カードゲームなVR世界で美少女駆使して成り上がる   作:桜庭路傍

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不遇な割にサモナーっぽいやつが多すぎる


可憐なライバル

 

 さて、隠れていてもレーダーカードとやらでバレてしまう。

 動きやすく逃げやすく、かつあんまりひとがいない場所を探すのが良いか。

 こうしてプレイヤーを倒してカードを頂くという手もあるが……。

 

 ふぅむ……。

 俺は試しに鎧カブトを召喚してみることにした。

 

「鎧カブトを召喚!!」

 

 おお、武者鎧に身を包んだデカいカブトムシって感じだな。

 ちょっと二足歩行で歩いているのが気になるが……。

 

「あ、こいつもしかして乗れるのか?」

「ヘアッ!!」

 

 普通のカブトムシみたいに六足歩行に戻った。

 よし、これなら乗れそうだ。

 

「シュピネー、ひとまずこいつに乗って移動しよう」

「ええと……虫はあんまり好きじゃないかも……特に蜘蛛」

 

 鎧カブトを睥睨しながらそんな事をいうシュピネー。

 しかし今の手札で乗れそうなものは……。

 

「じゃあ岩コングに乗るか?」

「ええ……岩コングはちょっと……」

 

 贅沢なやつだな。俺は無視して虫に乗ることにした。だいたいカブトムシはなんかつやつやしててかっこいいからあんまり虫っぽくないだろ。

 鎧カブトに乗った俺を見て、しばらく逡巡しているシュピネーだったが、やがて意を決したように俺の後ろに乗った。

 

「よし、走れ鎧カブト!!」

「ヘイラッシャ!」

 

 どういう鳴き声なんだよ。ともあれこれで移動することに。

 しかし定石もなにもわかってないからな。

 

 なるべく戦闘音がするところから離れればいい、ぐらいだな。

 しばらく鎧カブトを車のようにして、コンクリートの道路を進んでいく。

 

 既にどこかしらかで戦闘が始まっているようで、四方八方から戦闘音がしていた。俺達はそれを無視して(虫だけに)ひとまず大きな建物へと向かった。

 

 ふむ……ドームか。普通のゲームならボス戦がありそうな場所だけど、これはMMO(MOというのか?)わざわざNPCを置きそうなところに来る人はいないだろう。受付を超えて、廊下を進んでいく。

 

 自販機があるな。買いたいがお金がない。壊したら良いのか……?

 でも、なんかルールに触れてたら嫌なので無視しよう。

 

「ここはスポーツ観戦の施設だったみたいだね」

「フン、それぐらい知っている……」

「君たち旧人類はものしりだなぁ」

 

 などと言いながら観覧席を歩いていく。

 なんだ、旧人類って。俺達プレイヤーはそういう設定なのか。

 たしかにこのビル群はいささか古い印象があるけれど……。

 

 しばらく進んでいると、誰かが観覧席に座っているのに気がついた。

 えっ、なんで座ってるの……?

 

「なんだあいつ……」

「僕たちと同じ参加者かなぁ?」

「話しかけてみるか」

 

 今回の戦闘形態はバトルロイヤル。

 よって、最後の一人になるまでは誰かと組んだほうが良いに決まっている。さっきの山賊騎士は襲いかかってきたが、そうでないなら交渉の余地があるはずだ。

 

 しかし金髪の可愛らしい女の子だな。

 肩ほどまでのセミロングだが、なんだかもこもことしている感じ。

 なんとなくお嬢様っぽい服装で、ちょっとドキドキしてしまう。

 

「…………なに?」

「フン、珍しい客人がいるものだと思ってな。演目もないのに」

「ゲームをしてる」

 

 よくよく見ると、携帯ゲームを持ち込んでシンプルなゲームをしていた。

 落ちものパズルだ。いくら暇とは言え、ゲームの中でゲームなんて……。

 でもミニゲームってそんなもんなのかもしれない。

 

「あなたはサモナー?」

「ああ、よくわかったな」

「後ろの子が可愛かったから」

 

 背後を見てみると、シュピネーがきょろきょろと俺の物陰に隠れながら、少女を覗き込んでいた。たしかにあざとすぎて普通のプレイヤーっぽくはないよな。

 ピコピコしていたゲームを仕舞って、立ち上がってくる少女。

 ちょうど向かい合う形のまま、相手は本を出してきた。

 

「さて、戦うなら戦うけど?」

「ほぉ? 別にこちらは組んでやってもいいぞ」

「残念だけど、足手まといはいらないの」

 

 そう言うと「召喚」と言い、空から甲冑で全身を覆った騎士が落ちてきた。

 うわぁ、なんだか高難易度ゲームのボスっぽいな……。

 しかし相手も人型……か?

 

「多分初心者でしょ? 新芽を手折るのは心苦しいけど」

「貴様……名は?」

「――――――――きゅーてぃ☆ぷりんあらもーど」

 

 適当につけたな、こいつ。

 まぁ実際の名前でこういうゲームをやるわけにもいかないからな。

 しかし彼女もサモナーだよな? 意外と多いのか、サモナー。

 もしかして不遇じゃなかったりするんだろうか……。

 

「俺はラインハルトだ。よろしく頼む」

「適当につけたね」

「ハルトと呼んでくれ」

「それはリアルネームに近そう――さて、いきなさい」

 

 プリンがそう呟くと、騎士の手に両手剣が現れ、襲いかかってきた。

 とっさに観覧席の奥においていた鎧カブトがそれを防ぐ。

 あ、防御力が高いからかちゃんと防いでいる。

 

「らっしゃあああああああああああ!!」

「岩コング×岩コング×ソード、コンボ――岩石剣」

 

 騎士の剣に銀色のエフェクトが現れる。

 次の瞬間、岩まみれの大剣になったかと思えば、鎧カブトを叩き潰した。

 よ、鎧カブトくぅうううううううううううん!!

 

 しかしあんな変形見たこと無いぞ!? コンボ!?

 ともあれそんな事をしている間に、俺をシュピネーが投げ飛ばした。

 

 俺が背後に飛んでいくさなか、ソードで騎士の肩口を狙うシュピネー。

 しかし、騎士はその手で彼女の剣を掴んだ。

 

「なっ……!?」

 

 ガギギギギッ、バキンッ、とソードをそのままへし折る騎士。

 今度は横薙ぎに岩石剣を振るってきた。

 

 ……だが、それに当たるシュピネーではない。

 ヒョイ、とバク宙してそれを回避する。観覧席の椅子に着地した俺は、そのまま本を出してアックスのカードを引き抜いた。

 

「シュピネー、アックスを展開するぞ!」

「ええ……!? ソードが良いんだけど……」

「俺が引くまで待て!!」

 

 更にステータスを追加したいところだが……。

 シュピネーのステータス欄はもう埋まっている。

 

 Nアックス(装備中)、N羽ラビット(素早さ↑↑)、N石コング(筋力↑、防御力↑)、現在はこれがシュピネーのステータスだ。

 

 逆に言えば、あいつはあの岩石剣以上の強化はされないはず。

 スピードで翻弄出来るわけだ。これはこっちが有利かもしれないな……。

 

「極楽鳥、召喚」

 

 次の瞬間、プリンさんの背後に赤い鳳凰のような鳥が現れた。

 かなりデカく、あの騎士と二人で乗れそうだ。

 しかしあんな剣があったら難しくないか……?

 

 と思ったら、岩石剣を投げてきた。

 くそっ、なにか使わないと……!!

 

妨害(インターセプト)を発動!!」

 

 俺達の前に見えない壁が現れ、その岩石剣を防いだ。

 おお、レアカードなだけはある。

 

「それじゃあそろそろ収束が始まるから。またね」

 

 プリンさんは召喚した鳥に乗って、空に飛んでいった。

 吹き抜けのドームだから可能なことだな。

 俺の手札はだいぶ消耗されたが……おっ一枚山札から出てきた。

 

 …………N羽ラビット。

 

 なるほど、なかなか詰んでいるかもしれないな。

 

 




□登場人物□
きゅーてぃ☆ぷりんあらもーど
……人の名前か? 金髪でお嬢様って感じの娘。
この娘もサモナーなのか?


□現在のアイテム□
【稼働中】
[ステータス(シュピネー)]
N羽ラビット(素早さ↑↑)
N石コング(筋力↑、防御力↑)
Nアックス(装備中)

【手札】
N岩コング、N羽ラビット

【墓地】
N角パンダ、Nソード、Nソード、R鎧カブト
妨害(インターセプト)

【山札】
Nソード、N岩コング
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