敵の改造個体兼味方魔法少女の妹になりまして 作:あげはちょ
「タロット!
急いで距離を取り「1回につき2体まで!」と制限されたジョーカーズを生み出す。すこしでも時間稼ぎとして扱いたい!たのむ!
「Jaaja!」
「 ..ああ、めんどくさい....」
「お話をしたいだけなのですが、そうもいかないのですかね」
と言って新たなカードを取り出した。
臨戦態勢早すぎないですか...?いやまあ確かにこっち側が先にジョーカーズを出現させたんですけど
一先ずジョーカーズピエロを盾にして私は行動を防寒する。とりあえずは主人公ちゃんがあっち側のピエロを倒すまで!見届けたかったけどそんな余裕はない!
「クラブの3、
そう言って手に持っていたカードを宙に投げるとそれは光に変わり、形を型取り
「...っ!」
悪寒がした。
そう、クラブの魔法少女が使うメイン武器として、自分の魔力で作り出した青色の光を放つ大鎌だ。大抵主人公がピンチの時にそれを持って現れて助けていた記憶が残っている。まあそんなん使わなくてもシュートだけでほとんど制圧出来るからあんまり使われてなかったんだけど...
今めちゃくちゃ持ってる...
「Jaa!!」
たのむ!ピエロちゃん止めといてくれ!!!
走り出したピエロにそんなことを願いながら2人の戦いを見ていた。
動き出しはピエロの方が早く、だけど召喚したてだから戦闘知識が浅く、大振りの腕を振り回すのなんて全く当たっていない。
「まずいか....?」
対するお姉ちゃんは所々で腕を振り回した刃先で跳ね飛ばし、次々に手足を斬りとっていく。
「まずいね.....」
もうそれは淡々と。
言葉を発することはせずに私の方を見ながら。
なのにも関わらずオートガードでもあるまいのにピエロの動きを完全に読み切っているように全て防いでいる。
というかずっと見られているから怖いです...これから「次はお前だ」ってされたらなにもできません....よよよ...
「Jaa!!」
ピエロが決死の特攻で無くなった手足を生やし...いやそのまま突進してったなあれ。やっぱり知能が少ない...
「はぁ...学んで欲しいですけど、まぁそちらの方が楽ですかね。」
「クラブの5、
と呟いた。
瞬間、私の目の前まで姿勢そのまま来たお姉ちゃん。
と、その後ろで無数の刃で切り刻まれたピエロの鳴き声と崩壊の音が少し時間を置いて聞こえた。
「ッ!まず」
「こんにちは。ご機嫌いかがですか?」
正面に現れて私の脳裏には死の文字が浮かんできたが、聞こえた言葉はあまりにも拍子抜けなことだった。
恐る恐るその顔を見ると特に怒りの感情は無く、ただ単純に挨拶をしているような表情をしていた。一体なぜ
それでも警戒をした私はまだ笑顔のヴィーナと少し距離を取り!こう言った。
「...どういうつもり」
だっておかしいじゃん!この前は殺意マシマシに殴りかかってきたじゃん!?
「あぁ、そういう....」
少し納得したような表情をした後、いつものように「まぁ、いいです」と言い直した。一体なんだったんだよ!
「貴方に聞きたいことがあるんです。この前も言った通りですが」
「敵対はしていますが、まだ貴女と戦うつもりはありません。少し、いえ、なにか近しいものを感じていて...」
ん?
つまり....
「私の妹、ベロニカ、という名前に聞き覚えはありますか?」
これって...
光側にもどれるんじゃないか!?
ここで私がベロニカだよ!って言えばすぐに家帰れるんじゃね!!?天才か?
言ったことから察するに私の今の姿に昔の私の面影が重なったってこと?まじかよく分かりましたね本人だよ!!
すぐにそれを言葉にしようとした瞬間、
「わた..痛”ぁっ!!」
言葉が全て出る直前に激しい頭痛に見舞われた。ちょまじでいだいい”だい”!!
頭を抱えて苦悶の表情と声を漏らす私を見るお姉ちゃんはまた狼狽え、
「だ、大丈夫ですか?」としゃがみこみ声をかけてくれた。
一応敵なんですよお姉ちゃん。
「あ”ぁ”っ”...ぃ...」
頭の中をガンガンと打ち付けるような痛みが止まらず、まだ地面から動けない。どうすればいい?
さっきは私をベロニカだと言うことで頭痛が来た。じゃあそれを否定すれば...
「っ知らない!そんな名前なんて、知らない!私じゃない!!」
叫ぶように誰に伝えるでもない声でそう言う。不思議と少しだけ痛みが和らぐような気がした。
息を飲む
「タロット、
リリアちゃんの声だ。周囲が黒い霧と少しの雑音で飲み込まれ、左右が分からなくなる、だけどその声は分かった。
私の胴体を荒く掴み、再びリリアちゃんがカードを使用する。
「タロット、
こうしてまた不戦敗となり、私の1人任務は失敗となるのでした。ちゃんちゃん。
というか自分から正体言えないのどうすればいいんです?記憶喪失で貫き通せと?
「っ、待ちなさい!!」
私の視界が暗闇に覆われ、1人増えたかと思ったらあの子を抱えて逃げられました。
私が聞いた内容はあの夜と同じ質問。
あの時は裏にいた彼女ですが、間近で見ると、やはりベロニカに似ているのです。
少したれた目尻。伸ばした髪。色は私と違う白色になっていましたが、余りにもそれは酷似していて。
だからこそ、名前に聞き覚えがあるか、なんて遠回しなことを聞きました。
万が一、本人で、私に憎しみを持っていて、あちら側にいるのだとしたら。
私は、それを受ける覚悟を持っています。
「っ知らないっ!そんな名前なんてっ!」
明らかに変化した反応。
その名前を聞き、何かを話そうとした瞬間に彼女は蹲り、なにか内側から来る痛みと格闘しているようでした。
私は敵だということも忘れ、その背中をさすろうとした時に言われたその内容で少し距離を取ってしまいました。
もし、彼女が私の妹なのだとしたら。
いいえ。彼女はベロニカです。私の魂がそれを肯定している。
ならば何故?自分の名前を知らないなんて...それも私の姿を見ても...いや、今の姿は違いましたか。
記憶喪失?いえ、何かそれとも違う...
それにあの頃の私と同じ青の髪色とは似ても似つかない彩りのない白。
それにあの頃「お姉ちゃんの料理美味しすぎてちょっと太っちゃった〜」なんて言っていた時の健康体...と比べてスカートの間から見えた細すぎる足。
ジョーカーズ...闇組織...実験...
「...ぁ」
いえ、そんなはず
「ですが、最悪の自体も考えなければなりません。」
冷静な私の口はそう言う。
だって。それじゃああの時助けられなかったベロニカは....
「....そんな筈、ありませんよね....?」