『何をしている・・・今すぐ奴らから全ての指輪を奪え・・・・できぬなら・・・もうお前は必要ない』
空から邪竜ソンブルが現れる。
「パパ・・・もうやめて。指輪は奪わないわ・・・リュール達の大切なものだから・・・」
ソンブルはそんなヴェイルの発言に対して一言。
『出来損ないの欠陥品め・・・お前はもう不要だ』
イルシオンで見たようにソンブルの口から暗黒の光が溢れ出る。
「二人とも!!リフレクターの準備を・・・・『ダメです!!』・・・リュール!?何を言って・・・・」
「前回のことを忘れましたか!?あの時は一回のブレスでリフレクターが完全に故障したのでしょう!?また同じになってしまいますよ!!」
確かに前回、フォックスとファルコはリフレクターでブレスの反射に成功したが、対して効いていなかった挙句、完全にオーバーヒートしてしまった前例がある。
しかし、今ここであのブレスを防がなければ、ここにいるみんなの命が危ない。
「・・・・・だったら『反射』ではなく、『守る』一択にするだけ!!」
ブレスがソンブルの口から放たれる。
フォックス、ファルコ、ウルフがその一瞬前に同時にシールドを発生させた。
3人分のシールドのおかげで、背後にいる味方には巻き添えが行っていない。
『ほう、ならこれならどうだ?』
が、ソンブルはさらにブレスに威力を付け足した。
シールドがグングン削られていく。
「し、しまっ・・・・」
そしてとうとうシールドは弾け飛んでしまった。しかし、同時にソンブルからのブレス攻撃も止まる。どうやら長時間はブレスを維持できないらしい。
シールドを張っていた3人はシールドが弾け飛んだ衝撃と反動で気を失ってフラフラと頼りなく立っていた。
フォックスに至っては変身が解けて蒼也に戻ってしまっている。
「3人とも!!」
カービィが駆け寄るも、3人の耳にはその声は入っていない。
『悪運のいい奴らよ。しかし、これで終わりだ』
再び口から暗黒の光が溢れ出した。
3人はまともに動くことがいまだにできていない。
容赦なくソンブルはとどめの一撃のブレスを放った。
カービィとヴェイルがもうダメと言わんばかりに目を瞑ったその時。
バッ!!
と、何かの人影が彼女達の前に立ちはだかった。
当然、その人物はまともにブレスを喰らってしまった。
その正体を見た時、ヴェイルの顔が絶望に染まった。
「・・・リュール!?どうして・・・!」
「リュール様!!」
「・・・無事で良かったです・・・ヴェイル・・・あなたは・・・私の。大切な・・・」
ドサリと、彼女の体が倒れた。
「いや・・・いやだよ・・・・リュール!!」
「「「・・・!?」」」
先ほどのブレスの衝撃で3人が意識を取り戻す。そして、その光景を目にしてしまった。
「ば、バカな・・・・こんなことが・・・・・小娘・・・!!」
「おいおい嘘だろ!?しっかりしろよ!目を覚ませ!!」
「なんで・・・・友達になろうって言ったのはお前だろ・・・?
言い出しっぺが言って早々死ぬんじゃねぇぞ・・・?」
しかし、もう全員はわかってしまった。彼女はもう、この世にはいないのだと。
「・・・リュール様が・・・亡くなられた・・・」
「・・・!?ヴェイル!竜石が!!」
「・・・!?」
そして、ヴェイルの持っていた竜石も粉々に砕けてしまった。
持ち主であるリュールが死んだことによって竜石も力を失ってしまったのだ。
「あなたが・・・お姉ちゃんだったの・・・?もっと話したいことがあったのに・・・・私なんか・・・・庇わなかったら良かったのに・・・・!」
そんなことを言っていてもヴェイルにはわかっていた。
もちろんリュールはヴェイルを庇うつもりだったが、同時に蒼也たちも守ろうとしていたのだった。
なにより自分が避けたら、残った5人は死んでしまうから。もう、誰も死なせたくなかったから。リュールはそう思っていた。
『我が子の生き残りが・・・・その生まれを覆し、『神竜』として生きることなど愚かなこと・・・・こうしてここで死ぬのが定めだったのだ・・・さぁ、全てを終わらせるぞ・・・・・!!』
カァァ!!
と、ソンブルのブレスが今度は全員に直撃した。
「チッ!!」
先ほどの2回めのブレスでできた瓦礫に蒼也はすぐに身を隠し、ファルコとウルフはその場回避でダメージを最小限に抑えようとしたが、それでもダメージは大きすぎた。
蒼也は今、竜であったからこそまだ動けたが、ファルコとウルフは揃ってひっくり返ってしまった。
「グワァァァァァァッ!!」 バタッ
「ば、バカな・・!?俺よりも上なのか・・・!?」 バタッ
「残念だけど、最初から勝機なんてなかったわ。まだソンブル様は半分のお力しか使っていませんもの・・・・・」
その言葉を聞いて、全員絶望のどん底に真っ逆さまだ。
そして、こちらが所有していた11個の指輪全てがソンブルに取られてしまう。
結局、イルシオンの時と同じになってしまった。
ソンブルが大きく空に羽ばたいたかと思えば、今度は大きな地鳴りが。
『・・・・甦れ、グラドロンも地よ・・・!!』
続く