洗脳闇堕ち妹を差し置いて、クソデカ感情を別な奴に向ける姉   作:あげはちょ

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第3話 涙目(赤)敗走

 

 

「殺してしまうかも、しれませんよ?」

 

そう言う彼女の目は本気だった。

普段の温厚な性格からは考えられないほど彼女は今荒れている。

 

 

私__リリアとヴィーナ...勿論偽名だが。私たちは同じ学校に通う親友だ。それこそ毎日一緒に居るほどの。なのだけど...

 

「妹.........ベロニカは何処にいったの?」

 

有無を言わさぬ威圧でその場にいる全員が魔法を使った訳でもなしに動けなくなっている。

だが、そこで状況をよく知らないアルクが行動を誰よりも早く行った。

 

 

 

「こっ、来いジョーカーズピエロ!やつを倒せ...え?」

 

懐から取り出した召喚用のジョーカーカードを取り出し、投げたかと思われたが、すぐさま氷の弾で撃ち抜かれ、光を発さないただの紙切れとなった。

 

「質問に答えて欲しいのですが....直接体に聞くしかありませんか」

 

 

非常に残念、と言いたげな態度で攻撃態勢をとるヴィーナ。

言えるわけ、ないじゃない。

 

 

__妹は操り人形となった挙句に貴女を忘れてしまっただなんて。

 

 

普段から聞いていた。妹が攫われてずっと帰ってこないと。いつもいつも夢で出てきて「なんで助けてくれなかったの?」と言われて眠れなくなっていたことも。

そのために私が彼女の家に行って一緒に寝た事も。全部。

事情は分かっているからこそ、あなたに狂って欲しくないの。

 

 

 

「タロット、(アックス)

 

幹部に配られるスートに似通った種類のカードを使い、武器を召喚する。

ここまで来たら戦うしかないのね....

何とか逃げ出す隙を...と思った時、私の体は動かなくなった。

 

「クラブの4、束縛(バインド)

 

 

「っ!!」

 

動けない。これほどまでに精密な紐を作るだなんて、どんな時間をかけたのよ、ヴィーナ...いや、()()

 

 

「戦うつもりなんてないんですよ。貴女方に拒否権など、ありませんから」

「まさか逃げ出そうだなんて思わないですよね。あの時、助けてと言っていたベロニカを無理矢理連れていった貴方々なんですから」

 

ねぇ?と言葉を続けるルリに私は何も言い返せない。

しくじった。もう少し早く撤退していれば。

どうすればいい?どうすればこの状況を打破出来る?

 

どうしかしてカードを取り出そうとしても拘束がキツくて全く動けない。

仕方ない、身を削ってしまうけど、()()を使うしか__

 

 

と思っていた私を助けたのは思ってもいなかった人物だった。

 

 

「タロット、複製(フェイク)

 

漬けられていた液体によって色素が抜け落ちた髪と肌の、ベロニカがアルクのカードを引っ張り出して使用していた。

「あっ!俺の!?」と言っているがお構い無しにベロニカは続けて

 

複製(フェイク):[クラブの2、弾丸(シュート)]」

 

 

ルリのそれとは違い、色がない光が発射された。

私を拘束して油断していたルリはそれをモロに食らってしまい、手足が凍り逆に身動きが取れなくなっていた。

 

「なっ!?...誰ですか、あなたっ!」

敵意の矛先を変えたルリはそれが誰かも知らずに怒りを向ける。

 

ベロニカは何も言わない。言えるはずもない。

だってもうルリの事も何も覚えていないのだから。

何も喋らないベロニカにさらに腹を立てたのか無理矢理に動こうとしているルリ。

 

 

 

 

 

あちら側のソートカードは使用者に合わせて出力や形を変え、ある程度使用者を守るストッパーがついているのだ。

だけど、タロットカードにはあちら側と違って魔力を制御する機能が付いていない。

そもそもがジョーカーズ専用。普通の人間が使えるものでは無いため、そんなものを使ったら...

 

 

 

 

 

「...げぼっ!ごぼっ....ぉぁ...?」

口を抑え息が詰まったベロニカの手から、赤い液体が流れ出ていた。

それだけでは無い。鼻から、耳から。

これ程までに副作用があるだなんて...聞いていない

 

「な、なん...!?」

流石に目の前で急に黙っていた敵がいきなり重症になったように見えると慌てるらしい。やっぱり彼女の根では優しいのだ。

 

なんて悠長なことをしている場合ではない。

 

すっかり力が離れた束縛を引きちぎり用意していたカードを使ってその場を離脱する 。

 

「タロット、離脱(テレポート)!!」

 

 

「ま、待ちなさい!!待てっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんかすっごい口周りが痛いんだけど。

アルクくんからうば...借りたジョーカーズ用のカードを使ったあとから凄い痛みを感じる。なんだろ...と思っていたら急に場面転換して元いた私が目覚めた部屋にいた。

 

どうやらリリアさんが転送したらしい。よく逃げ出せたね、ヨシ

どうでしたか私の活躍と聞こうと思ってリリアさんの方を見るとすごい剣幕で私に迫ってきた。

 

 

「あ、あなた大丈夫!?直ぐに病院....は無理、くそっ...爺さん!」

 

 

どうやら外見がかなり危ないらしい。

顔の穴からほとんど血が出てたみたいだからね、そりゃ焦るだろう。

というかお姉ちゃんめっちゃ怖かった〜!

 

なんか覚悟が決まりきってたんだもんあれすごいよあんなの見たことないって

次会ったとしても怪物だけで対処できるの?と思ってしまう。

やまあ本来なら勝って欲しいんだけどそうなるとリリアさんも殺しちゃいそうというか、物語的にはリリアさん寝返るけど私がその時に一緒に行けるかと言われればだいぶ怪しいというか....

 

というかそもそもリリアさんの顔を見られた時点でチャートは崩壊しているかぁ

なかなかにやばい状況では!?

 

 

 

 

うんうん悩んでいると傷が痛んでいると思ったのか私を優しく包み込んできたリリアさんわああったかぃ....

多分2歳くらいしか離れてないのに凄いママみを感じるよ...おぎゃ

 

 

 

 

 

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