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Ede, Bibe, Lude, Post mortem nulla voluptas.
食べ、飲み、遊べ。死後に快楽は無し。
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それは夜も深けた頃だった。浦和ハナコは一枚の大きなチラシを見つめながらベッドに寝転んでいた。
何度も左右にゴロゴロと寝転がる様は実に物思いに耽っている様に見えた。実際彼女は大いにとても悩んでいた。
理由は言わずもがな。今彼女の手の中に握られているカラー印刷された一枚の大きなチラシの所為である。
このチラシをポストから取り上げた時から彼女の頭脳は一つの考えでグルグルと回り、揺れ動いていた。
トイレに行く時も悩み続け、バスタイムの間も悩み続け、夕食を食べる間も悩み続け、今こうして寝床に潜り込んでも尚、悩み続けている。
そして実にチラシを手に取ってからと言うもの四、五時間ぐらいは悩み抜いた末に彼女が辿り着いた答えとは…
「もうどうにでもなーれ」と、全てを勢いのままに任せると言った、実に年頃の乙女らしい考えに辿り着くのであった。
尤も、それはそれ、これはこれ。明日への決意は決まったが、興奮してしまって中々寝付けない夜を浦和ハナコは過ごす事になった。
翌日。トリニティ総合学園の広場。何台ものキッチンカーがやってきては少女達のお腹を満たしている昼時の事。
フォカッチャでたっぷりの具を挟んだミラノ風サンドイッチをもぐもぐと頬張りながら案藤マリンと浦和ハナコはベンチに腰かけていた。
今日もトリニティは穏やかな陽射しと風で心地が良い。そんな事を思いながら案藤マリンは浦和ハナコと他愛も無いお喋りをしながらランチを続けていた。
あ、さて。メインディッシュも食べ終わった事だしデザートのリンゴでも食べようかと案藤マリンが紙の包みに手を伸ばした時だった。
「あの、マリンさんっ」
少し切羽詰まった声で浦和ハナコが声を掛けてきた。見れば頬が少し赤い。はて、お花積みだろうか? と首を傾げた所…
「マリンさん! 今度の週末は私と一緒にレジャープールに行きましょう!」
浦和ハナコが意を決して、大きなチラシ…楽しげに色んなプールで遊ぶ人々の写真やイラストで彩られたそれを片手に、熱い言葉でそう話しかけてきたものだから案藤マリンは意外な話題過ぎてキョトンとした。
「その、なんで、レジャープールに?」
「良いじゃないですかレジャープール! 流れるプールに波の出るプール! キラキラと天井から射し込む陽射しに人工のビーチ! 私だって女の子です! 今はもう晩夏も過ぎましたが、夏には友達と一緒に海へ遊びに行きたかったんです! キャッキャウフフな青春を送りたかったんです!」
涙目になりながら力説する浦和ハナコをどうどう、と抑えてから…然し、案藤マリンは少し眉を潜めた。
「でも私、翼が邪魔で泳ぐの得意じゃ無いし、水着も学校指定のあまり可愛くない物しか持ってないし…」
他人ほどレジャープールで過ごすのは得意ではない。そう言おうとすると…
「水着の事なら安心してください! この24時間営業のレジャープールでは色んな水着をバッチリ売っているんですよ! マリンさんに似合う可愛い水着なら私が選びますから、悩む必要なんてありません!」
鼻息も荒く、何よりも友人の浦和ハナコにそう力説されては特別断る理由も無いので、案藤マリンは約束通り週末に二人でレジャープールへと出掛ける事にした。
そうして始まった、一泊二日の少し足を伸ばしたレジャーの旅。真夜中に出る汽車に乗って、噂のレジャープールのある南の海沿いの街へと一路向かう。
コンパートメントの窓から外を眺めれば、星が夜空を駆け抜けて、いつしか深い藍色の空がジワジワと明るい色に染まっていくのがよく見えた。
やがて汽車が汽笛を鳴らしながら南の海沿いの街の大きな駅へと滑り込むと、二人を出迎えた街の空気は暖かかった。
嗚呼、これなら晩夏も過ぎたこの時季でも、レジャープールで遊ぶ気持ちにも成るものだ、と案藤マリンは小さく感心した。
レジャープールの施設は実に大きかった。何れくらい大きいのか案藤マリンの語彙力では言い表せられなかったが、実際に凄く大きかった。
幾つもの大きな屋内プールを抱え、その中にアトラクションも抱え込み、何件ものレストランや水着に遊具等を売っているショッピングモール、そして宿泊用のホテルまでまるっと丸ごと備えてあると言う
正に至れり尽くせり。と言った具合の、全てがこの中で完結する超巨大なレジャープールだった。
そんなこの超巨大レジャープールのキャッチコピーは「年中無休、真夏のアバンチュール実施中!」であった。
いやいや、年がら年中恋の火遊びなんてしていたら全身大火傷も良いところではないか? とこのキャッチコピーを見た案藤マリンは心の中で突っ込みを入れた。
それはさておき、浦和ハナコに促されて案藤マリンは併設されているホテルにチェックインすると、荷物を置いて水着を取り扱っているショッピングモールへと出向いた。
ショッピングモールの中の店は、正に水着の為にある様な店であった。大小様々なサイズに極彩色のカラーバリエーション。所狭しと並べられて積み上げられた飽きる程の種類の水着。
挙げ句の果てには、お洒落初心者かつ水着初心者の案藤マリンにはさっぱり分からない程の装飾の細かい違いのあるタイプまで網羅していると来た。
膨大な量の水着を前にして、簡単に頭が思考停止に陥った案藤マリンは、愛しい友人と二日間たっぷり一緒に過ごせる事にウキウキ気分の浦和ハナコの手に引かれながら
プラプラと店内を歩き回り、二つ三つ彼女に水着を見繕って貰うと適当に選んでプールに赴くことにした。
さて。遂に目標のプールへとやってきた。荷物鞄を片手にちょっとお高い夜行列車のチケットを買い、ウトウトしながら夜汽車の旅を楽しみ
今しがた買ってきたばかりの水着を身に纏って今、案藤マリンと浦和ハナコは屋内レジャープールの真っ只中に立っていた。
曇りの一つもないピカピカのガラス張りのドームからは燦々と眩しい太陽の光が降り注ぎ
造波プールはザザンザザンと波を立てながら歌を歌い、流れるプールは勢いも程よく人々を流れに乗せ
グネグネとねじ曲がったウォータースライダーのチューブは実にトリッキーでスライダーを滑る人々の黄色い悲鳴が実によく響いていた。
レジャープール初心者の案藤マリンは思った。あのウォータースライダーの中には何が待ち受けているのだろうかと。何があれほど人を惹き付けるのだろうかと。
「マリンさ~ん♡ お待たせしましたー♡」
振り向けば、人一人が余裕で上に乗る事の出来る大きな浮き輪を手にトコトコと此方へ歩いてくる浦和ハナコの姿があった。
彼女は自身の髪色に合ったピンク色の可愛らしいビキニの水着の上に大きなワイシャツを羽織っていた。
実に扇情的で、同性の案藤マリンから見てもドキマギしてしまう代物だった。ビキニの水着を押し上げる胸の膨らみが実にエロティックだった。
斯く言う自分はと言えば、カーテンの様なフレア付きの青いビキニの水着に、腰にはエメラルドのパレオを巻いていた。
因みに本人に自覚は無いが、案藤マリンもまた豊かな胸の持ち主であり、浦和ハナコの胸に負けず劣らずな膨らみを持っていた。
大きく開いている背中側は、畳んでいても嫌でも目立つ黒い四枚羽根には水着の販売コーナーに置いてあった防水オイルで艶やかにシットリと濡れていた。
果たして何れくらい水に濡れても撥水するのか、その実力の程は分からないが何も塗らないよりマシであろうと案藤マリンは思った。
幼少期、まともに羽根をオイル等でコーティングせずに水遊びに興じてビチャビチャになってしまった事を思い出したが、彼女は思い出の奥に押し込む事にした。
何はともあれ、楽しもう。時間は有限である。浦和ハナコに言われるまま、案藤マリンはプールに浮かべた大きな浮き輪の真ん中にトスンと腰掛ける。
おや、成る程。喫茶店等の椅子とはまた違った座り心地。ビニール越しの水が体重を受け止めてくれるので独特の浮遊感がある。居心地が良い。
モゾモゾと収まりの良い所に体を預ければ、浦和ハナコと一緒に流れるプールを流れた。
穏やかに揺られてぷかぷかと流れていく。それだけなのに、心地良い。案藤マリンはレジャープールとはこの様な物なのかとしみじみした。
「どうですかマリンさん。気持ちいいですか?」
「ええ、思っていた以上に」
「うふふ♡ それは良かったです♪」
えい、えい♡ と浮き輪にもたれ掛かりながら戯れる様に水を掛けてくる浦和ハナコに、案藤マリンも微笑みながらチャプチャプと緩く水を掛け返した。
コースの長い、のんびりと優雅に流れるプールを二週か三周かした所で、二人は次のプールに向かうことにした。造波プールである。
人工のビーチに作られたそれは、まるで本物の海の浜辺の様に、波が押しては引いていく。その音も実に海で聞く波の音のそれだった。
二人並んでひたひたと人工のビーチを歩き、浮き輪を浮かべられる深さにまで辿り着けば、再び案藤マリンは浮き輪に乗り、浦和ハナコは浮き輪に寄りかかりながら造波プールの奥へと行く。
「うふふ♡ 流れるプールも乙な物でしたが、波に揺られるのも気持ちの良いものですね、マリンさん♪」
「ええ。プカプカゆらゆら。揺り篭みたいで」
「海は生命の揺り篭と言われる位ですからね♡ ここはプール、ですけれども♪」
そんな風に呑気に過ごしていると、造波プールのプールサイドに立っているヤシの木の様なポストに掛けられたスピーカーから「ピンポンパンポン」と音が流れた。
はて何事だろうか? と案藤マリンが小首を傾げていると、浦和ハナコの楽しげな声が聞こえてきた。
「あらあら~♪ 大きいのが来ちゃいましたねぇ♡」
彼女の視線の方を向くと、ずぞぞぞぞ…! と大きな波がその高さを増しながら此方に近付いてきていた。
「わ…わっ…!」
「あ~れ~♡」
刹那。案藤マリンと浦和ハナコは仲良く波に飲み込まれると揉みくちゃにされて、水の中で引っくり返った。
ゴボゴボと口から空気を漏らしつつ、体勢を立て直して水面から顔を出す。
「ぷはっ! …はぁー、ビックリした」
「二人仲良くずぶ濡れになっちゃいましたねぇ♪」
「もう、ハナコさん、これ狙ってやったでしょう?」
「うふふ♡ 何の事やら?」
取り合えず仕返しだ、とばかりに案藤マリンは浦和ハナコの頬をつんつんとつついた。彼女は幼い女児の様にきゃっきゃと喜んだ。
そんな風に過ごしていると、あっという間にランチの時間になった。お腹の空いた二人は徐に水上コテージ風のレストランにまで足を運んだ。
南国風のランチセットを注文し、サービスとして提供されたトロピカルなモクテルを飲む。実に優雅な時間だ。
果たして自分一人でこの様な休日の過ごし方が出来ただろうか? 自由に時間が使える夏休みの時期であったとしても。
そう思うと、案藤マリンはこの様な経験をさせてくれた浦和ハナコに感謝してもしきれない程であった。
尤も、この様な青春を送りたかった浦和ハナコ本人も、この遊びに付き合ってくれた友人に対してそう思った事だが。
昼食を終えて、プールサイドのビーチチェアに体を横たえて暫しの小休憩。屋内であるものの、暖かい空気で気分は正に真夏のビーチリゾートだ。
やがてお腹が落ち着けば、浦和ハナコの提案でウォータースライダーを滑る事になった。
実の所それなりに怖がっていた案藤マリンだったが、浦和ハナコに背中を押されて恐る恐る滑る事になった。
太く、暗いチューブに押し込まれ、流される。一瞬の浮遊感に背筋がぞっとすると、透明のチューブの中を水と共に勢いよく流されていく。
右へ左へぐるぐるグネグネと曲がりくねったチューブの中を案藤マリンは滑り抜けていったが、思っていた以上に強いウォータースライダーの勢いと
不意に襲いかかる左右からの連続的な横Gにビックリしすぎて悲鳴どころか声さえ出なかった。
終着点のプールにドボンと落っこちれば、数十秒程の異世界旅行気分もお終いである。
鼻に入った水がツンと痛いなぁ等と思っていると、浦和ハナコも同じようにチューブの出口から落っこちてきた。
「うふふっ♡ あー、怖かったですね! マリンさんマリンさん、今度は二人一緒にボードに乗って流れるスライダーに行きましょう?」
「ちょっと、ちょっと待ってハナコさん。私まだ頭がくわんくわんしてて」
勿論、二人一緒に流れるスライダーにも乗るように案藤マリンは浦和ハナコによって流されるのであった。
ウォータースライダーのチューブの中は浦和ハナコの甘い甘い黄色い悲鳴一色に染まり、それを聞かされた案藤マリンは頭が逆上せてしまうのであった。
さて、そんな風にあれやこれやとアトラクションを楽しんでいると「スプラッシュシューティング」と言うゲームが解放される様になった。
早い話がインクの入った水鉄砲で撃ち合う水遊びであるらしい。
何人もの参加者が足を運び、二人もまたそれに興ずる事にした。
浦和ハナコはアサルトライフル型のスタンダードな水鉄砲を手にした。対して案藤マリンは射程距離重視のライフル型の水鉄砲を手に取った。此処で一つ彼女の心の中を覗いてみよう。
「…ウォータースライダーの仕返し…しちゃうんだから」
おお、恐ろしきかな、ウォータースライダーの恨み。果たして恨みと言って良いほどのどす黒い物ではないと思うが。
やがてゲーム開始のゴングが鳴り、フィールドのあちこちでインクが飛び散った。浦和ハナコは冷静にフィールドを進んでいく。
的確な攻撃を相手チームに送り込みながら、人の居そうな曲がり角では水風船を投げ付けて対戦相手を炙り出していく。堅実なゲームの進め方だった。
試合の一部始終を実況している大きな液晶ディスプレイでは脱落者の数が表示されていたが、お互いのチームが半分ほど削れると急に浦和ハナコの側のチームが押されだした。
浦和ハナコは状況を見極めた。それは羽根を用いた自由な射点からの長距離攻撃。
間違いない。案藤マリンである。この近接戦が主体のゲームで圧倒的な不利を与えられたライフル型の水鉄砲による狙撃。
フィールドの宙を駆け抜けるインクの線を幾つも見て、浦和ハナコは駆け出した。彼女の射撃位置と狙撃しているプレイヤーの位置の相互関係を割り出してしまえば…!
「マリンさん!」
浦和ハナコは水鉄砲を構えながら物陰から飛び出ると、其処には微笑みながら自分を見つめ、水鉄砲を構える案藤マリンの姿があった。
まるで待っていたとばかりに。二人は反射的に引き金を引き、そして、仲良くインクまみれになった。
───さて。楽しい時間は瞬く間に過ぎていった。天井のガラス窓から射し込む光はオレンジから群青へと変わり、ナイトプールの時間になった。
ただただのんびりと過ごす。昼間の熱狂は何処へやら。まるで身体の火照った熱を冷ますかの様に、二人は静かな時間をプールで過ごした。
そして、そろそろお開きにしようか。と何方からともなく切り出し、シャワーを浴びた。
湯上がりのあと、案藤マリンはバッサバッサと塗れた翼で羽ばたいて水を振り払った。
浦和ハナコが「後でお手入れ用のオイルをしっかり塗ってあげますね♪」と言いながら羽根を撫でてきたので、案藤マリンは頬を赤く染めた。
水着から服へと着替え、レジャープールに併設されたレストランでディナーを食べ終えると
朝方に取ったホテルの一室へと戻り、今日一日あった事をあれやそれやと語らい、笑った。
そして、時計の針がめっきり真夜中である事を指し示せば、遊び疲れた二人は同じベッドでぐっすりと眠った。
…翌日。少し早いモーニングコールを受けて、レストランへ。
ビュッフェ方式の朝食を頂くと、二人はホテルをチェックアウトし、レジャープールの目の前にある砂浜を少し歩く事にした。
「あっという間の休日でしたね」
「うん、楽しくて、あっという間だった」
ザザンザザン、と耳を擽る本物の波の音を聞きながら静かに歩く。トリニティからすると季節外れのヤシの実が波打ち際に転がっていた。
「ありきたりな表現ですが、まるで夢の様な時間でした」
そう言って微笑む浦和ハナコの笑顔は、然し何処か寂しく、儚げで。
フッと彼女が消えてしまうのではないかと思った案藤マリンは彼女の手をそっと握った。
「夢じゃないよ」
小さく、然し確りとした声で。
「ハナコさんと一緒に居た時間は、夢じゃないから」
その言葉を聞いた浦和ハナコは、一泊置いてから顔を赤く染めて俯いた。
「…あの、マリンさん」
「うん…?」
もじもじと、言葉をどう紡いだ物かと浦和ハナコは思い悩む。そして。
「…これからは、もっと親しみを込めて、マリンちゃん。と…そう、呼びたいです」
「…そっか」
優しい声色で、案藤マリンはそう答えた。
「じゃぁ、私は…ハナコって、呼んでも良い?」
思いもよらない言葉を聞いて、赤く染めていた頬を更に赤く染めて、まるでリンゴみたいになった浦和ハナコは無言でコクコクと頷いた。
「じゃぁ、決まりね…それじゃぁ、そろそろ汽車の駅に行こうか。ハナコ」
「…はい! マリンちゃん!」
新たな青春の一歩を踏み出して、彼女達は日常へと、トリニティへと戻っていく。
帰りの汽車に乗って、レールの轍に体を揺らされ、南の海岸線の街のレジャープールから、ひんやりとしたトリニティへと戻っていく。
客車の窓に手をかざせば、暖かかった筈の窓ガラスはめっきり冷たくなっていた。
やがて空が深い群青色に染まる頃、二人は無事にトリニティに帰りついた。
そして何時もの様に、案藤マリンは浦和ハナコを自宅まで送っていく。
「温度差で風邪を引かないでね。貴女の明日に幸あらんことを。おやすみなさい、ハナコ」
祝福のキスを額に落とし、案藤マリンは浦和ハナコに見送られて帰っていった。
彼女の後ろ姿が街角に消える頃、浦和ハナコは自宅に上がり、鞄を漁る。
小さなブックレット。その中にはプールで過ごした一時を納めた写真が幾つも収まっていた。
「…うふふ…♡」
極彩色の思い出。思いもよらぬ人生の宝物。
アヴァンチュール《恋の冒険》と言うのも、強ち間違いの無い一時であろう。
楽しかった思い出にウットリと浸りながら、浦和ハナコはベッドルームの明かりを落とした。
────第五話。水遊び。