「ここが・・・・イルシオン王国・・・!」
休憩をあらかた取った俺たちは、ついに敵の領内に入り込んだ。
「・・・・・・ファルコ、少しいいか?」
「なんだ蒼也?」
「・・・・・・なんかあったかくなる方法ない?」
そう、ここは雪国である。特に俺は寒さに弱いのだ。
「だったら、ファイアフォックスを使って暖を取ればいいんじゃないか?」
「あ、そうか!」
すぐさまフォックスにチェンジ。炎を纏う。
「こりゃあったかいわ。サンキューファルコ!」
「まぁな。けど、いいのか?」
「何がだ?」
「・・・・・・ここすごい雪が詰まっているんだぜ?そのままお前のすごい勢いで燃え盛る炎で下の雪が溶けて落下しないのか?」
「・・・・あっまず・・・・」ヒューーーーーーーーーー
「・・・・・・どうしたのです・・・・・ああっ!?大丈夫ですか、フォックス!?」
「「そんな〜!フォックス〜!」」
「ハクション!ハクション!」
ヤベェ、くしゃみが止まらない。戻っってくるために炎を解いたら溶けた雪が水になって俺にかかってきた。くそう、みっともない・・・・
「なんでそれを早く教えてくれなかった!?」
「別に、教えてくれとは言わなかったろ?」
「・・・・・・焼き鳥にしてやる」
「ああ!?やんのかコラァ!?」
「ちょっと!静かにして!他の人に迷惑するでしょ!」
隣のミカヤに怒られた。大急ぎで移動しながら魔法で直してもらっているから反論ができない・・・・・
(お母さんかよ・・・・・)
そんな中、俺たちはロータスという少年に出会った。彼はイルシオンとブロディアの戦争に巻き込まれて足を悪くした母を持っているらしく、おまけに病気で寝たきりらしい・・・・
彼は母がいるので、学校にも通っていないようだった。
「・・・・ねぁ、ブロディアって・・・・お前たちって・・・・悪者なのか?」
「ああそうだ。わしらはお前の敵だ。憎いか?」
俺たちに同行していたモリオン王が口を開く。この人、こんな中でも酒飲んでるのかよ。体をあっためるためなのかなぁ?
しかしロータスは俺たちのことは敵とは見なしていなかった。むしろ、自分を助けてくれた恩人のような存在になっていたようだ。
「・・・・・・?」
その時、俺のバイザーが何かの反応をキャッチした。
なんだこの反応・・・紋章士でも指輪でもない・・・・
何より『リュール様に似ている・・・・?』・・・・まさか!?
「・・・・・なぁ、ロータスくん?」
「なんだい、狐のお兄ちゃん?」
「向こうには一体、何があるんだ?」
俺はその反応のある方向を指差した。するとロータスは俺に近づき、
「・・・・誰にも言わない?」
「・・・・・約束する」
「・・・・・俺の母ちゃんがいるんだ」
まずいな、やっぱりそうだったか。
「あっちから、謎の力を感じた。君のお母さんに何か危険が迫っているかもしれない。早く帰ってあげるんだ。」
「・・・わかった!これもらっていくぞー!ありがとなー!!!」
ロータスは食料を腕一杯にもつと、そのまま大急ぎで帰って行った。
「・・・・・フォックス」
「わかってる。でも、俺たちというイレギュラーがすでにいる。
本当にああなるのかは、俺にはよくわからない。今は、様子を見てみよう」
・・・・・しかし、事件は起こってしまった。
ロータスが母親を連れて、お礼を言いにきてくれたらしいのだが、突如としてその母親が、モリオン王を襲ったのだ。
「か、母ちゃん・・・?」
「ろ・・・・ころス・・・ギ・・・王の・・・血・・・」
手に持ったナイフがロータスを襲う。
しかしのとナイフは、突如として俺の代わりに割り込んだファルコの蹴りによって阻まれた。
「何が殺すだ!完全に狂ってやがる!」
そのまま戦闘を開始するファルコ。ロータスはその戦いを止めようとしたが、リュール様に止められる。
「話してよ!このままじゃ母ちゃんが・・・!」
「いやぁねぇ。さすがはモリオン王・・・頑丈ですこと!!」
崖の上から、女性の声が聞こえた。俺たちが上を見上げると、そこには大きな角を生やした女がいた。
「あいつ・・・・・母ちゃんを治したブロディアの魔導士・・・!?」
「あらやだ・・・信じてたの?私は邪竜ソンブル様の下僕・・・」
「なるほど、お前がやったのか!きたねぇ手を使いやがって!」
ある程度ロータスの母を戦闘不能にしたファルコがファルコリュージョンでその女に迫って飛び蹴りを叩き込もうとする。しかし、その女は隠し持っていたサンダーソードでそれを受け止めた。
「なっ・・・!なかなかやりやがるな、こいつ・・・・!」
「その服装・・・・そしてそこにいる人型の狐・・・・そう、あなたたちが
スターフォックスね・・・・」
ファルコが着陸する。
「気をつけろ!こいつ、ただの魔導士じゃねぇ!結構な手練れだ!」
「すみませんが、あなたたちと戦っている暇はありませんの。全員まとめて黒焦げにしてあげますわ」
女がサンダーソードを掲げる。まずい、雷を呼ぶつもりか!?
「ファルコ!奴の狙いは王家の血を持つ人物だ!リフレクターのバリア範囲内に入れろ!」
「言われなくともわかってるぜ!」
俺は、近くにいたアルフレッド王子たちを近くに呼び寄せ、リフレクターで防御体制を取った。しかし、ファルコからディアマンド王子までの距離は遠く、ファルコイリュージョンでは追いつけない!まずい!
「あら、じゃあまずそちらの方から料理してあげますわ」
スタルーク王子とアルフレッド王子が目を瞑ったその時だった。
モリオン王が二人を担ぎ上げ・・・・・・
あろうことか、ファルコめがけて投げたのだ。
「なっ!ジジイ!?」
そして、空から一斉に雷が降りかかる。俺とファルコの近くにいた者たちはリフレクターのお陰で助かったが、その中に唯一いなかったモリオン王は・・・・
「ソンブル様・・・!復活のための生贄・・・今、お持ちしますわ!」
黒焦げになったモリオン王を魔法で引き寄せて、セピアはいつの間にか召喚したドラゴンに乗って飛んでいく。
「逃すかよ!」
「ナウス!グレートフォックスの主砲で狙えるか!?」
『ダメデス!アノママデハ、モリオン王モ、巻キ添エニシテシマイマス!』
ファルコのブラスター攻撃も、虚しくも当たらなかった。
「チキショウ!やってくれたぜ・・・・!」
しかし、これはまだこの先に待ち構える恐怖の序章に過ぎない・・・・・
続く