【第2章(賢者の石と緑の目の少女編)スタートにあたっての注意書き】
本作をいつもお読みいただき、本当にありがとうございます。ここからホグワーツへの入学に伴い、タグやあらすじにある
「独自設定」「独自解釈」「捏造設定」の要素が徐々に加速いたします
それに伴い、タグ及びあらすじに、『相互厳しめ』と『独自展開』『ご都合主義』を追加いたしました。
本作は、現実世界のまともな安全基準や倫理観を持ったオリ主の目線から魔法界を書くため、原作の展開やキャラクターの行動に対して、作中で現代の常識に基づいた少しシビアな評価や直接の追及や展開が含まれるようになります。
また、原作の設定や展開から使えると判断したものを、選び、進めています。その為、他作品と似た設定がある可能性がありますが、決して盗作ではありませんので、ご了承頂けますようお願いします。
他にも、原作主人公サイドへの、追及などがありますので、原作の空気感を、そのまま全肯定で楽しみたい方は絶対にこの先には進まないでください。
また、この注意事項を、読まず先に進まれましたとしても責任はとれません。イヤな予感がされた方は、ブラウザバッグをお願い致します。
さらに原作に入りましたので、これより副題をつけることにしました。
以上ご了承頂けましたら、お進みください、どうぞ
今回の視点はオリ主から、後半キャラ視点にかわります。
10話※後半 運命の日
第2章 賢者の石と緑の目の少女 始まり
▷視点、リリローゼ
今日は、7月31日。
何の因果か、原作でハリーがハグリッドに連れられて、初めて魔法界のダイアゴン横丁へと足を運び、学用品の買い物をするあの運命の日だ。
(まさか、すべての始まりの日に、転生者である私がそこに行くことになるなんて……)
今日まで教授は忙しくて、ダイアゴン横丁へ行く時間がどうしても取れなかった。その結果、よりにもよってこの日になってしまったのだ。
(原作小説準拠なのか、それとも映画版準拠なのかは分からないけれど……)
原作通りなら、ハリーとドラコは『マダム・マルキンの洋装店』で初めて出会うことになるはずだ。そして、ハリーにとってスネイプ教授という存在を認識するのは、ホグワーツの大広間の時のはず。
でも、教授は今日、私を連れてダイアゴン横丁へ行く。もしそこでハリーと教授が鉢合わせてしまったら――それは、いきなりの原作改変だ。
(もし、ここで教授とハリーの初対面がダイアゴン横丁で発生しちゃったら、物語にどんな変化が起きるか、それすら分からない……)
現実の歴史だって、ほんの一片の偶発的な接触が、その後の大きな大戦の引き金になったりするものだ。ここで原作改変を最小限に抑えるには、私がハリーの動きを原作知識から予想し、遭遇がないように二人の動線をコントロールする他にない。
「リリローゼ。……仕度はいいか」
居間に現れた教授は、いつも通りの漆黒のローブを纏った陰気なオーラ全開の姿だった。けれど私の姿を見ると、その底のない黒い目が一瞬だけ優しく和らぐ。この6年間で教授の過保護っぷりにはさらに拍車がかかり、私の前では、ただの優しい父親だ。
「うん! いつでも出発できるわ。久しぶりのダイアゴン横丁、とっても楽しみ!」
しっかりと応え、満面の笑顔を向ける。教授は満足そうに深く頷いた。
「以前見た通り、ダイアゴン横丁は人が多い。気をつけなさい、いいな」
「うん、お父さん。気をつけます!」
私が笑顔で返事をして教授にしがみつくと、教授は杖を一振りした。ぐにゃりと世界が歪む、あの『姿現わし』の感覚のあと、パッと視界が開ける。
――そこは、6年前に一度だけ見た、あの活気に満ちたダイアゴン横丁だった。
「わあ……!」
このダイアゴン横丁の壮大さは、何度見ても飽きない(まだ2回目だが)。そして、私はすぐに周囲を警戒する。目を皿のようにして人混みを見回した。
(ハグリッド……ハグリッドはどこ!? あの大男がいたら、その近くにハリーがいるはず……!)
「リリローゼ、まずは『マダム・マルキンの洋装店』で制服を仕立てる。……どうした? そんなにキョロキョロと、落ち着きなく周囲を見回して」
教授が怪訝そうに眉をひそめて私を見る。
「マ、マダム・マルキン……っ」
その名前に、私の背中にひんやりとした冷や汗が流れた。
原作通りなら、あのお店には今、ドラコ・マルフォイが制服を仕立てにきているはずだ。そして、そこにハリー・ポッターがやってくる。実際には時間までは書かれていなかったから確信は持てないけれど、もしそこに、教授とその娘である私が突撃してしまったら――。
(ダメだ、あのお店に教授を連れて入るのは危険すぎる……! そうだ!)
「お父さん、制服の前に教科書とか他の物を揃えちゃおう? 制服の採寸には時間がかかるし、少し時間を置いた方が効率的だと思うの」
「構わん」
教授のその言葉で一安心した私は、さっそく教授と一緒に本屋へと向かうのだった。
▷視点、ハリー・ポッター
「すごいや」
今日、僕はハグリッドに連れられて、ダイアゴン横丁というところに来た。お店に並んでいる商品だけでなく、買い物をしている人も、お店の人も、すべてが気になって仕方がない!
「ドラゴンの肝がこんなに値上がりするなんて! やってられないわ!」
薬屋の店先で、体格のいいおばさんが大声を上げている。フクロウの鳴き声、最新の空飛ぶほうき、様々な色のマントに、きらめく天体望遠鏡。見たこともない道具や、怪しい魔法の材料。山積みの教科書に、羊皮紙、羽根ペン、様々な色の薬瓶。
色々ありすぎて、2つの目じゃとても足りないよ!
「まずは金をとって来んとな」
ハグリッドの言葉に、僕は迷わないようについて行く。周囲の店を見下ろすように建つ、真っ白で巨大な建物――グリンゴッツ魔法銀行。綺麗に磨かれた重厚な金属製の扉の前には、鮮やかな制服に身を包んだ生き物が立っていた。僕の背丈よりも低く、賢そうな顔立ちだが、顎髭の先がツンと尖っている。何より、手足の指が不自然なほど細長くて驚いた。
「あれが小鬼(ゴブリン)だ」
そう言うハグリッドの大きな背中を追いかけて、僕たちは銀行の奥へと進んだ。案内役の小鬼に連れられて乗り込んだのは、地下へと続く深い暗闇を走る小さなトロッコだ。
トロッコのスピードは想像を絶していた。まるでジェットコースターのように激しく急カーブを曲がり、冷たい風が顔を叩く。隣を見ると、あの大きなハグリッドがすっかり顔を青くして座席にしがみついていた。
やがて激しい揺れが収まり、トロッコが停車する。小鬼が小さな鍵で重い扉を開けると――僕は言葉を失った。そこには、僕の亡くなったお父さんとお母さんが遺してくれたという、数え切れないほどの金貨、銀貨、銅貨が山積みになって輝いていたのだ。
(これが全部、僕の物だなんて……夢じゃないよね!?)
胸の高鳴りを抑えきれないまま、僕はハグリッドの手を借りて、持ってきたバッグへ夢中で硬貨を詰め込んだ。その後、今度はハグリッドの用事があるというミステリアスな「713番金庫」へと立ち寄り、僕たちはようやく懐かしい地上へと戻ってきた。
(まず、どこに行けばいいんだろう?)
初めて手にした自分だけの大金。そして、初めての僕のための買い物。
(あのダドリーだって、こんなにたくさんのお金を持ったことはないはずだ……)
ずっしりと重いバッグを抱えて立ち尽くしていると、ハグリッドが僕の肩を優しく叩いた。
「まずは、学校の制服から揃えるのが良さそうだな」
ハグリッドが目線で示した先には、『マダム・マルキンの洋装店』と書かれたお洒落な看板が掲げられていた。けれど、ハグリッドはさっきのトロッコでまだ胃袋がひっくり返りそうなほど参っているらしく、近くの『漏れ鍋』で少しアルコールを引っ掛けてくると言う。
僕は少し緊張しながら、1人で『マダム・マルキンの洋装店』の扉を押し開けた。店内に一歩足を踏み入れると、全身を綺麗なラベンダー色の衣装で包んだ、いかにも優しそうな女性――店主のマダム・マルキンが、満面の笑みで僕を迎えてくれた。
僕はマダム・マルキンに案内されるまま、店の奥へと進んだ。そこでは、すでに僕と同じくらいの年齢の男の子が、踏み台の上で制服の採寸を受けていた。僕もその隣の台に上がったけれど、男の子は僕がホグワーツの新入生だと知るや否や、聞いたこともない魔法界の専門用語を弾丸のように浴びせてくる。
さらには、窓の外で僕を待ってくれているハグリッドを見つけると、召使いだの野蛮人だのと見下すような言葉を吐き捨てた。さっき金庫で大金を手に入れたばかりの僕の興奮は、彼の無神経な言葉によってすっかり冷め切ってしまった。
どんよりとした空気が僕たちの間に流れかけた、その時だった。お店の扉が開き、カランと軽やかな鈴の音が響く。外からの心地よい風を纏いながら、一人の女の子が店内に足を踏み入れてきた。
柔らかいアーモンド型の緑の目を輝かせ、腰のあたりまである綺麗な長い黒髪をなびかせる、まるでお人形さんのように可愛い子だった。その子は、僕や隣の男の子と同じくらい――きっと、ホグワーツの一年生になる年齢だろう。僕は何故か、その子の鮮烈な緑色の瞳から目が離せず、じっと見つめていた。
僕が思わず見とれていると、隣の踏み台にいた白金の髪の男の子が、ハッとしたようにその女の子の方を凝視した。
「……ッ!? 」
男の子の口から、驚いたような声が漏れる。おそらく、この二人は知り合いなんだろう。その女の子は、僕と白金髪の男の子が並んで踏み台に立っているのを見た瞬間、その綺麗な緑色の目を激しく見開いた。まるで世界がひっくり返ったかのような、もの凄い衝撃を受けた顔をして、彼女はその場で固まってしまった。
(……え? 僕の顔に、何かおかしなものでも付いているのかな?)
女の子のあまりのうろたえっぷりに、僕が思わず前髪で額の傷を隠そうとした、まさにその時だった。カラン、とお店のドアの鈴が、もう一度、音を立てて鳴り響いた。
女の子のすぐ後ろから、まるで部屋の明かりを一瞬で吸い尽くしてしまうかのような、圧倒的な影のオーラを纏った長身の男が入ってきたのだ。
夜をそのまま切り取ったかのような、長い漆黒のローブ。闇のように黒い髪に、すっと通った大きな鷲鼻。そして、すべてを拒絶するような底のない黒い目。
その男性が店内に一歩足を踏み入れた瞬間、愛想の良かったマダム・マルキンまでが息を呑み、お店の空気が一瞬で氷点下まで凍りついたのが分かった。
僕の隣にいた男の子は、その黒いローブの男を見るなり、すぐに踏み台の上で背筋をピンと伸ばして恭しく頭を下げた。
「……こんにちは、スネイプ教授」
教授。目の前に現れた恐ろしい黒いローブの男が、ホグワーツの先生なのだと僕は理解した。
(同じホグワーツの先生でも、クィレル先生とは違うな……)
そんな風に考えながら、先ほど『漏れ鍋』で会った、神経質な先生のことを思い出す。そのスネイプ教授という人は、土気色の顔をして、僕の方を冷ややかに一瞥した。
その底のない黒い瞳に、一瞬だけ激しい炎のような感情と、それ以上に言葉にできない複雑な何かが揺らめいたのに、僕は気づいた。
教授はすぐに僕から視線を外すと、先ほど入ってきた黒髪の女の子の小さな肩をそっと抱き寄せ、自分の大きな漆黒のローブの陰に隠すようにして庇った。
「……マルフォイ」
地を這うような、滑らかで冷酷なバリトンボイス。そのスネイプ教授の姿と、なぜか僕の顔を見て、今にも泣き出しそうな顔をしている女の子。ダイアゴン横丁での僕の初めてのお買い物は、予想もしなかった奇妙な緊張感に包まれようとしていた。
今回は前書きにある注意にあたる描写はありませんが、
少しずつ、描写していきます。
二次創作小説の執筆にあたりおきた、
執筆中の展開の変化なので、
タグやあらすじの変化と前書きで注意させて頂きました。
原作の描写が多くありますが、
原作や映画でこっちのほうがいいと感じた方を
採用致しますので
どちら準拠とかはありません。
それでは次回もよろしくお願いします。
ありがとうございました。
修正しました。(2)