出会いって凄い
ごきげんよう諸君、ボクは今 黒色?の薄墨みたいな塊と動物病院の前で対峙している
ぶっちゃけ逃げたい、逃げたいけど背後には友達が1名とフェレット(?)が1匹ほど居るから逃げれない
「・・・・本当は隠してたかったんだけどねぇ〜まぁ友達の命の方を最優先しよう」
チラリ背後を伺うと、彼女は不安そうにフェレット《ユーノ》を胸に抱いている
「なのは、心配ないよ・・・ボクがアイツを殺すから」
「アスカちゃん・・・」
彼女を安心させる為にボクは、そう言って左手を前に突き出し名を呼ぶ
そう、世界をも殺す猛毒の名前を
「ヒュドラ!!」
【EC−dividers Code−999、セットアップ】
ボクの手にピースメーカーに銃剣の付いた黒色の得物が握られる
「(あーーーなんでこんな事になったんだっけ?いや、覚悟も予想もしてたけどさ?)」
薄墨の化け物《ジュエルシード》を見据えながら少し現実逃避する為に昔を思い出す
アレは約9年前の事だ
当時しがない男子高校生をしていた筈のボクは、何故かシミ1つ無い真っ白な空間にいた
「・・・・・・・」
目の前には、いろんなポージングをしているマッチョがいる
「あ・・・あのー?」
「ん? あ! 起きたー?」
ニコニコと笑いながら言うマッチョのボイスは、ショタ声だった
「あ、あーーーはい?」
「ごめんねー? 僕、くしゃみしちゃってさ。君死んじゃった☆」
思わず殴りたくなった、マジで
「うそだ、ドンドコドーン!?」
「嘘じゃないよ☆」
膝をついて、床を殴る
「・・・ドッキリ?ドッキリだよね?ね?」
マッチョを睨みながら尋ねる
「ドッキリじゃないよ、テヘペロ☆」
「アンタって人はぁ!!!」
ボクはorzから脱してマッチョへ飛び膝蹴りを放つ
だが効いていないようで、ニコニコと笑いながら
「1回目は僕の不注意だから許すけど、二回目はないよ?」
怒っておられました
「ちっ・・・で?此処はあの世なの?」
「うん、そうだよ。で、お詫びと言っては何だけど。君の好きな世界に転生させてあげるよ」
何かの箱を取り出し、ボクの前に差し出した
「何これ?」
「君の好きな漫画やアニメのタイトルが、紙に書かれてこの中に入ってるんだ。んで、君のくじ運でそれを引き当ててもらおうと」
ニコニコと、引けと言わんばかりに押し付けてくる
「・・・・・」
少し警戒しながら箱に手を突っ込みクジを引く
「リリカルなのは?」
紙には、リリなのと書いてあった
「そーう! でもさっき、僕を攻撃したから…どの時空に飛ばすかは僕が決めまーす!」
「・・・マジで?」
戦慄しながら、問い返す
「まじでーす! 取り敢えず、転生者特有の御都合主義的なものは付属してあげるから、後は自分で検索してね☆ んじゃ、バイバーイ!」
真下に穴が開き、俺は不思議の国のアリスの如く、落ちていく
そして確信した、絶対にシナリオへ参加させられると
そんなこんなで転生した訳なんだけど、気付いたら小学校に上がるぐらいの歳だった
あの神様《マッチョ》が気を効かせてくれたのかは分からないが、取り敢えず美男美女の両親と美人な姉、イケメンな双子の兄、少し目付きが鋭い感じの美少女な姉が新しいボクの家族だ
美少女な姉はボクと年子らしい・・・ちっこいけど
そんな訳でボクは加賀谷アスカの人生は始まったのだ
それから早3年・・・なのは とユーノが契約する場面に出くわしてしまった
まぁ色々と準備はして来たんだけどね
「(そう、全てはマッチョが原因だった・・・まさか速攻で なのは と知り合うとは、夢にも思わなかった・・・)」
【シルバー バレット、ファイエル】
トリガーを引けば銀色のエネルギー弾が放たれ、薄墨の化け物を薙ぎ払う
「ん〜〜やり過ぎたかな?ま、いっか〜」
ボクは剥き出しのジュエルシードを捕獲し
「フェレットモドキ君、これは君の物だろう?ん?」
振り返ったら、契約を終えたらしい なのは がバリアジャケットを纏いレイジングハートを携えていた
「似合うね?なのは」
取り敢えず、なのは の事を褒めておく
「え?にゃははアリガトウ?」
うん、照れてる なのは 可愛いな
そんな訳でジュエルシードの封印処理をして貰い
「さ、帰ろう?送るよ」
彼女を家へ送る事にした
と言ってもボクの自宅は彼女の家の隣なんだけどね?
「それじゃ、また明朝に」
家の前に辿り着いたので、彼女へ言う
「うん、おやすみアスカちゃん」
「おやすみ、なのは」
彼女が家の門を潜るのを見て、ボクも自宅へ入る
「ただいま、兄さん」
丁度遭遇した我が家の次男、深紅兄さん(15歳)へ帰りを告げる
「お前・・・もう少し静かに入って来い。群青が起きたら、雷もんだぞ?」
コーヒー牛乳の紙パック片手に、深紅兄さんは言った
「『ボクは悪くない』」
取り敢えず、格好付けて括弧付けて断言する
ボクは間違えてなんかいないから
「まぁ、俺に火の粉が落ちて来なきゃ何でも良いわ。忍び足で部屋に戻れよ? あいつ、地獄耳だからな」
ヒラヒラと後ろ手に手を振り、深紅兄さんは部屋へ戻った
「是非も無し」
ボクは言われた通り足音を消し階段を上り自室へ入る
「お帰り、アスカ」
仁王立ちしながら腕を組み、にっこり笑顔の群青兄さんがボクを待ち構えていた
「ただいま兄さん、どうかした?」
「こんな時間に、どこへ行っていたのかな?」
兄さんの後ろに、般若が見える・・・
「ちょっとそこまで散歩をね?」
兄さんは一般人、出来る事なら秘密にしたい
「こんな時間に? 小学生が?」
兄さんの眉が釣りあがっていく
「夜更けの方が星も綺麗だから」
「それなら、うちの庭でもいいよね? 何か事件とかに巻き込まれたらどうするの?」
兄さん、苛立ってる
「巻き込まれる程ボクは間抜けじゃないよ」
さて・・・そろそろキレるかなぁ?
兄さんは知能派に見えて肉体言語で語るタイプだからなぁ〜
最悪、根掘り葉掘り洗い攫いゲロさせられそうだなぁ
「今、この家を預かってるのは誰だと思ってる? だいたい、間抜けとかそんな話はしていない。それに、一般常識的として小学生がこんな時間に出歩いていいと思ってるの? 君、まだ年齢が一桁なんだよ? そんな子を狙う輩なんて、ごまんと居る。危機管理がなさすぎる、そう言っても過言じゃないよね?」
あ、キレた
ん〜〜どうしよう?
ゲロる?いや、唐突に 実はボク魔法少女なんだ・・・何て言っても逆鱗に触れるだけだし?
大体、兄さんが魔法を信じなきゃ元もこうも無い訳で
「そんぐらいにしとけよ、群青。そろそろ寝かせないと、明日も学校だろ? アスカは」
扉を開け、深紅兄さんが顔を出す
「それとこれとは話が別だよ、深紅」
「いーや、別じゃないね。俺らの年齢になれば、ある程度夜更かししても多少、成長に差異が出るぐらいだが、アスカの年齢だと失調が出る可能性がある。これが長期に渡ると、脳神経細胞の萎縮にも繋がる」
それ、本当だろうか?
確かに、寝る子は育つとは言うけれど
「・・・仕方ない。アスカ、明日のオヤツは抜きだからね」
「ちょっっっそれは無いと思うよ?群青兄さん!!」
部屋を出て行こうとした群青兄さんは、冷笑を浮かべた
「嫌なら、ちゃんと言うこと聞こうね?」
「あーあ・・・明日はフルーツタルトだったのに。まぁ、自業自得だ、諦めろ」
深紅兄さんにも言われ、ボクは膝を着く
「申し訳御座いませんでした、何卒ご容赦を」
即座に土下座をして謝罪する
え?プライド?んなモン犬にでも喰わせてしまえ
「じゃあ、約束できる? 夜中に出て行ったりしない、出る時は僕か深紅が付き添う事。途中で撒こうとしない。君ならやりそうだからね」
「後は、隠し事しない。も追加な? 定期的に母様へ報告しなくちゃいけねぇから」
うちのお母さんは長期出張が多い職種らしく、たまにしか家に帰ってこない
お父さんやお姉ちゃんも同じ職種らしく、ここ数ヶ月会っていなかった
まぁ、学校行事には両親揃って有給取るから文句は言えないんだけど
「・・・ごめん兄さん、それは無理だ。ボクはボクが出来る事をしたい、だから夜中に抜け出すし兄さん達を連れて行けないし隠し事もするし、心配もさせちゃうと思う」
ボクは正座したまま姿勢を正し、兄さん達を見据える
「それは、僕らを信用していないってこと?」
「普通、信用してなかったら口先で適当な事を言って破るよ、信用し信頼しているからこそ折れるつもりが無いからこそ、ボクは兄さんに理解して納得して折れて欲しいかな?」
本当は善吉ちゃんみたいに腹割って(物理)兄さん達を説得したい所では有る
「・・・なぁ、アスカ。それでこいつが納得すると思うか? 俺より石頭で頑固だぞ?」
苦笑いを浮かべつつ、深紅兄さんが問いかけてきた
「ボクは折れないよ、絶対にね?」
群青兄さんが頑固なのは理解している
だが、ボクにも譲れないモノが有る
その為ならプライド何て犬に喰わせてしまえば良い
「なぁ、群青・・・」
「僕らも隠し事してるから、アスカに正直に話そうって? いくら君が思考の回転が早くても、それは流石に許可できないよ」
群青兄さんが、深紅兄さんを睨む
仲間割れかな?いいぞ、もっとやれ
「でもよ、あの波動感じたろ? 収まった直後にこいつ帰ってきたんだぜ? 絶対関係あるって」
「なら、君が聞いてみればいい。僕は知らぬ存ぜぬで通すから。母様に怒られるのは、君だからね?」
群青兄さんはそう言い、腕を組んで壁に背を預けた
待て待て、今不穏な事が聞こえたよ?
あたかもジュエルシードを感知していた様な事を・・・
まさか・・・ね?
少しカマ掛ける?いや、危険か?でも・・・うん、リスク何て糞喰らえ!!
「んじゃまぁ、初っ端から軽いジャブで・・・お前、魔法って信じてるか?」
兄さん、それジャブじゃないと思う
「信じるよ?憧れるよね」
「んじゃ、次の質問。お前、魔法は使えるか?」
うわー兄さん、せっかちですなぁ〜〜
此処は正直に
「魔法は使えないよ?」
EC因子適合者《イクリプス・ドライバー》だからねボク
「そうか・・・なら、魔法を見たことがあるか? 手品じゃなく、本当の、本物の」
本物の定義が微妙に曖昧な気がするんだよねぇ
と、言うか・・・間違い無く兄さん達は魔法を知っている人間だ
管理局の関係者かは知らないけど
なら、素直に話す?
よし、リスク何て糞喰らえだ!!
「うん、見たよ。ついさっき目の前で・・・ね?」
「そうか・・・て、訳なんだが。群青?」
深紅兄さんは、群青兄さんに話を振る
「はぁ・・・何が何でも、僕を共犯者にしたいんだね。深紅」
頭の回転がすこぶる良い群青兄さんは、先程の受け答えで何があったか理解したらしく、ため息をついて深紅兄さんへ手のひらを向けた
若干イライラしているのは、ボクの気のせいじゃないだろう
「バインド」
群青兄さんがそう呟いた瞬間、兄さんの足元に魔法陣が展開され、深紅兄さんがバインドされた
「ちょ、お前! かけんならアスカにだろ!?」
「僕を巻き込んだ罰だ。というか、ふざけんな。母様との約束、破りやがって」
ガスッ、と兄さんは深紅兄さんの腹を蹴る
「ってー・・・」
「まぁ、そういう訳だ。俺らも魔法が使える。理解したか、アスカ?」
蹴ったはずの群青兄さんに、なぜかダメージが入ったようで、足を抱えて蹲った
あれ?何でボクも魔法が使える前提なんだろ?
いや、まぁ使えない事も無いけど
仕方ない、ゲロるか
「ボクもゲロするよ・・・ヒュドラ」
【セット アップ】
左手の内にディバイダーを展開して2人へ見せる
「話には聞いてたけど・・・」
「本物は初めて見たな、っと!」
自力で、深紅兄さんはバインドを解いた
「・・・誰に聞いたの?今日なのは に見せた以外誰にも見せた事も存在も知らせて無いのに」
「母様だよ」
ようやく復活した群青兄さんが、質問に答える
「母さんが?」
ボクの疑問は更に深まる
「そー」
にこ、と深紅兄さんは笑った
何故、ボクの秘密を知っているのだろうか?
いや、それ以前にボクは何時何処でイクリプスウイルスに感染して何時何処でEC因子適合者に成った?
分からない
「まぁ、聞きたいなら母様に聞けばいいよ。明日のおやつは抜きだから、そのつもりで」
唸ってる弟に、それは酷いと思うよ兄さん
「・・・明後日に期待しとけ、な?」
ポンポン、と肩を叩かれた
「・・・おやすみ」
ボクは、ヘアピンを外して髪を下ろし布団に入る
「「おやすみ」」
兄さん達も、挨拶を返して部屋を出て行った
今日は夢見が悪そうだ
アトガキ☆
本作を読んで頂き感謝致します
趣味全開&自己満足で書いていますので、グダグダ感が有ると、思いますが許して下さい
一応、無印時代は書き上げたいと思います
暫し、お付き合い下さい