ヒトヒトの実幻獣種 モデル"両面宿儺"   作:ただねこ

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旅立ち

「お前斬られても治せるだろ」

「ならせめて木とかなんかで試してくださいよ!?」

「……それもそうか」

 

焦る必要あるか?覇気を使えばいい話だ。

 

「そこらから持ってきた木だ。斬ってみろ」

「どっからどう見ても大木じゃないですかカイドウさん!?!?」

「いいじゃねぇか!斬ってみろ、ショウ!」

「わかった。……『(ハチ)』」

 

ズバンッ!

 

「おお!」

「こりゃ凄え」

「これでまだ6才か……大したものだ」

 

カイドウたちが感嘆する。

 

「だが、才能だけでやってける程……この世界は甘くねェんだ」

「……カイドウさん?」

「雷鳴八卦」

 

ドォン!!!

 

「ちょ、何やってるんですかカイドウさん!!」

「当ててねェよ。それに……」

「……な……!!」

 

俺は一歩も動かず、そこに立っている。

 

「ウォロロロロ……てめェみたいなバカげた奴が、まだこの海に残ってやがった。正直、ウチに引き入れてえが……」

「断る」

「だよな……わかった、連れてってやる。北の海までだ」

 

先程の雷鳴八卦に驚いて、置いてけぼりのキングたちなど知るかとばかりに、カイドウは話を進める。

 

「ありがとう、カイドウ」

「細けえことはいいんだよ、ショウ。俺はお前に期待してるぜ?」

「はは……将来が怖いな」

「強くなりゃいい話だ」

「……それもそっか」

 

 


 

 

「そら、北の海(ノースブルー)だ」

「…………!!」

 

百獣海賊団の船を、たかが子供のお守りに使うわけにもいかないため、カイドウの背に乗せてもらってここまで来た。というかそんだけ飛べるんだな、カイドウは……いや、鬼ヶ島の時も飛んでたし、そりゃそうか。

 

「ありがとう、カイドウ。……これで、俺は強くなれる」

「おれとしちゃ、お前にはこっちに来てもらいたかったんだがな」

「やだね」

「諦めるっきゃねェか……船は用意したんだろ、乗ってけ」

「ああ!」

 

天気は快晴、実に出港日和だ。波に浸からないよう下ろしてもらい、オールと釣り竿を持って船に飛び乗る。もちろん、コンパスも身につけてる。

 

「んじゃ、おれは帰るぜ」

「うん。……カイドウ」

「あん?」

 

……この言葉は、カイドウをその気にさせるから。あんまり言いたくはなかったけど。

 

「俺は必ず、あんたを倒すよ」

「……!!」

 

龍になっているカイドウは目を見開いて、大笑いした。

 

「ウォロロロロロロ!!いいぜ、いつかお前がワノ国に帰ってきて、おれに挑むと言うのなら……全力でやってやる」

「ああ。……それじゃあ行ってくる」

「……達者でな」

 

そう言って、カイドウは帰っていった。

 

「……よし」

 

ワノ国で少しだけもらった保存食もある。

お腹はすいてないし、エネルギーも万端だ。

 

「さあ行こうか、北の海(ノースブルー)!」

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