賢者の石と緑の目の少女編での、注意事項を
10話の前書きに、のせております。
そちらの注意事項を、よくお読み頂いてから
先へとお進みください。
厳しめ、原作改変、独自設定、独自解釈、独自展開など
多数です。
その為、何でもあり、大丈夫、な方のみ
お進みください。
それではどうぞ!
今回の視点は、前半キャラ視点からオリ主視点へ切替わります。
▷視点、ハリー・ポッター
その日、僕は途方に暮れていた。昨日、僕はバーノンおじさんとペチュニアおばさんに、明日キングズ・クロス駅に連れて行ってほしいと頼んだ。
そしたら「魔法学校に行くのに列車なんて。空飛ぶ絨毯はないのか?」とか「その学校はどこにあるんだ?」とか、さんざん皮肉を言われた。よく分からないけれど「9と4分の3番線から汽車に乗るよう言われた」とチケットを見せて伝えたら、おじさんとおばさんは目を丸くして驚いたあと、「そんなプラットフォームがある訳がない」と馬鹿にされた。
それでも、元々ロンドンに行く予定があったらしく、僕を連れて行ってくれることになった。
(ロンドンに行く本当の理由が、ハグリッドがダドリーに生やしたブタの尻尾を取るためだったらしいけど)
何はともあれ、今日はおじさんたちの車でキングズ・クロス駅まで連れてきてもらった。さらに、おじさんは駅の中まで僕の大きなトランクをカートに放り込んで、運んでくれたんだ。
(今思えば、なんか親切過ぎると思ったんだよな……)
案の定、おじさんは9番線と10番線のプラットフォームの前で足を止めると、意地の悪い笑顔を浮かべた。おじさんの言う通り、9と10と書かれた札の間には、ただのレンガの壁があるだけで何もなかった。
「新学期を楽しむことだな」
おじさんは声を上げて笑うと、僕を一人残したまま行ってしまった。駅員に尋ねても、「ホグワーツなんて聞いたことがない」と言われたりどの辺りにあるのかと尋ねられても、僕には何も答えられない。
とうとう駅員は「時間の無駄だ」と言いながら行ってしまった。時計を見上げると、ホグワーツ行きの列車が出るまであと10分しかない。焦っていると、僕の後ろを通り抜けていった一団が「マグルで混み合ってるわねぇ」と言っているのが聞こえ、僕は急いで振り返った。
ふっくらとしたおばさんが、赤毛の男の子数人と女の子を連れて、僕と同じようなカートを押して歩いている。そこには、フクロウの籠もあった。その一団のあとを必死についていく。プラットフォームの番号を確認したりしながら、何やら話していた彼らのうち、一番年上らしい男の子が9番線と10番線のプラットフォームに向かって歩いて行った。
すれ違った旅行者の群れが通り過ぎて姿が消えた時には、その男の子の姿も消えていた。そんな不思議なことがそのあとも続き、僕は意を決してふっくらとしたおばさんに話しかけた。すると、そのおばさんはとても親切に色々なことを教えてくれたんだ。
僕はそのおばさんの言う通り、恐怖を我慢しながら、9番線と10番線の間にあるレンガの柱へと全力で駆け抜けた。
――ぶつかる、と思って思わず目を瞑った、次の瞬間だった。僕の耳を包み込んだのは、大勢の人の賑やかなざわめきと、もうもうと吹き出す白い蒸気の音だった。視界を開けると、鮮やかな真紅のボディーをした「ホグワーツ特急」の姿が目の前にあり、それはとても壮観だった。
「うわあ……っ」
レンガの柱を通り抜けた先には、普通の駅とはまるで違う、まるでおとぎ話のような世界が広がっていた。
トランクを抱えた生徒たち、見送りに来た魔女や魔法使いの保護者たち。飛び交うフクロウの鳴き声。本当に、魔法のプラットフォームがあったんだ。僕が呆然と立ち尽くしていると、さっきの赤毛の家族の男の子たち――双子の子たちが、僕の重いトランクを親切に列車の隅へ積み込むのを手伝ってくれた。その時に、不意に前髪の隙間から覗く傷跡を見られてしまう。
「君、もしかして……」
と驚かれてしまい、僕は『マダム・マルキンの洋装店』でのあの女の子のことを思い出した。少し気まずくなって、僕は慌ててお礼を言うと、逃げるように列車の中へと乗り込んだ。
列車の中は、すでにたくさんの生徒たちでごった返していた。
廊下を歩いていると、コンパートメントのあちこちの窓から、楽しげな話し声や不思議な魔法のおもちゃの音が聞こえてくる。
(どこか、僕みたいな人間が、静かに座れる場所はないかな……)
ハグリッドや『漏れ鍋』で出会った人たちの反応。そして、先ほど思い出した『マダム・マルキンの洋装店』で僕の顔を見て激しく困惑していた、あの女の子のこと。
(同じホグワーツなら、また会えるかな? そしたら、なんで僕の顔を見てあんなに困ったような、悲しい顔をしたのか聞いてみたいな)
それに、あの子の目は僕と同じ鮮やかな緑の目だった。それがなんだか無性に嬉しかったし、できればあの子と仲良くなりたい。
それに、あの子を庇うように立っていた、あのスネイプ教授という人の複雑な視線の意味も気になった。怒っているのか、それとも今にも泣き出しそうなのか、僕には分からない目だったんだ。ダイアゴン横丁で出会った親娘のことを考えながら、僕はトランクを引きずり、列車のいちばん後ろの方――後方車両へと向かった。
廊下を進んでいくと、後方の車両は前の方に比べてぐっと静かになり、空いているコンパートメントがいくつか目に入ってきた。
僕は、そのうちの一つのドアに手をかけた。ガラス扉をガラガラと横にスライドさせて中に入ろうとした、まさにその時。
座席に深く腰掛けて、窓の外を眺めている、一人の女の子の姿が目に飛び込んできた。艶やかな、長い黒髪。
その顔を見た瞬間、さっきまで僕が思い浮かべていた女の子の面影と、目の前にいる女の子の姿が重なった。
(あ……。マダム・マルキンの店と、オリバンダーの店にいた、あの可愛い女の子だ)
ダイアゴン横丁で二度もすれ違い、あの恐ろしい黒いローブの教授に大切そうに隠されていた、あの時の緑の目の女の子がそこに座っていたのだ。会いたいな、と考えていた矢先にまた会えた。
ドアを開けた僕の気配に気づいたのだろう。窓の外を見ていた彼女がゆっくりとこちらを振り返り――その鮮やかな、ガラスのように綺麗な緑色の目が、僕の姿を真っ直ぐに捉えた。その瞬間、女の子はダイアゴン横丁で会った時と同じように、その緑の目を大きく見開いてフリーズしてしまった。
▷視点、リリローゼ
(困ったわね……まさか、即座にフラグ回収になるなんて)
今、私の目の前には、後方のコンパートメントまで来ることはないだろうと考えていた原作主人公――ハリー・ポッターが立っている。正直それなりにショックだけれど、いつまでも通路に立たせておくわけにはいかない。
「いつまで立っているの? そっちの席、空いているから座って大丈夫よ」
一瞬フリーズしたのをどうにか隠し、努めて自然に話しかける。すると、ハリーは少し困惑した顔をしながらもトランクを片付け、私の向かいの席に腰掛けた。
「あの、僕、ハリー・ポッターっていうんだ。この間、ダイアゴン横丁で会ったよね? 覚えてる?」
「ええ、もちろん覚えているわ。私、そんなに物覚えは悪くないもの。私はリリローゼ。リリローゼ・スネイプよ。よろしくね」
私が名乗りを返した、まさにその時だった。汽笛の音と共に、ガタゴトとホグワーツ特急がゆっくりと動き出した。窓の外を覗くと、列車はどんどん「9と4分の3番線」のホームを離れ、マグルのロンドンの家々が飛ぶように後ろへと過ぎ去っていく。コンパートメントに視線を戻して向かいのハリーを見ると、彼はなんだかとても嬉しそうな顔をしていた。
(まあね、今までダーズリー家という鬱屈した環境に閉じ込められていたところから、ついに自分の知らない魔法の世界へ旅立つんだから、嬉しくて当たり前か……)
原作不干渉のためにあまり深く関わりたくはないけれど、下手に負の感情を持たれるよりは仲良くしておいた方がマシだ。私は少し微笑みながら提案した。
「ねぇ、あなたも今年からホグワーツの一年生? 私もだから同い年よね。私のことは、リリローゼでもローゼでも好きに呼んで?」
そう告げると、ハリーはパッと顔を輝かせた。
「本当に? なら、ローゼって呼ぶね! 僕のことはハリーでいいよ」
(――ハ、ハリー、ですって……!?)
途端に私のオタク脳が激しく震え出す。外面はどうにか澄ました顔をキープしているけれど、内心は大パニックだ。なんといってもあの原作主人公を呼び捨てにできるなんて、オタク冥利に尽きるわ……!
そんな風に自己紹介をしていると、コンパートメントのガラス扉がガラガラと開き、一人の赤毛の男の子が入ってきた。
「ここ、空いてる? 他の場所はどこも満員なんだ」
鼻の頭にうっすらと黒い汚れをつけた、ひょろりと背の高い赤毛の少年 。間違いない、ロン・ウィーズリーだ。
(――ひえええええ!! ロンまで来ちゃったよ! 黄金の三人組のうち二人がこの部屋に集結するなんて、どこが『人の少なそうな後方車両』なのよ、私のバカーー!!)
脳内で悲鳴を上げてのたうち回ったけれど、私は必死で頭を動かし、外面のポーカーフェイスを維持した。
「ええ、どうぞ。そこが空いているわ」
私が努めて微笑みながら答えると、ロンはほっとしたように、ハリーの隣の席へと滑り込んできた。
「僕はロン。ロン・ウィーズリーだよ」
「僕はハリー。ハリー・ポッター」
ロンが人懐っこく自己紹介をすると、ハリーも少し気恥ずかしそうに名乗った。その瞬間、ロンの目がこれまでにないほど真ん丸に見開かれる 。
「本当に!? じゃあ、例の……あの傷もあるの?」
原作通りの、あの「ハリー・ポッター狂騒曲」が、ついに私の目の前で幕を開けた。
ハリーが少し複雑そうな顔で前髪をかき上げ、あの稲妻型の傷跡を見せると、ロンは「すげえや!」と興奮を隠せない様子だった 。一通りハリーの傷に感動したあと、ロンの視線が、向かい側に座る私へと向けられた。
「そっちの女の子は?」
ドクン、と私の心臓が緊張で跳ね上がる。ウィーズリー家といえば、生粋のグリフィンドール家系だ。そして教授とは、いずれ『不死鳥の騎士団』の同僚になる予定とはいえ、現時点では犬猿の仲というか、教授が最も嫌悪する「陽キャの塊」のような家族だ。
もしここで私が「スネイプ」という姓を名乗ったら、ロンは一体どんな反応をするだろう。私は少し思考を巡らせたものの、隠したところでどうせホグワーツに着けばすぐに分かることだと考え直し、ハリーの時と同じように、笑みを浮かべて口を開いた。
「初めまして、ミスター・ウィーズリー。私はリリローゼ・スネイプよ。リリローゼでもローゼでも、好きに呼んでね」
私がハッキリと名乗った瞬間、ロンの赤毛の眉がピクリと跳ね上がった。
「……スネイプ? もしかして、あのスリザリン寮監の……?」
運命のホグワーツ特急の車内。ハリーと、ロン、そして私。
避けたはずのメインストーリーの渦中に完全に巻き込まれながら、私のスリリングな学校生活は、発車早々、とんでもない緊張感と共に幕を開けるのだった。
前半ハリー、後半オリ主視点です。
このオリ主スネイプ教授が最推しなので
教授の前だといい娘ですが、
他キャラの前だと、それなりにいい性格してます。
ちょこちょこ微毒舌入ってますが、
嫌いだったり、壁を作りたい相手には
敬語を崩しませんので
分かりやすいと思います。
それでは次回もお待ち頂けますと嬉しいです。
失礼します。
修正しました。(2)