三色旅行記   作:筒手

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旅の始まり

創生暦500年

 

過去に300年戦争がかつてあった。

そんな大戦争があったにも拘らず50年前に戦争終結し三国間における平和条約が結ばれており、毎年条約確認会の静寂の丘で三国会議が行われる。

そんな一つの国『トライデント聖国』は魔導具製品によって生活水準が引き上げられ多くの兵士は法術兵と聖堂騎士というエリート階級の二つの軍があった。

 

特に聖堂騎士は聖国民の憧れの的であるのだ。

しかし僕は出身国である聖国がどのように見られているのか、他国領への入国手続きを貰いながら各地を転々とする旅行を行おうとしている。

 

平和条約で結ばれた民間人への脅しや攻撃を禁じ、自由に旅行させる権利を与えるもの。

これは他出身国者も含まれるものであった。

早速僕は旅の仕度を終えて今にでも朽ち果てそうな実家を出て外層地域から出発するのだ。

 

 

暫く麦畑と葡萄畑が続く農道を通って、知り合いの農民と挨拶を交わしながら旅路を行く…国境を越えるには旅行者記を法術兵警備隊に一旦提示しなければならず、越えたとして今度は越えた先の中立地域を移動しその先の警備隊にまた提示しなければならないのである。

因みに外層地域と中層は基本的な国民の生活範囲で、壁によって隔てられている。

内層地域からは空間法術防壁展開魔導具を内蔵した防壁が広がっており、その内側は軍や政治関係者くらいしか生活していない…父母はここ5年間僕のところに顔を合わせていない、仕事で忙しいのだろう。

 

父は外中層の統治者であり南方方面軍総司令官でもあるが、僕の住まいは東部方面に当たるので会うことは殆ど無い。

母は現在の聖国最高指導者。国民の殆どが聖母として讃えられており、50年前の平和条約締結に持っていけれた功労者なのだが…長命種族なのか時間認識が非常にズレがあっていつも遅刻するポンコツである。

毎朝父が起こしに行っているのだとか…まあこれを知るのは父と僕くらいかな。

逆に僕の固有魔法は父と母くらいしか知らないと思いたい、様姿や肌色に種族から性別体重と色々な身体構造を自由自在に変更出来るが…対象は自分自身だけ

母との大事な仕事の時は娘の姿。

父との仕事は裏の部隊としてのもう一つの自分の姿。

 

普段は年相応の少年としている。

僕の名前はクルト・アーシュヴァイア

ヴァンパイアとエルフのハーフ

基本的に『トライデント聖国』ではその種族が上位にいるらしく段階的な種族階級がある。

オークやヒューマンは最下階級、最上階級は悪魔族と天使族…この二つに関しては地上界の者にしか知らされておらず統治関係者には天空界と地底界で更に細かく階級が分類されているらしい。

 

なにせ僕のもう一つの姿で母の手伝いで知ったから、話しは逸れたけども通信魔導具によって母と父に許可を貰って一人旅をすることが出来て今は外を歩いている。

その後も3日間何事も無く歩き続けていよいよ最初の国境検問所に辿り着いた。

 

検問所付近にはまず建物や畑すらなく自然界そのものがおかれた地区になるのでそこはまだ良かった。

今回の旅行先は『ズォーグスウォーム』という未だに謎の多い国に旅行手続きを届けた入国審査が行われる。

まずは聖国の衛兵に確認を取って国境を越えて、中立地域を駆け抜ける。

そこから数分もすれば『ズォーグスウォーム』の特殊な地形が見られるようになる。

その『ズォーグスウォーム』の検問所を確認し列に並ぶ、並ぶこと三時間経過で僕の番がやってきた。

 

「やあ少年。君も旅行者か?」

 

少し濁った声を発しながら分からなくない言語で話してくる巨大な蜘蛛。

 

「これが証明書です」

 

許可申請書を渡すと直ぐに通してくれて、蜘蛛の糸で束ねられた扉が開かれる。

少し歩くと生肉を足で潰したような気持ち悪い音を聞きながら入国することになるのだった。

 

『ズォーグスウォーム』の国土。

それは全てが赤黒い肉や植物のような世にも奇妙な地形です。

おまけに脈動している地形?も確認され泥みたいなのが取り除かれた正規の道はちゃんとした砂利道でした。

 

『少年。観光に何か困ったらこの用紙を近くのプラークに刺してくれ、そしたら直ぐ案内が来る』

 

先程の蜘蛛が紙を渡してくれたが、ちょっと赤紫の紙?で触れると手先から糸を引きながらネバネバしている。

しかもしっかりとその紙モドキは脈動していた。

早速プラークと思われる泥に紙モドキを突っ込んだら直ぐ案内がプラークから出てくる。

その子は喋れないが地図を用意してくれた…脈動しているけど。

 

そんな蠢く地図を手にして頼りに色々な場所を巡ることに僕の旅が始まるのです。




オマケ
登場予定勢力

『トライデント聖国』
主人公の母国、種族階級が存在している事と魔法術が大きく発展している。
しかし殆どの魔導具は共和国の模倣であるそうで、生活様式は近世を脱して産業革命入りそうで入らないような具合。

『ズォーグスウォーム』
正式には国ではないものの、トライデント聖国は国家として認めている。
謎生物や植物に菌類と昆虫等で形成された世にも奇妙で繁殖速度が凄まじく、聖国には奇妙な力場を感じており最近は聖国に近づかないようにしているらしい

『トランシー共和国』
この世界を統合する条約立案国、ヒューマンとトランシーで構成された国家であり他二つに先駆けて愛国民主主義を掲げている。
過去の大戦で大敗を喫し現在の国土は一割にも満たない、しかし未だその軍事力は両国には僅かな片鱗しか見せていないようで未だに噂が走り回っている。
噂によると今の国土は共和国の実験場とされる荒廃した土地らしい…
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