──ワノ国近海 鬼ヶ島
「ウォロロロロロロ……!!!ショウのやつ、やりやがったな!!!」
年端も行かない子供に、懸賞金がつけられることは珍しくはない。政府にとって脅威と判断されたのなら、たとえ赤子だろうが胎児だろうが殺害対象になりうる。ロジャーの赤子狩りのように。
だが、それと違うのは、その懸賞金額。初めてついた金額としては、異常だった。
「1億か……流石にやり過ぎじゃねェか?」
「見ろ。北の海で猛威を振るってたエドラムっつー奴が、ショウに負けてんだよ」
「ふーん」
ショウ以外には興味がないとばかりに、無気力にクイーンは答えた。
「でもショウに負けるってことは、それまでだろ」
「違いねェな!」
鬼ヶ島で噂されているとはつゆ知らず、当の本人は現在、とある男と話をしていた。
「やめとけ……死人が出るぞ」
「……っ、!」
男の醸し出す覇気に、誰もが気取られていた。
「わたしだ」
「おまえかよっ!!!!」
その一言で気が抜けたが。
「わたしの名はクロッカスと言う。どうぞよろしく、ショウくん」
「船長を知ってるのか!?」
「知ってるも何も、ニュース・クーから新聞で見てる。エドラムを殺したそうだな」
「ああ」
「何故だ?」
クロッカスはこちらを見定めるような目でショウを見つめる。
「気に食わなくてな。ああいった支配は俺は嫌いだ」
「そうか……覇気も使えるのか?」
「武装色はほぼ使える。見聞色は練習中だ」
「……キミ、本当に8歳か?」
「失礼な。正真正銘8歳だよ」
呆れたようにクロッカスは笑った。8歳の子供がここまでの貫禄だと言うのならば、今まで見てきた海賊は木っ葉のようなものだったから。
「……
「航海士が持ってる。元海軍本部だったからな」
「そうか……さて」
説明に移ろう。そう言ったクロッカスの方には、全員の顔が向けられていた。
「
自分の位置すらまともに認識できないこの海では、
「だが……それはやがて、ひとつの島に収束する。その最後の島の名は──『ラフテル』。歴史上それを確認したのは、海賊王ゴールド・ロジャーの一団だけだ」
……この話、俺は原作で読んだから一度知っているが……やはり、現実として認識すると浮き足立ってしまう。
(少し、気を引き締めようか)
「そういえば」
「ん?」
ローがクロッカスに聞く。
「あの巨大クジラ、西の海にしか生息してないアイランドクジラだろ?なんでリヴァースマウンテン……それも、西の海から
アイランドクジラについて、初めて知ったクルーもいるだろう。何故ここに居るのか。それは──。
「……そうだな。ここのログが溜まるまで時間もある……このクジラの名は、ラブーン。仲間の帰りを……待っているのだ」