「・・・・はっ!」
俺は無理やり体を起こそうとした。・・・・が。
(この流れ、ずっと前にもあったな・・・・)
体は起こさず、顔を動かして周りも見る。横には何やら板のようなものが張られていた。
なんかの部屋の中かな。本当にさっきまでイルシオンにいたはずなのに・・・気でも失ってたかな?・・・・いや、実際に失った自信があるわ、だってあんなやばい魔法受けたんだもん。
今俺が向いている方向では部屋の板が顔の目の前にあるので今寝かされている場所が部屋の壁際だということしかわからない。
仕様が無く反対を向こうとした・・・・・が。
・・・・ぐっ
何かが左手に当たった。というか動かそうとしたら握られた。
なんだこりゃ・・・・感触的にもこの握り具合からしてこりゃ絶対に人の手か。
でもなんで・・・・まさか、俺が気絶している間に心配をかけて看病してくれた人なのでは!?
おまけに細い指の感触があるので、子供かあるいは女性の確率が高い。
(まずいな・・・・女性だと合わせる顔がない)
でも周りになるので思い切って反対方向・・・・左手を握ってくれている人がいるであろう左を向いた。
するとそこには・・・・・
・・・・・青と赤の髪が目の前に現れた。
(・・・・・・リュールさまぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?何やっちゃってんですかぁぁ!?!?!??!?終わったぁぁぁ!?!?!?!?)
もうこれで誰なのか白黒決まったわ!どうしよ!?
・・・というか白黒なのはヴェイルの方か。
でもこれ絶対にリュール様が直々に看病してたパターンだ!
これはとっても嬉しいことではある!が、これは流石にまずい・・・
「スゥ・・・・スゥ・・・・」
・・・・何か寝息が聞こえるな。
どうやらリュール様は俺の寝ているベッドの方に頭をあずけて寝ているらしい。
リュール様のそのめっちゃ目立つ頭から女性特有のとってもいい匂いが俺の鼻をくすぐる。
そして時々俺の手を握る力がちょっと強くなることがある。
・・・・どうしよ。幸せすぎて起きたくなくなってきたわ。
でも冷静に考えろよ?本来ならばこの人もベッドでちゃんと寝れるはずなのにこの様子じゃそんなことは一切なしに看病しきっていたらしい。
心の中の悪魔と戦ったが、俺は声をかけることにした。
これ以上リュール様に不安を抱かれたくないし、負荷もかけたくないからね。
「・・・・リュール様、大丈夫ですか?」
俺が声をかける。
「ううん・・・?」
リュール様が俺の声を聞いて顔を上げる。
赤と青の髪と目・・・・うん、いつ見ても可愛くて美しい。
そんな変態みたいなことを考えていると、リュール様は俺の方を見る。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
しばらく見つめ合う。埒が開かないからこっちから仕掛けよう。
「・・・・・どこか具合でもおかしいんですか?」
まぁ看病してもらった俺がいう方じゃないけどな・・・・
「・・・・・・そうやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「え!?ちょっ!?リュール様!?」
いきなり俺の名を呼ぶなり飛びついて抱きしめてきた。
やめて!?病み上がりだから!?嬉しいけど!?
(そもそも病み上がりって言っていいのか?)
「本当によかった・・・・・・!よかったですぅ・・・・・!!」
服の肩の部分が濡れた感触が伝わる。
この人泣いてる・・・・まるでこの後戦う羽目になるルミエル様と戦った時みたいに・・・・
とにかく、彼女が泣き止むまで俺はじっとしておくのだった。
続く