【風雅】
剣を振るう 剣を振るう
振る意味なんてない。
シドウは剣だから。
剣は斬る為に振るわれる。
斬る事を無くした剣はもはや剣では無い。
置物としての価値しかないものは剣を名乗る資格がない。
だからこそシドウは集める。
日の目を、人の目を見なくなった剣を。
《それはシドウそのもの》なのだから。
姫を守る為、カノンちゃんを守る為
トロイを守る為、ロンドを守る為
ブルーは・・・守らなくてもあの子は強いけども。
そして最近出来た、昔からの
まだシドウも姫も幼い時分、姫が妹に宛てた使用人。
カノンが笑うと姫が笑う。
ならばカノンちゃんの笑顔も守る。
それにはあの子も含まれている。
だから守る。
あの日、彼の剣の腕を磨いて欲しいと姫にお願いされて行った訓練。
最後の一撃、BLADEを放たれた直後に感じた。
陛下と話しても大丈夫の一言。
「・・・穏やかじゃないわね。」
シドウは剣。
姫の親友にして盾。
なのに、仲間を疑う従者なんて以ての外だろう。
「・・・罪深いわ。」
彼はよくシドウにも尽くしてくれる。
よく運動した後にスポドリと軽食を差し入れしてくれている。
それもシドウが見ていない時に。
見かける度に礼を言ってはいるが、『執事ですので』の一点張り。
執事ってそんな仕事だったかしら?
「シドウが守る。」
そんな貴方を。
姫を。
ブレイドラインを。
GARDENを脅かす敵から、シドウが守るのだ。
【ロンド】
『お前は暗殺者だろうが。』
・・・私は貴方の主人なのですが。
言葉遣いは散々メイド長に叱られていた筈です。
『暗殺者が失敗の後の事を考えるなんざ普通の事だろう。』
聞いてます?私は貴方の首を切る事が出来る立場なのですよ。
2重の意味で。
『うるせぇ、暗殺に行くだけ行って、死ぬだぁ?
剣でもあるまいし。』
・・・なぜ、剣なのかお聞きしても?
『斬れねぇ剣なんぞ現場じゃあ意味無いからな。
それに考える頭もねぇ。』
・・・・・・なら私は何なのでしょう。
『完璧』でないプレギエーラは一体・・・
『完璧を目指すプレギエーラでいいじゃねぇか。』
・・・・・・
『そもそも完璧ってのは何だ?
失敗をしない事か?
なら失敗てのは何だ?
成功しなかった事か?
んなもん、つまり逃げ腰野郎じゃねぇか。』
言葉遣い。
『挑戦には成功と失敗が両方付き纏う。
ハイリスクハイリターン、だからこそ成功したとき『完璧』の名前が栄えるんだ。』
『こそこそ小さく成功するだけの事をやり続けた奴をお前は『完璧』と呼ぶのか?』
またメイド長にチクリますよ。
『・・・それで御嬢は納得するのですか?』
・・・・・・・・・
『あの両親共が、そんな挑戦を無視して保守的な考えの持ち主じゃないと、
胸を張ってアイツらが『完璧』だと言えるか?』
・・・『完璧』を目指した先に、『凡人』に辿り着いたとして。
果たして私は胸を張れるのでしょうか。
『知らねぇよ、張れるほど胸も無いだろう。』
あの後、私が放てる最速最強のパンチを食らった貴方は私の部屋で気絶していましたね。
掃除に入ったメイドから説教と罰をもらったとか。
ただあの言葉は今でも覚えています。
ただの凡人に成り下がった私でも胸を張れる私になっています。
未だに貴方の最後の言葉を1ミリも理解できていません。
けど、貴方の甥である人と接触できました。
私は追いかけます。
貴方を、そしていつか追い抜きます。
いつも飄々としていてもやるべき事だけはちゃんとやって。
女性が大好きで、でも同僚の女性には手を出さない。
時間が空けば家政の仕事のイロハを教えて貰って。
『お前は完璧になれねぇよ。』
『この家で一番下のお嬢さま。』
『誰にも頼れず孤独に生きろ。』
最後には刺しやすいように私を挑発を繰り返し、思い通りに私を動かした。
そして、
『・・・それでもお前がまだ
『エルスタニアのレント=バラードってやつを見つけろ。』
『きっとカノン様の付き人をやってる・・・・いや、
もうカノン様は三人できっと・・・・・・』
『まぁいい、そいつを見定めてみろ。
あいつは・・・まぁ見れば分かる。』
最後の最後までよく分からない事を私に丸投げして逝きました。
「ホント、何のつもりだったんでしょうねぇ・・・・・・」
遺言の意味が伝わらなければ、残す意味がないじゃないか。
そんなギルティな事をした貴方を許しません。
だから、貴方を許すために。
私、今日も
【???】
彼はとても勤勉家。
最初こそ『蒼き咆哮』を目の敵にと、襲ってきたものの事情を知れば即座に矛を収めました。
2度目の邂逅となったのは彼の歓迎の宴。
豪華なパーティーの中で必死な働き者の彼は誰かに飲み物を注ぐ事すら許されず、沈痛な面持ちだった。
そんな彼と話したのはパーティーの終わり。
皆、片付けに各自が右往左往している時にしっかり顔を合わせました。
彼の顔は初日の暴走を気にしていたのか、どう声を掛けていいのか分からない。
そんな顔をしていた。
私はそんなに気にしていないのに。
そもそも戦場でも沢山の敵が何かしらの怨嗟を自分に吐いてきた。
怨恨をぶつけてきた。
なのに、この人は暴言を吐こうと、技を使おうと。
それがどれだけ普通な事か。
それがどれだけ特異な事か。
そして、それは
どれだけ欲しても手に入れられないものなのだ。
戦場は快感を、日々は休息を。
それだけを求めた私が。
平穏を求める人にどれだけ憧れを抱いてる事か。
あれから一度、彼の武装詩篇を見せてもらった。
彼のBLADEが発現したと、我が閃光が見たいと言ったのだ。
彼の閃光と技は不出来と言っても過言では無かった。
こんなもので『黒騎士』の鎧に一撃も入れられぬだろう。
けど
眩しかった。
聞けば魔剣に身体を侵されながらも、主人の為に戦おうとしていると。
澄み渡る空に暗雲を差し込まれても、星を探し手を伸ばそうとする姿。
銘の《暗夜にこそ輝く星》を体現せしめた。
騎士が何かを守る為に戦うというなら。
あの光は守らなければならない。
私は『蒼き咆哮』『黒騎士』『蒼黒の騎士』『蒼き牙』
私は暗雲を晴らし、澄み渡る青を世界に
その事を私は心に刻む為に、ここに記す。
「・・・・・・ふへへー♡、今回は長く書いちゃったなぁ。」
「なぁに書いてるの♪私にも見せてぇ♪」
「ひゃうあっ!!!!勝手に見ないでトロイさぁあああん!!!」
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