ヒトヒトの実幻獣種 モデル"両面宿儺"   作:ただねこ

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珀鉛病の少年

「……!?」

 

(なんだコイツ……!何処からおれとローを嗅ぎつけた!?)

 

こっちを驚いた目で見つめてくる……大体8歳くらいの少年は、おれとローに対して、薄ら笑みを浮かべていた。

 

「……ドンキホーテファミリーだな?」

「!」

「……っ、何の用だ」

「よせロー!」

 

目的は報復か!?なんだ、いつだ!?いや、心当たりがありすぎる……!ファミリーは暴虐を尽くした……。

 

(当然の報い、か)

 

「……その子供、珀鉛病か」

「!」

「……逃げないのか?」

伝染し(うつら)ないのは知ってる」

 

……気味が悪ィ。一体コイツはなんなんだ!?

 

「俺はショウ。旅をしてる。……名を教えてくれ」

「……コラソン。こいつはローだ」

「そうか。……そうか」

 

ショウと言った少年は目を伏せた。何が目的でおれたちに接触をした……?つーかローが"D"!?

 

(ああもう、ワケわかんねェ……!)

 

 

・・・・・

 

 

(よし……よし!!)

 

ロシナンテ……コラソンとローと接触出来た!原作開始から13年前、北の海……この会話から察するに、恐らくオペオペ探しの直前だ。

 

(好都合)

 

「安心してくれ、報復が目的なわけじゃない」

「……!?」

 

嘘をつくことになるが……許せ。

 

「俺の遠い親戚が白い街の人でな。珀鉛病で死んだ」

「「!!」」

「戦争があったから近くに寄ることすら出来なかったが……珀鉛病が伝染するような病じゃないのはわかる」

「……!」

「ローって言ったか。そいつの病気を治す手がかりを探したい」

「なんでおれ……」

 

ロシナンテが考え込む。ローがDの一族ということも相まって、少し頭が追いついてないか?

 

……そもそも、ロシナンテの目的は兄を止めること。俺の誘いに限らず、ローを遠ざけることは好都合だろう。

 

「……わかった。ドフィに伝えてくる。『ローの病気を治してくる』ってな」

「そうか。……ここで待つ。行ってこい」

 

 


 

 

「……おかえり、2人とも」

 

どうやらローはコラソンが「話せる」という事実を密告しに行ったようだが、借りがあったのでやめておいたそうだ。

 

「……親戚が珀鉛病か。そりゃ気の毒に……」

「いい。過ぎたことだからな」

「ったく、本当にガキか?」

「これでもまだ6つでな」

「マジか……」

 

これで、2人と行動が出来る……!!

 

「ほー……しっかりした船だな」

「この島に来るときにも乗ってきた物だ。使えるだろう」

「ああ……感謝するよ」

 

ローが色々と喚いているが、まぁそのあたりは追々だ。いずれ「コラさん」って呼ぶようになる。

 

「まずは医者を探そう」

「は!?」

「……居るのか?」

「"もしかしたら"に賭ける。それでも居なければ……」

「諦めるか?」

「いや……」

 

オペオペの実のことを明かすか?いや、俺が疑われる。ただでさえ嘘をついて付いてきてるんだ……初期の段階でこれ以上はムリだ。

 

「まぁ、一縷の望みがあればな」

「……そうか」

 

 


 

 

「は……珀鉛病……!!」

「もう時間も経った……いい薬は出来てねェのか?先生……」

「……済まないが少年、出身は……」

「……っ、白い街(フレバンス)

「キャーー!!ヤダ伝染(うつ)る〜!!」

 

……まあ、こうなる。

 

「もういい……」

「ロー!」

「ほら見ろおれはもう人間じゃねェ!!」

「……っ」

 

珀鉛病の少年が院内に……ローの事か!!アナウンスも直ぐに流れる……!

 

「帰れホワイトモンスター!!」

「一体ここに何百人の患者が居ると……!!」

「……!!」

「抑えろコーラ!!」

「……!?」

 

(いいか!?コーラは俺が勝手に作ったあだ名だ!今暴力を振るえば俺たちは殆どお尋ね者扱い!!病院なんざすぐに閉め出されるぞ!!)

(……っ、悪い!)

 

「すいません……それじゃあ」

「行くぞロー」

「っ、離せ!」

「いやだ!離さねェ!」

「んで……!!」

 

……こんなことがずっと続くんだ。ローにとっても、ロシナンテにとっても苦痛だろう。

本当に、よく耐えてたよ。この2人は……。

 

(……珀鉛病か)

 

早めにオペオペの実を提示してもいいが……ドフラミンゴからの情報提供を待つしかないか……。

 

(半年後、そしてそこから3週間)

 

半年後にはローの容体も悪化する。

それまでに強くならねえと……!

 

 


 

 

「……結局、見つからなかったな」

「半年かかってこのザマか……!!」

 

ローはぐっすり寝てる。痛みも辛いだろうが……まだ10代だ。人間扱いされないことの精神的苦痛は計り知れない……。

 

「……すまないな」

「ショウのせいじゃねェよ。……ローにも……沢山傷つけちまった」

「……傷?」

 

ここはロシナンテの話を聞き出そう。重要な場面だ。

 

「おれは一度……あいつに刺された事がある。悲劇の街に生まれたガキに……知らず知らずのうちに……同情してた。勝手にな」

「……俺だって怒ってるさ。遠い親戚とはいえ……殺されたんだ」

「ああそうさ……!!しかもローは生き残って苦痛を味わい続けてる……「おれはもう死ぬ」なんて……まだ10代のガキがそんなこと言って……おれはあの時刺されたけど……」

 

 

痛くもなかった……!!痛ェのは……死にてェのは……他でもないローなのに……!!

 

「……それを今更嘆いても……俺たちは足掻くしかないだろ、コラソン」

「……?」

「たとえ希望がなくても……明日が少しでもあいつにとって楽しく在れるように。俺たちは足掻くしかないんだ」

「……そう、だなァ……うう……グスッ」

「泣くなよコラソン。そろそろ寝ておけ」

「……おまえもな」

「ああ。……おやすみ、コラソン」

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