ようこそ最強ゲーマーのいる教室へ   作:現魅 永純

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 Q. 今回の1番の被害者は特に理由もないのに理不尽な腕前のゲーマーにボコされるミラ○レアス先輩じゃない?
 A.空崎はちょいちょい『  』インストールでメンタルがやられるので都度解消に走る。今回はたまたまミラ○レアス先輩だっただけでアル○トリオンやミケ○ダや怨嗟○鬼だったりと、脳死だとやれないくらいの強ボスが犠牲者に選ばれる。今回の1番の被害者である事は間違いない。

 Q. ミラ相手に何を担いで行ったの?
 A.双剣。取り敢えず攻撃回数を増やす為に。当然グリッチ使用は無し。タイムは過去に叩き出した最速と同一だった。

 Q.一之瀬に渡したゲームってSch○ol Days?
 A.架空ゲームの想定で書いてる。取り敢えず一之瀬に「愛情拗らせるとこうなる可能性もある」というのを教える為のモノでしかないので具体的な設定は考えてなかった。




 内容短めなので連日投稿出来ました。
 今回と次回は閑話エピソードみたいな話になります。その次から無人島試験に。
 今回はまだ脳内がちょっと面白い時期の綾小路視点です。



9話

 

 

 

 7月に入って暫く。

 梅雨の時期が終盤に差し掛かり、本格的に日照りが強くなり始めた頃。

 教室の時計の針は放課後となる時刻を指している。この時間は対人関係に悩む事がないので非常に楽だ。

 

 オレは端末に視線を向ける。

 目下の悩みの一つ───この暑さの中、長袖の制服は非常にキツい。

 聴けばポイントを支払う事で夏服を購入出来るらしいが、5月にクラスポイント全てを失ったDクラスの生徒としては痛い出費になる。

 4月に比べれば微々たるものとは言え、7月に突入してポイントが入金されたが……今まで貯金していた殆ど全てを消費しなくてはならない為、今後の生活レベルが落ちる事を覚悟しなければならない。

 

 冷房完備されている教室にいる間は大丈夫だし、放課後であればシャツになっても問題はない。だが学生の正装である制服を脱ぐという行為は、時と場所によってはクラスポイントのマイナスの対象になり得る為、夏用の制服は欲しい。

 だが夏服にしたからといって対策完了、とはならない。流石にこればかりは我慢するべきだろうか。

 

 

「なー綾小路」

 

 

 端末と睨めっこをしているオレに話しかけてくる存在。

 数少ない友人と呼べるだろう、池の声。

 

 

「どうした?」

「お前はバイトに参加するのか?」

「……バイト?」

 

 

 高育の敷地内で学生を対象としたアルバイトの求人などあっただろうか。

 

 

「あれ、知らないのか? 学校専用の掲示板で結構話題に上がったんだけど、何でもBクラスが学校にある監視カメラの死角を埋める為のカメラ設置を行うらしくてさ。それを手伝ったらバイト代が出るって」

「へぇ……、ん? まさか自費でやってるのか?」

「さあ? その辺は知らないけど、バイト代出るんなら俺は参加しようかなぁって思ってんだよ」

 

 

 これだけ設置されている監視カメラに死角があるという事にも驚きだが。しかし、この学校ならやりかねないという納得もある。事実ならば意図的に作り出している領域なのだろうと。

 しかし、Bクラスも凄い行動に出るな。それに気付いたからといって生徒側で解決に走るなど───いや、考えてみれば5月初めにBクラスの生徒がCクラスの生徒から被害に遭っていたな。

 

 被害に遭ったBクラスの生徒が自衛の為に動く行為は学校側も容易に止める事は出来ない。

 ……ひょっとして、それも織り込んだ上でカツアゲを引き起こさせたのか?

 

 

「それは、今日やるのか?」

「ああ、予定でもあったのか?」

「……いや」

 

 

 予定はない。

 ……別に今日に限った話ではないが。

 

 

「オレも参加する。幾らになるかは分からないが、夏服を買う足しになるなら有り難い話だ」

「確か1万って書いてあったぜ。もちろんサボったら貰えないだろうけど」

「太っ腹だな」

 

 

 どれだけの生徒が参加するかは知らないが、たたでさえ監視カメラやその他必要な道具で費用が掛かっているだろうに、そんな余裕があるのだろうか。

 Bクラス全体が一丸となって講じているなら、件の生徒───空崎 夜白は随分と慕われている。大変羨ましい限りだ。オレにその能力を分けて欲しい。

 

 

「……堀北は参加するか?」

「しないわ」

「さいですか……」

 

 

 まだ席に座っていた隣人に問い掛けたが、にべもなく返答を頂いた。

 

 

「……でも()の動向は気になるわね。バイトに参加するなら丁度いいわ。綾小路くんはBクラス───空崎くんの意図を探ってちょうだい」

「今回に関しては普通に自衛目的だと思うが」

「その根拠がないでしょう。設置場所によっては私たちの会話すら聴かれる可能性があるのだから」

「……人通りの多い学校で全部を検閲は物理的に不可能だろ」

 

 

 だがまあ、堀北の言うことは一理ある。

 学校側が管理している監視カメラとは違い、これはBクラスの管理下にある監視カメラだ。全ての検閲が不可能でも『時間』と『人物』の把握さえ出来てれば特定の映像だけ確認することが出来る。

 情報戦に於けるアドバンテージ。その危惧は正しいのだろうが……。

 

 一つ疑問点を上げるとすれば、何故Bクラス内で完結させないのか。

 大々的に動けば情報を握れる立場にあると知らしめる形になる。仕掛ける目的ならば、少人数で少しずつ設置していくのが無難な筈だ。

 募集を呼びかけるだけの人員を欲しているあたり相当数のカメラがあると考えられるし、費用はバカにならない。情報を握る目的ならば他のやり方があるはずだ。

 

 利用できる部分があるなら利用するのだろうが、主目的は学校がカバーしていない範囲の防犯。オレの結論はこれだ。

 ……まあ堀北は空崎を敵視しているようで、絶対に裏があると判断しているようだが。

 

 

「少なくとも現時点、この学校で最も手強いと言える相手よ。警戒して損はないでしょう」

「手強いと感じられるほど関りを持った相手が空崎だけなんじゃないか?」

「……何か言ったかしら」

「いや、なにも」

 

 

 すぐに握り拳見せるのやめろよ、マジで。

 

 堀北がここまで警戒を見せる理由は、中間テストが原因だろう。

 空崎の指摘があって範囲変更に気付けたのは有難い話だった。だが問題は結果発表時。Dクラスを除く全てのクラスから全教科満点者が続出した。幾ら他クラスが優秀だとしても異常事態だ。

 オレ達のクラスではテスト二日前に同一の問題が出される過去問を共有したが、彼らは更に早い段階で過去問に気付いていたのではないか。

 また口ぶりからして、空崎がそれに真っ先に気付き───D()()()()()()()()()()()()()()()()()と、そう考えたらしい。

 

 ……流石に最後のは飛躍した推測な気もするが。本当にDクラスを貶める気なら、あの段階で指摘はしない筈なのだから。

 だが堀北のヘイトを見事に買ったらしい空崎は、そうしてくる人物だと位置づけられている様だ。そういうところだぞお前。クラスポイントが離されて意識せざるを得ないのは分かるが。

 

 

「……あまり期待はするなよ」

「安心して頂戴。あなたにコミュニケーション能力は期待してないわ。雀の涙でも拾えれば上出来よ」

 

 

 お前だって他人の事言えないだろ!

 

 

 

 ♢

 

 

 

「そういやお前とは連絡先交換してなかったな。はいこれ。清隆って呼ばせてもらうぜ」

 

 

 堀北、空崎は良い奴だ。

 ……名前か。オレもそう呼んだ方が良いか?

 

 

「ああ、えっと……夜白?」

「ん? あー、俺の名前呼びは性分でな。悩むなら苗字で大丈夫だぞ」

「そ、そうか」

 

 

 たどたどしい呼び方に気付いてか、空崎は嫌味にならない笑顔でそう告げる。

 確かに飄々とした雰囲気ではあるのだが、気遣いが上手いというか。

 

 

「オレはあまり詳しく知らないんだが、人員が必要なくらい死角が多いのか?」

「多いんだよなぁこれが。容易に動かせないように脚立で届く位置にするから女子を少人数にしてるのもあるんだが……ほらこれ」

「……なるほど」

 

 

 渡された紙を見て納得する。

 大抵は大胆な行動を取れば映りこんでしまう程度の死角だが、幾つかはかなりの穴場になっている。

 しかし随分と詳細だな。調べるのに一体どれだけの時間を使ったんだ?

 

 

「お、おい。女子更衣室にカメラがないってことはまさか……!」

「アホか、更衣室とトイレは対象外だ。そこは各自で自衛させる。俺の端末と繋げられるようにしてんだから盗撮になるだろ」

「そっか……」

「Bクラス主体とはいえ、生徒会の管轄でもあるからな。迂闊な真似はするなよ?」

 

 

 そもそも池、男子更衣室にもカメラがないのになぜ女子の方をピックアップした?

 見ろ、数少ない現場に来た女子からゴミを見る視線を向けられているぞ。

 

 

「しかし、お前まで来てくれるとはな? 翔」

「クク……俺のクラスの奴らが迷惑かけた()()()からな。虐めが起きないようにする正義感につい身体が動いちまったぜ」

「うわ死ぬほど似合わねぇ台詞……」

「……喧嘩売ってんなら買うぞ」

「非売品だ、却下」

 

 

 紫がかった黒髪のロン毛に、着崩した制服。堅気とは思えない雰囲気を纏った男が近づいたのを視界に入れた空崎が話しかける。

 自身の事を貧弱と称していた覚えがあるのだが、不良然とした男───龍園 翔には恐れがないらしい。

 

 

「先に言っておくが、最終チェックは俺がやるからな。ワザと死角作って利用とか、接続先変更なんて真似は出来ないぞ。備品の予備もここにないだけで用意してある」

チッ、抜け目ねえな───ハッ、そんなことはしねえよ。大人しく従ってやるさ」

 

 

 ……物凄く不穏なやり取りが行われているのは気のせいだろうか。

 いや、わざわざ首を突っ込む必要はない。事なかれ主義らしく今は大人しく待機して、時間になったら指示に従うとしよう。

 

 

「じゃあ清隆、悪いんだが翔とペア組んでこの場所のカメラ設置をお願いできるか? とりあえずは仮設置で、細かい角度は見回ったときに指示するから」

 

 

 ちょっと待ってくれそれは話が変わってくる。

 オレが……こいつと?

 

 

「脚立はしっかり支えてやるよ。ククッ」

「悪いな、こいつ結構怖がられてるから他の奴と組ませにくくて……清隆なら大丈夫そうだし、頼むよ」

 

 

 オレも嫌なんだが?

 しかも設置する役割はオレで確定なのか?

 今からでも入れる保険は?

 

 だが周囲を見渡しても代わってくれそうな相手はいない。池……ああ目を逸らされた。

 ……仕方ない、か。

 

 

「分かった」

 

 

 万が一の時は賠償金を請求するからな……!

 

 

 ───結局、危惧していた様なことは起こらずに全てのカメラの設置が完了した。

 黙々と指示書を見ながら作業を進め、支えられた脚立には全く揺れを感じなかった。

 風貌で誤解されがちなだけで案外真面目で良い奴なのかもしれない。

 

 当初の予定よりもバイト代は弾み、2万5000のプライベートポイントを獲得できたので、総じて今日は良い日だったと言えるだろう。

 ……本来より倍以上に多いポイントの意味は考えないようにした。

 

 

 

 






 各クラスの7月時点での各クラスポイント
A:1020
B:925
C:560
D:87

 クラスポイントがD以外原作よりも増えている理由としては、
A→内部争いの関連で起きただろう問題が一切合切無くなったため。5〜6月でマイナス査定の詳細を探っていた影響で-20と、中間テスト乗り越えご褒美で+100された結果。
B→Cクラスとのいざこざが無くなったので。また空崎と一之瀬による「マイナス査定を喰らうと推測出来る行動一覧」のマニュアルが5月中旬で作られていたため、5月評価では-5を貰ったものの6月はマイナス無しで中間テスト乗り越えご褒美の+100を得ている。
C→Bクラスとのいざこざが無くなったので。5〜6月の間に日常生活による問題行動で-30を食らい、中間テスト乗り越えご褒美で+100を得た。




Tips. ✍︎
 須藤の喧嘩は発生していない。
 Cクラスが大人しくしている影響と、空崎がサイン貰うついでに色々とアドバイスを送っていた為。まだ未熟ではあるが現時点で2年生編1学期くらいの精神性になっている。
 また、佐倉のストーカー事件も解決済み。監視カメラ大量発注の為に赴いた電気屋で佐倉と店員のやり取りにエンカウント。速攻で『グラビアアイドルの雫』である事に気付いたし「なんかやべー奴が敷地内に居るな」と判断して雫のブログコメント欄からIP解析で店員のアカウントを特定。削除コメントの遡及を行い匿名で学校掲示板に投稿。
 主に女子中心で大騒ぎしていたのを学校側が把握し、また学校側は佐倉が雫である事を把握しているので、これはマズイと対処に当たった。
 空崎と佐倉は一言も会話していないので、佐倉視点だと訳も分からないままストーカー問題が解決した上に賠償金150万を貰ってる。



 佐倉の件は本編導入しようか悩みましたが、内容的にほぼ空崎単独のモノローグで終わりそうなので後書きで解説。今話は短かったし後書きが長くても丁度いいかなと。
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