四狗
さて、俺たち神竜軍は無事にグラドロンに上陸ができた。
『ねぇねぇ蒼也。あれ止めなくていいのかなぁ・・・?』
スリッピーが目を向けた先には何やら話し合いをするリュールとさっきとっ捕まえて捕虜にしたグリの姿が。
「・・・今は無駄な口を挟むのはやめにしておこう。余計に悪化しそうだ」
にしてもここは暑すぎる・・・!何せグラドロンの溶岩地帯だからな・・・・
「なるほど、ソンブルの馬鹿野郎はこんな地獄のようなところを好むのか。相変わらず趣味が悪ぃな」
「いいえ、あくまでパパは自分の望みを叶えるためにこの大陸を作っただけ。自分の好みに合わせて作ったわけじゃないの」
そうなのヴェイル?じゃあこれは、ただの偶然ってことか・・・・・
「・・・・・あったよリュール!!あれが『邪竜紋』よ!!」
「・・・すぐに破壊を・・・!?」
・・・おっと、さっそく邪魔が入ったか。あの影は・・・・
「セピア・・・!!」
「あら・・!グリ・・・あなた死ななかったのね。よかったわ」
「・・・頃好きだっただろうがよ・・・・まぁまぁいい痛みだったぜ・・・!」
「そう・・・・悪いけど邪魔しないでちょうだい?ソンブル様の願いが叶うまでここの邪竜紋を守るのが私の役目・・・!」
ドカァン!!
「・・・!?これは・・・・溶岩の塊!?」
おうおう、マジで殺す気に入ってきたか。でもその威力じゃグリまで消しとばすだろうがよ。何考えてんだ?
「何を考えてるですって?・・・グリはもう四狗では無いから、というのが正解かしら?」
「チッ・・・!!」
なるほど、内部分裂したのか、こいつら。
「・・・・ソンブルは指輪の力を手に入れました・・・
あなたの役目は『終わった』のだとわからないのですか?」
リュールが一気に間合いを詰めて攻撃する。
それに反応できなかったセピアは多少乗っているドラゴンごとノックバックされた。
「・・・違うわ。私は約束したんだもの。ソンブル様は必ず果たしてくださる・・・だから私もここで邪竜紋を・・・・!?」
・・・・何かセピアの様子がおかしい・・・・・
『まずいぞ、何か変なスイッチが奴に入ったのか、エネルギー反応が急激に高まっていく・・・!!やつの力と邪竜紋から発せられるエネルギーが共鳴しているようじゃ・・・!!』
ペッピーがその変化について詳しく教えてくれた。
『リュール様!!早くセピアにトドメを刺すのです!!このままではワシらの手に負えなくなって・・・!!』
空から無数の火山弾が襲いかかる。この辺り一体を消し炭視する気か!?
「くそっ、だったら早期決着をつけるまでだ!!マルス、ルキナ、ロイ!!」
リュールからもらった指輪からまゆばい光が溢れ出して、3人の人影を作り出す。
スマブラでのマルスとルキナ、そしてロイは俺が変身するフォックス同様、地上での走行がとても速い。あの火山弾のスピード程度なら走って避けられるし、足がダメなら緊急回避だったりシールドで防げるはずだ。
「あの共鳴している邪竜紋を破壊すれば、セピアは止められるはずだ!!」
が、それに気づいたのかセピア自身からさらに魔法攻撃が加わるという災厄な展開に。
「このままじゃまずいな・・・・リュール!!邪竜紋の方は任せた!セピアは俺たちでなんとかする!!」
「了解です!!」
「みんな、ヘイトを俺たちに向けるんだ!あの火山弾程度なら避ける方法も防ぐ方法もあるからな!!」
「イルシオンの件も俺にはあるんだ。礼はたっぷり弾むぜ!!」
「任せてください!」
「ここから先へは通さない!」
「僕たちが相手だ!!」
フォックスにチェンジして相手に仕掛ける。
セピアは魔術師だ。反射と近距離攻撃で攻めれば何もできないはず!!
当の本人は俺らが反射できることも忘れてしまったらしく、『ボルガノン』を連射してくる。
「お返し!!」
「ほらよっ!!」
そして見事にそれはセピアに返っていく。
さらに叩き落とさらたところにルキナとロイの横スマッシュ攻撃が叩き込まれる!
「はぁっ!!」
「トリャッ!!」
『ドラゴンキラー』と『パワースマッシュ』を同時に食らったセピアはさらに横に吹っ飛ばさられる。
そしてその横から俺が呼び出したマルスが突撃してくる!
「せいっ!!」
あれは・・・最後の切り札の『必殺の一撃』か。しかも発動位置からもそれなりに近いから威力は抜群だな。
そして見事にセピアは岩に大きな音を立ててぶつかった。
「・・・ちょっと派手にやりすぎたか?」
「やりすぎたというよりは、大人気ないんじゃ無いかな・・・?」
「これじゃ袋叩きですね・・・」
「・・・なんだか王子として恥ずかしくなってきたのは街がていないよね?」
うん、全然大丈夫だよマルスくん・・・ってまずっ!!
「避けろぉ!!!」
俺の叫びでその場にいた全員が一斉にチリジリになる。かなり巨大な火山弾が迫っていたのだ。
その先にはぐったりと岩山にめり込んだセピアの姿が。
「あっ・・・・」
しまった・・・・!あれは・・・・!!
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・・・・フォックスたちが奮闘している中、見事邪竜紋の破壊に成功したリュール一向。しかし、この地帯一遍は溶岩で充満しつつあった。
さっきの火山弾連射がいけなかったらしい。
そしてセピアと、先ほど火山弾から彼女を庇ったグリが溶岩に囲まれてしまった。
「しまった・・・!!誰か救助に向かえるか!?」
『ダメだ!アーウィンも一人乗りだし、二人以上乗せたら落っこちちゃうよ!!』
「俺たちの空中ジャンプでも届く距離じゃねぇ・・・・・もうだめだ・・・!」
「こんなに暑かったら流石の僕でもホバリングできないよ!!!」
「このままでは・・・!?」
そんな中、リュールの手に何かだ飛んできた。
砂時計のようなアクセサリーだ。不思議な光に包まれている。
「・・・その魔法具を持って・・・ここから逃げなさい」
渡したのはセピアだ。どうやら自分の命を削ってまでして魔法具を作って渡してくれたらしい。
「・・・けっ、テメェとは正々堂々と決着をつけたかったのによ、こんな終わりだと後味悪いぜ・・・」
「あら、私がいなくなって寂しいの?小鳥ちゃん?」
「うるせぇ!!」
そんな会話を最後に、リュールたちは溶岩の届かないところに避難していく。
「・・・・・本当のことを言ったらどうだ?」
リュールたちがいなくなるとグリが起き上がった。
「・・・ソンブル様への仕返しよ。あの方だけ願いが叶って、悔しいじゃない・・・」
「・・・そう思うほど、ソンブル様が好きだったのか?」
グリが問う。
「・・・違うわ。私はソンブル様の『子』が欲しかった・・・・」
淡々と自分が望んでいたことを語りだすセピア。彼女は知らないうちにもうそれを・・・『家族』を手に入れていたのに、自分で破壊してしまったことを後悔していたのだ。
結局、自分は忌むべき存在でしかなかった、そう語った途端、グリが口を開く。
「・・・何言ってんだ・・・あんたは俺を救ってくれただろう?」
セピアとグリ。彼女たちは偶然にも境遇だったのだ。
今まで一人だった自分に光をくれたのが、セピアだったとグリは語る。
「マロンには嫌なことをしたわね・・・後遺症がなければいいんだけど」
「あいつは軽傷だったしそんなことでくたばるやわなやつじゃねぇよ。・・・あのずんぐりピンクに感謝しなねぇとな」
もうそこまで迫ってきている死。
それでも彼女たちは、最後まで恐れることなく共にいるのだった。
続く
この後の話の更新について時間をかけてしまう可能性があります。待っている読者の皆様には大変申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください。完結はさせるつもりです。