ヒトヒトの実幻獣種 モデル"両面宿儺"   作:ただねこ

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懸賞金

「──ですから、エドラム海賊団も海兵ももういません。ここに残った船員も、全て俺たちの船に乗せて行きます」

「ありがとう、ショウくん!」

「貴方たちは恩人だ……!」

 

戦いの後、『C'est délicieux(セ デリシュー)』にて夜を明かしたショウたちは、住民に対して説明をしていた。

住民の安堵した表情や感謝の言葉を見て、ロシナンテとローはほっと息を吐いく。

すると、突如として前に出てきた1人の老人がショウに言う。

 

「君がエドラムを殺したのか」

「ええ」

「……わしは君を信用できない。エドラムが君たちの手で追い出されたと言えど、それを成した君たちを信用はできない」

 

それは至極当然の理由。懸賞金8500万ベリー……北の海でも屈指の額を誇るエドラムが、一夜にして滅んだのだから。それを成し遂げたのが、まだ年端もいかない少年という事実。

 

(警戒するに決まってるよな)

 

「ええ、だからもう出ていくことにします」

「まことか」

「はい。それに、俺ももう賞金首ですから」

 

ニュース・クーの持ってきた新聞には、一枚の手配書が挟んであった。

 

『人斬り小僧』ショウ 懸賞金1億ベリー

 

少し淡い桃色の髪を他靡かせた、まだ8つの少年の写真。

その下には、目を疑うような金額が書かれている。

 

子供だとしても、温情はないとばかりの『Dead or Alive』──生死問わず。

8歳の少年が、覇気を使いこなす大人を倒したこと、ミリオン島での出来事も、多少は見られているだろう。

 

「ですから、これからは海賊らしく──」

 

ショウはその台詞に一つ息を挟んで、猛スピードでとある女性に手を伸ばす。

 

「きゃっ……!?」

「何をする!!」

 

獣型となって、上下の左腕に抱かれた女性は、フェリィだった。喫茶店の看板娘だ。

 

「海賊らしく、略奪をしながら生きていくことにしますね」

 

ロシナンテとローに「逃げるぞ」と一声かけて、そのまま走る。

ただ走っているだけではあるが、この島の住人が追えるような速度ではない。

 

驚きながらも笑顔で手を振るフェリィのことを、グニーロは優しく涙を流しながら見送った。

 

 


 

 

「いや〜……1億ですか船長」

「初めて懸けられた懸賞金が1億とか、おれは聞いたことねェぞ……」

「元海兵であるおれが言おう、これは異常だ」

 

肉体的にも、精神的にも、能力的にも。まだまだ成長の余地がある。

だが、1億。この段階で1億ベリーという懸賞金を懸けられた本人は、笑っていた。

 

「1億か……もう少し低いと思ってたんだがな」

「子供だとしても脅威は脅威なんだろうな……」

「ここまでの金額は、それこそニコ・ロビン以来だ」

 

……ロビン。オハラにてバスターコールを切り抜け、古代文字を読める考古学者。政府が隠そうとする歴史の本文(ポーネグリフ)を読めるために追われている。

 

(ロビンは確か原作開始から8年前に、西の海から偉大なる航路に入った筈だ。接触のチャンスは無いか……)

 

「世界政府が絡んでるのか?」

「俺は知らないな……唯一あるとすればローのオペオペの実くらいだ」

「……ドンキホーテ海賊団の船長、ドンキホーテ・ドフラミンゴは元天竜人だ」

「「「!?」」」

「腹いせだろうが戦闘力だろうが、危険度としては十分あり得る……!!」

「成程、ありがとうロシナンテ」

 

……そろそろ、頃合いだろう。

 

「……よし。全員よく聞け」

 

「俺はこの首に1億をかけられた。北の海だけじゃなく、海軍本部からも追っ手が来るだろう。このまま活動を続ければ、いつかは限界が来る。物理的にも精神的にも。実力が伸び悩んだり、北の海に居続けて飽きが来たりするかもしれない。ならば。更なる成長と宝を求めて、より高い苦難を求めるべきだ。俺はそう思う」

 

俺の声に、全員が一斉に耳を傾け、俺のほうを向く。

 

「……もう、あとはわかるな?」

 

船員が雄叫びを上げる。

 

「俺たちは、偉大なる航路(グランドライン)へ突入する!!」

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