ブラックサレナを使って、合法ロリと結婚する為にガンプラバトルをする男   作:GT(EW版)

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合法ロリと結婚する為にガンプラバトルをする男(終)

 

 ――準決勝当日、俺は試合前、病院に居るラズリちゃんと会って話をした。

 

 彼女の体調は随分良くなったようで、ディランディ先生いわく明日にでも退院出来るとのことだ。

 ただ、無論のことながら今後はお腹の中に居る赤ちゃんのことを考えて慎重な行動に慎めと釘を刺された。言われるまでもなく、俺は彼女のことを今まで以上に大切にしていくつもりだ。

 

「オチカ」

「なんだ?」

「今日、準決勝だね」

「ああ、相手はあのメイジン・カワグチだ。勝機は薄いが、ブラックサレナNT-1なら勝てるさ」

「うん、オチカは負けない。だからね、オチカ」

 

 彼女のことを何よりも大切に。

 何よりも――もちろん、ガンプラバトルよりも。

 彼女は俺にとって、ガンプラバトルよりもずっと大切な存在なのだ。

 俺は御伽噺のような理想の王子様にはなれないが、せめて彼女の為に、俺なりに全てを尽くすつもりだった。

 だから俺は、どんな手を使ってでも彼女に勝利という結果を届けなければならない。この期に及んでガンプラバトルを楽しむだとか、そんなことは到底考えられなかった。

 

 だけど俺は……この時まで、そんなちっぽけな虚勢がとっくに見抜かれていたことに気付いていなかった。

 

「無理しないで」

 

 俺が無理をしていたことに、彼女はとっくに気付いていたのだ。

 ルワンさんと戦っていた時から今まで、ずっと。

 そんな彼女に返す俺の言葉は、悪事がバレた子供のように震えていた。

 

「……何が、無理をしているんだ?」

「オチカの試合、見てたよ。オチカ、いつものオチカじゃなかった」

「……背負うものが出来たんだ。今までと雰囲気が変わったように見えたのなら、俺は寧ろ嬉しい」

「そうじゃないの。オチカ、楽しそうじゃなかった。……苦しみながら、戦っていた」

「俺の戦いに、今後の生活が関わっているかもしれない。そんなプレッシャーの中で、今までのように楽しめるわけがない」

「私とこの子は、オチカにとって重荷?」

「そうじゃない! そんなわけがない!」

 

 俺は彼女が身篭っていることを知ってから、それまでの俺で居ることを否定した。

 それは俺なりの意識改革のつもりだった。彼女を救えるのなら、俺自身の気持ちなんて知ったこっちゃない。元々あったラズリちゃん至上主義の考え方を、さらに極端化したような考え方だ。

 ……そんな俺の姿は、彼女の目には酷く痛々しいものに映ったのだろう。

 だが、だったらどうすればいいんだ。

 

「俺にはガンプラバトルしか取り柄が無い。それでもこの取り柄がラズリの助けになるのなら、俺は……!」

 

 そんなことを考えていた俺は、この時まで焦っていたのだ。

 そして、空回りしていた。

 ラズリちゃんの為ラズリちゃんの為にと思っていたことが、俺のガンプラバトルから一番大切なものを失わせていた。……いや、失わせかけていたと言うべきか。

 マズい方向に行きかけた俺のことを、彼女は優しいその手で引き上げてくれたのだ。

 

「オチカは今、ガンプラバトルが楽しい?」

 

 俺の核心を突いてくる、その問いかけで。

 

 ……俺が彼女に惹かれたのは、決してロリ可愛い見た目だけじゃない。

 口下手で無口な俺にとって、多くを語らなくてもこちらの心情を読み取ってくれる彼女とは一緒に居ると誰よりも心が落ち着くのだ。

 この見た目からよく人からは勘違いされる俺だが、彼女だけは俺のヘタレな本質を理解してくれるし、それでも俺のことを認めて愛してくれる。だからこそ、俺はそんな彼女のことを女性として好きになった。

 今、ガンプラバトルが楽しいか――この時は自分でも気付いていなかったが、俺は多分、その問いかけが一番欲しかったのだと思う。

 つい最近までは、ガンプラバトルを純粋に楽しんでいた自分が居た。

 だが今は、そうでない自分が居る。

 

「……君の知っている、アワクネ・オチカは死んだ」

「誤魔化さないで」

「……正直、楽しめてはいないさ。ルワンやマネキン、ジュリアンという強敵を倒せて嬉しい筈なのに、心の底からは喜べていない自分が居る」

 

 彼女の質問に対し、出来ることならこの大会が終わるまでは答えたくなかったのだが、まっすぐに俺の顔を見つめるラズリちゃんの金色の瞳を前にあえなく観念し、俺は本心を語った。

 ……まぐれとは言え試合に勝っておいて失礼な話だが、俺は数々の強敵を打ち破ってきたことに対して喜びを感じていなかった。

 それは直近のジュリアン君との試合の時も同じだ。たった一瞬の隙を突いての逆転勝利に、会場内に詰めかけてくれたお客さん達は総立ちで拍手を送ってくれたものだが、それを受けてさえ思ったほど心地よくなかった自分が居た。

 それはとても……とても、寂しい気分だった。

 仕方の無いことだとわかっていても、ガンプラバトルを心の底から楽しめていなかったのである。

 

「ガンプラバトルでの優勝に君との生活がかかっていると思うと、試合に勝つことも通過点にしか感じられなくなる。だから勝ったところで喜ぶことも、楽しむことも出来ないんだろうな……」

 

 ガンプラバトルに俗な話を持ち込むことをあれだけ嫌っていた筈の俺が、今や就活の為だけにガンプラバトルに臨んでいるという矛盾。何ともまあ、しょうもない話である。イオリ・セイ君みたいな純粋な子供も参加している大会だというのに。

 

 だがそれも、彼女の為だからと俺の中では許されていた。

 

 ナカマ・ラズリという女の子は、俺にとっては全てにおいて優先される存在だからだ。

 もちろん、俺自身の心よりも。

 

「ありがとう、オチカ。私のことを、そんなに考えてくれて」

 

 俺がもっと器用な人間だったらもう少し上手く立ち回れたのだろうが、それが出来る人間ならばそもそも無職などやっていない。

 それでも、そんなしょうもない俺のことを、ラズリちゃんは信じて受け入れてくれた。

 

「でも大丈夫。私のことも、生活のことも大丈夫だから」

 

 そしてラズリちゃんは、俺の心に張り詰めていた感情を浄化するような、柔らかな笑みを浮かべて言った。

 

「昨日、ナガレが来て話したの。大会が終わってからも、オチカのことを正社員として雇いたいって。これが、契約の内容だって」

 

 ナガレ……あの野郎、俺を差し置いてこの病室に来ていたのかと少し苛立ちを覚えながら、俺はラズリちゃんの手から数枚にも及ぶ書類を受け取った。

 そこにはKTBK社の正社員として俺を雇いたいという旨と、契約の詳しい内容が記載されていた。

 えっ、マジで? と内心驚きながらその内容を流し読みした俺は、内から込み上がってくる変な笑いを抑えることが出来なかった。

 

「……これからは、アイツのことを様付けで呼ばないといけないな」

 

 労働時間こそ日本の企業らしくそれなりに長いが定休日はしっかりと確保されており、これならばブラックと言うほどでもないだろう。何より目を引いたのが月に貰える給与だ。KTBK社で貰える給与は、並の求人広告で見かけるそれとは文字通り桁が違っていたのだ。

 ナガレ……いや、ナガレ様っ! 俺は一生あんたに着いていきます! って、思わずそう叫びたくなるほどの破格な条件だった。どうやらあの男は、よほど今回の俺の働きぶりを評価してくれたらしい。

 明日なき子持ちニートとして、願ってもないこの申し出は受けざるを得なかった。

 

「ナガレからは、オチカには言わないでって言われたけど……やっぱりオチカには、そのままのオチカでガンプラバトルをしてほしかったから……ごめんね」

「いや……こっちこそ、ごめんな。どうやら俺は、一人でピリピリして空回りしていたらしい。ありがとう。これで安心して、心置きなくメイジンとの試合を楽しめる」

 

 申し訳なさそうに事情を説明するラズリちゃんの言葉に、俺はまあそうだろうなと納得する。

 確かにこんな夢みたいな話を試合直前にすれば、俺の中から今までの緊張感が抜けてしまい、力が発揮出来なくなると考えるのは当然だろう。そういう意味では、彼女に口止めしようとしたナガレは正しい。

 

 ――だが、ナガレ。お前は一つ勘違いをしている。

 

 このアワクネ・オチカのモチベーションを何よりも引き上げることが出来るのは、負ければ生活が困窮するという取引先のお偉いさんを接待するサラリーマンのような後ろ向きなプレッシャーではないのだ。

 

「そろそろ時間だな」

 

 時計を見ると、刻一刻と試合開始時刻が迫っていた。さあて、いっちょやってみますか。

 俺はスチャッと目元にバイザーを装着し、ハンガーに掛けていた黒衣を一瞬で纏う。あっ、今の動きちょっと格好良かったかも。

 そうして闇の王子モードになった俺は、部屋を出る前にラズリちゃんに対して宣誓した。

 

「メイジンとの試合は、「自分らしく」いくよ」

「うん、私もここで応援している。頑張らなくてもいいから、楽しんできてね」

 

 俺が一番力を発揮する時――それは、大切な人の笑顔を見た時なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――満月の浮かぶ、夜の荒野。

 

 

 蒼色の機体が剣を突き出すのと同時に闇色の機体が拳を突き出し、両機はまるで爆風の煽りを喰らったように左右へと弾き飛ばされる。

 

「おおおおおっっ!」

 

 距離を開け、態勢を立て直すのが一歩早かった闇色の機体「ブラックサレナNT-1」がファイターの叫びに呼応するように突進し、蒼色の機体「ガンダムアメイジングエクシア」へと突っ込んでいく。

 ディストーションアタック――全推力を解放したそのスピードに避けきることは叶わないと判断したアメイジングエクシアは、左腕に装着されているアメイジングGNシールドで機体本体へのダメージを凌いだもののその一撃によってシールドは木っ端微塵に砕け散り、使い物にならなくなった。

 しかしメイジン・カワグチを継いだ男がそのまま圧されっぱなしで居るわけもなく、アメイジングエクシアはバランスを崩しながらも空中で曲芸染みた動きを披露し、機体を捻りながら左腰にマウントしていたアメイジングGNブレイドを投擲することで反撃を仕掛けた。

 グシャッと、鈍い音が岩肌に覆われた荒地のフィールドに響く。

 投擲されたアメイジングGNブレイドがディストーションフィールドを貫通し、ブラックサレナNT-1の右肩部へと突き刺さったのである。

 

「くっ……!」

 

 誘爆の危険を察知したブラックサレナNT-1が即座にブレイドの突き刺さった右肩部のアーマーを切り離し、機体を後退させる。

 直後、切り離したアーマーが派手に爆発する光景を見て、場内の者は彼が行った判断が間一髪のファインプレーであることを思い知った。

 

 状況はブラックサレナNT-1のファイター、アワクネ・オチカにとって劣勢。既に右腕のハンドカノンとテールバインダーを失っており、今の攻撃で右肩部のアーマーを失ってしまった。

 対してメイジンのアメイジングエクシアはディストーションアタックを受けたアメイジンGNシールドと今しがた投擲したアメイジングGNブレイドを失っただけで、機体本体へのダメージは皆無に等しかった。

 だがそんな状況下に在っても、オチカはこの試合を苦しいとは感じていなかった。

 

 寧ろ、彼は心の底から楽しんでいた。相手のファイター、メイジン・カワグチとの戦いを。

 

 お互いに全力を出し合い、こちらの全力に対して全力で受け止めてくれる。終始冷徹だった二代目メイジンの印象とは掛け離れたその三代目メイジンの戦い方に、オチカはガンプラバトルに対する「遊び」としての楽しみ方を思い出していた。

 

「流石はジュリアン・マッケンジーを打ち破ったファイターだ……しかし!」

 

 一方で、メイジン・カワグチもまたオチカの実力を好敵手と評するに相応しいと認めていた。

 ブラックサレナNT-1の右肩部アーマーの爆発による爆煙を突き破りながら、右腕にアメイジングGNソードを展開させたアメイジングエクシアが急迫する。

 ビーム兵器に対しては絶大な耐性を誇るディストーションフィールドだが、その半面質量兵器への耐性には乏しい。故に実体剣が主武装であるアメイジングエクシアとの相性は、ガンダムF91イマジンの時よりも遥かに悪かった。

 

「……っ、ジャンプ!」

 

 アメイジングエクシアの剣の間合いに入った瞬間、ブラックサレナNT-1の機体がその場から消失する。

 ボソンジャンプ――アワクネ・オチカのガンプラが発動した超機能に、大会出場者を含めた観戦客達全員が息を呑む。

 

「瞬間移動か! さすれば……トランザムッ!」

 

 彼がこの大会において何度も披露したその機能に対して、通信回線を開きっぱなしにしたメイジンが喜悦そうに叫ぶ。

 瞬間、機体を紅く変色させたアメイジングエクシアが残像を残す速さで上昇していき、膨大なプラフスキー粒子と共に上空に出現したブラックサレナNT-1と激しい剣の乱舞を踊った。

 それはまるで、黒と紅の彗星が正面からぶつかり合うような光景だった。

 互いに道を譲らず激突した二つの彗星が、一度離れあったものの旋回し、螺旋を描き、もつれ合いながら月光に照らされた夜空を疾走していく。

 そのまま戦いながら世界を一周していくかのような速さで、二機のガンプラは死闘を繰り広げた。

 

「せあっ!」

 

 メイジンが叫び、アメイジングエクシアがバックパックから翼の一部を分離させた一刃の実体剣――トランザムGNブレイドを左手に握ると、目にも止まらぬ速さでそれを投擲する。

 胸部を目掛けて寸分の狂いも無く迫ってきたそれを、ブラックサレナNT-1は咄嗟に左肩部のアーマーを盾として犠牲にすることで防いでみせた。

 

「こんなものか、メイジン……! 俺はまだ、ここに居るぞ!」

 

 これで両肩のアーマーを失ったブラックサレナNT-1だが、ファイターの戦意は何ら衰えていない。

 左腕に残った唯一のハンドカノンを連射しながら、可能とする限りの最大稼働でトランザム状態のアメイジングエクシアへと食らいつき、メイジンを勇猛果敢に攻め立てた。

 

 何度壊されても動ける限り立ち上がり、臆することなく食らいついてくる――これが人の執念かと、メイジンは彼の戦い様に畏怖を抱く。

 

 そしてそんな彼の執念が、遂にアメイジングエクシアを捉えた。

 それは、たった一発の銃弾だった。機体に破損を来さない程度の微々たるダメージに過ぎなかったが、ブラックサレナNT-1のハンドカノンがトランザム状態のアメイジングエクシアの左肩に命中したのである。

 それによって生じた隙など一瞬の半分にすら満たなかったが、ほんの僅かでも動きを鈍くしたアメイジングエクシアの時間を、ブラックサレナNT-1は見逃さなかった。

 ゲキガンフレア――ありったけのエネルギーを集中させた鉄拳が、アメイジングエクシアに牙を剥く。

 それに対してメイジンは、背を向けず、堂々と、王者のように正面から応えた。

 アメイジングGNソードとゲキガンフレア、二つの力が激しいスパークを撒き散らしながらぶつかり合い――アメイジングGNソードが亀裂と共に砕け散った。

 

「剣はまだある!」

 

 そこまでは、予想通り。

 純粋なパワー勝負でブラックサレナNT-1の拳に負けることは、メイジンにとって計算の範疇内だった。

 即座に次の一手を打ち出したメイジンは、アメイジングGNソードの刀身が砕けるなり右腕のアームカバーから光の剣――ビームサーベルを発生させ、迫り来るブラックサレナNT-1の拳を右腕ごと叩き切った。

 ゲキガンフレアによって拳にエネルギーを集中させていた為、その分防御に回すディストーションフィールドは手薄になる。そこを突いたメイジンの策により、ブラックサレナNT-1の右腕は抵抗も無くあっさりと切断することが出来た。

 メイジンはそのまま本体を斬り裂くべくビームサーベルを一気に振り下ろした――が、胸部の鎧を浅く斬り裂いたところで手応えが無くなった。

 ブラックサレナNT-1はまたしても、ボソンジャンプによって窮地を脱出したのである。

 

 メイジンが次はどこへ現れるかと目を向ければ、地上――左手に一振りのビームサーベルを構えながら悠然と大地に佇んでいる、全ての鎧を解除したピンク色のガンダムNT-1の姿がそこにあった。

 

「銃も鎧も捨て、全てをその剣に託したか……ならば心して受けて立とう。この三代目、メイジン・カワグチが!」

 

 アメイジングエクシアを地上へと降下させると、メイジンはアームカバーから発生させていたビームサーベルを解除する。

 そして手持ちの武器を入れ替えるように背中のバックパックから最後に残った唯一の実体剣であるトランザムGNブレイドを引き抜くと、それを右腕に携えた。

 この時、メイジンとて余裕は無かった。

 既にアメイジングエクシアのトランザムシステムは解除されており、その機体出力は本来よりも大幅に低下している。

 次の一撃で仕留められなければ負けるのは自分だと、メイジンはそう確信していた。

 アメイジングエクシアが右腕に携えたトランザムGNブレイドを真っ直ぐに伸ばし、その切っ先をガンダムNT-1へと定める。

 

「行くぞ!」

「勝負だ!」

 

 そして――同時。

 二機のガンダムが同時に地を蹴る。 

 お互いが持てる全出力を解放し、最高のスピードで直進していく。

 そして両者は全く譲ることなく、真っ直ぐに、正面から衝突した。

 

 ――それがこの試合を終わらせる最後の一撃となった。

 

 

 

 結果から言わせてもらおう。

 

 

 軍配が上がったのはアメイジングエクシア――メイジン・カワグチの方だった。

 

 

 

 

 

 

 

 人生とは、筋書きの無いドラマだと言う。

 今の俺をテレビドラマに例えるのなら、中盤の山場以降は最終回までの盛り上がりに欠け、尻すぼみに萎んでいく内に視聴者の皆さんから放送を忘れられていく感じの微妙な作品と言ったところか。

 つまり何が言いたいのかと言うとだ……所詮、俺程度の人間ではヒーローの役目を全うするには役者不足だったというわけだ。

 

 ……俺なりに、最善を尽くせたとは思う。

 ラズリちゃんと話したことでかつてないほど良好なコンディションで準決勝に挑んだ俺は、それまでのどの戦いよりも上手く立ち回ることが出来た。ルワンさんやジュリアン君を相手にした時よりもだ。

 敗北したとは言え途中までは拮抗していたと思うし、あのメイジン・カワグチさんを相手に一方的にやられなかった自分のことを、ほんの少しだけ誇らしいとも思う。

 俺はこの準決勝で、間違いなく自分の実力以上のものを発揮した。

 それでも負けたのはなんてことはない、簡単な理由だ。

 ただ単純に、俺とブラックサレナNT-1の力をメイジン・カワグチという男がさらに上回っていたというだけなのだから。

 やっぱり強かったよ、メイジンは。

 操縦技術もガンプラの性能も、心の強さも。

 彼に負けた時、俺は自分が思っていたよりもあっさりと敗北を受け入れることが出来た。

 

 だけど……

 

「……勝ちたかったよ……」

 

 フィールド上に広がっている最後の光景に、俺はそう呟く。

 

 そこでは、ガンダムNT-1のビームサーベルがメイジンのアメイジングエクシアを貫き、アメイジングエクシアのGNブレイドがガンダムNT-1を貫いていた。

 

 二機のガンプラの武器は、敵を突き刺すというお互いの役割を見事に果たしていた。

 観客席側からその光景を見れば、俺達の試合は相討ちに終わったと思うことだろう。

 だがこの決着の白と黒がはっきりとついていることを、戦いの当事者である俺は理解していた。

 

 ほんの少しだった。

 

 ほんの少しのパーツの差が、俺達のガンプラの勝敗を明確に分けたのだ。

 

「……トランザムブースターが無ければ、即死だった」

 

 ふっと緊張を解いた苦笑を浮かべると、メイジン・カワグチがサングラスを外しながらそう呟く。

 瞬間、俺のガンダムNT-1は爆散し、メイジンのアメイジングエクシアも同時に爆散した。

 しかし、アメイジングエクシアの背中には機体本体が活動を停止した後でも自立稼働出来るパーツが、「トランザムブースター」が装備されていたのだ。メイジンは機体がビームサーベルに貫かれる瞬間、コントロールをブースターへと移し、分離していたというわけだ。

 流石は三代目を継いだ男……最後の最後まで、抜かりは無かったというわけか。

 

「……ラズリ、すまない……」

 

 頑張ったという言葉を、自分への慰めには使いたくない。

 ただ、もしこの試合を彼女が見てくれたのなら……褒めてほしいなって思う。

 負けたのは残念だけど、よく頑張ったって褒めてほしい。

 そう、俺()のことを褒めて……

 

「……お前も、よく頑張ったな」

 

 ……ああ、駄目だ、涙がこぼれ落ちてくる。大の大人が恥ずかしいとは思うが、今だけは許してほしい。

 バラバラに砕け散ったガンダムNT-1とブラックサレナの鎧を見つめながら、俺は無惨ながらも美しいと思ったその姿に敬礼し、労いの言葉を掛ける。

 お前のお陰でここまで戦えた。お前が居たからガンプラバトルを楽しめた。だから、ありがとう――と。

 

 人の人生に筋書きは無いが、必然はある。

 敗北の悔しさを堪えることは出来ないが、負けるべくして負けたという言葉が今の俺には当てはまる。そう思えたからか、頭の中は不思議とすっきりしていた。

 

「良いバトルだった、メイジン」

「こちらこそ、貴方と戦えて良かった」

 

 試合終了後、サングラスを外したメイジンの元へと俺もバイザーを外しながら歩み寄り、握手を求めた。

 前にも言ったけど俺の目つきは殺人犯みたいに凶悪で、面と向かい合った人間からはことごとく避けられてきた。しかし若きガンプラ名人はバイザーを外した俺の目を見ても警戒するような反応はせず、快く俺の握手に応じてくれた。

 

 ……本当に、楽しいバトルだった。

 

 次もあるのなら、今度は絶対に負けないと――そう言いたくなるぐらい。

 その時まで、もっともっと強くなりたいと――何もかもが純粋だった少年時代のように、そう願いたくなるぐらいに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガンプラバトル選手権世界大会は、遂に決勝トーナメントのファイナリストが決定した。

 二人のファイターの名はメイジン・カワグチとレイジ。使用するガンプラはそれぞれ21世紀ガンダムを代表する名機ガンダムエクシアとストライクガンダムをベースにした改造機だ。世間からの勝敗予想はと言うと、やはりネームバリューもあってかややメイジンの方に傾いている感じだ。

 かくいう俺も、メイジンが勝つと思っている。って言うか勝ってほしい。俺を倒したんだから俺の名誉の為にもあんたが優勝してくれ的な意味で。

 とは言うものの、世界大会の決勝戦まで来るとなるとどちらが勝ってもおかしくはないだろう。当日は今日退院するラズリちゃんと一緒に、現地で最強ガンプラビルドファイターの誕生を見届ける予定だ。

 

 そう、ラズリちゃんは本日を持っていよいよ退院するのである。正確には、本日の午後だが。

 

 俺はそれまで病院で待っていようと思っていたのだが、早朝から突如として選手村のホテルに押し寄せてきたナガレ達KTBK社御一行様に呼び止められた。

 

「唐突ですまないが、早速正社員として働いてもらいたい。もちろん、給料は弾むよ」

 

 無駄に綺麗な白い歯を見せびらかした良い笑顔を浮かべながら、ナガレがそんなことを言ってきやがりやがった。

 昨日の準決勝が終わった後、俺はナガレと会って契約書に判を押してきた。ついでに今回の報酬は俺の口座に振り込んであるというありがたい言葉をいただいて、ようやく肩の荷が下りた。いや、この場合は肩の荷を新しい物に交換したと言った方が上手い表現だろうか。

 まあそんなこんなで俺も今日から晴れてニートを卒業し、KTBK社の正社員となったわけだが、いきなり今日から働けというのはいくらなんでも急な話である。

 しかし既に病院のラズリちゃんには話を通しているらしく、彼女からは「お仕事頑張ってね」という伝言すらも預かっているという有様だった。

 ええい、そんなことを言われては余計に働かざるを得んではないか!

 

「午前中だけで良いんだ。ちょっと急患が出ちゃったんで、君にその代わりをね」

「ガンプラ・イブ絡みか?」

「もちろん、我が社もイベントに参加させてもらっているのでね。そこに大会ベスト4の君が加われば良い宣伝にもなる。準決勝では負けてしまったけど、アワクネ・オチカというファイターは結構人気なんだよ? ……色んな意味でね」

 

 業務内容はある程度俺も予想していたが、今日開催される一大イベント「ガンプラ・イブ」に関することだった。

 ガンプラ・イブ――それは決勝戦を一週間後に控えたこの日、大会会場で行われる前夜祭みたいなものだ。

 数多の模型店や食店が集まったり、等身大ガンダムの周りでガンダムに関するモノマネやカラオケ大会、上映会等、その他盛りだくさんのアトラクションが開かれたりするガンダムファン感涙物のイベントだ。

 利益の大半はPPSE社に持っていかれるが、それでも経営者としては願ってもない大幅な売り上げアップの機会だと言う。特にKTBK社の名を世に知らしめていく為には是非押さえておきたい重要な祭りなんだと。

 そこに大会ベスト4のファイターが顔を出せば、さらに売り上げが跳ね上がるという魂胆か。良いだろう、利用されてやる。ラズリちゃんが居なければ基本ぼっちな俺にとって、人気者という存在には密かに憧れていたのだ。いやあ、人気者はつらいわーまじつらいわー。

 

「わかった。……それで、何をすれば良い?」

 

 俺の了承を受け取ったことで、ナガレが意味ありげに笑う。

 

「ふふ、君にやってほしいことはね……」

 

 そしてナガレから告げられた業務内容は俺にとって……いや、全ガンプラビルダーにとって衝撃的なものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スリー!」

「ツー」

「ワン!」

「ドッカーン!」「どっかーん」

 

「みんなー! 集まれー!」

「あつまれー」

「なぜなにナデプラが始まるよー!」

「はじまるよー」

 

 開催されたガンプラ・イブ。

 選手権会場周辺に大量に構えられているガンプラ販売コーナーの一角に、珍妙な光景が広がっていた。

 

「司会のメグミお姉さんでーす!」

「助手のウサギでーす」

 

 一人はエプロンに身を包んだお下げの女性。端麗な容姿に健康的な佇まいは、まさに「司会のお姉さん」と言った装いだ。

 そしてその隣に立っているのが巨大なウサギ――もこもこした造形の、可愛らしいウサギの着ぐるみであった。中の人は何を隠そう、このアワクネ・オチカである。

 

 ナガレから要請された仕事の内容――それは、KTBK社製品の宣伝活動だった。

 

 まあ、それは良いのだ。俺が大会でベスト4まで行ったとは言え、KTBK社はネメシスやPPSEとは違ってまだあまり名前が知られていない会社だし、ここで声を大きくして宣伝を行うこと自体は間違いでもなんでもない。

 ただその宣伝方法が……教育テレビ的なアレだった。ナガレが何に影響されてこんな企画を打ち出したかは、ナデシコファンなら語るまでもないだろう。

 

「ねぇねぇメグミお姉さん」

「ん? 何かなウサギちゃん」

「ナデプラって何? ガンプラじゃないの?」

「良い質問だねー!」

 

 俺は今、司会のお姉さんの隣でウサギの着ぐるみの中で喋っている。

 これが予想以上に暑くて苦しい。冬場だというのに何なんだこれは……いかん、目眩がしてきた。

 どうしてこんな物の中に入っているのかと言うとだ。俺の見た目は色々とアレだから、プラモデルに入門しようとするちびっ子達には怖がられてとっつきにくいだろうという至極尤もな理由からだ。

 理屈はまあわかる。確かに目つきの悪い黒い兄ちゃんよりも、可愛らしいウサギの方が子供は寄ってくるだろうし。実際これが結構評判が良いみたいで、俺達の周りに人だかりが出来ていた。

 だけどこれ、別に俺じゃなくても良いと思うんだ。大会ベスト4の肩書きとか、顔が見えないんだから要らなくねって思うだろう?

 

「ナデプラって言うのはね、KTBK社が新しく作った「機動戦艦ナデシコ」のプラモデルのことなんだ!」

「ああ、ナデシコだね! 大会でも、ブラックサレナを使っている格好良い人が居たね!」

 

 脚本通りに茶番、もとい宣伝を続けていく俺とメグミお姉さん。でもこれ、考えてみれば着ぐるみで良かったかもしれない。なんかこの茶番、無茶苦茶恥ずかしいし。この格好ならキモいとか言われずに遠慮無く話せるし。

 しかしこんなトンチキな格好をしているが、俺達が今やっていることはかなりとんでもないことだ。

 何故なら今行っているKTBK社製品の宣伝とは、ガンダムシリーズ以外のアニメのロボットにおける初のガンプラバトル対応モデルのプラモデルの宣伝なのだから。

 集まってくれた人達もまた、その事実を知ってか次第にざわざわし始めた。

 そんな彼らの前で、司会のメグミお姉さんがピンク色のロボットのイラストが描かれたHG並の大きさのプラモの箱を手に取った。

 

「そう! ガンプラバトルに他のアニメのプラモデルが出れないのはおかしい! だからガンプラみたいに戦える他のプラモデルを作っちゃおう!って言う変態……コホン、お兄さん達が作ったのが、このナデプラなんだー!」

「うわー、すごーい! エステバリスだぁー! しかも色んな種類があるぞー?」

「アキト機、リョーコ機、ヒカル機にイズミ機、そしてアカツキ・ナガレェーのエステバリス! もちろん全フレームも完備してます! 本当は一週間後に発売する予定なんだけど、今日は遠くからも集まってくれた皆さんの為に、フライイングして売っちゃいまーす!」

「わあー、これは買うしかないねー!」

 

 途中からテレビショッピングみたいなノリになってしまったが、これも一応脚本通り。誰だよこの脚本書いた奴、メグミお姉さんも困惑しているじゃないか。

 しかしそれでも俺達の宣伝はちゃんとお客さん達に伝わったようで、彼らはぞろぞろと売り場の箱に手を伸ばしそれぞれのパッケージを確認していた。

 ガンプラバトル対応型プラモデル「ナデプラ」の存在は彼らの価値観に大きな影響を与えたらしく、おそらくアニメ「機動戦艦ナデシコ」を知らない者も驚いたのではないかと思う。

 何より「他のアニメのプラモデルもガンプラバトルで使えるようになった」という事実が、ビルダー達にとってあらゆる可能性へと繋がっていくからだ。

 例えばこれを機に、いつかマジンガーやらゲッターやらのスーパーロボット達がガンプラバトルに参戦する日が来るかもしれない。俺はそれらのアニメは見たことがないけど、それらに愛着のある人達にとっては胸が熱くなってしょうがない話である。

 現に、今回の成功からKTBK社ではナデシコ以外のロボットにもどんどん手を出していくという話が聞こえている。

 まあ俺としては、そんなことよりもこれを機にナデシコのファンが増えてくれれば嬉しいなとだけ思っている。それと、ナデシコ続編の決定! これさえ達成されれば他に言うことはない。

 

「でも、お高いのでしょう?」

 

 商品の宣伝中、お客さんの一人が行儀良く挙手をしながら俺が言う筈だった台詞を奪い、メグミお姉さんに問い掛けた。

 

 ……ってか、君はジュリアン君じゃないか! こんなところで何やってるんですか!?

 

 着ぐるみの中で思わず叫びそうになった俺は悪くないと思う。お客さんの青年、ジュリアン・マッケンジー君の目は興奮気味にメグミお姉さんが持っているエステバリスの箱へと注がれていた。

 ああ、そう言えば彼もナデシコが好きだって戦闘中言ってたっけ。今思い出したけど、その言葉は間違い無かったみたい。

 

「良い質問です! しかし先行販売のこちらのお値段、定価よりも500円安い2000円で売っちゃいまーす! それを安いと思うか高いと思うかは貴方次第!」

「買った!!」

「あ……ありがとうございます」

 

 2000円――ガンプラのようにまだ普及されていない新たなブランドの商品の値段としては、破格すぎるほどの安さだと俺は思う。問題はその品質だが……ジュリアン君の熱心な目を見る限り、某ゲルマン忍者の如く「そんなことはどうでもいい!」といった具合だ。まあ彼なら品質が悪ければ魔改造でも何なりして無理矢理にでもF91イマジンばりの鬼性能のキットへと仕上げるのだろうが、その剣幕はメグミお姉さんをしても少し引かせるものだった。

 ジュリアン君が最初にエステバリス全機を景気よく購入すると、他のお客さん達もそれに釣られて雪崩込むようにレジ前へと押し寄せていった。

 いやあ、これは嬉しい誤算だ。初のナデプラ購入者が超天才ビルダーのジュリアン君になるなんて、社名に泊がつくなんてもんじゃない。ナガレとしてみれば大層ウハウハな話だろう。

 

 

 ……とまあそんな感じで、俺は午前の時刻が終わるまでメグミお姉さんと宣伝活動を続けていた。もちろん、ウサギの着ぐるみを着ながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――ガンプラ・イブ、午後の部。

 

 無事与えられた業務を終えた俺は楽屋裏で着ぐるみを脱ぐと、販売員の皆さん(特にメグミお姉さん)に労いの言葉を掛けるなり早々とその場を後にした。

 エステバリス達の売れ行きは当初の予想を大きく超え、全てのナデプラが完売することになった。因みに俺も幾つか購入させてもらっている。ナデシコ搭載機はもちろん、まさかダイテツジンまで売ってあるとは思わなくてビビった。開発班はそんなに飛ばして大丈夫かと思わないでもないが、あの変態達なら過労という言葉の方が逃げていきそうな気がするので問題無いだろう。

 

 そんなことを考えながらしばらくぶらぶらと会場を巡っていると、俺は彼女(・・)と再会した。

 

「オチカ、ただいま」

「ああ。おかえり、ラズリ」

 

 銀髪金眼の――合法ロリ。

 ああ、やっぱり俺は彼女のことが大好きなんだなと、入院前と変わらない姿で居る彼女を見て改めて思った。

 そして、彼女の放った一言をひたすらに嬉しく思った。

 今、彼女は俺のところへ来て「ただいま」と言ってくれた。

 それはつまり、俺が彼女の居場所であることを認めてくれているという意味でもある。

 いかんな、目頭が熱くなる。こんな顔を見られるわけにはいかない。バイザーを付けてて良かった。

 

「オチカ、私ね……」

「君に、渡しておきたい物がある。そして、言いたいことも」

「えっ?」

 

 彼女とここで再会したことで理性を抑えられなくなった俺は、地面に膝を着けるなり彼女の左手を掴んでこちらに寄せた。

 そしてその小さな指へと、ガンプラの製作よりも慎重に、銀色の指輪(・・・・・)をはめ込んだ。

 

 ……本当は夜に打ち上げられる予定の花火を見ながらだとか、そんなベタなシチュエーションの中でロマンチックにやりたかったのだが、俺は今この時にやりたいという欲求を抑えられなかった。

 大勢の衆目があろうと関係無い。警察でも通報でも、来るならさっさと来やがれ。

 全ての覚悟を完了させていた俺は、ただこの時の為だけに取っておいた言葉を言い放った。

 

「色々と順番が間違っているかもしれないけど……結婚してくれ、ラズリ」

「……うん……うんっ!」

 

 返事と同時に、俺の両手は彼女の小さな身体を包み込んだ――。

 

 

 

 

 ――こうして、ブラックサレナを使って合法ロリと結婚する為にガンプラバトルをする男の戦いは、一応の決着をつけた。

 

 

 ただ一つ心残りがあるとするなら、俺の弱さでお前を最強の機体だってことを証明出来なかったことだ。

 

 黒百合――花言葉は呪いだとか復讐だとか、どうにもおっかないものばかりだけど、中には「恋」という明るい言葉もある。

 

 俺には呪いも復讐も無縁なものだったけれど、この心に満ちた「恋」だけは誰にも負けないと思いたい。

 

 ――だからこんな俺にも、お前を使う資格はあったと……そう思ってもバチは当たらないよな? ブラックサレナ――。

 

 

 

 

 

 【ブラックサレナを使って、合法ロリと結婚する為にガンプラバトルをする男  ~完~ 】

 

 




 お疲れ様でした。これにて合法ロリと結婚する的な意味での物語は完結となります。

 本作はブラックサレナの格好良さを書きたくて書いた作品でしたが、アメイジングエクシアとは流石に相性的にもファイターの技量差的にも厳しいかなぁと思った結果、このような結果になりました。ファイターがアキト(真)なら同じ結果にはまずならなかったでしょうが、アキト(偽)では現状これが精一杯です。
 話的には中途半端かもしれませんが、主人公的には今回で色々と決着がついたのでここで一旦完結とします。
 他にもアイラとレイジの空間に割り込んで意味深に説教をかますラズリとか、「特に腰がね、駄目なんだよ……」とレイジの初ガンプラ製作の場に介入してHGストフリのことをひたすらdisるオチカとか色々とバトル以外の話も考えていましたが、物語の本筋には関係の無い話だと思ったので丸々カットする形となりました。機会があれば番外編として書くかもわかりません。

 原作最終回に介入する話は、投稿まで時間が掛かると思いますが一応予定しています。
 あの場にオチカの他にも男チョマー軍団、ナデオタジュリアン、聖戦士ルワンさんらを参戦させたりとか色々とカオスな展開にしたりとか。
 それと、やっぱり最後はブラックサレナ大勝利で終わる話にしたいという気持ちが強いので。

 それでは、また。

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