「魔剣なの!?これが!?」
義手にぺたべたと触るプロブレム。
それとレントを訝しげに見つめるモノ。
「ちょっとプロブレム、そんなに触っていいものなの?」
「大丈夫ですよ、解放しない限りただの義手ですから。」
モノの完璧な仕事管理で予定の二時間早く終わった。
その為に犠牲が2人程出たが
私達四人はO-RANGEのラボに向かっていた。
「魔剣でどうするの?」
「レントの訓練も兼ねて実験に参加してもらおうかなと思ってね。」
運命が頷きながら、笑顔になる。
「昨日、私も初めて見たんだけど驚いたよ。
特異能力としては『
「魔剣の使い方についてレクチャーしていたら、思わず解放した状態で設備を斬っちゃって。」
「え!?それって大丈夫だったの!?」
プロブレムは驚いた。
MAZE.Labの設備はO-RANGEのと同等かそれ以上の設備を保有している。
それを破壊したとなるとピンク髪の天使が怒ってくるだろう。
しかし、
「それがね、大丈夫だったんだ。」
運命は無事を表明した。
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「ちょっと、一体どうしてくれるの!?」
メイズは珍しく声を荒らげて怒っていた。
ぷんぷんと音を立てるような怒り方には可愛さすら覚える。
しかし、怒られている男二人には関係ない事である。
「も、申し訳ございませんっ!!!」
「だ、大丈夫!今すぐどうにかするから!」
運命は斬られた設備をどうにかしようと確認する。
「もう、マリアに怒られちゃう!
これを作るのにどれだけの機密と費用が掛かったと思ってるの・・・」
珍しく動揺しているな、と運命は珍しいもの見た気がした。
そう思いながら被害箇所を見ると、
「・・・・・・え?」
「運命くん、どう?
酷すぎるならO-RANGEの子たちに依頼を・・・え?」
メイズも肩越しに覗き込む。
これは霊子組織索検補助装置という保存された組織中の成分を自動的に抽出しリスト化する装置らしい。
それが物体、気体、霊体関係無く、細かに中身が分かるらしい。
だが、今は無残にもディスプレイが斬り裂かれ、機械の中身が見えるほどに分かたれている。
しかし、問題なくディスプレイは待機状態。
まとめて斬っていた電線も繋がっていないのに電気が供給されている。
「どういう事なの?」
「これが『魔剣デュランダル』・・・レントの魔剣の能力?」
メイズと運命は共に首を捻らせていた。
『決して折れず曲がらず、硬度の極地を持ってどんなものを斬っても刃毀れひとつしなかったという。
聖剣の類の筈だったが、神域に触れすぎて魔剣に変貌したようだ。』
(魔剣に変貌?そんな事がありえるの?)
『薬だって飲みすぎれば毒さ。
口伝によって残された伝説は膨らみに膨らみ、神域によって性質を変えた。
おそらく、『変化の否定』とはそういうものだろう。』
「つまり、魔剣で斬ったものはその状態を変えないのかな?」
「そんな小さなものでは無いかも知れないけど、そうかもしれないわね。」
レントはひたすらに分析する二人に置いてけぼりにされ、呆然としていた。
いや、話が分からないからではなく。
「ジャア、コウイウコトニモツカエルカナ?」
「イイカモシレナイワ♪」
小さな声で
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「だから、フルで使おうとしたらこの部分がもたなくてさ。
手を変え品を変えやってみたけど、文字通り素材を変えないと無理だと思うんだ。」
「まぁそうだろうけどよ、どう考えたってそんなもの
「そうね、手広いオッター貿易の人でさえ答えを持ってるか怪しいわ・・・」
『すまんが、ggっても0hit。もうダメ無理ポ。』
O-RANGE 第3実験室。
そこには三人と女性のスマホで会議が行われていた。
オレンジ髪の少年が悩ましい顔をしながら、唸っている。
すると、電子扉の筈が勢い良く開く。
「センパーイ!朗報!素材の目処が立ちそう!」
プロブレムは一目散に少年に近づき叫ぶ。
「マジで!?」
「マジマジ!その人連れてきたし!」
「プロブレム、その人って?」
栗色の長髪の女性が扉の先に目を向ける。
「や、みんな。」
「お、運命!病的なタイミングの登場だな!」
白髪褐色の男が運命の登場に喜びを見せている。
「いや、ごめん、その人ってのは私の事じゃないんだ。」
運命は半身をずらし、隣にいたレントを前に出す。
「おっと・・・誰だ?
オバフロ、知ってっか?」
「いや、オレも知らないな。」
「あら、もしかして貴方が・・・?」
三者三様の視線を向けられながら、前に進みでる。
「初めまして、先日より騎士団に配属されましたBUTLERのレント・バラードと申します。
この度の装置の素材開発の一助になれればと思います。」
そう言い、腰を折る。
「おお!アンタが!って素材開発?」
「なんだ?ここでDIYでもするってか?
そんな代物でもないだろうが・・・」
「こら、二人とも。
先に自己紹介でしょ。」
首を傾げる男二人に笑顔を向ける女性。
バツが悪そうな顔を浮かべる二人にプロブレムは声を掛ける。
「よっしゃあ!では、新入りくんに向けて張り切って自己紹介どうぞ!」
KINGの号令に騎士達は顔に笑顔を向ける。
その後ろのQUEENは嘆息を浮かべた。
「O-RANGEの中でも《
エラーでいい。」
「同じく、《理論値
WIZARDのオーバーフローさ、好きに呼んでもらっていいからね!」
「同じく、《正解を識らせる体現者》《存在をもって証明される正答》
FORTRESSのアンサーよ、宜しくね。」
「あとあと、レゾーン!私のスマホでいいから宜しくー!」
ピコンッと音がなり、プロブレムのスマホより文章が表示された。
『知らない 何それ おいしいの?』
その文章がなにやら茶色の斑点がついた猫の画像と共に送られてきた。
「ゴメンねー、あの子ちょっと人見知りで・・・」
「まぁ、誰にでもこんな対応だから気にしないで。」
モノは気にした様子も無く、部屋の中に進んでいく。
それをプロブレムは追い越し、部屋の中にあった抱えられる程の大きさの機械を運んできた。
「さて!自己紹介もすんだところでレントくんの力を早速見てみようのコーナーだ!」
パチパチと手を叩きながらレントに催促する。
「ほんとに俺たち何も聞いてないんだけど何?」
「レントくんがその機械でどうするの?」
様々な疑問が飛び交う中、レントは運命に背中を押され進む。
「・・・では、いきます。」
そう告げると、レントは漆黒の大剣を腕から取り出す。
その光景に驚く周囲を無視して機械を斬り裂いて2つに分かれた。
すると、
「おお!ほんとにまだ動いてる!」
プロブレム目を輝かせて、見ている。
「凄いわ、バッテリーはこっちにあるのにそっちも動いてる。
これは一体・・・」
「『変化の否定』彼は魔剣の使い手らしいわ。
つまり、斬った物体の結果を否定しているようね。」
アンサーとモノは結果の状態を観察し、
「すっご・・・なんだこれ・・・
なぁ!レント・・だよな、試したい事があるんだけどいい!?」
「なあレント!もっと何か出来ないか!?
その能力を神域に付与して空気とかにさ!?」
オーバーフローとエラーは結果に興奮して次の実験案を出す。
「・・・その為の実験だったかな?」
運命の声に5人は目を覚ます。
「そ、そうだ!これを斬ってみてくれないか?」
オーバーフローは運んできた鉄板のような見た目だが、数段黒い。
それだけで硬さが伝わってくるようなものだ。
「それが例の装置の素材ですか?」
「そう!ここ辺りを1発斬り裂いてみてくれ。」
レントは構える。
その後ろとモノとアンサーが見ていたが、
「・・・あれ、変化が止められるって事は素材のまま斬ったら・・・」
アンサーが懸念した事は現実となった。
「え、あ、ちょっと!加工出来ないだけど!何これ!?」
プロブレムは斬ってもらった素材をみて愕然としていた。
『
つまり、
曲げど燃やせど変わることが無かった。
「え、これどうしよう。
レント、戻せたりする?」
「ど、どうでしょう?一応試してみますが・・・」
レントは神域を板材のみに限定して、能力を発動する。
だが、
「なるほどね、取消は出来ないけど上書きや縮小は出来るんだね。」
板材は曲がるようになったが一切の温度変化が無くなった。
他にも運命に指定され、色々な付与を施した。
絶対位置が変化しなくなったりしたが、最も驚かれたのが斬ったものの変化を否定。
つまり、斬ったものが元に戻す事も出来たりした。
「なぁレント!!お前
今度、俺の開発にも手伝ってくれよ!」
エラーはレントに肩に腕を回し賞賛を告げる。
「はぁ!?後にしろよ!
レント!先にオレ達の実験は続けるぞ!」
と、オーバーフローがエラーに喰ってかかり喧嘩を始める。
モノは何度目かの溜息を吐き、プロブレムは笑う。
アンサーはいつものかと微笑む。
彼らと最も長い付き合いの彼女にとっては弟達のじゃれ合いと変わらないのだろう。
喧嘩が激化して物が飛び交い、電気が飛び交う。
事象改変雷杖《アクトアズパラノイド》
特異仕様重装四連殲滅架《DISK mode:Isabela》
彼らの喧嘩は『
目の前で行われる
鎮圧を依頼する為にアンサーに目線を向けるが、
「2人共、部屋を壊さないでね。」
「「分かってる!!!」」
と、忠告をするばかりで止める気は無いようだ。
「あの・・・このレベルは大丈夫なのですか?」
レントは気になり、聞いてみる。
「え?何が?」
「いつもの事よ。」
「2人共、子供じゃないのだから分別はあるわ♪」
慣れきった様子に草臥れる気分が襲う。
すると、避難した場所の真後ろの扉が勝手に開く。
「うるっさいなァ!ぼくの部屋の前で騒がないでっていつも言っt・・・・・・」
「あ、・・・初めまして・・・」
開け放たれた扉の前には運悪くレントが避難していた。
マスクをした少女はレントを数秒見つめ、放心していた。
徐々に理解が追いついたのか顔を赤くしながら、
「し、知らないひとぉぉおおおぉおぉお!!!!!!」
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400UA、ありがとうございます。
初ウェブ投稿物なので少し震えてます。
嬉しいです、頑張ります。
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