全てを無くしてもダンジョンに行くのは間違っているだろうか?   作:赫星

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あるものは、憧れを追う
あるものは、鍛治の女神と出会う


刀技(アーツ)

ロキファミリアの宿の訓練場では、ある少女が刀を奮っていた。

何度も何度もとにかく振っていた。しばらく振ったのちに、目を瞑り脳裏によぎる姿を見て刀を振った。

「(閃)」

その刀は、ものすごい速さで振り切られ、的を横一文字に切り裂いた。

だがその少女は、どこか納得していないように。

「これじゃない…」

そう呟いた。すると、訓練場に新しく狼の耳を生やした。狼人の青年が現れる。

「おい、アイズまた刀を振ってんのかよ」

「ベート…」

「お前の持ち武器はサーベル状の片手剣、その長さの刀じゃいつも振っている武器より長くて上手く振るえねぇだろうが」

そう言われるアイズはどこかしょぼんとしていた。そんな顔をする。アイズにどこか気が乱れたのかベートは質問した。

「はぁ〜、じゃあなんでそこまでして適正じゃない刀を振るんだよ」

「それは…」

少し言い淀むアイズ、だが何か決心したようにポツリと話し出す。過去に見た。憧れ、自分の憧憬今も追う最強の姿。自分の姉のような存在、クリスについて。

「はぁ〜、じゃあアイズお前は、その姉貴に追いつきたくて刀を振ってんのか?」

「違う」

「は?」

「違う、クリスお姉ちゃんみたいになりたいんじゃない。忘れたくないだけ」

「どういうことだよ?」

「それは、」

その後、アイズが言ったことにベートは「ありえねぇ」と言葉を漏らしそうになった。

「クリスお姉ちゃんより、早く武器を振るったり、洗礼された動きをオラリオに来てから見たことがない」

ベートはありえないと心の中で思っていた。なぜなら、過去に一度アイズから姉貴分のことを聞いていたが、ファルナを持たない人間が、オラリオの誰よりも早く、そして洗礼された動きをできるわけがないと思っていた。

「はっ、そんなわけねぇだろ、きっとお前の姉貴は、何か手品のようなことをしただけだろ」

そう言われたアイズは、少しほを膨らませて、

「そんなわけない…」

いじけたように言った。アイズにしては珍しく、目に見える感情を見て。ベートは驚いた表情をした。

さらにところ変わって、クラナ。

「おおー、ここがバベルの武器屋」

クラナは、バベルにある、ヘファイストス・ファミリアの鍛冶場へと来ていた。

適当に武器を見て時間を潰そうとして、ショーケースの中の武器の値段を見て、驚きのあまり表情が引き攣った。

「4000万ヴァリス、こっちは、8500万ヴァリス…、ひぇっ、更にこっちは1億4000万ヴァリス………」

ショーケースから一歩離れたところで後ろからいきなり自分の紅桜を掴もうとした手が出てきて咄嗟に身を翻した。

「誰?」

「おっと、ごめんねあまりにも珍しい武器でね、見てみたいと思っちゃったの」

そう言い、クラナはその人物をしっかりと見据える。赤い髪、右目にある黒い眼帯が特徴的な女性であった。

「あなたは?」

クラナが警戒しながら聞くと、聞いた本人から衝撃的な名前が返ってくる。

「私?私はヘファイストスこの鍛冶場で武器をうっている子たちの主神さ」

「へ?」

クラナはいきなりのカミングアウトに少し放心してから。

「失礼しました」

その場から逃げようとするが、

「はいちょっと待ってね」

入り口をヘファイストスに塞がれてしまう。

「申し訳ないけれど、退いてもらえませんか?」

「それは無理なお願いだね。あなたの持ってるその武器を見せてもらうまで」

「どうしてそこまで、紅桜を気にする?」

「どうしてだって?そりゃあそんな鈍の刀を持っているあなたが気になったからさ」

そう言われて首を傾げる。

「鈍?何を言ってるんだ?よく切れるぞこの刀は」

そう言われて、ヘファイストスはクラナを目を少し細めて見る。

(嘘をついていない、ならあの鈍が何か切れるほどの切れ味にどうしてなったの?)

ヘファイストスが少し考えた後に、クラナを手招きして、

「よしわかったわ、少しついてきてほしいの」

「どうして?」

「その紅桜の切れ味を見るのよ。私が知ってるのは、鈍の刀の時だからさ今はどれくらい切れるのかみてみたいの」

少し考えてからクラナはついていくことにした。

〜道中の会話~

「そういえば、貴方の所属ファミリアは何?」

「ヘスティア・ファミリア」

「っ……、大変だけど頑張りなよ」

「うん?」

~終~

少し移動したら、何やら木の棒が立っている場所についた。

「さてと、試しにいきなりだけど。この丸太を切ってみてくれない?」

「どの向きでもいいのか?」

「ええ、いいわよ」

「では!」

クラナは刀を抜き構え、いつものように閃を撃とうとするが、ふと別の構えの姿が脳をよぎり、

刀を上段に構えて放つ。

「''風断ち''!」

振るわれた刀は、一切緩むことなく丸太を一刀両断した。その姿に、ヘファイストスは戦慄した。

(何?この異常な覇気は?これはまるで)

過去に見た自分たち神々のところに乗り込んできた。全身に黄金のひび割れを持つ男、藍色に輝く長弓を持つ全身を空色の布を纏ったもの、翡翠色の長槍を持つ黒い布で目を隠した女に似た覇気を幻視した。

ヘファイストスがそんなふうに考えている間に、クラナはもう一つの的に向かってさらに技を放つ。

「''旋風・鎌鼬''」

それは、斬撃の嵐それは的を飲み込み木っ端微塵に切り刻んだ。

その後、クラナは刀を納め。ヘファイストスに向き直り。

「これでいいのか?」

そう言った。その言葉を聞いたのかヘファイストスは正気に戻り

「え、それでいいわ」

平静を取り戻し、クラナによって切られた的を見た。

「かなり綺麗な断面だわ、力任せに割っていない。本当にその刀で切ったの?」

「そうじゃなきゃ、横の的はこうはならないと思う」

そう言い、木っ端微塵になった的を指差す。

ヘファイストスは、ため息をついて「確かにそうね」と一言もらした。

「あの鈍がこんな切れ味を出すなんてね」

そんなことを言っている。ヘファイストスに、紅桜を差し出すクラナ。その行動に首を傾げる

ヘファイストス。

「どうしたの?急に刀を差し出して?」

「いや、そういえばこれを売っていた店主が、私以外が振った時は鈍だって言っていたのを思い出したから」

「なるほどね、じゃあ貸してもらおうかしら」

ヘファイストスは、紅桜を借り、的に振るうが的に傷一つつかずに弾かれた。

「どういうこと?貴方が振った時はああも簡単に切れていたのに?」

そういうヘファイストスから刀を返してもらい、クラナは同じように振ったすると。

ヘファイストスと違い綺麗に流れるように切れた。その状況に2人して、目が点になった。

「どうやらこの子は貴方以外の時は、やる気を出してくれないみたいね」

「難儀な刀、だけど私の大切な相棒」

そんな感じに、刀を大事に抱くクラナを見てクスリと笑うヘファイストスすると、クラナに近づき

「じゃあ大事にしないとね、もしもメンテナンスしたい時は私を訪ねればいいわよ」

「いいの?ここにいる人たちの主神でしょ?」

「いいよ、不思議な刀とその主人に久しぶりにワクワクさせてもらったからね」

「ありがとう」

クラナはそう感謝した。その後2人揃ってその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、ヘスティアが2億ヴァリスの短剣のローンを作ったからね」

「ゔぇ?!」

 

 

 

 




祭りは始まる
白兎は神様のナイフを
王は技を
祭りにおいて騒がないは芸がない
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