現代ダンジョンに必要なそれ~運と実力、そして度胸。ついでに頭のネジを緩めること~   作:すすす

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第1話 ダンジョン発生、そして突入!超エキサイティング!

さて、どうしようか。

 

困ったので急に自己紹介をしよう。

俺の名前は柊冬馬、年齢16歳、身長176cm、体重67kg。

ピッチピチの高校一年生である。

 

この夏、夏休みを迎えた青春真っ盛りのこの俺だが今とてつもなく困っていることがある。

 

それは

 

「急に自分の部屋に知らない扉が出てきたらどうすればいいんだ?」

 

何を言ってるのか分からないと思うが、俺も何が起こったのか分からない。

瞬間移動とかテレポートとかじゃねえ、もっと恐ろしい物の片鱗を味わったぜ。

 

それはいいとして、これをどう対処するかだ。

とりあえずの親か、それとも緊急性を考慮して警察?

それともそれとも、これが幻覚の可能性を疑って救急車?

 

うーん…

 

「どれも面白くないな、こんな非現実的な現象があっちから来てくれたんだから面白い事したいよなぁ、やっぱり」

 

あ、さっきまでスプ〇やってたわ。

負けてる、すまん味方。

というかこれで一日中スプラ耐久計画が頓挫しちまったじゃねえか。

 

というかこんな行儀よく扉が鎮座してたらやる事は一つだよな。

古来より扉ってのは開けて、通るためにあるんだ。

なら入るべきだろう、無視したり必要以上に警戒することは扉に対して失礼だ。

 

「なら入るしかないな、靴とって来よう」

 

ちなみに今は深夜零時、悪い子も寝静まる時間帯だ。

つまり少々騒いでも問題が無いって事である。

さて、靴も取ってきた事だし開けるか。

 

扉の前に立つと、明確にその存在を感じ取れる。

見た目は普通の木製の扉、蝶番とドアノブが付いており引いて開けるタイプのようだ。

大きさとしては横一メートル弱、縦二メートル程度の一般的な大きさだ。

俺も余裕で入ることが出来る。

 

ドアノブに手を掛けると、思ったより自分がワクワクしていることに気付いた。

仕方ないだろう、急に非日常が飛び込んできたのだ。

楽しむなという方が酷ってものだ。

 

靴を片手に扉を勢いよく開け放つ。

 

「おじゃましまー…?」

 

Oh…

非日常と言っても此処までとは予想できなかったよ…

まさか自室にある扉を開けた先に草原があるなんて。

 

しかもめっちゃ朝、雲一つない綺麗な青空。

どういうこっちゃね。

 

「そういうの考えちゃダメなタイプか?」

 

考えてもこんな超常現象に答えなんて出ないだろう、てか真面目に俺の頭が狂ったことを考えた方が良いかもしれない。

 

このまま突っ立っててもなんだし、とりあえず入るか。

靴を草の上に置き、それを履きながら扉の先に身を乗り出す。

 

完全に体が扉の先に入ると何処からか声が聞こえた。

同時に目を疑う現象が起きる。

 

『ようこそ、ダンジョンへ。君は二人目のお客様だ!』

 

声と一緒に目の前にパネルが現れる。

青く、半透明そして世界から切り離されているかのような異物感を覚える。

 

『まあ差なんて有って無い様な物だったケド』

「えーと…こんばんは?いや、こんにちはかな」

 

挨拶は大事だ、相手が何者かも分からないような相手でも礼儀を欠かさないようにするのが俺の信条だったりそうじゃなかったりする。

 

『おっと!挨拶がまだだったね、こんばんは!』

「こんばんはだったか。それで、ここって何?」

『さっきも言ったじゃないか、ダンジョンだよ!ダ・ン・ジョ・ン!』

 

そっかぁ(諦め)

ダンジョンってもっと迷宮っぽいものだと思ってたよ。

まさかこんな草原だったなんて。

 

『環境はそのダンジョンに依るよー、このダンジョンが偶々草原だっただけさ!』

 

思考読まれてるじゃん、怖いなあ。

意味わからん現象でちょっと放心してたけどもう飲み込めてきた。

つまりこれはあれじゃな?ローファンタジーってか現代ダンジョンモノって事じゃな?

 

『せいかーい!飲み込みが速い君にはこれあげちゃう!』

 

固有異能(オリジンスキル)叡智(トート)』を付与されました》

 

「こういうのも有るのか、ますます創作じみて来たな」

『参考にしてるからね!』

 

成程ね、こいつやっぱ大分上位な存在だな。

邪神とかそっち系と見た。

じゃあやっぱ危険か?

でも明らかに楽しそうだしなぁ。

じゃあやっぱ進むか。

 

『おっと!長々話しちゃったね、これからダンジョンの説明をするよ!』

「意外と親切だな、ありがてぇ」

『まずはステータスって唱えてみて!』

 

やっぱり現代ダンジョンモノじゃないか!

現実であのセリフを言えるとは思ってもなかった!

うおおおお!

 

「ステータス!!!」

 

——————

名前:柊冬馬

種族:人間

レベル:1/100

ステータス

力:10

体:10

速:10

魔:5

異能(スキル)

 

固有異能(オリジンスキル)

叡智(トート)

 

称号

 

——————

 

『うーん、ザ・現代人のステータスって感じだね!』

「弱そう…弱くない?」

『平均的な人間のオスってところだね!将来に期待だよ!』

 

よかった、来世に期待とか言われなくて。

でも弱いっての否定されなかったな、やっぱ弱いのか。

基準が分からんからよく分からないな。

 

『そーゆー所は自分で見つけていってね!』

「ま、そりゃそうだよな」

 

たぶん人間が足掻くところが好きなタイプだろ、この邪神。

もしかしたらまだ善神の可能性もあるけど。

無いか、無いな。無いわ。

 

『ステータスの説明するよー…と言いたい所だけど、そんなに説明することはできないね!』

「ちょっとでもいいから教えてくれてもいいんじゃない?」

『そんなことしなくても君には固有異能(オリジンスキル)あげたじゃん?』

 

固有異能(オリジンスキル)…さっきのやつか。

叡智とかいて読みはトートか。

トートは確かエジプトの神だったかな?

恐らく知識とか魔術とかの神だった気がする。

もうちょっとエジプト神話周辺を履修しておけばよかったかな。

 

…そういえば、トートはクトゥルフ神話の中では某無貌の化身だっけか。

もしかしてこいつ——『おっと』

 

『だめだよー、まだダメ。せっかく力まであげたのにすぐ壊れちゃったらもったいないんだから』

「もしかして俺危ない所だった?」

『もうちょっと思考進めてたら壊れてたね』

「マジか、ありがと」

 

怖すぎだろ、でもそれで正解っぽいな。

これ以上これについて思考するのは止めるか、危ないし怖い。

 

「もう行って良いか?ワクワクが抑えきれない」

『うん、説明することも終わったし行って良いよ』

「しゃあっ行くぜ!」

 

いつの間にか閉まっていた扉を背に、草原へ歩き出す。

とりあえずは雑魚モンスターを探すところからか?

いや、もらった物の使い方を調べてからの方が良いか。

 

——————

固有異能(オリジンスキル)叡智(トート)

 

アカシック・レコード表層の限定的接続権、及び思考加速、ステータス『魔』の成長加速、魔術行使時のサポート

——————

 

おっと、急に脳内に情報が流し込んできたな。

でもそのおかげで大体理解できた、というか大分チートなんじゃないか?

テンプレで行くと固有能力(オリジンスキル)ってのが基本的にチートなんだろうな。

 

これならステータスの詳細とか見れるんじゃないか?

とりあえず

 

「ステータス」

 

それで…まずは何から見るか。

順当に上から見ていこう、となるとまずは名前からか。

 

——————

名前

ステータス保持者、その自己認識の個体名。

自身の認識に左右される。

上位者や世界に認識された場合はそうではない。

——————

 

成程、つまり名前は本気で思いこめば変えられる程度のものでしかないと。

上位者や世界に認識された場合、ってのが不穏だけど。

そうそうそんな事起きないだろ、さっきまで推定上位者と話してたけど。

多分大丈夫、おそらく、きっと…

 

次だ、次行こう。

次は種族だな。

 

——————

種族

ステータス保持者の種族を表す。

レベルが最大まで上がるか、何か特別な事象があれば変化する。

——————

 

人間って止めれるんだ…

種族が変わった時って人権適応されるのかな、されなかったら変えたくないんだけど。

というか種族が変わるっていわゆる進化ってやつだよね。

やっぱり人権を犠牲にしてもやってみたいかも。

 

——————

レベル

ステータス保持者の魔素総量を表す。

魔素を持つ存在の肉体的破壊により放出された魔素を吸収して上昇する。

魔素総量が最大まで達すると進化する。魔素総量の最大は個体によって違うが、高い存在程強い種族に進化しやすい。

——————

 

へー、ふーん。

魔素総量とはなんぞや。

文字通りに魔素の総量なんだろうけど、その魔素がよく分からん。

でも魔素総量の最大ってのはレベルキャップの事だと思う。

100って高いのか?

ていうか進化って種族の方で記述があった種族の変化だよな。

なら種族が変わるのは大分先になりそうだな。

 

——————

ステータス

力、体、速、魔に分けられている。魔素総量に応じてシステム側で魔素の方向性を割り振ってる。より正確に言えば魔素に指向性を与えている。

——————

 

成程、魔素総量ってのはその存在が持つ不思議エネルギーでシステムはその魔素に指向性を与えてるって事か。

それぞれの方向性の詳細とかは…見れないか。

そこまでは教えてくれないのね、まあ全部教えてもらうだけってのも如何にって感じか。

 

——————

異能(スキル)

ステータスをハードウェアと称すならこれはソフトウェア。魔素総量が大きくなった時の空白に埋め込む形でシステムによって作成、付与されている。

その力は千差万別で、技術で説明が付くものから完全な異能まである。

——————

 

ロマンが溢れるなあ!

スキル!いい響きだよね。

というか叡智くんが比喩とかして来たんだけど。

成長してる?

ていうか難しい事書かれてて何言ってのかよくわかんね。

たぶんステータスがキャンパスの形でスキルが色なんだと思う。知らんけど。

じゃあ次は固有異能《オリジンスキル》か。

これが一番気になってるまである。

 

——————

表示できません。

——————

 

はい。

現実ってそう簡単にいかないよね。

でも多分重要なモノなんだと思う、オリジンなんてついてるんだし。

そんなものを簡単に渡して来たあの存在がどれだけ規格外か分かるけど。

やっぱ規格外すぎてわかんないや。

 

——————

称号

外付けの力、条件の達成や上位者からの付与で獲得できる。

——————

 

なるほどねー。

まあ今は気にしなくていいやつか、多分偉業とか達成できたら獲得できるけど。

まだそんなことできないです、子供ですし。

 

「キィ」

「え、キィ…?」

 

ドアが床を擦るような、軋むような音が聞こえた。

 

「キッ!」

「うおっ!?」

 

横から白い何かが高速で飛来する。

 

それをギリギリの紙一重で避ける。

 

尻もちをついてから、白い何かが飛んで行った方向を見る。

そこには、角のついた兎としか形容できない生物がいた。

 

「これが、モンスター…」

「ギィ…」

 

つまりこれはあれだな。

エンカウントってやつだな。

 

「なら、戦うしかないでしょ!」

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