Q. これABCクラスはポイント回収出来るだろうけどDクラスは無理だよね?
A.実はDクラスもクラス貯金自体は出来てる。平田による「いつでも引き出せる状況にはしておくから」という発言で渋々了承した。
でもマジで足りない時に遠慮なく引き出すし、平田は「これまで我慢してたから仕方ない……」と円滑に済む様に立ち回ってるので、自由時間を満喫する生徒が多い夏休みの間は管理にめちゃくちゃ苦悩してる。預けた額と引き出した額の明細を伝えてくれる須藤が癒しになりつつある。
Q. 平田が真っ先に自クラスの生徒を退学させるような作戦を思いつくのが違和感
A.紛らわしくて申し訳ないが、平田は自身が退学する前提で案を浮かべてる。選択権が空崎にあるなら交渉で自分を退学者に指定出来ると考えたから。その自己犠牲な考えを見抜いた上で交渉を受けるつもりはないので「俺の独断」を強調した。
見返すと確かに紛らわしい文面なので加筆修正しておきます。
Q. 綾小路は軽井沢という駒や恋愛の教科書がなくなってるけど、どうなるのだろうか…?
A. Aクラスを目指す理由が無いと駒は必要ないし、現時点だと恋愛への興味もないので、暫くは平穏に過ごすだけ。
原作読み返してたらクラス移籍の話に関しては2巻で出ていた事に気付いたので前話を少し修正。
何故か体育祭月辺りに出た話だっけなぁと思い込んでいました……。話の流れに変化はないので読み返す必要はありません。
高度育成高等学校。
日本政府が作り上げた、未来を支える人材を育成する全国屈指の国立の名門校。
この学校の特徴として、3年間外部との連絡不可。学校の敷地内から出ることが禁止された寮生活を強制されるというものがある。
また卒業後も内部情報の漏洩は禁止されており、徹底した情報統制が敷かれている。
在学中は敷地外部との接触が原則不可能とされているこの学校だが、一応の例外は存在する。部活動の大会などに出場する場合だ。
空崎 夜白は入学当初からゲーマーとしての実績を重ねており、部活動とはまた別ではあるが学校の公認で大会出場を許可されている。
極力オンラインで、且つチャット機能の使用不可という条件だったのでオープン参加型ばかりではあったが───その実力の高さからプロライセンスを取得し、学校側とのやり取りの末にプロフィール未記載でプロチームに在籍する事を許可され、また現地参加型の大会にも出場する事が可能になった。
しかし、監視体制は非常に厳しい。
当然だがメディアへの露出は徹底的に防がれている。チーム戦には必須なコミュニケーションも最低限すらない。メッセージは学校が先に目を通し、空崎側からの発信も学校の内容修正が必ず入ることになっている。
現地参加する時には顔を隠す何かで装う必要があり、他者との会話は許されない。
普通ならばプロライセンスを取得していようと、こんな人物を受け入れられる筈もないのだが───。
個人戦はもちろんのこと、チーム戦でもコミュニケーション無しで味方のやりたい事、動きやすいカバーリングが非常に優れており。
プロフィール未記載・コミュニケーション不可・顔隠しという、高育に在籍する生徒という事以外は全く情報のないプロゲーマーは、『一種のキャラクター性』として受け入れられていた───……。
……では、情報が全く公開されていないこのゲーマー。高校生である彼の夏休みの完全休暇である1日を、見せるとしよう。
♢
残る夏休み数日の間にはプロとして参加出来る大会は無い。しっかりと休憩を取るとしよう───そう決めた彼は現在。
「……おお、良いなこのストーリー。よくまあ原作に出ないオリキャラ主人公でここまで良いの出せるわ。流石原作者監修。でも原作的に邪魔だから消すのは分かるが、コイツならラストも抜け出せるんじゃねぇかな……んー、どうせならルナティック難易度で良いから生存ENDも見たい」
ゲームをしていた。
……何も言う勿れ。彼は最強のゲーマーであり、ゲーム廃人。ゲーム休憩時にゲームをやる事は当然なのだ。ゲームとは人生そのものなり。
「───うにゃあああっ!」
「うわビックリした。どうした帆波?」
部屋でゲーム生活を謳歌する彼は現在、1人ではなかった。
日課となっているランニングを共に過ごし、一度それぞれの部屋に戻りシャワーを浴びて汗を洗い流したあと、空崎の部屋に集まり会話を交わしながら同じ時間を過ごす存在がいた。
同級生───1年生の中でもとびきり人当たりが良く、男女から人気を集める少女。一之瀬 帆波。
ある日から彼女はゲームにハマっていた。
……語弊がないように補足するが、隣に居座るゲーム廃人の如きゲーム漬け生活とまではなっていない。趣味を聞かれた時に候補に上がる程度の一般的な『ハマる』の範疇だ。
高育入学前、裕福とは言えない母子家庭で育った一之瀬はゲームに触れる機会は少なかった。全く無いとまでは言わないが、安いボードゲームやミニゲームなど、友達の付き合いで触れる事の出来る物が精々。
そんな彼女にとって、近年のグラフィック極まるゲームは『異世界』とも称すべき存在だった。
現代は情報社会。触れる事はなくとも知識は仕入れる事が出来たが、それでも実際に体感してみると感想は大きく変わる。一之瀬をゲームの世界に引き摺り込むのに時間は掛からなかった。
無論、優等生である彼女は学業や私生活に悪影響を及ぼす様なハマり方はしない。睡眠時間こそほんの僅かに削れる日は増えたが、それでも充分に確保しており、どこぞの廃人の様に徹夜をしてまでゲームをする日はなかった。
「どうしたもこうしたもないよ! 何で他のゲームをしながら脚の操作で勝てるの!?」
「実力差、ですかね」
「うにゃぁあああああ!!」
彼女は現在、自らをゲームの道へと誘ったゲーム廃人との対戦で猫の様な悲鳴をあげていた。
理由は……本人が述べている通りである。
より具体的に伝えるとしよう。
本日の空崎の予定が完全フリーである事を知った彼女は、朝のランニングから共に過ごす事を約束していた。そして、豪華客船の上にいる時から企てていた計画を実践するつもりだったのだ。
単純明快───空崎にゲームで勝ちたいという欲求に従った計画である。
何度か対戦ゲームで戦った事はあるが、いずれも何が起こったか分からないまま完敗。初心者相手だろうと手を抜くことなど考えない空崎の腕前を体感し、その欲求が芽生えた。
一之瀬は決してゲームが上手い方では無いし、経験も浅い。だがそんな彼女でも懐に優しい値段で高育入学以前に触れた事のあるゲームがあった。
『テトリス』と呼ばれる落ちものパズルゲームだ。空崎から譲り受けたゲーム機にダウンロードされていた中にもあったので、この数週間は毎日の様に決めていた時間分の練習をしていた。
そして彼女は、豪華客船二週間旅行の際に行われた『夏季グループ特別試験』の最中、『契約』が結ばれた事で暇になったディスカッションの中で、同グループに配属された綾小路と会話が弾んでいた。
その内容の一つに、「空崎は脚でもゲーム操作が出来る。最初はそれでも負けが込んだが、196回の対戦の末に手で操作するアイツにダメージを与えることに成功した」という話が出てきた。
表情こそ変化が無かったものの、少し自慢げに語る彼を羨ましいと思ったのだ。
話を受け、一之瀬が立てた計画とは。
───ねーねー、夜白くんって脚でも操作できるんだよね? 私は初心者なんだからせめて縛りでそれを入れてくれない? 何なら他のゲームとかやりながらで。……よしっ。あ、じゃあ負けた方はお昼を作るって事で! ふふふ、夜白くんに負けを教えてあげるよ!
…………プライドは、無かった。
綾小路の話から、腕前の自信に煽りを入れる様な形で挑発すれば受けてくれると確信したのだ。
事実、空崎は他のゲームをしながら脚の操作で一之瀬との対戦を受け入れた。
だが───結果はご覧の通り。
あまりに隔絶した実力差は、数週間の練習と縛りだけでは埋まらず。
呆気なく、一之瀬は24連敗を喫する事となった……。
「うぅ……綾小路くんが初心者から始めて数日でダメージを与えられたって言ってたから、私もって思ったのに……ッ!」
「……俺が言うのも何だけど、ガチの俺に格ゲー初心者の清隆がダメージを与えた方がおかしいんだがな。こちとら国内大会をノーダメ制覇したプロぞ?」
手段は大会ルールだと反則と呼ぶべき行為ではあったが、そもそもゲームを始めて数日で「相手の手元を見て先読み」なんて技術を身に付けるのも大概おかしい、と。内心で付け加えつつ、一之瀬の発言に突っ込みを入れる。
「そもそもテトリス基準で言うなら、お邪魔ミノが出現した時点で『ダメージ』に該当するから一応は達成してるんじゃねぇかな」
「これだけ縛りがある中で数段のお邪魔ミノ出現だけって恥じゃない!?」
「まあ、はい」
まして対戦前のあの煽りからのこの展開だ。見事なまでのフラグ回収である。
「余所見してる上に脚の操作なのに置きミスが無いのも意味わかんないよぉ……」
「置きミスはあったよ、普通に。だがテトリス界隈にはこんな言葉がある。『置きミスは火力』と」
「……空崎くんが特殊なだけじゃない?」
「いや? この界隈ってスパチャ読みしながらVIP戦を勝ち抜くVtuberとか、対戦中にゴキブリが現れたけど退治した後に対戦にも勝つ神とかがいるからな。息が長いゲームなだけあって反射レベルで染み付いてるプレイヤーが多いから、俺以外も大概だと思う」
「えぇ……」
なるほど、数週間の練習と縛り程度では勝てない訳である。
一之瀬はドン引きすると共に納得した。
「……そういう人たちなら夜白くんにも勝てるの?」
「は? 俺が負けるなんて有り得ないが?」
「うわびっくりした」
一之瀬としては率直な疑問を浮かべただけだが、空崎は食い気味に返答する。
「滅多な事は言うもんじゃないぞ帆波。相手が誰であっても、ことゲームというジャンルで俺が負けるなんて事は無いからな」
「凄い自信だ……」
───自信というよりは、実績により裏付けられた事実なのだが。『 』について知らない彼女は、その言葉に感嘆を見せた。
「それじゃあ、負けた私がお昼を作る事にします」
「おー、冷蔵庫にある物は好きに使って大丈夫だからな。……あ、確か出してる油が残り少なかったな。使う上で足りない様なら下の引き出しに未使用の奴があるから、それ使ってくれ」
「はーい」
友人同士の軽い賭け。
一之瀬は宣言に従い、昼食を作ろうとキッチンへと向かった。
その間に空崎はテーブル周辺の片付けを行う。
20分程度の時間が経ち、料理が運ばれる。
炒飯とスープ。学生の昼食としてはありがちなチョイスだ。
「冷蔵してあった余りのご飯を使ったけど、大丈夫だよね?」
「ああ、寧ろ助かる。……使った具材も中途半端に余ってた奴か? 帆波は良い嫁さんになれそうだな」
「えへへー、お褒めに預かり光栄だね。じゃあ食べよっか。頂きますっ」
「頂きます───……うん、美味いな」
「ん……私的にも良く出来たかな?」
食べてる最中の会話は最小限。
食器の擦れる音が耳に届く。
空崎がスープを飲んでいると、一之瀬のジッと見つめる視線に気付いた。
「どうした?」
「うーん……夜白くん、隈が薄くなってない?」
「……そうか?」
「うん、薄くなってる」
「…………ごめん帆波、その視線の位置で『薄い』はやめてくんねぇかな。ちょっと別の意味に聴こえて危機感が芽生えるから」
「えっ?」
一之瀬は言葉の意味を理解出来ずに困惑を見せた。
だがおでこを───より正確には『生え際』を押さえる空崎を見て意味を理解し、弁明に走る。
「ち、違うよっ? そういう意味で言ったんじゃないからね?」
「うん、分かってる分かってる。ところで高育の敷地内に育毛剤って売ってたっけ?」
「そういう意味で捉えてる人の発言ッ!?」
「…………」
「…………」
「……ふはっ。あーこのやり取り、戻ってきたって感じだ」
「ふふ、だねー。夜白くん昨日まで予定びっしりだったもん。連絡とかはしてたけど、全然対面出来なかったし……。……良かったの? 折角の完全休暇を私と一緒に過ごすなんて」
「おいおい、帆波と1日デートとか男子なら血涙流して羨ましがる権利だぞ? お誘いを断る訳ないだろ」
「うにゃ、そんな良いものでもないと思うけどなぁ……」
「それに、何か話があるんだろ?」
───……。
「にゃはは、やっぱり君にはお見通しか」
「少なくとも、この学校の中じゃ誰よりも帆波の事を理解してるつもりだしな」
「……取り敢えず、ご飯を片付けよっか。食べながらする話じゃないから」
「ああ」
まだ温かい間に食べ切り、食器類をシンクに置いた容器に溜めてある水に浸す。
冷蔵庫の中からお茶を取り出し、コップに注ぐ。食べていた時と同じ様に向かい合って座り、一之瀬は話し始めた。
「5月始めの頃にさ。夜白くんは言ってたよね? 能力を考えればAクラスが妥当なのに、何でBクラスに配属されたのかって」
空崎は頷く。
あの日の“誓い”を果たそうとしてるのだろう。僅かながらに震えた声で“恐怖”を浮かべながらも、一之瀬は言葉を紡ぐ。
「私ね───犯罪者なんだ」
感情は読めないが、決して無機質ではない瞳からは逸らさずに。
「私が母子家庭で育ったって話はしたよね」
「裕福ではないが不満を抱くような生活ではなかったって言ってたな」
「うん。お母さんが一生懸命に働いてくれて、日常生活に支障が出るようなことはなかったの。でも私が中学3年のある日、お母さんは過労で倒れちゃってね。近い日に妹の誕生日があったんだ。こういった家庭だから何かを欲しがる子じゃなくて我慢してたけど……欲しいものが出来て、お母さんはその為に頑張ってた」
「……なるほどな」
空崎の呟きが耳に届き、一之瀬の顔には恐れ混じりの苦笑が浮かび上がる。
「夜白くんなら、もう察しちゃったかな。誕生日プレゼントを無理して買おうとして倒れちゃったお母さんと、ずっと我慢してきた妹の関係が悪化するのが嫌で───万引きを働いた。それが、私の罪」
「だとしたら妙だな」
「……え?」
「それが高育に知られてるなら、帆波はそもそもBクラスにすら入れなかった筈だ。CかDか、そもそも入学不可か」
「それは、えっと……万引きした当時は、捕まらなかったんだ。でも入院してるお母さんに気付かれて、お店に必死に謝って……結局お店の人が警察に突き出すことはなかったけど、騒動が広まったから……半年間、引き籠った影響……だと思う」
「ふむ」
責められる訳でもなく、ただ問われた疑問に動揺しつつ、一之瀬は頭の中で纏まらないまま思い当たる言葉を口にしている。
だが確かな情報が出揃い、空崎は告げた。
「結論から言うが、皆に話す必要はないんじゃね?」
「え……」
重苦しい空気の彼女とは対照に───というか、いつも通りの飄々とした態度を崩さないまま言葉を紡ぐ空崎に、一之瀬は唖然と声を漏らす。
「別にそれで俺らが不利益を被った訳じゃないしな」
「で、でも───犯罪者の私が、それを隠したまま今の立場にいるのは……」
「刑罰に問われた訳じゃないし、前科として残ってる訳じゃない。犯罪者ではないだろ」
「っ、それはお店側が問題にしなかったからで、私がやった事は───」
「だな。万引き自体は事実で、それは罪だ」
決して、一之瀬の事情を軽く見ているわけではない。
ただ───
「でもそれは、お前の家庭と店側の問題で、既に過ぎたことだ。ただの他人でしかない第三者がそれを告白されたところでどうしようもないってのが俺の率直な感想」
「…………」
「や、まあそりゃな? その経験を経てなお反省の余地なしで万引きしようってんなら、掛ける言葉は探すよ。多分ストレスでどっかしらおかしくなってるから。でもお前は異常なほどに罪悪感が心を占めてる。そんな奴に今更掛ける言葉はない」
絶句する一之瀬に、冷たいとも取れるような発言が投げられる。
だが真っすぐ向けられる瞳が、突き放しているわけではないと知らしめていた。
「そんで、多分それを中学の連中も理解してたんじゃねえかな」
だとしたら良い奴らに恵まれたな、と。温かい視線を向けられるが、一之瀬は理解が追い付かない。
「マジの騒動になってたら、教師が情報統制しても絶対漏れ出てるよ。家庭事情を加味してもな。中学の生徒にせよ教師にせよ、帆波が積み上げた善性への信頼があるからこそ"次"が与えられたんだ。その恩恵を受ける権利は絶対にある。というか受けなきゃ失礼だ」
Bクラスで入学できたのが何よりの証拠。
今の自分の立場を認識し、噛み締め、一之瀬はポツリと呟く。
「良いのかな、それで」
「良いも何も、帆波を許してないのはお前だけだぞ」
「……今すぐに自分を許すのは、無理だと思う」
「だろうな。人の心理はデータじゃない。半年間も続いた罪悪感は簡単に消えない」
だからこそ───と。
「自分を許す日が来ても、ちゃんと向き合った結果なんだと、事情を知ってる俺が保証する」
「───……」
澱み、重い空気を纏っていた一之瀬の雰囲気が晴れていく。
罪悪感が消えた訳じゃない。
それでも、特別な友人の『保証』が何よりも心強く感じた。
「……やっぱり、皆にもちゃんと話すよ」
「それは、罪悪感からか?」
「ううん。夜白くんみたいに保証してくれる友達が沢山いるなら、これ以上にないくらい心強いと思うんだ。甘い考えかもしれないけどね。もしリーダーを降りろと糾弾されるなら───それは仕方ない事だと受け入れるよ」
「……そうか」
一之瀬は暗い表情を整え、ハッキリとした声音と笑顔でそう告げる。
空崎は理解を示し───だが、少し困った様な表情で言葉を紡いだ。
「でもさ、帆波がこのタイミングで話そうって思った理由ってアレだろ? 早ければ9月に『計画』が達成するって話を聞いたのと、二週間の豪華客船旅行で俺が契約を成立させた実績で、最悪リーダー不在でもやれるという認識をBクラスに与えられたと思ったからだ。違うか?」
「あ、うん。合ってます……」
「だとしたら勘違いだ。お前さ、ちーちゃんの件もそうだが、善意の出力が時々バグるよなぁ」
「……勘違い?」
白波の件を出されれば言い返す事は出来ない。反論を起こす気はなく、ただ空崎の言葉に疑問を見せた。
皆に話す必要はない───そう告げた理由は、一之瀬が必要以上に罪悪感を背負っていたからというのもあるが。それ以上に、今彼女にリーダーを降りられたら困る理由があるからだ。
「ああ。だって統率がしっかりしてないと、下手したら
♦︎
「おや、珍しいですね龍園くん。君が夏休みに学校まで訪れるとは」
「はっ、どうせ要件は分かってんだろ。面倒な遠回りさせやがって。……現時点で最もプライベートポイントを所持している生徒と、そのポイント量の情報を買わせろ」
「─────」
「……ったく、
「これが
9月1日。二学期始業式。
高育は前代未聞の───激動の日を迎えた。
♕ Tips. ✍︎
自己分析した結果「ゲームの腕前では二人で一人の『 』には勝てない」と認識しているので常に劣等感を抱いていたり、最愛の相手がいる事への羨望があり、自分が別の『 』に塗り替えられないかという恐れがある。
空崎が徹夜する理由の一つは、夢の内容で毎回の様に自分ではない『 』を見てしまうから。自意識を強める為に起きてる時間を長くしており、その影響で隈が常に濃い状態だったが、船上試験以降は寝れる時間が増えており隈が薄れつつある。
それはそれとして普通にゲームにハマって徹夜する時もあるので隈が消える事はない。