「・・・・・なぜ、そう思うので?」
「あの時、私を見てあなたは驚いたでしょ?まるで・・・・ありえないものを見たみたいに。極め付けは、私の名前を聞いた時。あなたが(やっぱり・・・・)って呟くのを聞いたわ。もしかすると、あなたの世界じゃ、この私たち・・・・いや、リュールたちの旅は、おとぎ話になっていたのかもね」
・・・・・完敗だ、反論が挙げられない。
この今の俺の一人語りでこそ書かれてはいないが、初めてルミエル様と出会ったって名前を聞いた時、俺は確かにやっぱりと呟いてしまった。まさか覚えているとは・・・
「だからこそ、今から起こる運命を知っているあなただからこそ、託したいの。この先何が起こっても、リュールを導いてくれるかしら?・・・・・これは、私からの依頼よ。・・・・・お願い」
・・・・この人は、お願いしてばっかりだよな。本当に。
「・・・・・・この仕事引き受けましょう。ソンブルの好きにはさせません!」
「・・・・・ふふっ、あなたのその言葉、聞けてよかったわ・・・・・」
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「・・・・・・ルミエルのやつめ、次の戦いで死ぬ気か!?」
「彼女も、運命に抗おうと必死だったんじゃなあ・・・・」
「・・・・・なんだか泣けてきたよ・・・・」
「・・・・ハンカチヲ、持ッテキマス」
グレートフォックスでルミエルと蒼也の話を聞いていた4人。
しかし、この会話を傍受して、聞いていた集団がいたのは、誰も知らない・・・
「・・・・・・お願い、か・・・・・」
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・・・・このルミエルの会話の、数分前。
「・・・・ああ、愛しい我が娘よ。お前なら・・・・あとはどうするか、わかるな・・・・?」
その頃デスタン教会の中で、イルシオン王国の国王であるハイアンシス王がオルテンシアに指輪を渡していた。
「・・・・・」
その指輪を受け取ったオルテンシアは、俯いてその部屋を出ていく。続いて、ハイアシンス王は、部屋の闇に目を向けた。
「・・・・・スターウルフよ、次の依頼だ・・・・」
ハイアシンス王の目線の先には、なんと至るところに絆創膏を貼られたウルフがいた。
あの時、ウルフ達はある人物の手助けがあって、なんとかここまで戻って来れたのだった。現在、他の仲間は応急処置の手当てを受けているが、もうすぐ終わるらしい。
「神竜どもを・・・・・娘の仇を倒して指輪を取ってきてくれ・・・・・頼む・・・・・どうしても、わしはあやつらが許せない・・・・・」
ハイアシンス王は顔を手で覆い、(悲しんでいる王)を演じた。
「・・・・・・」
ウルフは、無言でその依頼内容を聞いて一言。
「ダメだな」
「・・・・・なんだと?」
ハイアシンス王が顔を上げる。そこには涙一雫も流していない顔があった。
「ほらな、お前は娘のことを悲しんでいなかった。むしろ、指輪のことばかり考えて嫌がったな?この老害」
「!?」
ハイアシンス王は驚愕の顔を浮かべた。ウルフにカマをかけられていたのだ。
「悪いが、俺たちは抜けさせてもらうぜ。こんな俺たちにも、一応友情や家族愛ってもんはよくわかる。自分の娘を手駒にしか考えていない卑怯なやつから見ると、俺たちはただの囮ってところか?」
「な、何を言って・・・・?」
「今回ばかりは神竜の小娘につくぜ。あいつの親には恩があるからな?というか、作られちまったからな…」
そう、ブロディアでボロボロだったウルフたちを助けたのはルミエルだった。
『・・なぜ、俺たちのことを助けようとする?』
『あなたたちに報酬の代わりに貸し借りを作っておこうと思ってね?
リュールや蒼也たちに何かあったときは助けて欲しいの。頼める?』
スターウルフにも、ちゃんとした礼儀は存在する。彼らはあくまで蒼也の(ライバル心)が具現化しただけだ。ただ、フォックスたちをライバル視しているだけの、雇われ遊撃隊。悪気なんか、一切ない。
いうならば、ただのツンデレだろうか?
もちろん、自分たちの身の安全も考えている。
「借りはしっかりと返す。それがこの俺たち、スターウルフだ。
・・・・おっと、ついでに言っておくが、俺の仲間を人質の取ろうとする作戦は無駄だぜ?今頃応急手当てが終わって、ワープ装置で俺たちの新型戦闘機のコクピットに乗り込んでいるはずだ。」
「・・・・・・どうしても、我々を裏切るか?」
「そもそも、俺たちはアイビーに雇われた。本当にアイツが死んだのなら、契約はもう解除だな」
「・・・・・そうか、ならばソンブル様のために生贄になるがいい!」
いきなりハイアシンス王の手に日本刀が現れる。
「紋章士リンの能力か。だがな、俺には触れないほうが身のためだぜ?」
「戯言を!」
ハイアシンス王が超スピードでウルフに接近して、その刀で切り裂かんとする。
その時、ウルフは腰にかけてあったリフレクターのスイッチを押した。
その瞬間、激しい電撃が一瞬ウルフの周りに発生した。
「ぐっ!?」
刀から電撃を流し込まれたハイアシンス王は膝をつく。
立ちあがろうとしたが、神経が麻痺して立ち上がれないらしい。
「だから言ったろ?お前が俺に勝てるはずがねぇよ。じゃあな」
「ま、待て・・・!」
ウルフの姿が消える。仲間が使ったというワープ装置を使用したらしい。
外で何かが飛び去っていく音を聞きながら、ハイアシンス王は強力だった駒をなくして、苦虫を噛み締めたような表情をするのだった。
続く
スターウルフの様子が…?