賢者の石と緑の目の少女編での、注意事項を
10話の前書きに、のせております。
そちらの注意事項を、よくお読み頂いてから
先へとお進みください。
厳しめ、原作改変、独自設定、独自解釈、独自展開など
多数です。
その為、何でもあり、大丈夫、な方のみ
お進みください。
それではどうぞ!
▷視点、リリローゼ
ホグワーツ特急が闇に包まれたプラットフォームへと
入り込み止まる。
人混みの中、皆について外へ出ると
そこにはダイアゴン横丁で見かけた大男がいた。
「イッチ年生!こっちだ!」
ハグリッドについて少し歩き、角を曲がると
大きな黒い湖のほとりに出た。
向こう岸に高い山が見え
荘厳な城がライトアップされている。
(映画で見た通り、キレイ)
ボートに乗って船着場に着き、
階段を登った先には
エメラルド色のローブを着た背の高い黒髪の魔女
マクゴナガル先生だ。
ぱっと見るのでは確かに怖い
けれど私は知っている。
最終決戦でヴォルデモート卿から
ハリーの死を聞かされ
城中に響くように悲鳴をあげるほど
生徒思いだということを、
マクゴナガル先生から簡単に説明が入り、
先生が扉の先にいった。
重厚な木製の扉が閉まり、
残された一年生たちの間に、
張り詰めたような緊張感とざわめきが広がる。
「……どうやって組み分けされるんだろう?
トロールと戦わされるんじゃないかって、
フレッドが言ってたんだ」
ロンが顔を真っ青にしながら、
ハリーの隣でぶつぶつと不吉な冗談を呟いている。
ハリーも不安そうに周囲を見回していた。
(トロールだなんて、ウィーズリー家の双子の
お決まりのガセネタなのにね。
……でも、人前に出る以上、緊張感は抑えられない)
ぎゅっと胸の前で、手を組み待機する。
いよいよ、大広間の扉が開けば
「組み分けの儀式」が始まる。
教職員席には、
すでにスネイプ教授が
座っているはずだ。
今朝分かれたばかりでもう、すでに恋しい。
学校では『スネイプ教授』って呼ぶねと約束した時の、
あの少し寂しそうだった教授の顔が頭を過る。
(教授は、私がスリザリンに入ることを
期待しているのかな……)
スリザリンの寮監の娘だ。
もし私が別の寮に組み分けされたら、
教授はショックを受けてしまうかもしれない。
その時、私のすぐ近くの壁から、
悲鳴を上げたくなるような冷気が吹き抜けた。
石壁をすり抜けて現れたのは、
乳白色の半透明な体をした、
何人もの「ゴースト」たちだ。
「わあ……っ!」
周りの生徒たちが驚いて声を上げる。
本物のゴーストたちの登場に、私のオタク脳が
(ほとんど首無しニックだ! 太った修道士だ!)
と再び大はしゃぎを始めた、まさにその時。
目の前の重厚な扉が、再び静かに開いた。
戻ってきたマクゴナガル先生が、
厳格な仕草で私たちを見つめる。
「さあ、準備ができました。全員、
二列に並んで私に続きなさい」
ついに、運命の幕が上がる。
私は小さく深呼吸をすると、
ハリーやロンたちのあとに並び、新入生が入室して行く。
そこは映画で見た通りの光景が
広がっていた。
室内なのに、夜空が広がり、
ロウソクが何千も空中に浮かび、
4つの長テーブルを照らす。
上座には教授を含めた先生達がいた。
教授の方を向くも、
すぐに先生達に背を向けて並ばされる。
マクゴナガル先生が、
スツールと魔法使いがかぶる、とんがり帽子を置いた。
(組み分け帽子だ!)
内心興奮していると
『私はきれいじゃないけれど』
組み分け帽子のオンステージだ!
別にいいけど
スリザリンだけ遠回しに貶してないか?
帽子の歌が終わると、
マクゴナガル先生が
長い羊皮紙の巻紙を手に進み出て
組み分けについて、説明してくれる。
それからどんどん新入生が呼ばれていく
「グレンジャー・ハーマイオニー」
『グリフィンドール!』
そのあと、ネビル、ドラコと呼ばれ
ドラコに至っては帽子が頭に触れたかどうか?で
『スリザリン!』
ドラコは、満足げにスリザリンのテーブルへと向かった。
「ポッター・ハリー」
ハリーが呼ばれると広間中が一瞬静かになり、
ひそひそ声がする。
原作通り少し間をおいて、
『グリフィンドール!』
良かった、
映画では、ロンにスリザリンの噂を
吹き込まれたから、嫌がったはず、
この世界では映画と原作が合わさっているようだ
そんな風に色々考えながら転生特典の開心術の拒否を
緩めるように意識をする
そしてついに、
「スネイプ・リリローゼ」
私が呼ばれ、一歩踏み出す、その途端、
上級生を中心に静まったと思ったら、
ひそひそ、ささやき声がした。
声は聞こえないが、教授に娘がいるなど、
誰も思わなかったのだろう。
私がスツールに腰掛けると、
『ほう、これは面白い、
勇気もあるし、頭も悪くないし、公平だ、
状況を見て臨機応変にも、動ける』
私は驚いた。教授の娘だし
問答無用でスリザリンかと思ってた。
『ふむ、どこの寮でもやっていけそうだ。
どこか 希望はあるかね?』
(選べるのなら、お父さんと同じスリザリンがいいです。)
『ふむ、分かった。スリザリン!』
笑顔になった私は
スリザリンの長テーブルへと走った。
「よくやったぞ、ミス、スネイプ!」
「スネイプ教授の娘さんなら、当然スリザリンだな!」
緑と銀のネクタイを締めた上級生たちが、
盛大な拍手と歓声で私を迎え入れてくれる。
先に組み分けを終えて席についていたドラコも、
マルフォイ家らしいおすまし顔で
小さく私に拍手を送ってくれていた。
歓迎の嵐に包まれながら
長テーブルの空いている席へと腰掛け、
私は興奮で上気する頬を押さえながら、
上座の教職員席へとそっと視線を向けた。
――教授。
そこには、いつも通り漆黒のローブを纏い、
憮然とした厳しい表情のまま、
背筋をピンと伸ばして座っている私のお父さん
――セブルス・スネイプ教授の姿があった。
遠目から見れば、
相変わらず冷酷で近づきがたいスリザリンの
寮監そのものだ。
だけど、私の真っ直ぐな視線に気づいた教授の
底のない黒い目が、ほんの一瞬だけ、
本当に他人には絶対に気付かないレベルで、
ひどく優しく愛おしそうに和らいだのを、
私の目が逃すはずはなかった。
(あ、今教授、すっごくホッとした顔をしたよね!?
やっぱり私の組み分け、
内心めちゃくちゃ緊張して見守っててくれたんだわ……!)
その不器用な優しさが愛おしくて、
私はとても嬉しかった。
その後、ロンの「グリフィンドール!」の決定を見届け、
アルバス・ダンブルドア校長の「謎の短いスピーチ」が
終わると、目の前のテーブルの上に、
信じられないほど豪華なご馳走が一斉に姿を現した。
賑やかにナイフとフォークを動かすスリザリン生たちの
輪の中で、
私は手元に用意されたジュースのゴブレットを
そっと手に取った。
ハリーもロンも、無事にグリフィンドールへ行った。
ドラコも予定通りスリザリンだ。
私は教授が寮監を務める、
スリザリンの所属を勝ち取った。
(よし、ここからが本番よ。
スリザリンの寮生として、
教授の近くで完璧に立ち回らないと)
私はゴブレットの甘いジュースを一口喉に流し込み、
美味しいローストビーフに手を伸ばしながら、考えていた。
食事を進めていると途中でドラコの隣に
スリザリンのゴースト、
血みどろ男爵、がいるのに気づく、
虚ろな目、げっそりした顔、銀色の血でべっとりな服、
(正直、血だらけの人(ゴーストとは言え)の横で
楽しく食事なんて出来ないだろう)
私は少し、ドラコに同情した。
すると、上級生を中心に私に声をかけてくる。
「やあ、ミス、スネイプ、しっかり食べてるかい?」
「えぇ、美味しく頂いてます。」
「それは良かった、・・・ところで失礼だが、
スネイプということは、
スネイプ教授は君のお父さんかい?」
まあ、その質問はくるだろうと思ってた。
「えぇ、私の父は魔法薬学教授の
セブルス・スネイプです。
いつも父がお世話になっております。」
私の態度によっては、
教授の評判も、悪くなるだろうから、
いい笑顔で挨拶する。
「いや、お世話になってるのは、僕らの方だよ。
確かに外見はよく似てるけど・・・」
何やら、言いづらそうだ。
そのあとも、色々質問されて、答えていると、
テーブルの上の食事はなくなり、
デザートで、溢れていた。
私が大好物のチョコレートの入った
アイスを食べていると
「やぁ、ミス、スネイプ、先程はどうも、」
「えぇ、ミスターマルフォイ、
同じ寮になれて嬉しいです。
よろしくお願いしますね。」
そう挨拶するとドラコは、隣の席に座り、
自分の父親と私の父親が友人であり、
付き合いも長いこと、などなど話してくれた。
私は、話を合わせつつ、
デザートを食べながら、時折教員席を見ると、
教授はクィレルと不機嫌そうに話していた。
(確か原作ではこの時、
ハリーは初めて教授を認識するのよね?)
でもこの世界では、
ダイアゴン横丁のマダム・マルキンの店で、
遭遇しているし、
私がホグワーツ特急で色々話しているから、
そこまで印象は、悪くないと思いたい。
チラッとグリフィンドールのテーブルを見ると、
ハリーは額を手でおおっていた。
(クィレル教授の後頭部にいる、
ヴォルデモート卿のせいで、額のキズが痛むのね。)
可哀想だけど、キズの痛みに私は何も出来ない。
そんなことを考えながら、デザートを食べ終えた頃、
デザートも消えていた。
「えー、――全員よく食べ、
よく飲んだことじゃろうから、
またいくつか、
新学期を迎えるにあたり。お知らせじゃ、」
ダンブルドア校長から、いくつか説明がある。
禁じられた森に、入らないようにと言いながら
ウィーズリー家の双子を見たり、
授業の合間の、魔法についてや、
クィディッチについて、
最後に、
「最後に、危険な思いをしないため、
今年度いっぱい4階の右側の廊下は立ち入り禁止です」
賢者の石が隠されてるから、だと、
おそらく、ダンブルドア校長と教職員以外では
その事を知ってるのは原作知識のある私だけだろう。
その後、みなバラバラのリズムで、校歌を歌い、
ダンブルドア校長の言葉で解散になった。
「さあ、一年生! 僕に続いて。はぐれるんじゃないぞ」
スリザリンの監督生の合図で、
私たちは一斉に長テーブルから立ち上がった。
大広間の喧騒をあとに、きらびやかな階段を下りて、
どんどん城の奥へ――教授の管轄であり、
これから7年間を過ごす我が家となる、
地下牢へと、向かって歩みを進める。
周りの壁には冷たい石造りが広がり、
松明の緑色の炎が揺らめいている。
グリフィンドールやハッフルパフの生徒たちなら
「不気味だ」と怖がるかもしれないけれど、
スピナーズ・エンドの薄暗い地下室や居間で育った
私にとっては、
どこか懐かしくて落ち着く懐かしい空気だった。
(はぁ……、やっと長い1日が終わるわ。
早く休みたいし、
教授やミリスと会いたいな)
湿った石壁の前で監督生が合言葉を唱えると、
隠し扉がゴゴゴと音を立てて開き、
その奥に緑色の光に照らされた、
精緻で豪華なスリザリンの談話室が姿を現した。
談話室の暖炉の前に、一年生たちが静かに並べられる。
するとその時、パサァッ……と、
夜の闇をそのまま切り取ったような
漆黒のローブを大きくはためかせ、
教授が静まり返った談話室へと足を踏み入れてきた。
すっと通ったシャープな高い鼻筋、
すべてを拒絶するような圧倒的な陰のオーラ。
――私の父であるけれど、今はホグワーツの教員であり、
スリザリンの寮監、セブルス・スネイプ教授だ。
教授は一年生たちの前に立つと、
冷酷で底のない黒い目で全員を鋭く見下ろした。
そのあまりの威圧感に、
隣にいた他の新入生たちがびくりと肩を震わせる。
教授の視線が、
最後に列の真ん中にいる
私の姿を真っ直ぐに捉えた。
表向きは、一分の隙もない厳格で
恐ろしいスリザリンの寮監の顔だ。
だけど、私の目と視線がぶつかった瞬間、
教授の黒い目の奥が、安堵したように揺れたのを、
私は見逃さなかった。
(教授、今朝分かれたばかりなのに、
ようやく会えたと思ってしまう。
スリザリンにこれて本当に良かった)
私は心の中でそう呟きながら、
教授の仕事用の格好いい姿を密かに拝みつつ、
笑顔を向けた。
私のホグワーツでの初めての夜が、
静かに更けていくのだった。
ようやく、組み分け儀式が終わりです。
思ったより、長くなりました。
原作だとようやく7章が終わったところですね。
それでは次回もお待ち頂けましたら幸いです。
失礼します。