結局、サボテン島*1……ルフィたちが選んだ「最初の島」には行かなかった。何かしら行動を起こして、原作が変わってしまったらいけない。いや、もう変わってるんだけど。今からでもできる限り、麦わらの一味の進行は変えさせない。
「さて、着いたぞ」
ロシナンテが言う。島の名前は「ルコー島」、賞金稼ぎが跋扈する島。どうやら偉大なる航路の最初の島は、どれも賞金稼ぎがうじゃうじゃ居るようだ。意気揚々と出てきた海賊を、ここで一気にカモろうとする。それはやはり、どこの奴でも同じ考えらしい。まあ確かに、懸賞金が1000〜2000万くらいの奴らだったら数で押せるだろうしな。
「ようこそ!」
「よく来たね!ここでのログは1日で溜まるけどさ、1日だけとは言わずに、ゆっくり休んでいきな!」
優しい。表面上は。
「ああ、助かるよ」
その一声で、町の人々はぞっとした表情を浮かべた。
……1億ベリーをその首にかけられた、8歳の少年。たかが子供と舐めていたのか知らないが。
(……近寄らないな)
こいつらは、自分たちでは億越えのルーキーを捕らえられる力がないことを知ってる。賢く手早く、潔いな。
「あんたら賞金稼ぎだろ」
「「!!」」
町人──賞金稼ぎが一気に飛び退く。
「安心しろ、俺はお前らに危害を加えるつもりはない。だが……」
にこりと微笑む。微笑むというよりは、威圧に近いが。
「俺や仲間に攻撃の意思を見せたなら……命は無いと思え」
「は……はい……」
・・・・・
結局食材やらなんやら貰って、船に積み込み……その後は歓迎と称した宴をした。フェリィやロー、フスカらは寝静まった夜に、すやすやと穏やかな寝息を吐いている。
「どうした、ロシナンテ。それにゾートまで」
ゾートというのは、ルコーの町長の名前だ。
わざわざロシナンテについてきたというのなら、余程の理由がある筈だ。
「ログなら明日の朝には溜まるだろう。なぜここに来た?」
「……少し、まずいことになった」
ゾートが口を開く。
「海軍がここに来ている、との情報を得た」
「そうか」
「重要なのはそこじゃない、キャプテン」
「……?」
「中将だよ」
「!」
中将。覇気を十全に扱えることが前提条件として存在する、海軍の実質最高戦力。実質と言ったのは、さらに上の大将が、専ら天竜人の護衛のような立場だからだ。
そして、中将にはあの英雄ガープが居る。……俺が殺したヴェルゴや参謀おつる、この当時だと……サカズキ、クザン、ボルサリーノ……オハラでも、サウロがいたな。
「それは確かな情報だな?」
「ああ。……今来ているのは……」
「サカズキ……絶対的な正義を持つ男だ」