リヴァースマウンテン
「
「覚悟はあるな?」
その言葉に全員が首を縦に振る。目には迷いもない。
「決まりだな」
フェリィが気掛かりではあったが、「最後までお供します」とのことだ。島を救った恩もある。
「行き先は南東、リヴァースマウンテンだ」
「ここが、リヴァースマウンテン……!!」
「海が山を登ってる!?」
「……実際に見ると、信じるしか無いな」
「リヴァースマウンテンは、四つの海からそれぞれ海流が集中してる。運河みたくなってる」
「……そういやお前、元海軍本部だったな」
ロシナンテの説明に耳を傾ける。
「で、だ。
「磁気?」
「それぞれの島に、特徴的な磁気がある。島と島の間も、磁気で結ばれてる。だから、普通のコンパスはぐるぐる回り続けて壊れちまうんだ」
「じゃあどうすりゃいいんだ!?」
エドラムの元仲間……フスカが声を荒げる。
「特殊なコンパスを用いる。それがこの
……持ってんじゃねェかお前。おい。
「こいつだけが海での頼りだ。あの海は別名『海賊の墓場』……。唐突な嵐に雷、突風、空からガレオン船……なんてこともある。常に気を抜かない」
誰かがごくりと息を呑む。
「だから、普通は諦めるんだが……まァ、うちのキャプテンがそう言うんなら、仕方ねえよな」
「ああ。ほら、さっさと行くぞロシナンテ。航海士のお前が頼りだ」
「アイアイ、キャプテン!」
海流に乗り上げる。ゆっくりと船は動く。風に乗ってぐんぐん進む。そして──山を登る。
「おおおお!!!」
「ホントに山登ってるぞ!!」
「これが……リヴァースマウンテン!」
「一度海流に乗ったら、降りることはできない。きっかり真逆だから、リヴァースマウンテンと名付けられた……。というのはおれの作り話だ」
「おい、ロシナンテ。気を抜くなと言ったのはお前だぞ」
「わかってるよ!」
頂上で進路を変える。ぐぐぐ……と船が回転して、今度は下る。行き先はもちろん、
「うおおおお!!!」
「行っけーー!!」
「……ちなみに、さっきの山の入り口に入れてなかったら海の藻屑だったな。あそこで半数が落ちる」
「今言うなよ!?今になって怖さが来たんだけど!?」
「今更だろう。これから摩訶不思議の連続だからな。現に……見ろ」
俺が前方へ視線を促すと、何かの音と共に黒い壁が見えてきた。
「壁!?!?」
「違う!!ありゃ生物だ!!」
「んなデカい生き物がいるかよ!!」
あそこには、クロッカスとラブーンがいる筈だ。それを言えることではないが。
「とにかく行くぞ!手すりに捕まれ!!」
ドッパアアァァン!!
「来たァーーっ!!」
「これが、これが
「やべェ!!やべェっておれら!!!」
(……さて、ここからだ)
まだまだカイドウには、遠い。物理的にも、強さも。
「まずは双子岬だ。この先にある」
「んじゃ、出航だロシナンテ」
「おう!」