全てを無くしてもダンジョンに行くのは間違っているだろうか? 作:赫星
私はあの後とにかくモンスターを斬って斬って斬り続けた。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
斬られたモンスターの体が宙を舞う。
「閃!」
目にも留まらぬ斬撃がモンスター達を一瞬にして狩りとる。
「山断ち!!」」
その一刀が、モンスターを縦に切り裂く
「千刃神楽!!」
千もの斬撃がモンスター達を細切れにした。
「はぁ、はぁ」
クリスの周りにモンスターは一体もおらずあるのは、魔石やドロップ品のみ。クリスは襲ってきたモンスターを全て斬り捨てた。
「ふぅ…、これで全部か?」
クリスはもう一度、周りを見渡した時、
「グルォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!」
「!?、なんだっ?!」
クリスは声がした方へと走った。いや走ってしまった。
この世で最もあってはいけない存在へと近づいていってしまった。
そこには、とてつもない巨体を持つ隻眼の黒竜がいた。その巨体から感じる存在感はそこらにいたモンスターとは全くの次元違いで大きすぎた。
そしてクリスは同時に気づいてしまった。モンスターの襲撃の原因に、村が滅んだ理由に、
間接的だとしても。許せなかった。憎いと思った時にはすでに黒竜まで迫り刀を抜き斬りつける。
「破城壊刃!!」
ガギィィィィィンッ
「グゥォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!?」
黒竜はいきなり自らが強い衝撃と共に吹き飛ばされた事に驚く。
ふきとばした存在に目を向けると、そこには過去に吹き飛ばした。存在と似た姿をしたものを見た。だがその存在から垂れ流れる気配が黒竜の気を一気に引き締めさせる。
それはあまりにも深すぎてそこが見えない存在。存在して、周りが影響を受けていないのがあまりにもおかしい存在がいた。
「お前が原因か?村にモンスターが押し寄せてきたのは?」
黒竜にはその存在が言っていることがわからない。だが一つだけわかることがあった。
それは、自らが警戒すべきものだと。
お互いが睨み合い同時に、動き出す。
先手を取ったのは黒竜であった。黒竜はその大きな尻尾を横薙ぎに振りクリスを吹き飛ばす。
とても大きな衝撃が大地に流れる。いつもならこの一撃で敵対したものが物言わない骸になるのに。今自分の敵は、クリスはそこから一直線に自らに近づき。
「覇刀・
斬撃が走ったと思えば黒竜は自らの鱗が斬り飛ばされている事に気づく。
「グゥォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ?!?!」
つんざくような咆哮を上げる。そしてすかさず口を開きブレスをクリスに放つ。それに合わせるように刀を構え、
「焔斬り」
ブレスを断ち切った。黒竜は驚きすぎた。自らの一撃が歯牙にかけずに切り捨てた事に己の攻撃が効かぬ事に、黒竜が驚いている間に再度刀を構えるクリス。
「お前にどのような理由で移動したかは知らないが。私の八つ当たりに付き合ってもらうぞ」
「''覇刀・千刃一心''」
その一刀は黒竜に目に見える大きな斬撃痕を残しその巨体を大地に伏しさせた。
黒竜は理解した。自らがこのものに挑戦するものだと。だから学ぶ目の前の存在を戦い方を、力の使い方を。学び自らに適応させ姿を変えていく。クリスはそれを見て驚くなぜなら黒滝が自分と似た姿になったからだ。だが所々違い目は隻眼、髪は黒く竜のツノを思わせるものが生えている。
黒竜はどこからか現れた黒刀をクリスの持つ白刀のようにして構える。
''竜閃''
黒龍がそう呟くとクリスの閃のように目にも留まらぬ速さの斬撃を放ちクリスを斬る。クリスは咄嗟に避けたため。ダメージはそれほどないが、自らのように刀を振るう黒竜に怒りより、好奇心が勝つ。
「はは、竜が私との闘争に人の技を学び使うか、面白い受けて立つ」
その後は、壮絶なものだった。お互いの技がぶつかるたびに地形が変わる。
それが何時間も続きお互いが疲弊している時、クリスがふと口にする。
「次の一撃で終わりにしよう」
そう言い構え、それに応えるように黒竜も構えて放つお互いの今現時点での最高の技を放つ
「''覇天一刀・天崩一刀''!!」
「''黒天一刀・神崩一刀''!!」
お互いの渾身の一撃は、大地を砕きあたり一体を更地にしてしまった。しばらくの拮抗の後、お互いが相手の技によって、全ての音が消える。
その場にクリス、黒竜の姿はなくただただ更地が広がるだけであった。
「ははっ!まあ中々にいい闘争だったな………」
ある日、
「あん?なんだこの結晶は?」
そう言いそこを通った男が結晶に触れると結晶が砕け中から白銀の髪を持つ女性が出てくる
「おいっ?!どう言う事だよ?!」
男が慌てふためいている時、その女性が目を開ける。
「あなたは?」
「俺か?しがない商人だよ。今オラリオに向かっている途中だが…、うん?どうした」
「オラリオって?」
「なっ?!オラリオをしらねぇのか?」
「うん知らない」
「まじか、まあ、いろんなところからいろんな奴がダンジョンに潜るために神や冒険者が集まるダンジョン都市だぜ」
「そうなの?」
「そうだ!そうだっ、嬢ちゃんこれも何かの縁だ一緒にオラリオにいくか?」
「うん」
「よしきた、そんでお前さん名前は?」
「わからない」
「何?」
「何も覚えていない、何も」
「それは困ったな、そんじゃ俺がつけてやるよ!」
「ほんと?」
「ああ、それじゃ今日からお前の名前は''クラナ''だ!」
「クラナ?」
「そうクラナ・スラグウィート。それが今日からお前の名前だ!」
「クラナ、うんありがとう」
「喜んでくれたみたいだな」
そんな会話の後に、商人の男と共にクラナは終わりオラリオへと向かう。
全てを失った自分の奥底で燻る闘争心に気づかずのままで。
かくして、⬜︎⬜︎⬜︎の王はダンジョン都市につき白兎と竈の女神と会う。