剣閃の付き人   作:かみゅう。

4 / 4
#4 medicine 薬

 

 

さて、どうしようか。と。

質問会(尋問会)、騎士紹介、階級拝命

 

怒涛なイベントの連続に疲れを感じながらも騒がしかった空気も打って代わり

たった1人、ベッドに寝転がる身に静寂が訪れる。

(ちゃんと動けるようになったら、ナースコールを押してラビリスって子を呼んで。

後で、自分の部屋に案内をお願いしておくから。)

 

運命様と呼ぶことにした人は退室時にこう言い残して去っていった。

確かに多少動けるようだがあまりにも体力が落ちていて少し廊下を歩くだけで息切れする。

これでは訓練した所で何日かかるか分かったものでは無い。

と、その時。

またもやバンッ!と扉が開かれる。

 

 

 

 

「どもどもどもアズライトさんです。

いえ初めての方なのですからちゃんと自己紹介しなければならないですね。

失礼しました、では改めて。

いぇーいアズライトちゃんだぜぇーい。ぶい。」

 

「ふざけてんですか。」

ツッコんだ。それも初対面の人に普段なら使わない言葉で。

「よしよし、対人反応は正常。聴覚診断もおーけーです。

ではではちゃんと自己紹介をば。

第三軌道人類史 MAZE. Lab(ラボラトリー) FORTRESSのアズライトさんです。

この度は貴方の治療についてのお話で往診に来ましたとさ。」

 

 

 

 

・・・何なのだろうか。と。

GARDENでは落ち着くという行為すら出来ないのだろうか。

突如押しかけてきたナースの方かと思いきや、見た目はもはや患者側の方である。

普段見ない色の液体を腕と首から点滴の様にチューブで流し込んでいる。

額にはシートを貼り付けそして・・・・・その・・・・筆舌に尽くし難い服装をしていた。

肩から胸部部分に掛け、かなり拓けた服(?)を着ていた。

しかも、喋り方も特徴的で抑揚を抑えた喋り方なのにテンションだけが異様に高い。

 

そんな全てにツッコミ要素を抱えた彼女が訪れる目的を明かしてくれた事で職がナースである事がギリギリ理解できた。

しかし、それより前に気になる事を言っていたのが気になった。

「め、MAZE.Lab?」

 

そう、メイズ。

先程、GARDENの最高責任者の一人として来ていたママと称する少女の名だった。

 

「そうなのですそうなのです。

その反応と言うことはメイズママは自身を楽園聖典である事しか教えてない様子ですね。

そうなのです、彼女こそが我々医療研究のスペシャリスト騎士団であるMAZE.LabのKINGなのです。」

 

あの少女が・・・と驚いているとアズライトが徐に自身のバッグを弄り始めた。

「先程、メイズママからリハビリのサポートを依頼されましたので来た次第です。

なのでまずは・・・」

バッグから取り出したものは、

「これを飲んでください。」

フラスコに入った緑色の液体であった。

・・・・・・バッグにどうやって液体の入ったフラスコを入れていたんだろうか?

 

「さぁさぁ飲みましょう。イッキ、イッキ。

ちょっと執事さんの良い所見ってみたい。あっよいしょ。」

フラスコを見せつけながらアズライトが声に合わせて軽く爪先で上下しながら近づいて来る。

「いや、あの、その動きをしながら近づかないで・・・・・・

じゃなくて!何なのですかその液体は!!

熱を感じないのに沸騰しているのですが!?」

 

思わず後ろに下がる。上下する()()に押されたからだ。

いや、ずっと目を向けている訳では無く・・・

目が吸い込まれるというか・・・・・・

・・・・・・っは!違う、そうじゃないだろう。

もはや私はこのGARDENの一員。

先達の言う事は聞くべきではないのか。

それが例え、尋問がまだ終わってなくて変な薬を飲まされそうになっていても。

拒否権は私には無いんじゃないか。(?)

 

 

・・・何か違う気がする。・・・が。

「・・・・・・分かりました。」

押し付けられるフラスコを手に取り、口に近づける。

・・・何故こんなにも気化している液体が無臭なのだろうか。

アズライトを見れば、無表情にこちらを見返し煽るかのように手拍子をしている。

「・・・・・・」

 

 

観念して目を瞑り、一気に呷る。

幸いか、味は本当に薬らしく苦味あれど飲めない事もないほどだった。

そこで気づいた。リハビリ用の薬とは一体なんなのだろう。

そうなってくると恐怖もやってきた。

《私は何を飲んだのだろう》。

 

内容を聞こうと顔を上げれば、何故かアズライトは同じ薬を飲んでいた。

腰に手を当て、胸を張り、一気に飲む。

・・・自分より大きいフラスコに入った量の多い薬を。

 

「っぷはー、やはり最高ですね。

この『アズライトさん特製 特殊ドーピング薬 副作用(サイドエフェクト)減少型ver3.23 《スグニウゴ・ケール》』は。

このバージョンで量産に入り、飲料薬備蓄用冷蔵庫を埋めましょう。

いやちびりすを通して流通させるのもアリですね。

デスマーチが常のカハクや陛下もわーいと御喜びになること間違い無しでしょう。」

 

飲みきった。同じ量の水でも大変そうな薬を。

それにそんな名前だったのか。そんな何処ぞの『必殺技』のような名前の薬を飲ませたのか。

と、その時。

 

徐に身体が軽くなるのを感じた。

頭に、首に、肩に、腰に、足に付いていた重りが外れる様な気がした。

《スグニウゴ・ケール》・・・すぐに動けーる・・・

安直な名前で油断していたが、薬の効能の凄まじさに言葉を失う。

 

「この薬は現在の状態を無視して、通常の状態に戻す薬です。

決して強くなったり、能力が上がったりするものではないのでご利用は計画的に。」

アズライトは説明を続ける。

「今から貴方にはしっかり運動をして貰います。

どのレベルかというと、基本高負荷と言われる運動をです。

ああ、それと今何時でしょうか。」

アズライトは時計を確認する。

 

「後、夜8時以降の外出及び行動はお控えした方が良いですね。

副作用として効力が切れた瞬間、通常感じる筈の倍以上、主に筋肉痛と疲労が襲ってきますので。

正確にはおそらく明日一日動けなくなる程の反動があるでしょう。

しかし、ちゃんと人としての働きが明日一日で体を休め補うでしょう。

つまりつまり、二日後にはちゃんとした体を取り戻せるという話なのでした。まる。」

 

なるほど。

つまり、訛ってる体を無理矢理起こしてやろうというリハビリ内容なのだろう。

「・・・リハビリについては分かりました。

高負荷の運動についてどういった内容を?」

 

「基本的な体力測定、続いて筋力測定を行い貴方の基礎能力の確認をしてもらいます。

その後に戦闘訓練を主でフィニッシュです。」

アズライトは両手を上げ、力こぶを作ろうとする。

私はそれを無視し、話を先に進めようとする。

 

「では、分かりました。訓練場所へはどの様に?」

アズライトは表情は分からないもののしょんぼりとした様相だけを感じさせた。

「少し慣れてきた対応に少々不満をもつ、歩くお薬ことアズライトさんです。

なので、少し乱暴に連れていくとしましょう。」

アズライトは指をパチンッと鳴らした。

 

すると、何処からドタドタと足音が。

・・・・・・いや、どちらかというとキュルキュルとした駆動音が。

「な、何の音でしょうか・・・?」

「ではでは宜しくお願いしますねキョーカン。」

「わかったニャー!!」

 

扉から飛び出してきたのは三段棚に車輪をつけ、天頂の機械に猫耳と顔が表示されてる謎の物体。

それが、何体も。

「さぁ運ぶニャ、キーティ!訓練室に急ぐニャー!」

キョーカンと呼ばれた先頭の物体が、周りの同型のキーティと呼ばれた物体に指示を出す。

すると、キーティから突如腕が生えてきて自分の身体を掴んで持ち上げていく。

 

「え、ちょっ、まっ、待って下さい!教えられたら自分の足で歩けますからああああぁぁぁ!!!!!」(ドップラー効果)

 

 

 

 

 

 

 

残されたアズライトは窓に向かい髪を耳にかける。

 

「・・・今日も患者様を一人、救ってしまいました。

見て下さい窓の外を、GARDENの外に広がる青い景色を。

これぞまさに・・・・・・

 

 

 

 

 

 

《おーるでぃすてぃにー》です。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

出来るだけその話でオチを一つ付けるように努力しています。

原作リスペクトです。

誤字脱字ありましたら報告お願いします

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。