ブラックサレナを使って、合法ロリと結婚する為にガンプラバトルをする男   作:GT(EW版)

10 / 19
 ※原作崩壊注意
 今回もユウマ君の日記視点です。


自重しない蒼穹野郎とフラグクラッシャー幼女

 

 

 ○月×日 なめるな! ユウくん怒りの初戦突破

 

 遂に全国大会の一回戦が始まった。

 徹夜で完成させた新しいガンプラ、ダブルウイングフレームはぶっつけ本番での初陣だった。ナデシコとガンダム、二つのクロスオーバーによる機体故に内部の設計は複雑で、正直プラフスキー粒子に反応するかどうかも微妙な代物だった。それでも僕は、100%起動に成功することを信じていたわけで……信念を込めたガンプラは絶対に応えてくれる。それは僕が今までの戦いを通して学んだことだ。

 セカイとフミちゃんの二人も、僕のガンプラの起動を信じてくれた。まあ、そこは日頃の行いという奴だろう。

 しかし想像以上に良いスタートを切れたと思う。フミちゃんのスターウイニングもセカイのバーニングゴッドも相手のガンプラを一切寄せ付けず、僕の新エステは言わずもがな。僕が今まで作ってきたガンプラの中でも、掛け値無しに最高の性能だった。圧倒的な力でオホーツクチームを粉砕し、二回戦進出を決めた。

 去年のベスト8を相手にあそこまで戦えたのだ。今の僕達の実力なら、優勝も夢ではないと確信している。

 

 しかし僕達の試合が終わった後、セカイが突然観客席に向かって走り出した時は驚いた。見るとそこにはルリルリに似た銀髪の女の子が――そう、アワクネ・ユリちゃんが座っていたのだ。会場にはオチカさんも見に来ていたからもしかしてとは思っていたが、彼女も観客席から僕達の試合を見届けていたらしい。

 そんな彼女の存在に気づいたセカイは、彼女に向かってこう言ったのだ。

 

「俺達は優勝する! その後で、もう一度俺と戦ってくれ!」

 

 まるでドモン・カッシュの全勝宣言のように、僕達が優勝することを前提とした言い方だった。向こう見ずで直情的なアイツらしいリベンジの申し込み方だとは思うが……まあ、僕もそういうのは嫌いじゃない。周りからの視線は痛かったけどNE。

 しかしそれに対するユリちゃんの反応も大物だった。セカイに対してナチュラルに上から目線で「期待しています」と言う姿は、とても七歳の女の子には見えなかった。

 

 

 

 ○月×日 その時、蒼穹へ

 

 流石に全国大会だけあって、出場者の実力も色物具合もハイレベルだ。サカイ・ミナトのトライオン3対ゲキ・ガンガー3と言った色物同士の対決もあり、会場は大いに盛り上がった。

 彼らによるスーパーロボット同士の力と力の真っ向勝負は一挙一動が一々パワフルであり、見どころの多い白熱したバトルだった。今回はサカイ・ミナトのトライオン3に軍配が上がったが、ゲキ・ガンガー3の熱血パワーも侮れない。実に木連ホイホイな試合内容だった。

 

 しかし今日の試合で一番の盛り上がりを見せたのは六年連続で日本一となっているガンプラバトル界の覇者、ガンプラ学園の試合だろう。

 その相手はソウシの率いる本枚高校。僕はこの試合で、ガラにもなく熱狂したものだ。

 

 この試合の感想を一言で表わそう。

 

 アドウざまああああああwwwwwww

 

 ねえどんな気持ちwww? 余裕ぶっこいて単機で相手をさせようとして返り討ちにされてどんな気持ちwww? 慌てて出撃したけど2対3の状況から消耗戦を強いられて負けてどんな気持ちwww? んwww?

 

 

 ……結論、慢心はダメ絶対。

 いくら天下無敵のガンプラ学園でも、自分から付け入る隙を与えたら足元をすくわれるということだ。

 ネットをちらっと見てみたら案の定大炎上しており、ガンプラバトル板ではシアちゃん涙目スレが大量に乱立している始末だった。

 

 しかしキジマ妹の単機出撃というガンプラ学園側の慢心を差し引いても、ソウシ達の実力は確かなものだったと思う。

 

 アスカのガンダムマークザインとソウシのキュベレイマークニヒト、そしてカリマのジ・Oマークレゾンが彼らのガンプラの名だ。

 ソウシ自身は蒼穹なロボットアニメに出てくる救世主モデルを基に設計したと言っていたが、同化アタックまで再現されては仮にガンプラ学園が真面目に戦っていてもどう転ぶかわからなかっただろう。

 キジマ妹は余裕ぶっこいてこれらを一人で相手しなくちゃいけなくなった結果、案の定三対一でフルボッコにされた。

 アドウの奴はアスカのガンダムマークザインが自分ごと相手を同化するルガーランス攻撃(相手は死ぬ、自分も死ぬ)でジエンドがファングを展開しきれないまま無理やり相討ちへと持ち込まれていった。

 そして残るキジマには前衛のレゾン、後衛のニヒトが防御中心のフォーメーションで相手取り、試合は長期戦にもつれ込んでいった。

 このままでは埒が開かないと痺れを切らしたキジマがトランザムを発動したが、それこそがソウシの狙いだった。トランザムの限界時間を狙ってニヒトが同化ケーブルを使ってキジマを強引に拘束。そして「今だ! この怪物を僕ごと消し去れェェッ!!」と叫び、カリマのレゾンがニヒトごとキジマのガンプラを葬り去り、the endとなった。

 

 観客は口あんぐり。僕らも口あんぐり。

 

 信じられない結末に愕然とするガンプラ学園に向かって「これが結束の力だ」と言い放ったカリマのドヤ顔は、正直くっそカッコよかった。

 

 そんな、大会史上最大の番狂わせと言ってもいい出来事が起こったのがこの一日である。

 

 最強の優勝候補が早々に消えたことがこの後どう響いていくか……彼らと戦うとすればブロック的に準決勝以降になるが、今の内に対策を考えておいた方がいいかもしれない。

 アレ、元ネタみたくパリーンって自滅してくれればいいんだけど。

 

 

 ○月×日 お化けなんてないさー

 

 二回戦の対戦相手は新潟代表、統立学園だった。メンバーはシキ三兄弟。兄弟の三人が三人ともSDガンダムを使い、ここまで緻密な戦術と巧みな連携で大会を勝ち抜いてきた厄介な強敵だった。

 いやあ、幽霊怖い。むっちゃ怖いわぁ……でも僕には愛機スーパーエステバリスダブルウイングフレーム、略してWWバリスが居る。幽霊の城もなんのその! 僕の愛機への信頼が、長年苦手としていた幽霊への恐怖に打ち勝ったのだ! フハハ!

 ……あっ、試合にはなんとか勝った。しかし、かなり苦戦を強いられた一戦だったのは間違いない。三機のSDガンダムが合体してキングギドラみたいのになったのは驚いたが、合体してパワーが上がっただけでなく、あのスタービルドストライクが使っていたアブソーブ・システムまで内臓していたのが一番の誤算だった。

 それでも勝てたのは、カリマ風に言えば僕達の結束の力か。

 

 しかし、シキ三兄弟もなっていないな。ガンプラ学園への復讐心なんかでガンプラバトルをするとは。その様子があまりにも見ていられなかったから、試合が終わった後で、僕が「ガンプラバトルは復讐の道具じゃないぞ」と説教してやった。そしたらフミちゃんに「お前が言うな」みたいな目で見られた。解せぬ。

 

 他の試合を見ると、サカイ・ミナトのチームもソウシのチームも無事に勝ち上がっているようだ。しかし、サカイ・ミナトのトライオン3の相手が今度はゲキ・ガンガー3の元ネタ様だったのにはお茶吹いた。一回戦に出てきたゲキ・ガンガー3同様、オープンゲットまで再現して三種類の合体を使いこなしていたのにはもっとお茶吹いた。

 僕が言うのもなんだけど、アイツらはガンプラバトルじゃなくてスパロボの世界にでも行ったらいいと思うの。終始白熱した凄まじい試合だったが、ものすっごい暑苦しかった。

 

 そして今日一日の試合が終わった後のことだが、僕としたことが宿舎への帰り道でいかにも悪そうな不良達に絡まれてしまった。

 リアルファイト最強のセカイが駆けつけてくれて最悪の事態は免れたが、さらにそこへメイジン・カワグチやミスター・ゼロまで現れて場は(余計に)大混乱。しかも、不良達が絡んできたのはイノセ・ジュンヤ――セカイやミライさんと一緒に次元覇王流拳法を学んでいた兄弟子の差し金だというのだからさあ大変!

 

 ……ミライさんが言うにはそのイノセ・ジュンヤ、次の準々決勝の対戦相手の補欠メンバーに登録されているらしい。

 彼の人柄をよく知るセカイとしては優しかった兄弟子がそんなことをしてきたことが解せなかったようで、明日の試合で真意を確かめようと意気込んでいた。まあ、今回の件はアイツに任せてやるか。今回の被害者は僕だが、ナデシコで愛を知った僕は寛大だからな。お前達はGガンのように拳と拳で存分にわかり合ってくるといい。

 

 

 ○月×日 ようじょこわい……

 

 待ちかねた準々決勝が始まったが、肝心のイノセ・ジュンヤが試合に出てこなかった。これはどういうことかとセカイも僕もフミちゃんも困惑しながら戦ったものだが、試合が(僕達の勝利で)終わった後、今回の件について事情を知っている人が、こっちまで赴いて説明しにきてくれた。

 

 その人、幼女である。

 

 アワクネ・ユリちゃんだ。話を聞くに、彼女は彼が僕達に不良をけしかけてきた現場をその目で目撃しており、それが気に入らなかった彼女はあの後、単身でイノセ・ジュンヤの元へ乗り込んでいったらしい。

 

 そして彼に対してガンプラバトルを仕掛け――圧倒的な力で叩きのめした。わざわざダメージレベルをA設定にして、この大会に出てこれないように徹底的に破壊したのだそうだ。

 

 つまりイノセ・ジュンヤが今日の試合に出てこなかったのは、僕達の与り知らぬ場で行われた彼女による報復が原因だと言うことだ。

 

 もうお兄さん達頭が痛いよ! セカイは言葉も出ないし、フミちゃんは目の前の幼女が行ったえげつない所業にガクブルしていた。

 なんだよこれ、突っ込みどころが多すぎる! 小さい女の子が一人で向かっていくのもおかしいし、圧倒的に叩きのめしてしまうのもおかしい! そらイノセ・ジュンヤもショックで寝込むわと流石にちょっと同情する。

 

 本当に……セカイ、お前は勝てるのか? このラスボスに。

 

 

 

 ○月×日 余裕が無いので日記はここまで

 

 色々予想外な出来事があったものの(セカイはかなり釈然としていない様子だった)、この大会のベスト4が遂に出揃った。

 ミナキ・ソウシ率いる神奈川県代表、本枚高校。

 ヨーロッパのジュニアチャンピオン、ルーカス・ネメシスが所属する徳島代表、グラナダ学園。

 サカイ・ミナトの大阪代表、天大寺学園。

 そして僕達西東京代表、聖鳳学園中等部。

 以上、もとい異常の四校だ。

 そして抽選の結果、本枚高校がグラナダ学園と、天王寺学園と僕達が当たることになった。

 つくづくこの舞台にガンプラ学園の名前がないのが違和感を感じるが、何が起こるかわからないのがトーナメントの恐ろしさと言う奴だろう。

 

 先に行われたのは、本枚高校対グラナダ学園の試合だった。

 本枚高校のチーム竜宮城はこの大会でお馴染みとなったザイン、二ヒト、レゾンの揃い踏み。

 対するグラナダ学園のガンプラの先頭に立つのは、やはりルーカスさんのクロスボーンガンダムフルクロスだ。こちらは今更説明不要だろう。

 そこに加わる二人の仲間は、ヤガミ・I・Y・タイチさんの操るオメガモンダム(誰が何と言おうがガンダムである)と、バン・エレシーネ・リネさんの駆るブレードバクゥライガー(バクゥの改造機、ゾイドに非ず)が加わった大会屈指のメンバーである。僕が言うのもなんだが、このメンバーもうなんでもありである。

 

 どうなるか全く予想がつかないこの試合、最初に戦闘不能になったのは意外にもソウシだった。

 

 ヤガミさんのオメガモンダムの放った右腕のキャノン砲はビーム兵器ではなく、特殊な冷気が込められた絶対零度の弾丸だった。その一撃はソウシのキュベレイマーク二ヒトにとって相性が悪かったらしく、防御した瞬間「凍らせて同化するのか……」とか呟いて呆気なく墜落していった。だがそれでも、微かに動くケーブルをテクニカルに使ってオメガモンダムを拘束し、自爆で無理やり相打ちに持ち込んでいく辺りは流石。しかしなんであの人は、ああも愛機の扱いが悪いんだろうか。

 

 それで数の面では二対二のイーブンとなった二チームだが、頼れる指揮官が最初に脱落した本枚高校のダメージは大きかっただろう。そこで気を吐いたのが、アスカ・シンのガンダムマークザインだ。

 しかしグラナダ学園のブレードバクゥライガーも一歩も劣らず、アスカのマークザインと熱い高速戦闘を繰り広げた。

 ブレードバクゥライガーは四足歩行とは思えない変態機動でザインの動きに着いていき、それどころか一時はあと一歩のところまでアスカを追い詰めた。しかしアスカが粘りに粘った結果、ブレードバクゥライガーの機体がファイターの操縦負荷に耐えられず自滅し、辛くもアスカが勝利を収める形となった。自分の操縦にガンプラが耐えられなかったというあまりにもあんまりな敗因に対しては、ファイターが「俺にもオーガノイドが居れば……」とか呟いていた。

 

 そして戦況は二対一となり、本枚高校がグラナダ学園を追い詰めた。ここまで防戦一方ながらルーカスさんのフルクロスを相手に一人で抑え込んでいたカリマ・ケイのジ・Oマークレゾンもまた、この戦いで絶大な貢献を果たしていたと言えよう。

 

「いくぞカリマ! ツインドックだ!」

「ルーカス! お前にも見せてやる! 俺達の結束の力を!」

 

「……みんないなくなればいいのに」

 

 合流したアスカとカリマは、見事なまでに絶妙なコンビネーションだった。対して、一人で二機ものザルヴァ―トルガンプラの相手をしなければならなくなったルーカスさんはもう勘弁してくれよとうんざりしながらも、これぞガンプラバトルと楽しそうな表情を浮かべていた。

 チームにおける一人一人の技量は、恐らくルーカスさんの方が上手だろう。しかし仲間と仲間が合わさることによって、彼らの力はより強く引き出されていく。これが一回戦でカリマの言っていた、彼らの「結束の力」なのだと僕は思い知った。

 

 ……その後の戦闘の詳細は、あえてここには書かないでおく。

 

 ただこの後、結束の力を武器にカリマ・ケイがルーカスさんのフルクロスを打ち下し、本枚高校が決勝戦への進出を決めたことだけは書き記しておく。敵ながら感動してしまうほどに、心が躍る名勝負だった。

 

 

 さて、明日は僕らの番だ。一々僕に突っかかってくるサカイ・ミナトについては、そろそろお互い腹を割って話をしてみるのもいいかもしれない。

 だがその前に、今は機体の調整をより完璧に仕上げよう。

 

 トライファイターズ全員が自分らしく、誇らしいガンプラで優勝してみせる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【次回予告】

 

 トライオン3を辛くも打ち破り、決勝戦へと駒を進めたトライファイターズ! 栄冠の座は、彼らと本枚高校の二校に絞られた。

 2日後に行われる決勝戦に向けて、準決勝でダメージを受けた各機体の修復を始める両チーム。そんな中、ラルさんの提案でブリーフィングをする事になったトライファイターズ。大会第二回戦で対戦した新潟代表の統立学園から、本枚高校の戦いぶりなどを記録した詳細なデータが送られてきたのだ。

 それを見たユウマは機体の修復を進めながらも思い悩む。このまま、修復を進めたとしても勝機は五割に満たない……そう確信したユウマは意を決し、決勝までの時間がない中、全機体のフル改装を決意する。

 

 一方その頃、セカイの前に次元覇王流の使い手、「JI」と名乗る謎の覆面ファイターが現れた!

 

 彼の正体は一体何者なのか!? そして彼は、「最後の組手」と称してバトルシステムに隠された禁断のパワーアップシステム、「アシムレイト」を使ったガンプラバトルをセカイに仕掛けたのである!

 

 

 次回、【アシムレイト】

 

 

 封印されし理由……それはとある少年の左目――。

 

 




 今までで一番やっちまった感の強いお話でお送りしました。セカイ君が幼女にリベンジマッチをするまでは、この番外編の続きは予定しています。
 ガンプラ学園の面々は……もちろんこの後も出番はあります。ジュン兄についても後ほど。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。