【推しの子】もしも星野アイの隣人が天才外科医だったら〜命を救う、その先へ〜 作:ペンギンって可愛いですよね
その日の夕方――。
『全国学力調査で全国一位となった天才双子兄妹』
そんなテロップとともに、昼間の取材映像が全国へ放送された。
アクアとルビーが並んでインタビューを受ける姿。
勉強を楽しそうに語るルビー。
将来の夢を落ち着いて語るアクア。
そして何より、多くの視聴者が驚いたのは、その後の受け答えだった。
『大学の文献を取り寄せて考察するのが好きです』
『将来は外科医になって沢山の人を救うのが夢です』
『私は今、微分方程式の所で躓いてしまって、アクアに教えてもらっています』
放送が終わる頃には、すでにSNSは大騒ぎになっていた。
『いや、天才すぎるだろ』
『小学四年生で大学の文献?』
『微分方程式で躓くって、躓く場所がおかしい』
『これが本物の天才か』
『飛び級とかする人って、こういう子たちのことを言うんだろうな』
『親がどんな教育したんだ……』
『兄妹揃って全国一位とか漫画じゃん』
『アクアマリンとルビーって名前もキラキラネームすぎる(笑)』
『名前負けしてないのがすごい』
『本当に実在する兄妹なの?』
投稿は次々と拡散されていく。
数時間で関連ワードはトレンド入り。
テレビ局にも取材依頼が殺到した。
そして、驚いたのは日本だけではなかった。
海外でも映像が紹介されると、世界中の教育機関が興味を示し始める。
数日後には学校へ英語で書かれたメールや書類が何通も届いた。
『本学へ特待生として入学しませんか』
『飛び級制度を利用できます』
『学費、寮費は全額免除いたします』
『二人の才能をぜひ本学で伸ばしたいと考えております』
アメリカ。
イギリス。
ドイツ。
シンガポール。
世界各国の大学や教育機関から、異例とも言えるオファーが届き始めていた。
校長や教師たちは目を丸くする。
「小学生に……大学から?」
「こんなの前例がありませんよ……」
一方、その放送を見て驚いていた人物がもう一人いた。
有馬かなだった。
仕事を終え、自宅で何気なくテレビを見ていたかなは、画面に映った二人の姿を見て目を丸くする。
「あっ!」
思わずソファから立ち上がる。
「この子たち……!」
見覚えのある顔だった。
以前、一緒に仕事をしたことのある双子。
しかし、次々と流れるインタビュー内容を聞き、かなは思わず頭を抱えた。
「えぇぇぇぇっ!?」
「うそでしょ!?」
「大学の文献!?」
「微分方程式!?」
テレビへ向かって叫ぶ。
「あー!」
「あの二人そんなに賢かったの!!」
かなは呆然とテレビを見つめる。
「いやいやいや!」
「天才子役とかじゃなくて、本当に天才じゃん!」
しばらく言葉を失ったあと、小さく苦笑した。
「芸能界って……本当にとんでもない子がいるんだから」
テレビでは、なおも「天才双子兄妹」として二人の特集が続いていた。