全てを無くしてもダンジョンに行くのは間違っているだろうか? 作:赫星
クラナは商人の男と共にオラリオへと辿り着く。
「クラナ俺はこれからいろんな店に商品を下ろしに行くがお前はどうするんだ?」
「私は、街を見て回ってくる」
「わかったぜ、気おつけていけよ」
そう言い、商人の男とクラナは別れるを取ることとなった。
「いろんなお店がある。それに」
クラナが辺りを見渡すとそこらかしこに鎧を着て剣をもつものや、弓、杖、槍、盾を持っていたり。人、獣人、エルフ、小人、ドワーフなど様々な種族もいた。
「あれが、冒険者なのかな?」
その後クラナは、様々なところに行った。
本屋に行けば、
「これ面白い」
肉屋に行けば、
「美味しそう」
魚屋に行けば、
「つやつやだ」
薬屋に行けば、
「独特の匂いがする」
最後に武器屋へと足を踏み入れる。すると、カウンターの方から声がする。
「おい、嬢ちゃんうちの店に何をしにきた?」
「?、武器を見にきた」
「はぁ…、冒険者じゃねぇのにか?」
「??、冒険者じゃなきゃ入っちゃいけないの?」
「そうじゃねぇが、冒険者じゃねぇのに武器を見ていて面白いのか?」
「うん、だってこの武器から嬉しそうな声がする」
「はぁ?」
そういい店主はクラナの指差した戸棚の武器を見る。そして目を見張る。
「おいおい嬢ちゃんそれは……」
そう言い店主とクラナの目線の先にある武器は、紅色の刀身を持つ一本の刀だった。
「その刀がが?ほんとに言ってんのか?」
「どうして?」
「その刀はいわくつき、妖刀だぜ」
「妖刀?」
「そうだ誰が打ったかしらねぇが、いつのまにかそこに置かれていてな。しかも誰も持てやしねぇ」
「?どう言うこと?」
「どう言うことと聞かれれば、それはな、何人もの冒険者が使おうとしたが、とんでもねぇ鈍で紙すら切れなかったり。急に重くなったりとほんとにいわくつきなんだよ」
「…………………」
「だからそんなん見るよりも他のを見な」
「ねぇ、これ使ってもいい?」
「はぁっ!?やめとけやめとけ!?そんな鈍ふれやしねぇ!」
だがクラナは首を振りその刀へと近づき持ち上げた。そして店主に、
「試し切りできるところある?」
そう聞くと、店主が呆れたように
「店の裏庭に、試し切りできるところがあるついてこい」
そう言われ、店主の後ろをついていく。
店の裏側には、ある程度の広さがある庭、試し切りようの的が2体あった。
「はぁ、その刀を嬢ちゃんように振った奴らは何人もいたがろくに『使えないぞ』と文句ばかりだったぜ」
そう言い店主は首を振る。だがクラナは、刀を構える。
「ねぇ」
「どうした?」
「もしも、この子を使って的を綺麗に切れたらこれを譲ってよ」
そう言われ店主は、笑いながら
「そうか!そうか!いいぜ」
そう言いそれを聞いたクラナは、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。
「どうしたそんな顔をして?」
「まさかほんとに入れたら譲ってくれるの?」
「ああ、嬢ちゃんがそいつを使えるってんなら。武器は使える奴が持つべきだろ」
「ありがとう」
「感謝は受け取るが、的を切ってからにしな」
「うん」
そう返事をし、刀を構えるクラナ。そして脳裏にある姿が浮かぶ。とてつもない速さで敵を切り捨てる剣士の姿をその技の名前を、
「''閃''」
店主は目の前の光景を見て言葉を失う。なぜなら誰も使えなかった刀を振りたいと言った。
初めは何をバカなとおもったが、クラナが刀を構えた瞬間クラナの気配が大きく変わったことを感じた。さっきまでの何処か気の抜けた感じなど一切感じず。どこまでも鋭利な自分まで切られるのではと錯覚してしまうほどの気配を発する。
「おいおい、こりゃあどう言うことだよ」
そして、クラナが刀を振るう。またしても店主は戦慄する。なぜならずっと鈍だと思っていた刀が的を切った。あまりにも滑らかに切った。それに驚いた店主の意識を戻すようにクラナが刀を収めた音がする。
「じゃあ、約束通りもらうね」
「あ、ああ、持ってけ」
「ありがとう」
そういいクラナは、その場からさっていった。
店主は1人言葉をこぼす。
「ありゃ嬢ちゃん反則だぜ。武器屋の店主人生でいちばんの気配だぜ。どうしたらそんな覇気を纏えんだよ」
そう言いながら彼女のさっていった方を向く店主。
一方のクラナは、
「そういえばこの刀の名前聞いてない」
そんなほぼどうでもいいことを考えていたが、何か思いついたのか、刀を少し撫でて
「今日から君の名前は''紅桜''だよ」
そう言うとそれに反応するように刀が少し震える。
「喜んでくれたみたいだね」
そう言いながら、クラナは足を進めると、
「あっ、あの!」
急に声をかけられ振り返るとそこには、白い髪に赤い目を持つ青年がいた。
「どうしたの?」
「あっ、えっとですね」
「?」
「よし、落ち着くんだあのもしかして、冒険者になりにきた人じゃありませんか?」
「違うよ」
「違うの?!」
そう言われて、青年はあわてがふためくが、クラナがすぐに言葉を紡ぐ
「でも興味はある」
「!!」
「ねぇ、どうしたら冒険者になれる?」
「えっとですね、まず神様の誰かから
「そう、じゃあ連れてって」
「え……」
「?、貴方は私を冒険者に勧誘したんじゃないの?」
「!、はいっ!そうです」
「なら貴方の、神様のところまで連れてって」
「わかりました!」
そう言われながら青年の後をついていくクラナすると、青年が話し出した。
「そういえば、お互い名乗っていませんでしたよね」
「そうだね」
「そうですよね!それじゃあ僕から、僕は''ベル・クラネル''って言います」
「ベル・クラネル、覚えた。それじゃあ私の名前は、クラナ・スラグウィート。よろしくクラネル」
「はい、あっでも、クラネルじゃなくてベルでいいです」
「いいの?」
「はい!」
「なら私も、クラナでいい」
「わかりました!あっ見えてきましたあれが僕の神様がいる。ホームです」
そういいベルが指差した方を見るとそこには、古くなった教会が目に入った。
そしてベルと共に教会内に入ると、ドタドタと足音がしベルに向かって飛び込んでくる。
「ベルくぅ〜〜ん、お疲れ様!」
「はい!ただいまです神様!」
「うん!無事で何より。うん?」
突然ベルに飛び込んできた少女がクラナに気がつく
「ベルくん、彼女は?」
「はい、彼女は僕たちのファミリアに入ってくれる人です!」
「はい、ベルに誘われてきました。クラナと言います」
「おお!そうなのかい!ベルくんやったねお手柄だよ!」
「はい!神様!」
2人が盛り上がってる中、置いてけぼりをくらうクラナ。そんなクラナに気づいたのか、2人が慌てて話を戻した。
「こほん、君が新しく私のファミリアに入ってくれる子だね、名前は?」
「私は、クラナ・スラグウィートです」
「クラナちゃんか、私はヘスティアよろしくなんだよ」
「よろしくです」
「うんよろしく、それじゃあチャチャっとファルナを入れるからそこのソファーに上を脱いでうつ伏せになって!それとベルくんはこの部屋の外にいてね」
「はい!」
ベルが出ていった後に、クラナは上を脱ぎソファーにうつ伏せになった。
「それじゃあ入団の儀式改めファルナを入れるね」
そういいヘスティアは指に針を少しだけ刺し、血の雫をクラナの背中に落とす。
するとクラナの背中から文字のようなものが浮かび上がる。
「ふむふ、む、うん?」
「どうしたんだヘスティア?」
「な、」
「な?」
「なんっじゃこりゃああああああああああああ!?」
「どうしたんだ!?」
「このスキルなんなのさーーーーーーッ!」
そう言いながらヘスティアは慣れた手つきで、羊皮紙にその文字を刻んでいる。
「どれどれ」
クラナ・スラグウィートLv.1
力:l0
耐久:l0
器用:l0
敏捷:l0
魔力:l0
スキル
【
・己の技をスキルにできる。
【
・それは元々持っていた技、失われた技。
・閃
・
・
・
・
…
【
・うちなる闘争を出す技、その闘気は静かに見えて猛々しい。
敵の気配を的確に見切れる。発動中は、
【戦いの極み】
・相手の急所、脆いところを直感的に感じ取れる。
「とんでもないね、君のスキル」
「おーーーーー」
初めてのダンジョン、オラリオに来てから見たこともないことで興味を向ける。