怪物と英雄の狭間で 作:伝説の一般元ブロリスト
コメントを返せていなくて申し訳ない……!!!!!余裕が無くってー!!
これからもどうぞよろしくお願いします……お気に入りがいつの間にか2000いきそうなのと、評価が150に近づいてきています…!!!本当にありがとうございます!!
これからもブロリーの無双っぷりを、お楽しみください。
ついに迎えた――雄英高校体育祭、当日。
巨大な雄英スタジアムは、早朝から押し寄せた超満員の観客と、日本中から集まった報道陣の熱気で文字通り爆発せんばかりに沸き返っていた。
――1年A組、選手控室。
体操服に身を包んだ生徒たちは、各々のやり方で迫る本番に向けて精神を研ぎ澄ませていた。
その部屋の隅で、ブロリーはそっと自分の首元に触れていた。
太い首にぴったりと巻きついているのは、深みのある濃紺と金色のラインで装飾された、洗練されたデザインのチョーカー――発目明が工房に泊まり込み、ギリギリで完成させた『バイタル調律型チョーカー』だ。
首を絞めるような冷たい圧迫感は一切なく、重くもない……羽の様に軽いため、首元に違和感はない。
「ブロリー、それが前に言ってたサポートアイテムか?」
「上鳴…。ああ、発目が作ってくれた、オレだけのアイテムだ」
「デザインもブロリーに合ってていいなぁ…!」
「これがあれば、安心してオレは…みんなと競い合える」
「正直ブロリーに勝てる気なんて全くねえけど……だからって諦めるのはちげぇしな!!全力で行くぜブロリー!」
上鳴がニッと歯を見せて笑い、ブロリーの太い腕を軽く小突く。
切島や瀬呂も集まってきて、『それサポートアイテムか!?すげぇな!カッケェ』『いいデザインだなぁー』と口々に声をかけ、控室の空気が自然と和らいでいく。
そんな中、飯田がドアの前で腕を直角に振り回しながら大声を張り上げた。
「みんな、準備はいいか! もうすぐ入場だぞ!」
その号令に、生徒たちがそれぞれの荷物を置き、気持ちを切り替えようとした――まさにその時だった。
部屋の空気が、ふっと凍りつくように冷たくなった。
「緑谷」
静かに歩み出たのは、轟焦凍だった。
オッドアイの冷徹な視線が、まずは緑谷出久を真っ直ぐに射抜く。
「客観的に見て、俺の方が上だ。だが……お前、オールマイトに目をかけられてるよな。別にそこを詮索する気はねぇが……お前には勝つぞ」
「……っ」
息を呑む緑谷。切島が慌てて「おいおいおい、急に喧嘩腰でどうした? 直前にやめろって」と割って入るが、轟はその制止を無視し、冷ややかな視線をわずかに横へ――ひときわ巨大な影を落とすブロリーへと向けた。
「……八木」
「……轟」
「お前は……はっきり言って次元が違う。あんな理不尽な破壊力は見たことがねぇ。それに…お前もどこか、オールマイトと仲が良さそうだったよな」
「…!」
「だから、なおさら負けられねえ……俺は、お前に…勝つぞ」
一切の妥協を許さない、絶対的な決意。
教室中が息を呑むほどの重圧の中、ブロリーは逃げることなく、轟のオッドアイを真っ直ぐに見つめ返した。
「―オレだって、負けない。オレは、お前に勝つ」
その穏やかで、しかし決して退かない静かな意志に、轟はわずかに目を細めると、踵を返して扉へと向かった。爆豪はそんな光景を見ながら、激しい怒りを覚えるので合った。
「…コホンッ、入場の時間だ!! よし、行くぞA組!!!」
『おおーーーーー!』
飯田の檄の声に猛る熱を叫びたA組は会場へと向かった。
『遂に来たぜ!! 年に一度の大バトル! ヒーローの卵と侮んなよ!! つうかお前等の目的はこいつ等だろ!?――ヴィラン襲撃を乗り越えた鋼の卵共!!―――A組だろぉ!!
『ウオォォォォ!!』
『頑張れよ有精卵共!!』
『見せて見ろよヒーロー科!!』
A組はプレゼント・マイクの声と共に入場。そして大勢の歓声に包まれ、会場だけでも万はいるだろう人数からの声援と注目度を全て掻っ攫った。
ヴィラン事件を戦い抜いた彼らはまさしく今年の目玉だった。
次々と他のクラスの者達も集結し終えると、宣誓台に上がる一人の女性……18禁ミッドナイトだ。わかりやすくその場にいる紳士達から歓声が湧き上がり、ミッドナイトのファンサービスの一環として手を振るったり、軽くポーズを取ったりしていた。
「…!」
「?」
「……フフッ」コンコン…グッ!
(!――はい。がんばります)
ミッドナイトはブロリーを見ながら首元をコンコンと2回ほど軽く指を当てた後、サムズアップをし笑顔を見せた。『首輪、かっこいいわね。似合っているわ…頑張れ』、その意味合いを込めた仕草を、ブロリーは理解し受け止めた。
「――早速いくわよ! 選出宣誓!! 選手代表!!――1-A組・八木蕗利!!」
「―はい」
入試一位だったブロリーが選手代表となっている為、ブロリーは一人壇上の方へと歩き出す。
グラウンドに並ぶ生徒達、そしてスタジアムを埋め尽くす万単位の観客たちの視線が、壇上へと歩み出るひときわ巨大な影へと一斉に集まった。
「なっ…ほ、ほんとにあの子、学生か?」
「歴戦の猛者って顔つきだよなぁ…」
ざわめくスタジアム。無数のカメラのレンズが向けられ、好奇と警戒の混ざった視線が突き刺さる。
ブロリーは一瞬だけ息を呑んだが、そっと首元のチョーカーに指先で触れた。肌に馴染む確かな温もりと、微かに届く穏やかな香りが、緊張で強張りかけた心を優しく解きほぐしてくれる。
(大丈夫……オレは、逃げない)
マイクの前に立ったブロリーは、居住まいを正し、右手をまっすぐに高く掲げた。
「――宣誓」
マイクを通じて、深く、よく通る澄んだ声がスタジアム中に響き渡る。
「我々……せ、選手、一同はヒーローシップにのっとり、積み重ねた努力を発揮し、アンチ…行動をせず正々堂々と戦い抜く事を誓います! 選手代表1-A組・八木蕗利」
慣れないながらも頑張ったブロリーの宣誓が終わる。同時に拍手が起き、A組の者達も安心した様子だ。
「素晴らしいぞブロリーくん!!」
「よっ!我らがブロリー!!」
ブロリーは宣誓が終わり手を下ろす……だが、マイクの前からすぐには立ち去らなかった。
少し困ったように眉を下げ、視線をグラウンドへと向ける。
そこには、闘志を燃やすA組の仲間たちだけでなく、悔しさと野心を秘めたB組、席を奪おうと睨みつける心操たち普通科、ヒーローをサポートする為日々努力し、ブロリー自身を変えるきっかけをくれた発目たちサポート科、そして未来のプロデュースを狙う経営科――それぞれの想いを胸に抱えた、すべての生徒たちの姿があった。
ブロリーは深く息を吸い込み、自分の心からの言葉を紡ぐように、ゆっくりと口を開いた。
「……えっと、それから……少しだけ、言わせてください」
「?」
突然のアドリブに、ざわめきがすっと静まる。
「オレたちA組は、ヴィランに襲われて……すごく注目されています。でも、ここに立っているのは、オレたちだけじゃありません」
ブロリーの温かい黒い瞳が、全校生徒一人ひとりの顔を見るようにグラウンドを優しく見渡した。
「みんな、ヒーローになりたくて、自分の夢を叶えたくて……毎日たくさん努力して、ここに立っています。……だから、今日の主役は、ここにいるみんなです」
「…………!」
他科の生徒たちがハッと目を見張る。
「オレたちだけじゃなくて……ここにいる全員の頑張りを、どうか、見てあげてください。よろしくお願いします」
ペコリと、ブロリーは深々と頭を下げた。
傲慢さも、見下すような驕りも一切ない。
自分たちに向けられた特別なスポットライトを、グラウンドに立つ全員へと分け与えるような、純粋で優しい言葉。
一瞬の静寂の後――。
ワァァァァァァァァァァッッッ!!!!
スタジアムを揺るがすほどの、温かく凄まじい大歓声と拍手の嵐が巻き起こった。
「よく言ったァァァ!!」
「応援してるぞーーッ!!」
観客席のプロヒーローたちも『あの子、いい目をしているな』『器がでかい』と顔を綻ばせ、A組の列からは切島が『ブロリーの野郎……男前すぎるだろ!!』と涙ぐみ、上鳴も誇らしげにサムズアップを掲げていた。
ミッドナイトは優しく笑みを浮かべながら拍手を送った後、早速競技について話していく。
「それじゃあ第1種目の発表と行こうかしら!いわゆる予選……!毎年ここで多くの者が涙を飲むわ!!
――第一種目。それは――障害物競走よ!!――計11クラスによる総当たりレース! コースはこのスタジアムの外周、距離は約4㎞よ!。そしてルールはコースを守れば何でもあり!!ほらほらスタートはあそこよ!」
説明しながらミッドナイトがムチを向ける場所。そこには一つのゲートがあり、それは会場へ出る為の狭き門。
その前には少しでも有利に運ぼうと生徒達が位置に付き始める中、ブロリーは1番後ろの方で待機。
(――ここで気を使って手加減をするのは、逆にみんなに失礼だ。でも本気は出せない……)
ブロリーは息を整え、首元のチョーカーに意識を向けた。
心は穏やかだ。暴走の兆候はない。ならば、自分の肉体本来の力――ほんの僅かなステップだけで、どこまで通用するかを試す時だった。
『スタート前カウントダウン! 3―2ー1――STARTッッ!!』
マイクの合図と同時に、狭い通路へ生徒たちが殺到する。
その瞬間、轟が個性を発動。
「悪いな」
通路全体が一瞬で氷漬けとなり、大半の生徒たちが足止めを食らう。だが――。
「うぅぅ…!」
(やっぱり…そう来るよな…!!)
ブロリーは飛行しそのまま生徒達の頭上を飛び真っ直ぐ飛び出した。轟はそう来るとわかっていたので、前へと滑りながら後方へ向かって分厚い氷の壁を生成。
「うゔゔぁぁ!!」
それをブロリーは勢いのついたパンチ一つで破壊、轟は何度もブロリーの行手を阻む為氷結でとことん邪魔をするが、ブロリーの前では障害物の一つにもならなかった。
『いきなりとんでもねぇことになってるが!ここにきて第1関門が登場!!最初にして最大の壁、ロボ・インフェルノだァァァッ!!』
目の前に立ち塞がるのは、ビルのように巨大な仮想ヴィラン…入試の時に現れた0ポイントヴィランだ。
――と、いうことはつまり。
「るゔゔゔぅぅぁぁぁっ!!!」
ブロリーの手で簡単に突破されるというわけである。ブロリーは0ポイントヴィランの顔に向かって綺麗な右フックを喰らわせる、0ポイントヴィランは周りのヴィランを巻き込みながら倒れ、そのまま大破。
『――ろ、ロボ・インフェルノ!登場からたったの数秒で撃沈!!時間稼ぎにもならなかったぁ!!』
『ま、そりゃそうだろうな』
轟はブロリーがロボ・インフェルノを攻略している隙を狙って独走しようかと考えていたが、思っていた何十倍も足止めにはなっておらず、氷結の壁を作って妨害しようとしたが、ブロリーはもうすでに自分を抜いていた。
「クソッ…!!」
轟を抜いた先に待っていたのは、第2関門のザ・フォール。谷&島…島間に渡してあるロープを辿って向こう岸まで渡る、大げさな綱渡りゾーン――つまり空を飛んでいるブロリーには何も意味も無い為、そのままスルー。
ゴールまで後少し、ブロリーは油断せずそのまま第3関門にまで到着しそれを超えようとした――その時。
「ブロリィィィィィィィィッッ!!!!」
(爆豪…!)
「先になんざ行かせるかァァァ!!!」
頭上から猛烈な推進力とともに降ってきた爆豪が、両掌をブロリーの顔面めがけて突き出した。
「死ねやァァァッ!!」
至近距離での特大爆破。黒煙と爆炎がブロリーの視界を覆い尽くす。
だが、爆風が晴れたそこにいたのは、煤ひとつ払う様子もなく、ただ真っ直ぐに前を見据えるブロリーの姿だった。
「悪いが、ここで止まってもらうぞ八木!」
爆豪の攻撃に合わせ、地上から猛追してきた轟が個性を使いブロリーに向けて氷結を放つ。爆豪もブロリーの動きを止める為、連続の爆破を空中から浴びせる。
『轟と爆豪!二人でブロリーに向かって猛攻撃!!こうでもしねぇと止まらねえブロリーがやっべぇぇ!!流石のブロリーも動きを止めて――』
プレゼントマイクのその言葉が完全なフラグとなってしまったのか……次の瞬間、ブロリーは氷と爆破に襲われながらも体全体をグッと縮こませた後勢いよく全身を広げた。
「はぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"っっっ!!!」
「なにっ…!!!?」
「グッ―クソッ…!!!」
ブロリーを中心に巨大な緑色のエネルギーの球体が一瞬発生し、そのエネルギーに爆豪と轟は吹き飛ばされる。爆豪はすぐに爆破で旋回を取り、轟は氷で滑りながら急いで前へと戻る。
―――だがすでにもう、決着はついていた。
『―圧倒的、まさしく、圧勝!!!!!!他を寄せ付けない破壊力とスピードで全てを蹴散らし、真っ先に戻ってきたのはコイツだ!!――八木蕗利ィィィィィィ!!!』
トンネルを抜けた瞬間、頭上から降り注ぐ万雷の大歓声と割れんばかりの拍手。
ブロリーはしっかりとグラウンドの地面に着地し、ゴールテープを切った。
「……ふぅ……っ」
ゴールの先でブロリーは立ち止まり、そっと首元のチョーカーに指先を添えた。今まで以上に、緊張感を募らせる必要がなかった……それも全て、このサポートアイテムの賜物。
ブロリーに続いて、今度は脳をフルに使った緑谷が轟と爆豪を超え2位でゴール。その次に轟、その次に爆豪だった。
「――反則だ……反則すぎるよ……何なんだその…パワーは…!!」
「……ハハッ…アレがヒーロー科のNo. 1――クソッ……とことん、不平等だな…この世界は…」
「ブロリーさん…!!早速目立ってくれていますね!!」
ある者はブロリーの強さに絶望し、ある者はブロリーの個性そのものを妬み、ある者はブロリーとそのサポートアイテムにだけ注目していた第一種目。
しかし、この場にいる全てのものは知らない
―――ここから更に、ブロリーの強さが明らかになるという事を。
次回騎馬戦!!お楽しみに!!!
発目ちゃんとの詳しい会話は、もう少しお待ちください。一気に全部出す予定ですので。ミッドナイトや他のキャラ達ともちゃんと話しておりますので、お楽しみに。
あっめちゃくちゃ関係ないんですけど。
選手宣誓をしたのは八木蕗利君・15歳(声年齢71歳)です。