剣閃の付き人   作:かみゅう。

9 / 9
#9 destruction 虐殺

 

 

何が起きたのか分かりませんでした。

部屋に入れば突然隣に剣が振り落とされていました。

その次に身体が倒れました。

押された訳でも無く、立っていられずに倒れました。

 

 

そうなれば血が見えました。

これまででも見た事が無い量の。

二、三秒程は本当に何も感じませんでした。

しかし、

 

 

 

 

『・・・あ、あ?ぁ あ ああぁあぁあ゙あ゙あ゙あ゙あ!!!!!!!』

狂乱しました。

まさか左腕が無くなってるなんて突然の情報に狂わない人なんていないでしょう。

しかし、血が吹き出して叫んでいる私を見ずにアイツは

 

 

 

 

『うるせぇな。』と言っていました。

自分でも驚きます。

こんな状況でこんな事を覚えているのか。

ん?違う?ああ。

 

 

 

 

長くない接触であろうと思いましたよ。

『ああ、コイツならそう言うな』と。

人を人と見ていない、小石にしか見えていない。

替えなんて幾らでもある屑石にしか思ってないことなんて。

 

 

 

 

最後にアイツは

『これでアイツに・・・・・・アイツ以上のもの見せられるっ!』

 

 

そう言い、発狂する私に何かを打ち込み意識が途切れました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこからは特に曖昧です。

いつも通り天使斬って、天使を斬って。

天使を、天使を、天使を。

 

 

天使を斬って、天使を斬って。

天使を、天使を。

 

 

 

 

ああ、いつからカウントされている事に気づきました。

3、8、16、37と。

 

 

 

 

うぅ・・・!

も、申し訳ありません。あ、あたまが。

何か思い出してはいけない・・・

忘れようとした何か・・・・・・

 

 

 

天使・・・天使だったのに・・・

天使だったはずなのに・・・

 

 

女性が・・・

子供が・・・

剣を握って自分に向けて・・・・・・・・・

私は・・・それを・・・

 

 

 

時折、反撃する人もいて・・・・・・

ああ、教官様も本気で反撃してきたのに・・・・・・

()()()()・・・分かってました・・・

 

 

だから・・・使われる前に・・・

 

 

 

 

 

あぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最後のカウントされている数字を思い出しました・・・

 

 

 

 

 

『50』と・・・言っていました・・・・・・

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

想像以上だな。

 

コイツの左腕に魔剣で加工した義手を付けさせてはや1週間。

この為に《導師(趣味悪ヤロウ)》に手を借りた事は癪だったが、結果は面白い。

 

 

いや、実験自体はなんにも面白くもねぇ同種殺しを続けさせているだけ。

ただ、それによる魔剣の侵食率の上がりが半端ねぇ。

玩具(アイツ)は馴染む様だと言ってたが、コイツの場合は違うな。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()

それがどれだけ特異な事か。

部屋のゴミ共に最初に手渡した、魔剣の欠片。

たったその一片に触れただけで身体の全てが変異した。

 

 

だというのにコイツはいくら触れても、何をしても同調どころか変異すらしなかった。

ということでのコレだ。

()()()。この義手はまさにソレだ。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()異物(バグ)()()()()

そうする事で強制的に変異を起こし同調を促す。

その為には理性すら不要だ。

 

その為にそういう効能を持つ薬を1()6()0()0()()凝縮分を入れてやった。

死にはしないさ、ただ永久に理性が飛び、魔剣の本能のまま動く。

本能だけの分、刷り込みも簡単。

 

 

『ただ目の前のものを斬れ。』

それだけで十分に化物なりえる。

 

 

 

ただ予想外なのは侵食の早さ。

予想の三倍早い速度で侵食している。

これで早めのデータ取得が出来そうだ。

 

 

『これで・・・これで!

はっはぁ!見ろ!

オレには909号(神殺し)もいる、アイツらもいる。

これで魔剣使いもオレ達の手で量産できる!

見たか!見ろ!

これで・・・ようやく・・・・・・あの女に・・・!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・何だこの部屋から?』

『あれ?シドウ様。この部屋は・・』

 

 

『・・・なんでオマエらは都合悪く登場するんだ。』

またいつかの玩具と天使が部屋に入ってくる。

『いや、部屋を貫通する程の大音量なのが悪いだろう。』

 

 

 

『その声を聞く限り、実験は順調なようで。』

天使は透明な壁越しに向こうを見る。

()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

『ああ、侵食率も予想以上に上がっている。

オマエらのお陰さ、感謝してるぜ。ユウシャくん?』

『あ、あぁ・・・』

 

玩具は顔面蒼白で答えた。

天使は気づいたように支える。

 

『はッはァ、どうした?

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?』

 

 

『・・・・・・いえ。ゥッ・・・』

未だに蒼白な上に吐きそうになっている。

 

 

『おいおい、ココで吐くんじゃねぇぞ気色悪ぃ。

おい、天使。

オマエが面倒みろよ。』

オレは長く籠り過ぎたせいだろうか。

つまらん馴れ合いを見せられたからか。

 

オレは部屋を出る。

アメが無くなった事に気づいたから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『大丈夫ですか、シドウ様。』

シドウは床に座り込む。

『あ、ぁあ・・・大丈夫。

・・・じゃないかもな・・・・・・』

 

リーノは不思議そうな顔をしている。

何とも思わないのか。

思わないんだろうな、天使だもんな。

()()()()()()()()()()()()()()なんて事ないんだろう。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()も気持ち悪さを増している。

 

 

 

 

『・・・魔剣に切られたものはああなるのか。』

『それは私も知りませんでした。

何せ、後ろからのバフのみで使われていましたから。』

 

 

 

・・・そうだったな。

あのパーティでも俺は後ろからの指示で終わっていた。

役立たずの久条運命も知っていたんだろうな。

・・・魔剣をちゃんと使えばどうなるか。

 

 

『・・・魔剣使い。

なぁ、魔剣使いが量産された後、俺はどうなるんだろうな。』

シドウは下を向きながら呟く。

『申し訳ありません、私には分かりません。

そもそも《英雄》様から何も聞かされてもいません。』

 

 

貴方についているのも何となくです。

と、リーノは小さく呟く。

・・・顔が赤いのは下向いているシドウは見ていない。

 

 

 

『なんでこうなってるんだろうな・・・

英雄になりたくて・・・救世主を演じて・・・

その結果が・・・これか?』

魔剣使いとして軌道修正なる組織に身を置かせて貰ってるが、それだけの理由なのかも自分には分からない。

明日には捨てられているかもしれない。

そうなれば・・・・・・自分は・・・

 

 

 

『・・・シドウ様。

リフレッシュしますか?』

リーノはシドウの顔を上へ向けさせる。

『私、誰にも見つからない海を知っているんです。

今度こっそり行ってリフレッシュしましょう。

人間はそうするんですよね?』

 

 

リーノは話す。

それはシドウを元気づけようとする話だった。

 

 

『・・・なんだそれ。

海か・・・いいな・・・それ。

いつか・・・行こうな。』

シドウは笑う。

悲しそうな顔で笑った。

 

リーノはそれだけで感情が揺さぶられるのが分かった。

 

 

 

『・・・分かったよ。

海へ行くためにも、最後にいいか?』

シドウは立ち上がる。

その顔は何か憑き物が落ちたような。

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

『シドウ・・・様?』

『迷惑をかけるかも・・・いや確実にかけるな。

だが、元勇者として救世主を偽善した者として。

そして、それらを全てここに捨てる者として。

《自身の保身》の為に、()()()()()を積みたい。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あぁクソ!

どうやったら開くんだよ、この窓!』

 

『普通に開く訳無いでしょう!?

魔剣を使って下さい!』

 

『魔剣を!?

そんな事が出来るのか!?』

 

『魔剣は持ち主の意のままに世界を書き換える力を持つんです!

魔剣にはそれぞれ特異能力はあれど基本能力は一緒です!』

 

『俺そんな事教えて貰ってないんだが!?』

 

『教えて貰ってなくても窓ぐらい開けて下さい!

どこかの世界には鍵を開ける為の聖剣だってあるくらいなんですから!』

 

 

『それはもう魔剣の類だろう!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おい、聞こえてるか。

 

俺はお前を助ける訳じゃない。

お前がココにいると俺が迷惑するんだ。

だから、お前をここから放棄する。

 

逃げろ、見つからないでくれ。

歩け、歩き続けろ。

どこか遠くに行ってくれ。

 

・・・これでいいか?』

 

『十分でしょう。

今、彼は薬で考える力を失っています。

ちょっとした言葉にも従うようになっています。』

 

 

『・・・じゃあな、二度と会わない事を願うさ。』

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

文字数をもうちょっと上げていきたい。

誤字脱字がありましたら報告お願いします。

 

 

 

 

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