【推しの子】もしも星野アイの隣人が天才外科医だったら〜命を救う、その先へ〜   作:ペンギンって可愛いですよね

49 / 69
第四十九話「家族の時間」

 

「「「「ごちそうさまでした」」」」

 

四人は手を合わせ、夕食を終えた。

 

食卓には満足そうな空気が流れている。

 

「ふぅ、お腹いっぱい!」

 

ルビーが幸せそうにお腹をさする。

 

「今日もおいしかった!」

 

アイは嬉しそうに微笑んだ。

 

「ありがと」

 

「いっぱい食べてくれると作った甲斐があるなぁ」

 

「ごちそうさまでした」

 

悠真も軽く頭を下げる。

 

「本当に素晴らしい料理でした」

 

「ご家庭でここまでのお料理がいただけるとは思っていませんでした」

 

その言葉にアイは少し照れくさそうに笑った。

 

「えへへ」

 

「先生にそこまで褒められると恥ずかしいよ」

 

「じゃあ片付けようか!」

 

アイが立ち上がると、ルビーも勢いよく立ち上がる。

 

「私もやる!」

 

アクアも空いた皿を重ねながら静かに言った。

 

「先生、ありがとうございます」

 

「いえ」

 

悠真も自然と席を立つ。

 

「これだけご馳走になったのですから、お手伝いするのは当然ですよ」

 

「何もしない方が、私の方が落ち着きません」

 

四人は自然と役割を分担し始めた。

 

アクアは食器をシンクへ運び、蛇口をひねる。

 

スポンジへ洗剤を付け、一枚一枚丁寧に皿を洗っていく。

 

泡をしっかり流し、水滴が残らないよう確認する姿は、十歳とは思えないほど慣れていた。

 

その隣ではアイが鍋やフライパンを洗っている。

 

「アクア、そのお皿お願いね」

 

「分かった」

 

短い返事をしながらも、手は止まらない。

 

一方、ルビーは布巾を持ってテーブルを綺麗に拭いていた。

 

「ここもピカピカ!」

 

食べこぼしがないか確認しながら、一生懸命に磨いていく。

 

悠真はアクアが洗い終えた皿を受け取り、一枚ずつ丁寧に布で拭き上げた。

 

「アイさん」

 

「このお皿はこちらですか?」

 

「うん!右側の食器棚!」

 

「ありがとうございます」

 

悠真は食器棚を開け、種類ごとにきれいに並べていく。

 

グラス。

 

茶碗。

 

小皿。

 

深皿。

 

一つひとつ位置を確認しながら戻していった。

 

四人で協力すると、片付けは驚くほど早く進んでいく。

 

その様子を見ていたアイが、少し申し訳なさそうに笑った。

 

「先生…お客さんなのに手伝ってもらってごめんね」

 

悠真は笑顔で首を横に振る。

 

「そんなことはありません」

 

「こんなに美味しいご馳走をいただいたのですから、お手伝いするのは当然です。それに、一人で片付けるより皆さんでやった方が早いですから」

 

「ふふっ」

 

アイは嬉しそうに笑った。

 

悠真は食器を棚へ戻しながら、アクアとルビーへ目を向ける。

 

「それにしても…アクア君たちもしっかりお手伝いをしていますね」

 

「お二人とも、とても慣れています。普段からお手伝いをされているのでしょう」

 

その言葉を聞いたアイは、どこか誇らしげな表情を浮かべた。

 

「えへへ」

 

「この子たち、いつも手伝ってくれるんです」

 

「料理を運んでくれたり、お皿を洗ってくれたり、片付けも自分からやってくれて、すごく助かってるの!本当に自慢の子どもたちなんだ」

 

その言葉にアクアは少し照れたように視線を逸らした。

 

「……別に普通です」

 

そう言いながらも、その口元にはわずかに笑みが浮かんでいる。

 

ルビーは嬉しそうに飛び跳ねた。

 

「えへへ!」

 

「お母さんに褒められた!」

 

「明日もいっぱい手伝う!」

 

「ありがとう、ルビー」

 

アイは優しく頭を撫でる。

 

その光景を見ていた悠真は、自然と微笑んだ。

 

「素敵なご家族ですね」

 

その一言に、アイは少し驚いたように悠真を見る。

 

そして、どこか幸せそうに微笑んだ。

 

「……ありがとう、先生」

 

「そう言ってもらえるのが、一番嬉しいかも」

 

その笑顔を見て、悠真も穏やかに笑った。

 

病院では決して見ることのできない、ありふれた家族の日常。

 

しかし、その何気ない時間こそが何より尊いものなのだと、悠真は改めて感じていた。

 

星野家には、今日も温かな笑顔が溢れていた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。