「……『綱引き』のウーゴー、確かに受け取りました。こちら、懸賞金の1500万ベリーです」
「ありがとうございます」
「いえいえ。こちらも仕事ですから」
賞金首を手錠と縄で捕らえた海兵が去っていくのを見届ける。
やがて見えなくなると、ロシナンテはローとハイタッチをした。
「やったなロー!」
「コラさ……ロシナンテのお陰だよ。おれは殆ど何もできなかった」
「今はそれで良いんだよ。これから強くなっていけば良い!」
奇しくもローには、ファミリーで培った技術がある。頭脳とオペオペの実の潜在能力も考えると……さっきの賞金首と同じくらいにはなるんじゃないか?
「ショウはどうだった?」
「バカ言え、5000万超えの奴なんかそうそう居てたまるか。今日は収穫無しだよ」
「だよなぁ……まぁ、今日も節約だ」
「盗られるなよ、ロシナンテ」
「わーってるよ……」
安定した収入を得る、というのは……海賊になると難しい。そもそもの話、怯えられる。だからこうして節約を重ねて、貯金をしてるわけだが……たまに100万くらい盗まれる。主にロシナンテのドジで。
──油断はしてねェから!!
(ほんとかなァ……)
と思ってたら、何故かロシナンテが目を光らせてきた。実はもう見聞色使えたりするのか?
「こっからは修行だな。頼むぞロシナンテ」
「ああ!」
ロシナンテは、元海軍本部中佐。人の使い方や教え方には多少精通しているし、ローはそもそも覚えがいい。俺に関してはある程度戦闘の基礎を知っているから、するすると伸びていってるのが現状だ。
ちなみに覇気の修練なんだが……
「覇気に関してはおれァ基礎しかわかんねェから、あとは自力でやってくれ」
と丸投げされ、ロシナンテはローに付きっきり。俺は1人寂しく覇気の練習をしている。
「ふぅ……」
と言っても、武装色は殆どモノに出来ている。雷鳴八卦を間近で見たのが良かったのかな。
(……これに、宿儺の力が合わさったら)
とんでもないことになるな……!
「楽しみだ」
「ねえロシナンテ」
「どうした、ロー」
「ショウの顔がなんか凄いことになってるけど……」
「あ凄えワルい顔してる!あいつ人殺すんじゃねェか……?」
「そこ、聞こえてるぞ」
「やべ」
「おお……!」
「賞金稼ぎの大金はたいて買った船だ。大事に使えよ」
「はは!いいじゃねーか!」
「……おれは船医か?」
「そしたらおれは戦闘員だな!あと航海士」
「……もしや船長は俺か?」
「ああ!お前が一番強い」
ロシナンテ、お前それで良いのか。
「おれもコラさ……じゃなくてロシナンテも、ショウが居なかったらただでは生きて帰れてなかったと思う。だから、おれもショウが船長がいい」
「……そうか」
出会ったばかりの俺を……信用してくれてるのか。
「わかった。じゃあ……行くぞロー、ロシナンテ」
「おう!」
「ああ!!」
「出航だ!!」