怪物と英雄の狭間で 作:伝説の一般元ブロリスト
次回からどんどんどんどんいきますよ〜!!!!
ところで話は変わるのですが、ダークマイトっているじゃないですか。
あの人、この作品のブロリーにとって地雷すぎるよなぁ…‥と思いました。
「………………………」
入試試験からそれなりの時間が経ったある日、ブロリーは1人胡座をかきながら腕を組み……目の前にある一つの円状の装置を睨みつけていた。
それは雄英高校から届いた封筒の中に入っていた物であり、父親の話曰く『入試試験の結果がわかる物』らしい。
ブロリーの心臓は驚くほど速く鼓動していて、緊張による汗もかき始めていた。
――ッ!!!
――待っていても何も進まない、そう思ったブロリーはゆっくりと手を伸ばし、その機械に触れた。
『――私が投影されたぁっ!!』
「!?…お父さん…?」
装置の正体は投影装置だったらしく、映し出された映像には派手なスーツを着た自分の父オールマイトの姿が映っていた。ブロリーはいきなり映し出された映像に驚きながらも、話をしっかりと聞く。
『やあ蕗利! 試験お疲れ様! 自分の息子に合否の発表をするのは、いささか妙な気分だけど……ここからは!雄英教師オールマイトととしての言葉として聞いて欲しい!」
「…うん」
『八木蕗利!まずは筆記試験に関してだが……ギリギリセーフ!!合格!!よく頑張ったね!』
「―良かった…!!」
『そして次に実技試験!!…ヴィランポイント90!これだけでも合格ラインだが……試験官達が見ていたのはそれだけであらず!!』』
仮想敵を倒したのちに獲得したポイントを発表され、そんなにもポイントが入っていたんだと驚いていたブロリー。さらに追加で、別の驚くべき情報が入ってきた。
『――どんな状況でも助けてこそのヒーローさ!! 偽善上等! 我々が見ていたもう一つのポイントこそ救助活動ポイント!』
救助ポイント、プレゼントマイクの説明には無かったポイント。
勿論ブロリーはこの救助ポイントについて何も知っておらず、『ただ危険な目に合っていた人がいたから助けただけ』。彼にとって人を助けることは当たり前のことであり、それにポイントがついているだなんて思いもしなかった。
『蕗利、君の救助ポイントは………102!!救助ポイントだけでこの数字を叩き出したのは、君が初めてだ!!我々雄英教師が最も評価したのは、最後の0ポイントヴィランとの戦い!!君はあのヴィランに風穴を開けたあと、周りの人々や建物に被害が出ないように空へと蹴り上げ、上空で倒した……周りのことにもちゃんと目を配り動くだなんて、そうそうできる物じゃ無いからね!』
敵を倒しながらも周りに目を配り、人命を最優先に動く。ヒーローとしてほしいものが備わっている彼は、教師陣から高く評価されていたようだった。
そして…それらの評価が合わさり、ブロリーが手にした得点は。
『合計192!!入試1位! 文句無しの合格さ!!』
「ッッ!!」
ブロリーは雄英高校に合格した事にガッツポーズをとりながら喜んでいた。
「……受かった……オレ、雄英に……合格したんだ……!」
胸の奥から湧き上がってくる熱い塊に、ブロリーはぎゅっと両拳を握りしめた。
それと同時に同じ未来を目指して共に特訓し、勉強を教えてくれた緑谷出久の顔や、一緒に試験を受け、背中を叩き合ってくれた上鳴電気の顔が脳裏に浮かぶ。
きっと、彼らも合格しているはずだ。いや、絶対に合格して見せている。
そんなブロリーの感慨を破るように、投影映像の中のオールマイトが、画面狭しと腕を広げ、最高の笑顔で語りかけてくる。
『――来いよ蕗利! ここが君のスタートラインだ! 憧れを憧れのままで終わらせず、その手で掴み取れ! 雄英高校で待っているぞ!!』
バシッとカメラに向かって指をさし、ビシッと決めポーズをとるオールマイト。しかし次の瞬間、映像の中の父親は少し表情を緩め、どこか照れくさそうに頭をかいた。
『……ふぅ、教師としての公式な挨拶はここまでだ! いやぁ、自分の息子に合否発表の映像を撮るのは本当に緊張したよ……! さぁ、ここからは……そっちの私にバトンタッチだ!!』
「そっちの……?」
ブロリーが首を傾げたその時、部屋の扉が『ガチャリ』と静かに開いた。
「――私が、来た」
そこに立っていたのは、画面の中の絢爛豪華なコスチュームを着たプロヒーローではなく、深く落ちくぼんだ目と痩せこけた体をした、普段の父親――八木俊典の姿だった。
俊典はゆっくりと部屋に入ると、照れくさそうに、けれど溢れんばかりの愛おしさを込めた瞳でブロリーを見つめた。
「お父さん……!」
「映像の私は『教師』として話していたからね……ここからは、ただの『父親』として言わせてもらうよ………おめでとう、蕗利」
俊典はブロリーの目の前まで歩み寄ると、その華奢な腕を精一杯伸ばし、2メートルを超える息子の大きくて分厚い胸を、力いっぱい抱きしめた。
「本当によく頑張った……! 筆記試験も、実技試験も……君は自らの意志で、自らの強さと優しさで、見事に乗り越えてみせた。……私の誇りだ、蕗利」
俊典の目からボロボロと大きな涙がこぼれ落ち、ブロリーの肩を濡らす。
父親の温かい体温と、背中に回された手の優しさに、ブロリーの目からも自然とポロポロと涙が溢れ出していた。
「―お父さん、ここまでずっと…一緒にいてくれて、ありがとう。オレ、雄英で……もっともっと強くなって、お父さんみたいな……みんなを安心させられる、最高のヒーローに絶対なる……!」
「ああ……! なれるさ、君なら絶対になれる……!」
痩せた父親の腕と、大きく育った息子の太い腕が、固く、固く交わされる。
大切なコスチュームのマントを腰に巻いた少年は、ついに最高の父親と同じ『ヒーローへの道』へと、大きな一歩を踏み出した。
その後
「―ブゥゥゥゥロォォォォリィィィィ!!!(涙)」
「上鳴ィィィィィィィ!!!」
「やったぁ!!俺達やったんだぁあぁあぁっ!!」
「ああ……ああ…!受かったんだ…オレ達は、一緒に…!!」
上鳴も雄英高校に合格しており、後日彼らは抱き合いながらその喜びを分かち合っていた。当然2人の元に他のクラスメイト達や教師達も集まり、大いに喜んだ。
「ブロリー君…!!僕、僕!!」
「緑谷…!お前は、頑張った、とっても頑張った!!すごいぞ!」
「―グスッ……――うおぉぉぉぉぉっありがと〜!!!!(涙)」
同じく雄英に合格していた緑谷とも再会し、軽いハイタッチをしながら喜び合い、叫びまくっていた。
こうして……ヒーローへの道の第一歩が踏み出せたブロリー。
彼はここから様々な困難や壁にぶつかっていく……だが彼は歩みを止めない。自分の目指すヒーローになるために。
怪物から――ヒーローへと変わるために。
ダークマイトに関しては、オールマイトの大ファンであり、推しである友人A君がこう言っていました。
『血祭りにあげてやる……!!』