ハイスクールD×D~『光』と『王の石』を持つネオ戦士~ 作:ライダー好き(全部)
今回は会話形式になりかけております。
バイザー戦が遠いなぁ~、眷属にならないから7,8話くらいで一巻終わると思ったのになぁ~。
「本当にありがとうございました!助かりました!!」
修道女の衣装を着てベールからはみ出る綺麗な金髪の少女、アーシア・アルジェントは教会まで案内してくれる一誠にお礼を告げる。
「いいや大丈夫だよ。そこまで時間が厳しい訳ではないからね。それでアルジェントさんは・・・」
「あ、アーシアと呼んで下さい。その方が嬉しいです」
「ん?分かったよ。なら俺のことも一誠と呼んでくれ」
「はい、イッセーさん!!」
「いや、最後の伸ばしじゃなくて「い」の発言なんだけど・・・・まぁいいか」
苦笑いを浮かべながら少女の隣を歩く一誠。先ほどまで負の思考で顔を青くしていたときと比べると大分マシになっていた。
朗らかな笑みを浮かべてアーシアは話す。
「本当に助かりましたよ、日本に来てから英語を話せる人が少なくて」
「あぁ~、日本人の殆どが英語を離せないからね。なんていうか全く発音が違うから難しいんだよ。
そっちからしたら日本語が難解すぎて喋り難いという感じと同じだね」
何気ない会話をしながら教会までの坂道を登っていった。同時に一誠は話とは別に一つ思い出したことがあった。
あの教会は数年前に閉鎖となり廃教会となっているということ、そして堕天使達の最近の行動を思い出したのだ。
一体何の関係があるのだろうかと思考しているとアーシアは近くの公園を見て動かなくなっていた。
「?どうし、――」
声をかける暇もなくアーシアは公園の中へと入っていった。そこには膝を擦りむき怪我をし泣いている少年の姿があった。その周りで母親が何とか泣き止ませようとしている。
そんな少年に近づき静かに手をかざし――
「なっ!?」
一誠は思わず声が漏れてしまった。アーシアの手から光が漏れたかと思うとその少年の怪我が治っていたのだ。呆然としていた母親だったがハッと我に帰り少年を連れて逃げるように去っていった。
だが――
「ありがとー、おねーちゃん!」
少年は笑みを浮かべて手を振っていた。
去っていく親子の後ろ姿ただ静かに見つめているアーシア。しかしその瞳は何処か寂しげであった。
「あの男の子、君に「ありがとう」って言っていたぞ」
一誠はアーシアの傍に近寄り語りかける。
アーシアは一瞬「ぇ?」というような表情をしその後嬉しそうに笑みを浮かべた。
その姿を見て一誠は彼女が持つ能力について尋ねるべきかどうか迷っていた。こんな辺境の地に、しかも教会なぞに殆ど興味を持たない人種が住む国に彼女のような特殊な能力を持つ少女が来たのだ。恐らく彼女にとってとても言いづらい出来事があったのだろう。
そう予想した一誠は何も言わずにただアーシアの傍についていた。するとポツリとアーシアが呟いた。
「あの・・・・・聞かないのですか?その、私が先ほど行ったことを」
「――――聞いていいのか迷ったんだ。もしかしたらそれは君にとって辛い記憶を思い出させてしまうかと思って」
その言葉にアーシアは息を詰まらせるも次第に微笑みを浮かべた。
「優しいのですね、イッセーさんは。でも私はこの力を持って嫌だったとは思っておりません。確かに辛いこともありましたし悲しいことを言われたこともあります。でもこれは神様が与えてくださったのです。神様の贈り物、それを嫌いになるなんてないですよ」
胸元で手を組み神に感謝を捧げるように話すアーシア。その姿を見て一誠はその少女の心の強さを感じた。
「そうか・・・・・・・・・アーシアは強いんだな」
「い、いいえ!私なんて運動もまともに出来なくて」
アーシアは顔を赤くしながら両手を振って否定する。そんな姿に一誠は笑みを浮かべながら、
「そうじゃない、君の心が強いと思ったんだよ。俺とは違って誰かを思いやれる。それが何よりも強い人の想いだ。俺の持つ力なんか壊すことしかできないから」
そういって手を前に出しほんの少し『光』を出す。
その『光』の暖かさに感動したアーシアは目を輝かせていた。
「わぁぁ!イッセーさんも私と同じように神様から!?」
「ちょっと違うけれどね。」
一誠はそう告げて軽く笑みを浮かべるだけで以降何も語らなかった。
―同じじゃない、君の暖かい光と俺の消し去る『光』が同じな訳が無い―
そう心で思いながら。
そのまま一誠はアーシアの話を聞きながら教会まで歩いていく。
「ここです!漸く着きました!!」
その教会は所々崩れており人が生活しているようには感じられなかった。しかし一誠の発達した五感にはその地下に十数人の人間がいると発覚した。その中には堕天使の存在もあった。
(やはりここにいたのか)
そう考えながら一誠はアーシアにここで別れる事を告げる。
「それじゃあ案内はここまでだから」
「あ・・・・あの、どうぞ中に入ってください。お礼もしたいですし」
「ゴメンね。この後家に帰ってやらなければいけないことがあるから」
そう告げるととても残念そうにアーシアは顔を歪めた。その姿に罪悪感を感じた一誠はアーシアに近づきこう言った。
「ならさ、今度一緒に出掛けようよ。この街のことも教えたいしそれを今回のお礼とさせてくれないか?」
一誠の言葉にアーシアは困惑した。それではアーシアのみが得をして一誠に何も返せていないのだ。その事を口にすると、
「いいんだ。それに可愛い子とデート出来るんだ、寧ろ役得って奴だよ」
そう笑顔で言い切られてしまった。
「可愛い」そんなこと今まで言われたことのないアーシアは赤面しながら頷いた。思考回路が壊れつつあったアーシアにはそれしかできなかったのだ。
その後一誠が見えなくなるまで手を振り続けた。
「可愛い・・・・・・えへへ」
一つの単語、それだけで不思議と嬉しく感じたアーシアは次に出会う日を楽しみに待つことにした。
これが彼女と一誠の初めての出会いだった。
暫く静かな道を歩いていく一誠。しかし一度立ち止まりその後人通りのない暗い路地へと足を運んでいった。そこで立ち止まり振り向く。すると近くの電信柱に一匹の蝙蝠がぶら下がっていた。
「監視ですかグレモリー先輩」
その蝙蝠を見つめそう呟く。するとその蝙蝠は一誠の近くまで近寄り、
『あらいつ気が付いたの?』
口を開くのと同時に美しい女性の声が発せられた。
「なんとなくですよ。先ほども能力を軽く使用してましたしもしかしたらと思いまして」
『そう。・・・・・・・それよりも聞きたいことがあるわ、先ほどのシスターいいえ堕天使とどういった関わりがあるのかしら』
蝙蝠越しから殺気を放つリアス。その声のトーンで一誠を警戒していることが容易に理解できた。
「先ほどのシスターは関係ありませんよ。道に迷ったと言っていたので道案内しただけですから」
嘘をつくこともないので一誠は素直に話した。彼女からしてみれば堕天使の本拠地に近づいていったのだ警戒してもおかしくない。
『―――――明日の放課後にもう一度オカルト部に来て頂戴。そこでゆっくりと話し合いましょう』
「明日ですか?構いませんが・・・・・本当に深い関係はないですよ。あのシスターを口説いてただけですから」
その時は深い意味もなく口にしてたが今思い返して見ればあのセリフは明らかに口説きのセリフだった。一誠はそんなことを無意識に口にしていた自身に呆れながら苦笑する。
『それでもよ、ちょっと確認したいことがあるから。―――それと聞くけれど私達と別れてから何処にいたの?』
「どこって普通に帰ってましたよ。監視していたのなら知っているでしょう」
『私が使い魔を飛ばしたのはついさっきよ。こっちでも少々問題があったからそれの対処で忙しくってね』
翼を広げたり引っ込めたりしながら使い魔は話す。
「そうですか。分かりました明日そちらに向かいます」
『お願いね』
言い終わると使い魔は羽を広げて夕焼けの空へと羽ばたいていく。
それを見送り見えなくなった所で深いため息を吐いた。
(明日あの二人とも顔を合わせなければいけないんだよな。・・・・・・・怖いな)
頭をかきながら天を仰ぎ、
「・・・・・・・・・・・・覚悟決めるか」
そう小さく呟いた。