【推しの子】もしも星野アイの隣人が天才外科医だったら〜命を救う、その先へ〜   作:ペンギンって可愛いですよね

22 / 22
第二十二話「やっぱり普通じゃない」

 

しばらくアクアとルビーのB小町の熱談は続いていた......

 

「...やっぱり普通じゃないわ」

 

ニノが勢いよく立ち上がる。

 

「絶対四歳じゃないでしょ!」

 

「どう考えてもおかしいって!」

 

「分析力も会話も大人すぎるよ!」

 

「私もそう思う!」

 

ありぴゃんも何度も頷く。

 

「普通の四歳児じゃない!」

 

「何か秘密があるでしょ!」

 

めいめいも苦笑しながら言う。

 

「正直、今でも信じられないんだけど」

 

「実は体だけ小さくなった天才とかじゃないの?」

 

「何か変な薬でも飲まされて、小さくなったとか!」

 

「そんな感じしかしないよ!」

 

たかみーも腕を組んだ。

 

「そうそう!」

 

「某名探偵みたいな状態なんじゃないの?」

 

「中身は高校生とか大学生とか!」

 

「それなら全部納得できる!」

 

「それくらいじゃないと説明つかない!」

 

B小町の六人は全員が真剣な表情で頷いていた。

 

その時だった。

 

ガチャッ

 

事務所の扉が開く。

 

「おっ、何だ?」

 

「ずいぶん盛り上がってるな」

 

入ってきたのは斎藤社長とミヤコだった。

 

「社長!」

 

六人は一斉に振り返る。

 

ニノが真っ先に詰め寄った。

 

「社長!」

 

「聞いてください!」

 

「この二人、本当に四歳なんですか!?」

 

「絶対違いますよね!?」

 

たかみーも続く。

 

「何か変な薬飲まされて体が縮んだ某名探偵みたいな状態とかじゃないですよね!?」

 

「それくらいしか説明がつきません!」

 

「普通の四歳児じゃないですよ!」

 

社長はアクアとルビーを見た。

 

二人は何事もないような顔で座っている。

 

社長は大きくため息をつく。

 

「残念だが」

 

「戸籍も年齢も間違いなく四歳だ」

 

「ただ……」

 

腕を組み、アイへ視線を向ける。

 

「俺も、なんでこんなのがアイから生まれたのか不思議でたまらん」

 

一瞬、部屋が静まり返る。

 

そして、

 

「社長まで!?」

 

アイが頬をぷくっと膨らませた。

 

「みんなひどい‼‼」

 

部屋には笑いが広がる。

 

その横でミヤコは肩を震わせながら苦笑いしていた。

 

「ふふっ……」

 

「社長、それ本人の前で言います?」

 

「本当のことだからな」

 

社長はさらっと答える。

 

その様子を見ながら、アクアとルビーはそっと顔を見合わせた。

 

(惜しいな)

 

(かなり惜しいね)

 

二人は心の中で同じことを思う。

 

薬で体が縮んだわけではない。

 

前世の記憶を持ったまま転生しただけだ。

 

だが、「中身だけ大人」という予想は、事情を知らない人からすれば驚くほど核心に近かった。

 

アクアは思わず苦笑する。

 

ルビーも笑いを堪えるのに必死だった。

 

「二人とも笑ってる!」

 

きゅんぱんが指を差す。

 

「やっぱり何か隠してる!」

 

「いえ」

 

アクアは平然と答える。

 

「何も隠していません」

 

「その落ち着き方がおかしいんだって!」

 

ニノが思わずツッコむ。

 

再び笑いが起こる。

 

その時、めいめいが何かを思い出したように社長へ向き直った。

 

「そういえば社長」

 

「一つ相談があります」

 

「何だ?」

 

「アイのネーミングセンス、どうにかした方がいいと思います」

 

部屋が静まる。

 

「愛久愛海に瑠美衣って……」

 

「初見で読める人いませんよ」

 

「確かに!」

 

「読めるわけない!」

 

「絶対テストで間違える!」

 

「ふりがな必須!」

 

六人が一斉に頷く。

 

社長はゆっくりアイを見た。

 

そして静かに言った。

 

「……諦めろ」

 

「昔からああなんだ」

 

「治らん」

 

「しゃ、社長ーーーっ!!」

 

アイはさらに頬を膨らませる。

 

「ひどい!」

 

「みんなして私ばっかり!」

 

「ちゃんと意味がある名前なんだから!」

 

「もちろん愛情は伝わるよ」

 

たかみーが笑いながら言う。

 

「でも読めない!」

 

「一度アイの頭の中覗きたいわ!」

 

「ひどい!」

 

アイは車いすの上でぷいっと横を向く。

 

その姿に事務所中が笑いに包まれた。

 

ミヤコは終始苦笑いのまま、その光景を見守っていた。

 

「でも……」

 

ミヤコは優しく微笑む。

 

「こんなに賑やかな事務所、久しぶりね」

 

その一言で部屋の空気はさらに和らぐ。

 

記者会見が終わり、ようやく秘密を隠す必要がなくなった。

 

だからこそ生まれた、この何気ない笑い合える時間。

 

アイは頬を膨らませたままだったが、その表情はどこか幸せそうだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

一番星は消えない(作者:ディバル)(原作:推しの子)

▼表示絵▼【挿絵表示】▼児童養護施設で暮らす少年・天城彼方は、推しの星野アイと出会い、この世界が【推しの子】の物語だと知る。彼女に待つ残酷な未来を変えるため、彼は“運命”に抗う………一番星は、消えない。▼アニメ勢の方はネタバレ有りなので注意。▼新作▼「あかねちゃん………煙草買ってきてくれない?」▼:https://syosetu.org/novel/4132…


総合評価:3453/評価:8.38/連載:104話/更新日時:2026年08月11日(火) 19:20 小説情報

ストライカーから絶望扱いされるまどかちゃん(作者:クロアブースト)(原作:ブルーロック)

サッカーにおける勝利する方法は二つ。▼点を取るか、取られないか。▼そして化け物染みた身体能力によるセービングで点を取られない事に特化し過ぎて世界のストライカー達からクソゲー扱いされる位に畏怖される日本人の男の娘GK 終 円(おわり まどか)がいた。▼絵心「ブルーロックのプロジェクトで日本代表のストライカーが決まるまで戻って来るな」▼まどかちゃん「ふぇ!?」▼…


総合評価:4523/評価:8.39/短編:2話/更新日時:2026年07月27日(月) 10:16 小説情報

第七王子の護衛は胃が痛い(作者:波止場鐸樹)(原作:転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます)

異世界転生した男がロイドに振り回されながら胃を痛める、そんな話▼


総合評価:5046/評価:8.91/連載:6話/更新日時:2026年07月15日(水) 07:07 小説情報

伏黒宿儺に「そろそろ狩るか…♠︎」する転生者(作者:羂索は踊り狂って死ぬ♠︎)(原作:呪術廻戦)

▼ 呪術廻戦を知らない転生者が伏黒宿儺相手に「そろそろ狩るか…♠︎」するだけの話。▼タグは随時追加


総合評価:5237/評価:7.36/連載:7話/更新日時:2026年08月06日(木) 18:19 小説情報

ようこそ最強ゲーマーのいる教室へ(作者:現魅 永純)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

▼ 空のいない白▼ 白のいない空▼ 二人で一人ではない、たった一人で両翼を宿す存在。▼ 空間認識能力・動体視力・演算能力・記憶力・心理掌握───etc.▼ 人に許された数多の能力を、人には許されざる領域でその身に宿し産まれ落ちた。▼ 何者にでもなれた才禍の怪物は、知らぬ誰かをなぞる様にゲームの世界へ魅入られた。▼


総合評価:6861/評価:8.74/連載:15話/更新日時:2026年08月10日(月) 12:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>