神竜ではないと告げられたリュールはシグルドを呼び出して聞く。
シグルドは申し訳なさそうに真実を話した。
「君が目覚めたあの時に・・・ルミエルと・・・そう決めたんだよ」
これは本当の話だった。
周りの兵士たちからも心配の声が上がる。
リュールがそちらに目を向けると、体をビクッと震わせていた。
そしてまた前を向いて、俯いている。
「やっぱり私は・・・」
「・・・だからと言って君は君じゃないか!何も変わら・・・!!」
「リュール様」
その時フォックスから元に戻った蒼也が声をあげた。
リュールと同じ髪色になったその少年は彼女と同じ二色の目でリュールを見つめる。
「リュール様・・・ひょっとしてもう分かってたのではありませんか?」
リュールの目が少し見開いた。
「俺をあの呪いから解放させるために神竜にしようとしてこのような姿に俺が変わった地点であなたはもう感づいていたはずです。だって兄妹のようにここまで変化してしまっているのですから」
一息ついて続ける。
「それに、なぜ邪竜なのに俺を半分神竜に変えることができたか、あなたはわかりますか?」
「「「「!!!」」」」
再びその場の空気が再びどよめいた。確かに邪竜のはずなのに神竜の力を持ってるのは明らかにおかしい。
「ルミエル様は元々から強い力の持ち主でしたよ・・・・・だからあの神竜城を守っていた結界を維持する程度じゃあんなに弱まったりしない。何か別のことに力を回していたんですよ」
「蒼也の言うとおりだ。あれくらいでは彼女はあそこまで弱ったりしない」
シグルドが蒼也のフォローに入る。
「それに『呪文』で呼び出された紋章士は自由に話しすことはできない・・・・こうやって話せるのは君のその『呪文』に『祈り』のような効果があるからだ。・・・君は『呪文』で紋章士を顕現するが、同時に神竜が使う『祈り』のように紋章士を解放できる・・・! 何より、君のその髪と瞳の色が物語っている。
1000年前のような赤一色ではない・・・・・
・・・・その『蒼』はルミエルの愛だ。君の中にルミエルの・・・・『神竜の力』を受け継いだ証だ!」
どうやらルミエルは1000年もリュールが眠っている間に自分の力を母親としてリュールに与え続けたらしい。その結果、あそこまで弱ってしまったのだ。
・・・そう、リュールが蒼也を呪いから解放した、あの時みたいに。
「蒼也が今の君のようになったのは、そのルミエルが君に施した過程とあの時力を与える過程が同じだったからだ。でないとここまでそっくりにはならない」
「そうだったんですか・・・・」
「・・・やっぱりこうなったか」
静かに話を聞いていたグリが杖を取り出した。
その途端、天井が崩れ落ちてきた。
「逃げる気か!?」
「俺は絶対にセピアの元に戻らなきゃならねぇのでね。しかし、二人をワープさせるのにはこの状態じゃ無理があるか・・・」
「だったらマロンを!!」
モーヴがマロンを自分より先に優先する。
「えっモーヴは・・・!?」
「何を迷っている早くいけ!!」
そしてマロンを連れて、グリは消えてしまった。
「くそっ、逃げられた・・・!」
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あれから少し経過して、ソンブル達がリトスへ向かったため俺たちも行く準備をしている最中。
俺は急にリュール様に呼び出された。
「なんです?急に俺なんかを読んで・・・」
「これを渡しておこうと思いまして」
リュール様が俺に渡したのは、ヴェイルが俺を呼ぶのに使ったであろうあの指輪だ。
「私では少し荷が重いので・・・・」
「・・・わかりました」
そしてゆっくりと指輪を受け取る。
「・・・リュール様?どうしたんですか?ぼーっとして。さっきのことですか?」
「え!?ええ、まぁ・・・」
流石にすぐに納得がいかないところもあるみたい。
「でも俺がこうなったことがもう完璧な証拠じゃないですか。そんなに深く考え込まないでくださいよ」
「そ、そうですよね・・・」
「・・・あ、でも少しこの髪色と目の色で問題が・・・・」
リュール様が首を傾げる。
「なんでしょうか?」
「実は・・・・物資の調達にさっき行った時に『神竜って姉弟がだったのか!?』
ってたくさんの人に言われちゃいまして・・・・」
「あ〜・・・・」
さっきまだ無事だった街にグレートフォックスで買い物しに行ったら連発で言われた。あの時は恥ずかしかったな・・・・
「どうしたらいいでしょうか・・・?染めちゃおうかな?でもこの髪質なぜか染めてもすぐ塗料が落ちちゃうんだよなぁ・・・・・」
そう呟きながら、俺は水を口に含んだ。
が、その途端、リュール様から爆弾発言が・・・!!
「じゃ、じゃあ・・・・友達ってことにしません?」
ぶーっ!!
「あああああああ!?!?!?大丈夫ですかぁぁ!?!?!?」
「だ、大丈夫です・・・」
よかった・・・かかってなくて。でもその僕弾発言はやめて!?俺がこんな大物と仲良くできるわけないでしょ!?
「とか言いながら実際には結構私たちかなりの頻度で話してますよね?しかも結構馴染み深くなってますし」
「それはそれでもです!!」
「あとその方が友達もセンスがカッコよかったとか理由をつけれると思うのですが・・・?」
あ、なるほど。そういう魂胆だったのか。採用できるわ。
「・・・それに、私もあなたとは親友の中でありたいと思ってまして」
「へ?」
「あなたはどちらかというと、ある意味尊敬している人だったり敬意を払っている人は多いけど親友と言える存在はこの世界にはいないんじゃないですか?」
た、確かに・・・様を付けて読んだり尊敬語とか謙譲語とか使っていることが多いしどちらかというと友より敬意を払ってる方かな。
だって俺の周り階級が自分より高い人しかいないんだもん・・・・・
おまけに紋章士と話す機会もあまりない。俺紋章士の指輪持ってねぇからなぁ・・・
「私も友達と言える存在が欲しくて・・・皆さんは仲間ではありますが、私の個人的な親友と呼べる存在かわからなくて・・・」
「そうですかね?」
リュール様って結構感考えこんじゃう人だな、こりゃ・・・・
・・・違った、竜か。
「・・・でもいいですよ。ルミエル様からもよろしくって言われてますし。親友を作っておいて損はしませんし」
「でも母さんから言われたからって、それってある意味使命みたいなものじゃないですか。私はあなたがなって欲しいか尋ねているのです」
「そりゃなりたいですけどね『えっ!?本当!?ありがとうございす!!』・・・ってしまった、本音が・・・・・!?」
そんな俺をお構いなしにリュール様は腕を握ってぶんぶん振ってくる。
「では、これからもよろしくお願いしますね、蒼也!」
「・・・あー!もう!こうなったらやけだ!こちらもお願いします!」
こうして、俺たちは友達(?)になった。
だが、これをフランに見られて恋愛していると勘違いされ、ファンクラブのみんなに発表しようとしていたことを二人で全力で阻止しに行く羽目になってしまったのだった。
(友達つくっただけなのに(仮だが)、どうしてここまで疲れるのだろうか・・・・?)
続く
なんだかリュールと主人公の仲が…?