【推しの子】もしも星野アイの隣人が天才外科医だったら〜命を救う、その先へ〜   作:ペンギンって可愛いですよね

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第四十六話「星野家へ」

 

夕暮れの住宅街。

 

四人はゆっくりと歩き、やがて星野家の前へと到着した。

 

「着いたよ」

 

アイが笑顔で立ち止まり、バッグから鍵を取り出す。

 

その横で悠真は、家全体を見渡していた。

 

玄関。

 

門扉。

 

外壁。

 

そして設置されている防犯設備。

 

「ほう……」

 

思わず感心したような声が漏れる。

 

アイが首を傾げた。

 

「どうしたの?」

 

悠真は玄関の鍵へ視線を向けたまま答えた。

 

「ツーロックのディンプルキーですか。さすがですね。それに防犯カメラまで設置されている。しかも人感センサー付きですか。かなり徹底していますね」

 

医師というより、一人の大人として純粋に感心していた。

 

人気芸能人が暮らす家としては、理想的な防犯対策だった。

 

するとアクアが補足する。

 

「庭にも防犯カメラが付いています」

 

「夜はセンサーライトも点きます」

 

その言葉に悠真はさらに頷いた。

 

「そこまでされていましたか。素晴らしいですね。これなら簡単には侵入できません。安心しました」

 

アイは照れくさそうに笑う。

 

「全部、社長とミヤコさんが考えてくれたんだ」

 

「私は最初、ここまで必要かなって思ってたんだけど」

 

悠真は苦笑する。

 

「必要ですよ。アイさんは自分の人気を少し甘く見ています。これくらいしてようやく安心できるレベルです」

 

「うぅ……」

 

アイは少し肩をすくめた。

 

「先生に言われると何も言い返せない」

 

「当然です」

 

悠真は即答する。

 

「命に関わることですから」

 

その真面目な返答に、アイは苦笑するしかなかった。

 

そんな空気の中、アイは玄関の鍵を開けながら悠真へ振り返る。

 

「そういえば先生」

 

「社長とミヤコさん、それからB小町のみんな以外では、先生が初めてですよ。この家に入るの」

 

悠真は少し驚いたように目を見開いた。

 

「そうなのですか」

 

アイは頷く。

 

「うん」

 

「……あ」

 

「引っ越し業者さんもいたか」

 

思い出したように付け加える。

 

その瞬間、アクアが小さく笑った。

 

「引っ越し業者は入れなくていいでしょ」

 

真顔で言われ、アイは一瞬固まる。

 

そして、

 

「あはは!」

 

と声を上げて笑った。

 

その隣ではルビーも笑いを堪えきれない。

 

玄関前は和やかな笑い声に包まれた。

 

悠真も自然と笑みを浮かべる。

 

「それでも」

 

「私にとっては、とても貴重な機会です」

 

「このような大切な場所へお招きいただき、本当にありがとうございます」

 

その言葉を聞いたアイは優しく微笑んだ。

 

「先生だからだよ」

 

「先生じゃなかったら、絶対呼んでないもん」

 

ルビーも元気よく頷く。

 

「先生は家族の恩人だから!」

 

アクアも静かに口を開く。

 

「先生なら安心できます」

 

三人の真っ直ぐな言葉に、悠真は少し照れくさそうに笑った。

 

「ありがとうございます」

 

「その信頼を裏切らないようにします」

 

アイは満足そうに頷き、玄関のドアを大きく開ける。

 

「さあ!」

 

「先生、どうぞ!」

 

悠真は軽く一礼した。

 

「お邪魔します」

 

そう言って靴を脱ぎ、神崎悠真は初めて星野家の中へ足を踏み入れた。

 

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