赤が迫る 赤が迫る 赤が迫る
何も感じない。何も感じてはいけない。
赤が迫る 赤が迫る 赤が迫る
反応を返してはいけない。
それはアイツらを喜ばせるだけだから。
いや、喜んでるか分からないが反応を通してアイツら反応を返してくる。
赤が迫る 赤が迫る 赤が迫る
だから反応を返してはダメなのだ。
ダメだと言ったのに・・・
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目が覚める。
意識が少しぼんやりするが、この状態ですら何時ぶりかと思いだす。
白い部屋。見た事の無い機械達が置かれている。
少し薬の匂いもする。
ベッドに寝かされているのか、と思いシーツをどける。とそこに、
「レント君!!!」
声を響いた。それは、何百年何千年ぶりの声で。
「・・・カノン・・・・・・殿下・・・なのですか・・・」
「うん!!そうだよ!!」
眠気眼から覚醒させられる。
歓喜の声をあげ、同時に涙を浮かばせる少女がベッド横の椅子に座っていた。
「・・・なるほど。ここはGARDEN、ランヴィリズマと呼ばれる場所で、会った瞬間に気絶した私をここに運んだと。」
レントは経緯を聞いていた。
「うん、そうなの。ごめんね、もっと説明したいのは山々なんだけどメイ・・・此処の責任者の人が詳細は語らないで欲しいって・・・」
調子を下げ落ち込む様子を見せる彼女に男は言い放つ。
「いや、私には殿下が生きていたという事実だけで十分に感無量です。
私は生きる意味を持たず彷徨っていましたが、ようやく見つけましたよ。」
今度はこちらが涙を流す番だった。
シーツに跡を付けながら頭を下げ、ひたすらに感謝を伝える。
・・・少し内容が過剰気味に感じる程に。
「殿下に置かれましても御壮健で在られてるようで何よりでこざまいますわたくしはあの時より殿下の身が心配で心配で仕方の無い心持ちでございましたがやはり私の想像など及ばない事自明の理でございましたあの広場にてお目にかかるや否や私の心はあの空のように晴れ晴れとした気持ちになってしまいました殿下の御姿もますます御綺麗になりましたその美しさは聖女の名に相応しくかの皇帝も御喜びになるでしょう思えば昔から輝いていた殿下でしたが幼さ故の鮮烈な光とは違い優しさも兼ね備えた光に成られたこと嬉しく思いますどうかそのお光を世界に届けグホォッ!!」
「レント君!!」
途中から目を丸くして微笑みながら聞いていたが、急に血を吐き始めたレントを見て流石に狼狽え始めた。
何しろ今の今まで寝たきりで起ききりの一番でこれである。
「あ、あの、ナースコール!ナースコールを押s」
「はいはい、ナースコールを押される前にナースは来るっすよ!」
カノンが慌ててナースコールを押そうと立ち上がると同時に病室の扉が開かれる。
入ってきたのは袖の無いナース服をインナーにピンクが基調のアウター、白いナースキャップを被ったMAZE Lab.のJOKER、舞護であった。
入ってくるや否や、レントの顔をベッドに押し付ける。
顔を横に向け口の下にタオルを三重にして挟む。
その間に、血の着いたシーツを畳み部屋に置かれていた予備のシーツに変えて掛けてくれる。
「水を飲む時は口を良くすすいで飲んでくださいね!決して血を飲まないようにっす!」
水の入ったボトルとコップをベッド脇のテーブルに置いて去っていく舞護。
二人して目の瞬きをする暇も無く、吐血の対処体位にされながら後処理の全てをされていく。
「あ、あとメイズママに目が覚めた事は伝えてあるので楽園聖典の皆様がそろそろ着く頃っす!」
去っていく。
戻ってくる。
「あ、あと暇なので良いですけど吐血する程喋るのはまだ止めた方がいいっすよ!」
去っていく。
今度こそ去っていった。
・・・
静寂が訪れる。
今度こそ訪れる。
「えっ・・・と、あぁ、彼女は舞護ちゃん。ここのナースを務めている方なんです。」
破ったのはカノン。
「あ、あぁ、そうなんですね。」
タオルを口に押し付けながら顔をあげる。
静寂が訪れる。
静寂が続く。
「えっと・・・どういう空気なのかな?」
運命が入ってきた時には二人して黙りこくり顔を背けたままだった。
想像より180度違う空気に困惑を隠せなかった。
「あ、運命くん!」
「ふふ、ママもいるわよー♪」
後ろからメイズとマリアも入ってくる。
「大丈夫かい?」
いきなり尋ねてきた来訪者三人に戸惑う。
黒いフードコートに仮面を付けた人物に、自分をママと称す少女、そして自分にまるで恨みがあるかの様に睨む白髪色黒の少女。
「レント君・・・でいいのね?」
メイズが首を傾げながら聞いてくる。
レントは首肯し、言葉を待つ。
そんなに緊張しないで、と笑顔を向けるメイズ。
「ママ達はGARDENの最高責任組織の楽園聖典、メイズママよ。
是非ママって呼んでね♪」
「・・・マリア。」
まだこちらを睨んでいる。
「九条運命、ここでは皇帝なんて呼ばれてたりするけど好きに呼んでもらって構わないよ。」
レントはその言葉に少し動揺する。
「皇・・・帝・・・?」
それを見透かしたように運命は声を挟む。
「あぁ、君たちの帝国の皇帝では無いから安心してね。」
仮面のディスプレイが笑顔に変わる。
どうやらあの仮面はそのまま表情を表してるのだと理解する。
「大丈夫ですよ。運命くんは優しい人です!」
カノンはレントに紹介をするかの様にする。
運命が微笑の表情に変わる。
「雑談で親交を深めたい所で申し訳ないけど、質問いいかな。」
運命が仕切る。それだけで突如何故か場が引き締まる気がした。
レントは驚きながら疑問が過ぎった。
「早速なんだけど、何故あの場所にいたのかな?」
「・・・・・・」
レントは考える。
突如始まった質問。相手はGARDENと呼ばれる組織の最高責任者。
そしてその回答者は・・・
「・・・あの」
レントは質問を無視し、カノンに向き直す。
突如始まった
「・・・っ!あなた!」
マリアは咎めようと声を上げるが運命に諌められる。
「・・・殿下は現在はこのGARDEN所属してらっしゃるのですか。」
「・・・うん、そうだよ。」
レントは尋ねる。カノンは肯定する。
レントにとってはそれで十分だった。
「・・・あの場所にいた理由は偶然としか言えません。」
レントは語り始めた。
「偶然?」
「・・・ずっと、ずっと歩いていたのです。
宛も無く歩いた先で本当に偶然、エルスタニア帝国に戻ってきてその先で白く、赤い結界の様なものに覆われた故郷を見たのです。」
運命はその結界と呼ばれたものに心当たりがあり、言葉を切る。
「・・・分かった。何で歩いていたのかは聞いていいのかな?」
「それは・・・」
レントは金髪の少女に目を一瞬目を向ける。
「・・・言いたくありません。」
「なっ・・・!貴方・・・立場が分かった上で話してるのかしら?」
マリアは我慢ならずといった声音で話す。
「申し訳ございません。・・・言いたくないのです。」
レントは堪らず俯く。
「分かったわ。質問を変えましょうか。」
メイズが質問を始める。
「レント君、腕が動かしずらくなったりしないかしら?」
「・・・いいえ。」
その言葉にカノンは疑問をもつ。
まるでそれは
「じゃあ聞くけどその左手、義手ね?」
カノンは驚き、顔を振り向く。
見た先の顔はまるで聞かれる事を半ば覚悟していた顔だった。
「・・・はい。」
そして、残酷な肯定に血の気が引く気持ちが過ぎる。
「何故義手になったか聞いても?」
「・・・申し訳ございません。言いたくありません。」
「・・・義手になったのは放浪を始めてからなのね?」
メイズはカノンを見ながら、質問を続ける。
「・・・はい。」
「
カノンは更に驚いた。驚きと困惑が続く。
その質問については意図すら分からなかったから。
そして、
「・・・
レントは頷いた。
「・・・そう。」
メイズは悲しそうな顔で質問を終える。
「じゃあ私ね 。」
マリアが一歩前に出て質問を始める。
「まず、貴方はGARDENに敵対する気はあるかしら。」
「・・・いいえ有り得ません。殿下が所属している組織に敵対する理由がありません。」
「なら、カノンが敵対しろなんて言ったらするって事?」
「はい。」
レントは迷い無く頷く。
「・・・聞くのが遅れたけど、貴方は一体カノンの何なの?」
「・・・私はエルスタニア帝国で執事に就いていました。
その中で主にカノン殿下の付き人として。」
「カノンの?ソナタではなく?」
「はい。歳の同じ殿下の遊び相手から始まり、付き人へと。」
「私がお願いしたのだ。幼いながら聖剣の適正があったカノンの少ない友人の中で付き添ってくれる者を。」
入ってくるものがいた。
「ソナタ殿下!貴方もご無事で・・・!」
レントが起き上がり、近づこうとするが。
「おいおい、呼び方が違うだろう?
是非とも、
「・・・姉様殿下。ご無事で何よりでございます。」
「うむ、久しぶりで良かった。そうだ、私はカノンの姉だ。」
ソナタは満足そうに、染み入る様に頷く。
「ちょっと待って!聞いた事ない呼び方なんだけど!?」
カノンが驚き立ち上がる。今日何度目の衝激なのだろう。
「ソナタ、任務は終わったの?」
「ああ、哨戒任務だけだったがな。天使一人いなかったさ。
報告書もあとで部屋に渡しに行く。」
「・・・分かったよ。」
運命はまた、仕事が増える音に少し遠い目をした。
「・・・姉様殿下もGARDENに所属しているのですね。」
「そうだ。ブレイドラインという騎士団のQUEENとして参加している。
カノンはKINGとしてな。」
ソナタは誇らしく自他己紹介をする。
カノンは突然の
他の3人は姉妹の可愛いやり取りに目を奪われた。
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