死の町
次の日、やっと自由に歩き回っても良いとリュール様から言われた。ああ、なんだか退屈だったな・・・・いや逆に今までが刺激が強過ぎただけか?
「あ!蒼也くんだ!調子はどう?」
どうやら船の中にある一室だったらしく、外に出ると甲板にでた。その直後に俺に気づいたカービィが駆け寄ってくる。マジかよ、ガチで居たんだ・・・・・もうこれある意味ニンテンドーオールスターじゃん。
「あ、今回で僕ら初めましてだっけ?僕カービィ!よろしく!」
と、見事にちっちゃい手を差し出してあいさつしようとしてくる。
か、かわいい・・・・リュール様とは別の可愛さだ・・・・
「よ、、よろしく・・・・・・」
そう言って俺たちは握手を交わす。あ、そういえば聞きたいことがあったんだっけ。
「カービィってさ、どうしていちいちコソコソと俺の影から出てきたの?」
カービィはとても優しいやつだ。コソコソする必要なんてないのにどうして・・・?
「自由に食べ歩きしかったから」
「は?」
「ウルフから聞いたでしょ?陰から生まれることによって発生源が変わって君がやられても大丈夫なんだって。それってつまりある意味分身じゃなくて『個』として行動できるから、それを利用して君に会うまで自由に食べ歩きしたかった
から・・・・・」
「そんなことのためにそこまでする!?」
「そんなことって何!?僕にとって食べ物は元気の源なんだよ!?」
ダウン状態復帰から早々ちょっとした口喧嘩をしていると、
「蒼也様?調子はいかがですか?」
アルフレッド王子とセリーヌ王女が俺に声をかけてきた。
「あ、アルフレッド様だ。もうリュール様とは話は済んだようで?・・・それにしてもまた国を留守にしといていいんですか?前回よりも大惨事になっていたらしいじゃないですか」
「それなら大丈夫。そこのカービィくんが被害を最小限にとどめてくれたおかげでスムーズに進んでいるらしいから」
「えへへ〜!!」
セリーに王女がカービィの頭を撫でた。いかにも愛らしい。
「蒼也の率いるスターフォックスの方は大丈夫ですか?あの時あなたがやられてから一気に残りのメンバーが消えたからもう・・・」
「安静にしているときに俺の中で全員いるのと状態を確認できたから大丈夫。いつでも出撃できますよ・・・・・・・あとなんでさっきから『様』つけで呼ぶんですか?」
「だってある意味尊敬する神竜様が二人になったんですから当然ですよ」
「いや、やめといてください。恥ずかしくてしょうがないから」
「そんなことないですよ?ねぇディアマンド王子?」
「そうだな。変だとは思わない」
ちょっとディアマンド王子!?あんたまで同意すんの!?
「あら、いいじゃない。好きに呼ばせてよ神竜様?」
アイビー王女まで言わないで!?ほんとに恥ずかしいから!!
「そんな顔すんなよ神竜様?」
ウルフゥゥ!!!!!テメェェェェ!!!!やめろと言ってんのがわからんのかぁぁ!?
「あっはっは!!冗談だよ。みんなで考えたジョークさ」
「蒼也って案外乗っかりやすいんだよねぇ」
・・・・クソッ、はめられた・・・・・
「お前結構挑発に乗りやすいタイプだろ蒼也。戦闘時には気をつけろよ?」
「焦らず、落ち着いてね」
「お前さんもまだまだじゃな」
ファルコたちも久々に出てきせそうそうそれはやめてくれ・・・・まるで俺が惨めみたいじゃんか・・・・
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・・・という遊んでた時期もありました。
俺たちが目的地のイルシオン王国のジーヴル港についてからみんなの表情は一変した。
「やけに静かだな・・・・・」
ペッピーの言っていることは正しい。港町についてからと言うもの、街に人影は一切なく、足音も何も聞こえてこない。
俺たちはリュール様たちと一緒にあちこちの家に聞き込みに入ったのだが・・・・
「なんだこれは!?お前ら!これを見ろ!」
ファルコの言葉で全員とある家の中を見た。
何かが暴れ回ったように家具が全て破壊されている。
その家の中に佇んでいたのは・・・異形兵。
そしてその異形兵の足元には、飼い主に懐くような仕草をする犬がいた。
「あの犬の様子・・・・どうやら異形兵、ここの家主みてぇだな?」
「・・つまりこの街の民は全員殺されて異形兵に・・・・?」
みんなの頭に最悪の事態が思い浮かんだ。
「邪竜側が住人を皆殺しにして異形兵に作り変えたってこと・・・!?」
「邪竜・・・この国までも滅ぼさうとしているのですか・・・?!」
その中で最も震え上がっていたのはオルテンシア王女とアイビー王女だ。
故郷がこうなってたらそうなるわな。
「リュール様、先を急ぎましょう!これ以上被害が出ないうちに・・・・!」
「そうですね・・・・皆さん行きましょう!まだ間に合うかもしれません!」
と、その時、
ガッ!!
「ダメダメ〜!!今から全員殺して異形兵にするんだから!!」
マロンが後ろから斧を振り下ろしてきた。
俺たちはとびのいて避けたが、俺たちがいた石造の煉瓦は木っ端微塵に。
あんな体にあそこまでの力を一体どこに隠して・・・!?
「またか・・・四狗、こんなときに・・・・!!」
「ん〜?誰かと思えばヴェイル様が操ってた半分紋章士くんか。永遠に眠っているはずだって聞いていたのにどうして・・・・それにその髪・・・」
「こっちにも訳ありでね。悪いがそこどいてくれない?」
「いやだね。褒めてもらうためにも絶対どかないもーん!」
建物の影からイルシオン兵がゾロゾロと現れる。厄介なことになったなぁ・・・
「蒼也!どうやらここでやるしかねぇみたいだぜ?」
「しかしこの量は格闘戦では少しきついな・・・・どうしようか」
『だったら俺がなんとかする。お前らはとっととアーウィンをとってこい!』
するとさっきまで船で見かけなかったスターウルフたちが空から一斉攻撃を始めた。
「・・・今回はあいつらの厚意に甘えるとするか。リュール様!俺らはちょっと取りに行くものがあるので一旦抜けます!!」
「わかりました!なるべく早くに!」
「合点承知!いくぞファルコ!」
「へっ!ひさしさにひと暴れするか!」
俺たちは緊急事態用でスリッピーに作ってっもらっていた転送装置を使って、イルシオンに来た時の船の上空に浮かべていたグレートフォックスに移動するのだった。
続く