「か・・・カービィ・・・?」
その生き物、カービィは不思議そうに答えた。
「そうだよ・・・・ってどうしたの!?めちゃくちゃ泣いてるじゃん!ひどいなぁ・・・・誰がこんなことしたんだ!!」
とうの彼は今の彼女の心情を理解できていないらしい。
「早く逃げよう!今僕がさっきまで助けてた人たちが集まっているところがあるから!ね?」
カービィは倒れたいるヴェイルに小さな手を差し出した。
・・・まぁ、一頭身だがら立ち上がるのにはその手は役に立たないかもしれないけど。
「・・・・・ごめん、カービィ」
しかし、ヴェイルはその手をとらない。
「私・・・知らない間にたくさんの人を苦しめてたみたい・・・・あなたもそのうちの一人にならないうちに、早く私から・・・・」
「みんなを苦しめた?ヴェイルがそんなことするはずないじゃん!」
こんな災厄な状況でも笑顔を浮かべるカービィ。
「だってヴェイルってすっごく優しいもん!初めて僕と出会った時、僕が腹ペコで困っている時に食べ物くれたじゃん!そんな優しくていい人がそんなことするはずがないよ!」
「・・・・!」
「あと僕が人助けをするとき、僕と一緒の時は必ず協力してくれたじゃん!あと、どっちの道いくか迷ってる時とか、なんか穴にはまって抜けない時とか・・・」
カービィはあれこれ喋っているが、ヴェイルの耳には聞こえていない。
だけど、彼の中のヴェイルはまだいいやつ扱いだ。いつ裏切られて苦しめられるか、彼はわかっていない。
「・・・・ってそうじゃなかった!まだ避難できていない人たちがいるんだった!ヴェイル!せっかくだから逃げる前に手を貸してよ!友だちとして!」
「・・・・友達・・・私が・・・?」
「うん!だって僕らもう何回もあってるし結構気も合うし、なんてったって一緒に笑い合えるでしょ?」
その一言雨を聞いた瞬間、ヴェイルの中にあった不安が軽くなった気がした。
(・・・・私・・・・まだ頼られてたんだ・・・・・友達もできてたんだ・・・!)
彼女は周りの人との寿命の差がありすぎて、年が過ぎるたびに友達といえる存在は失われていっていた。そして、再び目覚めてからの数何年も友達はできていなかった。
だけど、この瞬間に、わかった。実は自分が意識していないだけで、いつの間にかもう友達はこんなに近くにできていたということに。
「・・・・チッ、邪魔が入ったわ。どうりで前よりも人を見かけないと思ったら・・・このピンク玉のせいだったとは・・・」
「・・・!お前らか・・・!よくも・・・・よくも僕の友達を泣かせたな!」
声の主とそのセリフでカービィは今打つべき相手がわかった。
その可愛い顔に怒りが混じる。
このフィレネはカービィとヴェイルにとって思い入れのある場所だった。
その場所を燃やされた挙句友達まで傷つけられたら誰だって怒るだろう。
「許さないぞ・・・・絶対に!」
そして燃え盛る建物に体を向けると・・・・
ゴォォォ!!!!
っと、その火を吸い込んだ。
「なっ・・・・!」
四狗はその光景に驚いている。そして、その炎のついている瓦礫をカービィが飲み込んだ途端、カービィに変化が現れた。
頭から真っ赤な炎が燃え盛り、緑の宝石がついた冠に変化する。
『コピー能力』と呼ばれる、カービィだけの特権技が今ここで発現した。
炎を吸い込んだことで『ファイア』をコピーしたカービィはセピアに向かって炎を吹き出した。
「火ふきこうげき!」
広範囲に炎が燃え広がる。
「・・・っ!小癪な真似を・・・!」
「このずんぐりピンク、おも知れぇ・・・・!」
セピアとグリがカービィと交戦する中、リュールたちが到着した。
「神竜軍・・・!?」
セピアが驚いて隙を晒す。カービィはその隙を逃さなかった。
「バーニングアタック!!」
全身に炎を纏って突撃をかます。が、そこにグリの妨害が入ってしまう。
「どうした・・・?もっとのたうちまわろうぜ!」
「ジャマだどけー!!!」
そしてさらに故郷を燃やされたアルフレッドとセリーヌが援護に回る。
「あっ・・・・・」
「君がこの街の人々の避難を助けたんだね?ありがとう。おかげで被害が少なくてすみそうだ!ここからは僕らも手伝わせてくれ!」
「あなただけにおもりを担がせておくわけにはいかないわ!」
「ありがとう!!よーし、いくぞー!!」
カービィの顔に笑顔が戻った。
その姿を後ろに、リュールがヴェイルに話しかける。
「リュール、ごめんなさい・・・・!!私・・・・・」
「・・・・泣かないでください。この戦いが終わってからゆっくり話しましょう」
リュールもカービィたちの戦いに参戦しようとする。
(リュールもカービィも優しいね・・・・・・まるで・・・・・)
・・・・・眠りなさい
頭の中にその言葉がよぎりるとともに意識が保てなくなっていく。
そして、『もう一人のヴェイル』が魔法を右手から放とうとしていた。
が、
ガシッ!
「話は聞かせてもらった。やっぱりそうだったか」
その腕はウルフによって掴まれていた。すごい腕力で抑えられている。
その時一瞬の隙をついて、『いつものヴェイル』が出てきた。
「・・・・ウルフごめん。その手を引いて。あなたが無事ていられる保証がないの」
「その前に、一つだけ聞かせてくれ・・・・・・フォックス・・・・蒼也がどこにいるか、わかるか?」
その言葉に対して、ヴェイルは一言。
「・・・・本当にごめん。私にはわからない。もう一人の私なら・・・・何か・・・っ!?」
ウルフはとっさに飛び退いた。
(時間切れか・・・!)
「ヴェイル!」
「・・・私・・・初めて友達ができてリュールとも友達になれた気がして嬉しかった・・・・リュール、カービィ・・・ごめんね・・・信じてくれて、ありがとう」
その瞬間、人格は入れ替わった。
続く
裏話…ヴェイルとカービィ
カービィとヴェイルが仲良しなのはリュール達と会う前までははぐれるまで一緒に旅をしていたから。