ハイスクールD×D~『光』と『王の石』を持つネオ戦士~   作:ライダー好き(全部)

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話の中でリアスの行動が二転三転しているように見えますが一応考えのあっての行動です。
そこらへんはご了承ください。

1巻が終わったら2巻は3話程度で済ませよう。そうしよう。
長編は辛いお(´;ω;`)


1-7

放課後のオカルト部、そこにはリアス・グレモリーが部長席の椅子に座りこれから来るであろう少年のことを考えていた。

 

兵藤一誠。彼はつい最近まで裏との繋がりがない英雄の魂も血筋のないごく普通の少年だった。

しかしその一誠の中にある力、神器は破格の物だった。一誠の話を信用するならば堕天使の光の槍が聞かず身体能力が常人の数倍から十数倍まで跳ね上がっているという。これだけでも眷属として勧誘を考えてしまう。しかし、その全てをマイナスにしてしまう「光」の能力を持っている。これは悪魔にとって致命傷となり下手な下級ではその光を浴びただけで消滅してしまうという。

 

実際に一誠が発動した光を見てはいないが、昨日の夕方にリアスですら恐怖し逃げ出したくなる程の神々しい『光』を放つ存在を目にしていた。

 

リアスがソレを見たのは4度目、1度目はその圧倒的な『光』に動く事が出来ずその姿を見ることが出来なかった。

2度目は眷属を連れての行動、その姿を確認した。しかしそこにいたのはリアスが想像していた熾天使ではなく人型の姿をしたナニカだった。それに声を掛けたが何も返されずその場から逃げ出されてしまった。

 

いや違う、見逃されたという方が正しいのかもしれない。しかしその姿にリアスの眷属2人が反応し追いかけようとした。女王の朱乃は兎も角騎士の木場では消滅してしまうかもしれない。

そう考えたリアスは彼等を止め無理やり部室まで戻ってきたのだ。

そこで二人から詳しい話を聞いた。

以前彼等を眷属にするときに聞いた話、そこに現れた存在が昨日出会ったあの『光』だった。

 

朱乃はその存在によって救われ彼女の母親の死の運命から救い出してくれたという。残念な事に彼女の母は植物状態となっており未だに目覚めることはないが生きているという事実が何よりも救いだった。

 

祐斗は同士であり、同じ毒によって死の狭間にまで追い込まれた少女の生涯最後にして囁かな時間を守ってくれたという。己に襲いかかってきた堕天使達を打倒してくれた、その結果祐人はリアスと出会い悪魔として新たに生を得たのだ。

 

二人にとってあの『光』は希望そのものだろう。しかしそれを考慮したとしてあの『光』は危険だ。彼等にとって恩人であり、リアスにとって自身の眷属と巡り合わせてくれた存在だとしてもだ。

どこまで信用していいのか分からないのだ。

 

そして3度目、ここに件の少年兵藤一誠が絡んでくる。二人の話を聞きそれから暫く経った後、再び街中で『光』の反応をしたのだ。普段ならば決して気がつかない程の弱々しく頼りないものだが気が立っておりいつも以上に警戒していたリアスが放った使い魔がその反応を掴んだのだ。

その人物こそが一誠なのである。そこでリアスの中であの『光』が一誠なのではと予想する。

英雄でもない凡人が持つ『光』。

それによる堕天使の槍の無効化にする能力。

悪魔を消滅させられる光の力。

あの存在と被ってくるのだ。そのために一誠の護衛も兼ねた監視をしていた。ところが・・・

 

「まさか簡単にバレてしまうとはね。流石に想定外だわ」

そう、一誠は彼女が放った使い魔を察知していたのだ。魔力を抑えに抑えて隠蔽率を上げた使い魔がだ。そしてその後一誠と会話をするために裏路地に向かい、――

 

「彼の能力を見た。―――あれはやっぱり」

彼が放ったのは弱々しい『光』だった。しかしその放つ神秘性は今まで彼から感じたことはなく、しかし他の存在と似た神々しさを感じたのだ。

 

―――あの『光』の戦士と似た『光』だったのだ。

 

そこまでの情報でリアスは十中八九「一誠」=「『光』の戦士」と考えていたのだ。

それを想像しリアスは頭を抱えた。学園に自身を滅ぼせる存在が居る、それだけで驚異となる。

おまけにリアスは一誠の本質も見極めていないのだ。愚直にその正体を暴いて消滅されては意味がない。しかし放置することは出来ない、そういう存在となっていた。

かと言って一誠の事を魔王に連絡したとしてその結果敵対することとなっても困る。

 

その為リアスは一誠を手元に置いておく必要があるのだ。無理やり正体を暴くのではなく時間をかけて兵藤一誠という存在を見極めていこうと結論を出した。

 

そうこうしている内にその一誠が近づいてくるのを使い魔を用いて視認できた。

「さて・・・・・・どうやって引き入れようかしら」

リアスはため息をついて手元においてある紅茶を飲む。時間が経っていたのか冷たくなっていた。

 

 

 

一誠が部室に到着すると中にはリアスのみが居りその他の部員がいなかった。

「失礼します。・・・・・他の皆は?」

 

一誠は部室内を見渡し唯一部室にいる人物、リアスに尋ねる。

「朱乃は少々遣いに出してるわ。祐人と小猫は今日の仕事の休業のための準備に忙しいのよ」

そういってリアスは一誠にソファーに座るように促し彼女は紅茶を2人分入れる。

 

「さて話なのだけれど、それは昨日もいったように何をしていたのかを確認したいの。気分を害するかも知れないけれどこれもここの領を任されている者の行動として理解して欲しいわ」

 

リアスは困ったように笑いながら言う。一誠にはその手の責任というのはよく理解できていないがその職務を全うしようという姿勢には好感を持てた。そのために納得し再び昨日の出来事と口にした。

それでもリアス達を信頼しきれていない一誠は『光』のことは詳しく話さずに全てを正直に話さずに告げる。

 

「あの後俺はアーシアというシスターに出会いました。彼女は日本語が話せず教会への道がわからなくなったと言っていて、その為彼女を教会まで送ったんですよ」

リアスは真剣な表情のまま視線を一誠に向け続け・・・ふぅ、と小さいため息を吐いた後納得したかのように頷く。

 

「確かに嘘は言ってないわね。視線に揺らぎもないし心拍数が変わる様子もない、至って正常のまま答えてくれたし」

 

「悪魔にはそのような能力が?」

一誠は尋ねるように呟くとリアスは苦笑いを再度浮かべて答える。

「こんなチンケな事を覚えているのは私だけよ。・・・・・・・・・・こんなことでも必死に覚えようとしていたのよ」

そう言い切ると表情を一瞬暗くさせリアスは俯く。しかしそれは一瞬で顔を上げて違う話をする。

 

「さてこんな暗い話はここまで。結論から言うと今は貴方の言っている事を信用します、これからは互いにどんな人物か見極めていかなければならない。そんなんじゃマトモに話も出来ないでしょう?」

そう笑いながらそう語るリアス。一誠も彼女らを信頼仕切っていない、だが無闇矢鱈と敵対心を向けるつもりもない。その為リアスのできる限り相手を理解してその上で信用できるか判断するという行動は大いに理解できる。

 

「・・・・・・・そうですね、先ほどの話も警戒されることを覚悟で自身の能力を提示してくれた。そこまでされてはコチラも能力を提示しなければいけませんね」

そう言って自身の掌を机に出しそれをリアスに見えるように固く握ると薄らとナニカが拳に纏う。それは微弱すぎて普段ならば察しきれないであろう「聖なる光」だった。

 

「このように俺は自身の望むようにこの『光』を纏うことができます。といっても普段は必要ないため全く使用していませんがやろうと思えば更に威力を上げることもできますよ」

まぁ、身体に直接纏うため悪魔化したらその効果で消滅してしまう恐れがありますが。と笑いながら語る一誠を落ち着いた眼差しで見つめ続けるリアス。しかしその内心は歯がゆい思いでいっぱいだった。

 

(これは確実に対悪魔として充分に戦える、敵勢力に引き込まれては厄介。しかし彼を無理やり眷属にしてもそれを戦力として使用することは不可能に近い。もどかしいわ、目の前に確実な戦力があるのに手を出すことすらできないなんて)

 

暗い感情がリアスを覆い尽そうとする・・・・・が、その感情は直ぐに晴らされる。

自身の女王である朱乃が部室内に入ってきたのだ。

 

「失礼します。部長、大公からはぐれ悪魔の討伐の依頼が届きました」

そういって数枚の書類をリアスに手渡す朱乃。それに軽く目を通し再び一誠を見て話す。

 

「兵藤君、これから私達は依頼のためにここを出るわ。それで悪いのだけれど貴方もついて来てくれないかしら?」

「ぇ?」

「俺もですか?」

リアスの言葉に朱乃が驚き、一誠が視線を鋭くして聞き返す。

 

「えぇ、本当なら貴方が何処まで戦えるかも確認したかったのよ。けれど祐人や小猫では貴方の『光』に耐えられるか分からないわ。かといって私自らでは色々と問題があるから。そう考えると今回の話はちょうどいいのよ、私達がどれだけ戦えるのかを貴方は把握出来て、私たちも貴方がどれだけ力を持っているのかを直に見て判断できる。勿論貴方だけに戦わせるつもりはないわ。最後の処理に貴方の『光』を使用してほしい、それだけよ」

 

 

真剣に話すリアス、それを聞きながら一誠は暫く思考を働かせそして頷いた。

「―――分かりました」

その言葉にリアスは笑みを浮かべた。その笑みは男性ならば無条件で魅了されそうな程の魔性の笑みだった。

 

 

夜、郊外にある寂れた廃墟。そこはちょっとした心霊スポットとして有名で昔から存在する建物だ。しかし最近妙な噂が流れるようになっていた。

 

「日が完全に暮れた夜、異型の化物が廃墟内を闊歩している」

その噂を調べるためにまた肝試しを行うために少年たちが近づき、その内の数名が行方不明となっているという。

その廃墟に一誠とオカルト部メンバーが内部に侵入していた。

 

「・・・・・・・・・・・」

ミシッ・・・ミシッ・・・

歩いているだけで床の板が軋み嫌な音を鳴らす。天井を見ると2階に続くであろう廊下が穴だらけとなっており足場としては最悪な状態だと理解できる。

それを数人固まって歩いているのだいつ崩れ落ちても不思議ではない。

しかしその場にいるモノたちはそんなことお構いなしというようにその廊下を歩き続ける。

 

「そろそろね、小猫匂いで分るかしら?」

リアスがそう語りかけると小猫は小さい鼻をスンスンッと動かし暫くして軽く頷く。

「―――もう少し進んだところに強い血の匂いがします。恐らくそこが寝床です」

そう語る小猫の言葉にそう。と軽く返事を返し目を細めるリアス。

一誠はその後ろで他の気配がないかを確認していた。

(塔城さんの言うとおり奥に一体だけか。・・・・・にしても嫌な場所だ色んな所から死んだ奴の嘆きが聞こえてくる)

苦い顔つきのままゆっくりと後をついていく。その様子に祐斗が気づいた。

 

「どうしたんだい、一誠くん」

「――――いや、ちょっとな・・・・・・・」

そう返しただけで何も言わなくなったが深くは効かないほうがいいと判断した祐斗はそのまま皆と行動する。

 

そうしてその廃墟の中で最も広い場所に出ると同時に気味の悪い笑い声が廃墟内に響いた。

『クケケケケ!』

ズンッ!と大凡人の足音では表せない音と共にその笑い声の発信源が姿を現す。

上半身は裸の女性でそこそこ魅力的な美貌を持っている。しかしそこから下が化物の下半身なため美しさよりも異様さが勝り余計に異型の化物という恐怖心を駆り立ててくる。

並の人間ならばその異常に着いてくれず悲鳴を上げるか気絶してしまうだろう。仮にその異常に耐えられたとしてそこから先にあるのは絶望のみだ。

そんな存在を前に一誠たちは顔色一つ変えずに近寄っていく。

 

「不味そうな匂いがするぞ?でも美味そうな匂いもするぞ?甘いのかな?苦いのかな?」

ケタケタと笑う異型の化物、その前に立つリアスは無表情のままで告げる。

 

「はぐれ悪魔バイサー、大公の命によりアナタを滅ぼしにきたわ」

その言葉を聞くやいなやケタケタと笑っていた顔が醜く歪み、

 

「ほざけ!貴様のその紅髪のように真っ赤に染めてくれる!!」

怒鳴り一誠たちに牙をむける。

フッとリアスは笑みを浮かべ背にいる一誠に説明するように語る。

 

「兵藤君、私達悪魔は悪魔の駒(イーヴィル・ピース)によって役割が違うというのは説明したわね?」

話を振られた一誠はこの廃墟に入る前に現状の悪魔の説明を掻い摘んでだが聞いていた。

過去に起きた3勢力による戦争、現在は停戦状態だがその戦争の結果悪魔は自力での種の保存が困難となった。その為に他種族を悪魔化させることができる悪魔の駒(イーヴィル・ピース)によって悪魔化させ種を増やしているということ。

そうして上級悪魔達は自身の駒によって眷属を増やしていくことに成功している。(色々と問題を抱えているが)

 

そうなるとその力を示したくなるのが悪魔という種族、その眷属を率いて小規模な戦争を行う「レーディング・ゲーム」が悪魔たちの間で流行りだしたのだ。

「確か、チェスの駒をモチーフにしていると」

「えぇ。まずは・・・祐斗!」

「ハイッ!」

祐人が返事をするのと同時に一誠の後方からリアスの前方、そしてバイサーの横を通り過ぎていく。手には禍々しいオーラを放つ魔剣を握っていた。

それを視認すると同時にバイサーの腹部から真っ赤な鮮血が吹き出す。

 

『ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!?』

バイサーは振り返り己を切り裂いた者を殺そうと動くもそれよりも先に祐人が駆ける。

一閃、また一閃。切り裂かれ鮮血を吹き出していく。切られた傷は悪魔であるバイサーからすれば微々たるもの。だが実際はその傷が時間を経つに連れて大きく広がっていた。

一誠はその光景を見て祐人が持つ剣が現状を齎したのだろうと察する。そして祐人に宿っている駒も自ずと理解する。

 

「祐人にはナイトの駒、スピードを活かした連続攻撃がメインね」

リアスの説明が終わると同時に傍にいた小猫がゆっくりと歩き出し切り上げられ落下してくるバイサーの真下で止まる。その行為だけ見れば自殺行為にも見える。だがしかし・・・

落下してきたバイサーを掴むとその巨体を小猫は軽々と持ち上げて、

 

「ぶっ飛べ」

その一言と同時に投げ飛ばした。

「小猫にはルークの駒、パワーとディフェンスを兼ね備えたアタッカーよ」

バイサーは投げ飛ばされ地面に擦れながら滑っていき朱乃の足元へと転がっていく。

「あらあら、悪い子ね」

大和撫子と表現できる少女はお淑やかに微笑み、次の瞬間両手から電流をバイサーに流す。

 

『がぁぁぁぁAAAAAAAAAAAッ!!』

バイサーは流される電流のせいか動物のように叫び声を上げる。

それに気を良くしたのか朱乃は更に嬲るように電流を流し続ける。死なない程度に苦しませ続ける。

 

「朱乃には女王の駒、他の駒全ての能力を持つ無敵の副部長にして雷の巫女という別名を持つ程の実力者。同時に・・・・・・究極のSよ」

 

「さぁもっと行きますよ、ウフフフ、アハハハハハハハハッ!!」

 

恍惚とした表情でバイサーに電撃をくらわせる。その姿を見て一誠は少し引いてしまった。

ジワジワと苦しませる姿を見ていていいものではない、せめてもの情けとしてさっさと終わらせた方がいい。そう一誠は思いリアスに言おうとしたとき、――

 

『Gaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaッ!!!』

獣の咆哮と共に電撃を受けながらも上半身の腕でリアスを切り裂こうと飛びつく。

「ッ!」

まさか朱乃の電撃を受けて尚動けるとは思わず行動が遅れてしまった。

「部長ッ!」

祐人が駆け出そうとするも彼が動いた時には既に爪がリアスの頭上にあり、どんなに早くともその一撃を防げぐことは不可能だった。

(くッ!?)

葉を噛み締め襲いかかってくるであろう一撃を耐えようとする、しかしその一撃は何時までたっても振り下ろされなかった。

 

瞳を閉じずに見ていたリアスはバイサーの腕を握り行動を封じている人物を見る。何時もよりも真剣な目をした一誠が片手でバイサーの腕を止めていたのだ。片手をといったがこの一撃はバイサーの全体重の乗った一撃、悪魔としてならば兎も角人間の筋力では到底止めることは不可能である。しかし現実に一誠はバイサーを止めたのだ。更に――、

「フッ、オラァァァァッッ!!」

懐に入り押し切るように拳を振るう。身体を動かし勢いをつけた拳でバイサーの巨体が浮き上がりリアスと祐人の丁度真ん中辺りまで吹き飛ばされた。

 

『――――、――――ッ!!?!』

何が起こったのか受けた本人が理解できていなかった。ただ分かるのは上半身と下半身の付け根がブチギレる寸前であるということだ。はぐれとは言え悪魔の肉体を引きちぎる事が出来るほどの攻撃を持つ一誠にバイサーは恐怖した。

 

コイツも悪魔なのか?そう思い一誠を睨む、だが一誠から人間の匂いしかしないことに驚愕しそれが次第に憤怒へと変わった。

たかが人間に恐怖していたのか!という思考により化物の下半身でフラフラと立ち上がると同時に前足を一誠に突き出した。

それを避けるでもなく一誠は脇で受け止め――

「フンッ!」

手刀による一刀の下前足を切り裂いた。

 

『GYaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaAAAAAAaaaaaaaaaッッッ!!!!?!!』

引き裂かれるという痛みを初めて感じたバイサーは絶叫する。そして体制を崩し地面に横たわり痛みに悶えることしかできない。

その姿を見つめながら一誠は静かに近寄っていく。

 

「ッ?!待ちなさい!」

我に帰ったリアスが静止を呼びかけるも一誠はそのまま歩みを止めずバイサーの下にたどり着いた。

 

『――――ぁ、――――ァァ』

最早人語を語れるだけの力はなく来るであろうその時をただ待ち続けるのみだった。

そんなバイサーに一誠は語りかける。

 

「お前にとって人間は食料、腹が減ったから食ったという程度の認識なのだろう。それは別に構わない、生き物は他の生き物から命を奪わなければ生きていけないのだから」

そう語る一誠の両手には淡く、されど暖かい『光』が溢れ出ていた。

その『光』にその場にいた悪魔全員が引き攣り一誠を見つめる。

その内1人は確信したように一誠を見つめていた。

 

「ここに来た人間も遊び半分でいた馬鹿ばかり、自業自得だ。そんな奴らにかける情けは俺は持ち合わせるつもりもない。・・・・・・・・けどな」

その『光』をバイサーに向けるように掌を向けて、

 

「もしこのままお前を無視していた結果、俺の友達が傷つくかも知れない。それだけは絶対に許容できないんだ。身勝手な理由だろう、だがこれだけは譲ることはできない。そのためにお前には消えてもらう、・・・・・・・・・・・・・・・・・・せめて安らかに眠れ」

そう叫ぶと同時に『光』はバイサーに降り注ぐ。

 

バイサーはその『光』から齎される想像を絶する痛みに絶叫・・・・・・・・・・・・・・・・・・を上げることはなかった。寧ろ何処か暖かいナニカに包み込まれるような気持ちになり心地よく感じている。

 

「安らかに眠れ、バイサー」

その一言と共にバイサーは光の粒子となって消滅した。消え去るその瞬間、ほんの一瞬だけ穏やかに微笑んだように見えた。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

リアスは目の前で起こった現象について行けなかった。

バイサーは一誠の手によって消滅された。それはいい、自分の望んだ結末を迎えたのだ。

しかしその過程で一誠が放った『光』が不可解で仕方が無かった。

 

悪魔にとって光・聖なる力は決して相容れない存在であり少量くらった程度でも致命傷になりうる程の、悪魔にとって最悪の毒である。しかし先ほどのバイサーはその毒をくらって苦しみなが消えたのではなく穏やかに消滅したのだ。

そしてその場にいたリアス自身一誠が放った『光』を見て何処か暖かい、そう感じたのだ。

まるで幼い頃、母に抱かれて眠ったときのように。

そこには先日の堕天使に向けた絶対的な『光』とは何処か違っていたように感じた。

 

(まさか彼とあの『光』は本当に関係ないの?)

リアスは新たな謎に頭を痛めることとなるがそれは別の話、多くの疑問を残したままその日は終りを告げた。

 

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