イナズマイレブンWORLDCHALLENGE オーシャン   作:コマンダーコダック

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フットボールフロンティアインターナショナル

 

 第一幕:日本少年サッカー協会 会議室

フットボールフロンティアの熱狂が冷めやらぬ中、本来であれば世界への切符を懸けた「フットボールフロンティア・インターナショナル(FFI)」が開幕するはずだった。しかし、日本少年サッカー協会の会議室には重苦しい空気が漂っていた。

 

「なに? FFIが中止だと?」

 

「いえ、正確には『延期』ならびに『開催地の変更』です」

担当者が手元の資料を見ながら説明を続ける。

「メインスポンサーであったオリオン財団が、内部の都合により急遽スポンサーを降板したそうです。しかし代わりにフランスのマーニュグループが名乗りを上げ、現在フランスでの開催に向けて急ピッチで準備が進められています」

 

「なるほど……。ならば、我々も直ちに日本代表の監督を選定しなければならないな」

 

その言葉を待っていたかのように、1人の男が静かに手を挙げた。元副会長であり、再び帝国学園の総帥の座に就いた影山零治である。

 

「それならば、私が立候補しよう」

 

会議室がざわめく。

「待ってください。過去の経緯から、影山氏を良く思わない選手たちもいるはずです」

「私も同意見です。監督と選手の信頼関係なくして、世界とは戦えません」

 

次々と上がる懸念の声に対し、影山は不敵な笑みを浮かべた。

「私は常に世界のサッカーを知り尽くしている。欧州や南米といったサッカー先進国の最新情報もな。素人同然の連中に任せるより、日本代表を『世界一』に導けるのは私以外にいないと思わないかね?」

 

圧倒的な自信と、揺るぎない実績。重い沈黙の後、ついに会長が決断を下した。

「……分かった。影山零治、あなたを日本代表の監督に任命する」

「ありがとうございます」

 

第二幕:フットボールフロンティアスタジアム(日本代表選抜合宿)

電光掲示板には、日本代表選抜合宿への参加を許可された候補者たちの名前がズラリと並んでいた。

 

【選抜メンバー】

円堂守、坂ノ上昇、不動明王、吹雪士郎、鬼道有人、風丸一郎太、氷浦貴利名、稲森明日人、吉良ヒロト、豪炎寺修也、灰崎凌兵、剛陣鉄之助、野坂悠馬、基山タツヤ、亜風炉照美、岩戸高志、万作雄一郎、砂木沼修、西蔭政也、海腹のりか、小僧丸サスケ、吹雪アツヤ、水神矢成龍、染岡竜吾、壁山塀吾郎、双流ミチル、佐久間次郎、源田幸次郎、道成達巳、下鶴改、緑川リュウジ、紫藤司。

 

ざわめく選手たちの前に、影山が姿を現す。

「諸君。私が総監督を務める、影山零治だ」

「よろしくお願いします!」選手たちの声がスタジアムに響く。

 

「まず、お前たちをサポートしてくれる優秀なスタッフを紹介しよう。マネージャーの木野秋君と、久遠冬花君だ」

 

その名前を聞いた瞬間、円堂が声を上げた。

「ああっ! 冬っぺ!」

「えっ?」突然の呼びかけに、冬花は目を丸くする。

「俺だよ俺、円堂守! サッカーのマモルくんだよ! 小1以来だね!」

 

しかし、冬花は困惑した表情を浮かべた。

「マモルくん……? どなたですか?」

「えっ……」

(見事にスルーされた……)と円堂がショックを受ける中、影山は構わず進行を続ける。

 

「それから、コーチ陣はこの二名に依頼してある。久遠道也だ」

「吉良瞳子です」

かつて日本を牽引した名将たちの登場に、選手たちの表情が引き締まった。

 

第三幕:フランス・現地の空港にて

舞台は移り、新たな開催地であるフランスの空港。

到着ゲートを出たメンバーたちを待っていたのは、脳の手術のためにチームを離れていた野坂悠馬だった。

 

「野坂! 手術、成功したんだな!」

「ああ。心配かけたけど、もう大丈夫だよ」

野坂がいつもの穏やかな笑みで応える。そこへ、見慣れない一人の少年が進み出た。

 

「はじめまして」

「君は……DFだよね?」

「はい、紫藤司(しどう つかさ)です。以前はこのフランスでサッカーをしていました。よろしくお願いします」

現地の環境を知る頼もしい新メンバーを加え、新生・日本代表の歩みが始まる。

 

第四幕:日本代表宿舎(フランス市内)

案内された宿舎は、ため息が出るほどの豪華なホテルだった。

 

「ここが我々の宿舎となる」影山がロビーを見渡しながら言った。

「すげえ……! でも、長期間こっちにいると学校の勉強ができなくて残念だなあ」誰かが冗談交じりにぼやく。

 

「その心配は無用だ」影山が即答する。

「関係者を通じて優秀な教師陣も手配してある。サッカーだけでなく勉強のフォローも完璧だ。受験に支障が出るかどうかは、結局のところ自分自身の努力次第ということだ」

「マジかよ……」逃げ道を塞がれ、数人が苦笑いして肩を落とす。

 

「明日からさっそく厳しい練習を……と言いたいところだが」

影山は少しだけ声のトーンを落とした。

「戦うためには、まず現地の環境や文化を知ることも必要だ。明日は『休み』とする。各自、観光して見聞を広めてくるといい」

 

その言葉に、選手たちの顔が一気に明るくなる。

「やったー!!」

 

厳しい戦いを前にした、つかの間の休息。フランスの空の下、彼らの新たな挑戦が幕を開けようとしていた。

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