「『
ピッ。音は瑣末なものだったが、威力は通常の
「……避け切れなかったか」
「アレを避けろはムリだろ」
「それもそうか」
「……おれを殺してくれたのか?」
そう、エドラムに問われる。
「そんなことはない。鉄塊や覇気で強化されると、詠唱無しの解じゃ斬れそうになかっただけだからな」
「そうか……ゴフッ!」
かの五条悟のような状態になったエドラムは、もう永らえる命は無い。
息も絶え絶えになり、目の光も絶えていく。
「……お前は、これで賞金首だ」
「そうだな」
「手を組んでいた海兵にも追われることになる……お前は、どうする」
「その時は……"呪い"として、全てを蹴散らそう」
いずれにせよ、賞金首として追われることにはなる身だった。それでも構わない。
「はは……そうか。……呪いか。お前には似合わない名だ」
「この力を振るうなら、せめてな」
「……なんだそれ」
「……ゆっくり眠ると良い、エドラム」
「……ショウと、言ったな」
ゆっくりと、目を閉じたエドラムの口が開く。
「……世界に屈するな」
それは、呪いに近い言葉だった。
「生きろ」
「……」
俺はそれに無言で答え、目を伏せる。
そうして、エドラムは生き絶えた。
「船長……!!」
「……どうする、お前ら」
エドラムを殺された海賊団の船員らは、ロシナンテに問われていた。
「エドラムという海賊が居ない今、手を組んでいた海軍が裏切る可能性もある」
「……それは」
「おれたちは元々、ならず者だったからな。エドラム船長がおれたちを纏めてくれたから、着いて行った」
「じゃあ、逮捕されるのか?」
「……おれは、あんたらに着いていくよ」
「おれも」
「おれもだ」
エドラム海賊団を構成するクルー、40人のうち……10人ほどが手を挙げた。
そこには、ロシナンテたちの欲しがっていた料理人も付いてきていた。
「そうか……じゃあ、船長に伝えてくるよ」
「「「よろしくお願いします!!」」」
「ハハッ、元気な声だなー」
ロシナンテはそのまま、ショウの元へ向かって行った。
・・・・・
「……っつーわけだ船長。これからよろしく頼むよ」
「……ああ」
「船長?」
ロシナンテは、妙にアンニュイな雰囲気を漂わせるショウの様子を訝しんだ。
そのことを問うと──
「別に……呪いの言葉を吐かれただけだ」
「……?」
ロシナンテに、その言葉の意味はわからなかった。
「貴様……!!」
「!」
「ああ……俺が殴り飛ばした奴か」
「ウーゴレオンだ!……海軍支部、伍長をしている」
「海軍……!」
「貴様、ショウと言っていたな。……既に写真は撮ってある。このまま、海軍に報告させてもらうぞ。……この街を支配していた、ということも含めてな」
「……ほう」
どうやら海軍は、自分たちとエドラムの行っていた支配を公にはしたくなかったらしい。
「ぐっ……!?」
「ロシナンテ。何やってる」
「お前みたいな海兵がいるから……この世は良くならない」
「貴、様ァ……!!海軍に楯突くか……!!」
「おれも元海軍だ。世界の腐ってる事実は知ってるさ……賞金首くらいなってやるよ」
そのロシナンテの台詞に目を見開き、ウーゴレオンは去っていった。
「……撮られたぞ、写真。いいのか、おつるやセンゴクに咎められても」
「いいんだ。その辺りは、センゴクさんもわかってくれる」
「……そうか」
ロシナンテはエドラムの死体を片付けて、そのまま海に捨てた。
「船長、まずは街の人を安心させなきゃな」
「……ああ」