・・・・・・・どうしてこうなった。
いや、俺たちが「強すぎた」からかもしれない。ハイアシンス王は、俺たちの戦力の強さとそのスピードを見通して儀式を早めたんだ。
・・・・つまり、俺たちの強さが、裏目に出て結局同じ展開になった?
「ああ、そのお力をわが国に・・・!共に世界の覇権を・・・!」
ソンブルの目の前でハイアシンス王が跪く。
その時、ソンブルの口から、悪魔のような死の宣言が言い放たれた。
「よかろう・・・・だが・・・・(足りぬ)・・・・・」
「・・・・?今、なんと・・・?」
ソンブルの姿が、より一層異形なものに変化する。
さっきよりも大きくなった羽根に、コブラみたいな顔。四足歩行の足。
そこには、もう確実に邪竜と呼べるソンブルがいた。
その尻尾で、ハイアシンス王を捉えて、自らの口へ持っていく。
「なっ・・・・あ・・・!?ああっ・・・!!」
そして、そのままハイアシンス王を喰らってしまったのだ。
これに比べると、ハイアシンス王がやってしまったことはちっぽけに見えてしまう。というか、見える・・・・・
「いやあああああ!!お父様ああああ!!!」
その光景を見てしまったオルテンシアが絶叫を轟かせる。
「・・・・けっ、どうやら自分のやらかしたことの報いが降ったらしいな」
ファルコが呟く。・・・・実際にその通りかもしれない。
「贄として少し早くにたててやつも本望だろう・・・・」
改めて思う。
・・・・・こいつ正真正銘、狂ってやがる!!と。
「あははは!!見ましたか・・・!?あの王の裏切られた時の顔・・・!!傑作でしたね・・・・!」
いつの間にか俺たちの集団の後ろに、5人組が現れた。
あの中には、リトスの時の黒ローブの少女に、モリオン王を去らった時の
セピアもいる。
・・・四狗達か、厄介な時に・・・!!
「奴らがいるシオン王国を蝕み・・・・・ソンブルを復活させた・・・!」
「あんた・・・何笑ってんの・・・何笑ってんの、ねぇ!?あんた達さえいなければ、お父様は・・・!」
オルテンシアがローブの少女につかみかかる。
「触らないでください・・・・」
その時突如として強風が巻き起こり、オルテンシアを吹っ飛ばした。
「はぁ・・・・せっかくの興が削がれました・・・・・ああ煩い・・・これだから人間は」
少女がローブを捲ると、そこには白と黒のロングヘアーが。
「ヴェイル・・・?」
「あなたに名乗った覚えはないのですが・・・?・・・・私は、邪竜ソンブルの娘。そして、邪竜族の第一王女、ヴェイル」
「ヴェイル指輪を奪え・・・・この場にあるもの全てだ」
「・・・仰せのままに」
ソンブルの口から紫色の光が迸る。
「来るぞ!みんな、伏せろ!!」
その口から、黒煙が放たれた。
・・・・だが、残念だったな?こうなるかもしれないことは、とうの昔に想定済みだ!
「ファルコ!」
「わかってるぜ!俺に合わせろよ!」
俺とファルコが二人揃って前に出て、リフレクターとシールドを同時展開する。
すると、二人分のシールドとリフレクターのバリアが合体して、大きなものに変化する。全部跳ね返して、あいつにお返ししてやろうという作戦だ。
災厄、弾き返せなかった場合は、シールドで防御に回すという二重構造。
黒煙は見事にリフレクターに引っかかって、ソンブルとヴェイルの方に戻っていく。より威力とスピードを増した攻撃として。
「なにっ・・・・」
「・・・・・・・あの狐は・・・!」
しまった、気がつかれたか。だが、無事でいられると思うなよ?
その黒煙は、二人を飲み込んだ・・・・・
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「・・・・・・やったのか?」
やめてください、ディアマンド王子。フラグみたいじゃないですか。と、心の中で思うフォックス。
ディアマンドが立ち上がる。黒煙でソンブルと近くにいたヴェイルがよく見えない。
「・・・・・!?みんな急いでやつから距離を取れ!指輪を取られるぞ!」
フォックスの一言で全員が緊急脱出の体制をとった。
・・・・・・が、その努力も虚しく、彼らの動きは止まってしまう。
(・・・・・体が、動かない・・?)
「魔法具によってあなた方の時を止めさせてもらいました」
煙が晴れて、そこにいたのは無傷のヴェイル。手には、砂時計のようなものが浮かんでいた。
(フラグ回収にきやがって・・・・このやろう!)
そして、リュール達同様に動けなくなってしまったフォックスとファルコの方に振り向いて一言。
「・・・・・ああ、会いたかったんですよ、大乱闘の紋章士さん?」
続く
主人公の紋章士の名前が明らかになりました。