとした……その時、
『GyAAAAAAAAAA!!』
少年の身体に入ったはずの蛇龍が裂け目から頭だけを出し、そのままエーテリアスを喰らってしまった。そんな蛇龍を見て、少年は……
「助けて……くれたの……?」
自身のことを守ってくれたと思ったのか、小さくそう呟いたのだ。蛇龍はその声に応えることなく、すぐに裂け目の中へと帰ってしまった……それから少年は、ここにいても仕方がないと思ったのかゆっくりと立ち上がり、ホロウの中を進んでいくのだった……。
◇
「龍のエーテリアスを操る戦士?」
『あぁ、お前たちは見たことあるか?』
ある軍の任務中、鬼火は協力関係を結んでいるプロキシ――――パエトーンの2人にそんなことを訊いていた。この2人の名前はアキラとリンと言い、実の兄妹にあたる。2人はとある目的のために裏稼業としてプロキシをやっているが、普段は六分街というところでビデオ屋を営んでおり、つい最近までは訳あって雲嶽山の適当観がある衛非地区に滞在していた。
「龍のエーテリアス、か……それにそれを操る戦士となると、噂にもなっていいくらいだけど……」
「そんな噂、インターノットでも見たことないしね……」
伝説のプロキシであるアキラとリンも、そんな存在は見たことも噂で聞いたこともないようだ。
「でも何で、急にそんな話を?」
「実はですね――――」
オルペウスは2人に、ドォーンがエーテリアスに襲われていた軍の小隊を助けていたということを話した。
「そんなことが……」
「でも、助けてくれたってことは少なくとも悪い人ってわけじゃないんじゃ……」
リンがそう言うと、近くにいたトリガーが口を開いた。
「ですが軍の中には、その存在を危険視する意見も少なからずあります」
「トリガーの索敵範囲から一瞬で離脱するほどの速さ……侮れないわ」
トリガーに続き、11号は一瞬であの場から離脱したドォーンの速さ――――実際には別の方法を使っているのだが――――に対しそう言っており……
「ンナナ〜、でもでも、ボク興味あるな〜?」
シードは純粋にドォーンに興味を持っている様子だった。そんな話をしていると……
『オボルス小隊!至急、救援を求む!』
救援を求める通信が入ったのだ。
『話は終わりだ――――オボルス、出動するぞ!』
『了解!』
それを聞き、オボルス小隊は救援へと向かうのだった……。
◇
その頃……
「課長!」
「あぁ」
H.A.N.Dに所属する対ホロウ行動部第6課の4人は、ある任務で零号ホロウへと来ていた。今回はホロウのある地点で活性化したエーテリアスの大群が出現したということで、その掃討を行う――――というものだったのだ。対ホロウ6課は全速力でその場所へと向かっていた……が、
「!これは……」
「柳、どうした?」
「そ、それが……目標地点の活性が急に収まっており……」
対ホロウ6課の副課長――――もとい保護者である月城柳が、課長であり現代の虚狩りの1人である星見雅にそう報告していた。
「何々?どういうことなの?」
対ホロウ6課の隊員である蒼角が、首を傾げながらその意味を訊いていおり……
「まさか……これってもう帰れるってことですか?」
「浅羽隊員……そんなわけないでしょう?」
「ですよねー……」
隊員の1人である浅羽悠真がそんなことを柳に訊き、呆れたように突っ込まれていた。そんなこんなで現場へと辿り着いたのだが……
「こ、これは……」
「エーテリアスが、いない……?」
既に情報にあったエーテリアスの大群はいなくなっていた。その代わりに……
「む?あれは……」
「……」
そこには黒いフード付きロングコートを身に纏い、その顔をフードを深く被って隠した人物だけが立っていたのだ……その人物こそ、先日に軍の小隊を助けたドォーンに変身する青年であり、状況から見るにエーテリアスの大群はこの青年によって全て狩り尽くされららしい……。
「そこの者、お前がエーテリアスを?」
「……」
雅がそう訊くも、青年は黙り込んだ。すると、青年の姿を見た柳が……
「!まさかあれは、軍からの報告にあった龍のエーテリアスを操るという……」
「え?あれが……?」
軍からの情報を思い出したようにそう口にし、悠真は信じられないように青年の方を見た。
「お前、何者だ。ここで何をしていた」
「……」
青年はそう訊かれるも、沈黙を貫く。そして……
「仕方ない……」
「課長……?」
「これも都市の平穏のため……悪いが、少しばかり力尽くで聞かせてもらう……!」
雅は愛刀である『妖刀・無尾』を構えると、目にも止まらぬ速さで青年に斬りかかった。
「み、雅!?」
柳は突然のことに、思わず雅のことを名前で呼んで止めようとした……が、
「っ!」
青年はそれを腰の後ろに仕舞っていたブレイカムドォーンで、その場から動くことなく攻撃を逸らしたのだ。さらに……
「しっ!ふっ!」
雅は斬撃を目にも止まらぬ速さで次々と浴びせようとするが、青年はそれを次々と逸らしながら防御していく。それを見た雅は、一度距離を取った後……
「はぁっ!!」
踏み込んで刀を抜刀して急接近するも、青年はブレイカムドォーンを双剣状態に分離させ、左手で逆手に持った方の剣で攻撃を防ぐと……
「っ!」
右手で持った剣で斬撃を加えようと反撃してきたのだ。その剣速は虚狩りである雅に負けるとも劣らないもので、雅はギリギリのところで後ろに飛び退くことで避けていく。
「貴様……強いな?」
雅は刀を構えながら、青年の強さを認めている様子で見据えていた。青年は雅がまだやる気になっているのを感じたのか、ブレイカムドォーンを大剣状態に戻し……
「パニッシュ!」
パニッシュカプセムを取り出すとブレイカムドォーンに装填し、カプセムを回転させた。
「な、何ですかあれ……?」
「まさか、報告にもあった剣……!」
「フェイス・ユア・シンズ!フェイス・ユア・シンズ!」
「……変身」
「ドォーン・ドォーン・ドォーン!」
「エーテリアス・ライダー!」
「パニッシュ!」
青年はブレイカムドォーンを双剣状態に分離させると、対ホロウ6課の前で仮面ライダードォーンへと変身したのだ。
「そちらもやる気……ということでよいのだな?」
「……」
ドォーンはその言葉に応えるように、ブレイカムドォーンを構えた。そして……
「いざ……参る!」
2人は互いに猛スピードで駆け出し、次々と斬撃を繰り出していった。それによって周りの地面なども斬り刻まれ、辺りには煙が充満していく。そうして数十秒程度斬りあった後……
「「っ!」」
雅とドォーンは浮いている瓦礫の上に飛び乗り、それらを次々に乗り継ぎながら戦闘を続けていった。
「ボスもあの人も凄い!」
「追いかけましょう!」
「うん!」
「あぁ、ちょっと!?」
他の3人も、戦っている2人を追いかけるために駆け出していく。2人は続けて瓦礫に飛び移りながら戦うが……
「ふっ!」
「!」
雅の攻撃を防いだドォーンは、その衝撃で下に落とされてしまう。すると……
『GyAAAAAAAAAA!!』
紫の蛇龍を裂け目から召喚し、それに乗って再び上へと上がってきたのだ。その時、戦闘音を聞きつけたのか、瓦礫の上や空中にいたエーテリアスが2人に向かって迫るも……
「邪魔だ……!」
「しっ!」
それをものともせず、一瞬で殲滅してしまった。それから、2人は互いの武器で打ち合っていたが、雅は空中に浮かぶ瓦礫の上に、ドォーンは地面へと降り立った。
「やはり、思った通りだ……が、そろそろ決着を付けよう……!」
雅はそう言うと刀を鞘に納めて構え、力を溜め始めたのだ。一方のドォーンも。ブレイカムドォーンを大剣の状態に戻すと、装填しているカプセムを回転させて地面へと突き刺した。その後、ドォーンが地面をつま先で2回軽く叩くと、叩いた部分から血溜まりが広がる。そして、そこから姿を現した蛇龍と共に飛び上がった。雅も力を充分に溜めたのか……
「はぁっ!!」
ドォーンに向けて刀を抜き放った。対してドォーンも……
「パニッシュ・シュート!」
「ジ・エンド!」
蛇龍のオーラを纏い、雅に向けてキックを放った。そうして2人がぶつかり合った衝撃で、辺りには轟音と煙が立ち込めた。
「っ……課長!」
「ど、どうなったんだ……?」
「何も見えないよ……?」
柳、悠真、蒼角の3人は、課長である雅のことを探して辺りを見回した。そして、煙が晴れたところには……
「くっ……!」
「っ……」
互いに膝をついている雅とドォーンの姿があった。
「課長、大丈夫ですか!?」
「あぁ、大事ない」
柳が雅の無事を確認していると……
「……」
ドォーンは既に回復したのか、何事もなかったように立ち上がり、裂け目を出現させてこの場から去っていってしまった……。
「行っちゃましたね……」
「だが、良い修行になった……それに、あの者がエーテリアスを倒したのならば――――いや、状況から見て確実だが……必ずしも悪ではないだろうな」
雅はそう言った後で立ち上がると……
「我々も帰還するぞ」
他の3人と共に帰還していくのだった……。
読んでくださりありがとうございます!
今回は後半で、ドォーン対雅を書いていきましたがいかがだったでしょうか……次回あたりから、アキラやリンと出会わせられればいいな、と思っております。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。